~一刀side
目の前に広がる光景
村が火に飲まれ、何かが焼ける匂いが鼻をつく
よく見ると多くの人が倒れ死んでいる
一刀「子供たちが・・・」
生き残っている人はいない。
大人も子供も全員殺されていた。
一刀「ぁぁぁあ・・・」
桃香「ご主人様・・・」
桃香は優しく手を握ってくれる
一刀「俺達が・・・もっと早く・・・」
俺の手はなんて小さいのだろうか。
俺はこんな小さな子達を守ってやることすらできない。
憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い・・・・・・・っ!!!!
守る事のできなかった自分自身が。
このような事をした奴らが。
頭の中がグチャグチャになる。
俺は俺は・・・・
一刀「ぁぁああああっ・・・!!」
愛紗「ご主人様・・・」
鈴々「お兄ちゃん・・・」
ぐるぐると頭の中で何かが高速回転する
頭にあるもの全てが粉々になっていく・・・そんな気がした。
そして最後に頭の中に残ったもの・・・
それは、純粋な怒りのみ
初めて我を失った瞬間であった
~遡る事数時間前・・・
兵達にも実力や自信がついてきたと判断した白蓮さんはついに賊討伐を決定した。
桃香「いよいよだね・・・」
一刀「そうだね。・・・大丈夫、きっと成功するよ」
不安そうな顔をする桃香の頭を優しく撫でてあげる
桃香「う、うん!そうだよね♪えへへ~」
こうして俺達は賊討伐のため出発をした。のだが
敵の本拠地へと向かう途中で煙が上がる村を見つける
住民達を助けるため一刀達は急いでその村へ向かったが・・・
すでに村人は全員息絶えていた
死んだ人間を見るのは初めてじゃない。
だが、村が火に飲まれる光景。小さな子供達が血まみれで死んでいる姿・・・
それは一刀にとって衝撃的だった
―――――――――――――――――――――――――――――――――――
一刀「・・・」
身を焼くような殺意。
いままでこれほど人を憎んだ事があっただろうか?
殺意、憎悪が俺を支配する・・・
白蓮「北郷?」
心配してか白蓮さんが俺に声をかけてくれる
一刀「大丈夫。白蓮さん、先を急ごう」
白蓮「あ、あぁ。でも少し休んだ方が・・・」
白蓮さんは何を言っているんだ?
一刀「・・・そんな事してたら奴らが逃げるかもしれないだろ」
白蓮「っ!?そ、そうだな。悪いすぐに準備する!」
白蓮「・・・(本当にあれは北郷か?あの優しい?生まれて初めてだ。ここまで恐怖に駆られたのは・・・)」
震える自分の手を押さえながら白蓮は再び進行を開始した
~桃香side
私はさっきのご主人様を思い出す
いつも笑顔が溢れている顔には表情がなくて、優しい目はとても怖くて冷たかった・・・
怖い。
きっとそう感じているのは私だけじゃない
愛紗ちゃんと鈴々ちゃんだって不安そうな顔をしている。
白蓮ちゃんもビクビクしてるし、星ちゃんは普通に振る舞ってはいるけどいつもより表情が固い、兵隊さん達だって・・・
いつでも周りを笑顔に変えてくれるご主人様。
もしかしたらそんなご主人様が消えてしまうかもしれない。
その事は私達にとって不安であり、恐怖だった
そんなの嫌っ!!
心の中でそう叫ぶ。
ご主人様がしてくれるように私が、私達がご主人様を支えてあげなきゃいけない!守ってあげなきゃいけない!!
愛紗ちゃんや鈴々ちゃん達みたいに私は強くないから守るなんて事はできないけど・・・
だけど、ご主人様が苦しんでる時や悩んでる時ならきっと力になってあげたい・・・守ってあげたい。そう思っていたのに・・・
声が出ないの・・・
身体が動かないの・・・
身体が震えるの・・・
ご主人様のことが・・・怖い・・・
なんで?なんで大好きなご主人様がこんなに怖いの?
こんな自分が情けない。
結局、ご主人様に声かける事ができずに本拠地周辺まで着いてしまった
桃香「あっ・・・」
ご主人様が私から離れていく
それを私は見ているだけ。
ご主人様が変わってしまうかもしれないのをただ見るだけ
私が弱いから・・・
私が諦めそうになった時
運命「一刀」
運命ちゃんがご主人様に話しかけたのだ
運命ちゃんの横には左慈ちゃんと于吉ちゃんもいる
一刀「・・・なに?」
運命「ちぇりょー!」ゴスッ!!
一刀「ごはっ!?」
桃香「えぇぇっ!?」
そしていきなりご主人様のお腹をいつも持っている分厚い本で殴った
一刀「さ、運命ぇ・・・」
桃香「ご主人様大丈夫っ!?」
運命「・・・峰打ちだ」
于吉「それなら安心ですね♪」
桃香「え、でも本に峰なんて・・・」
左慈「馬鹿共は置いといて・・・一刀、少しは落ち着いたか?」
左慈ちゃんは私達の会話を無視してご主人様に話しかける
うぅ・・・馬鹿って言われちゃった・・・
一刀「俺はさっきから冷静だ・・・」
于吉「ふふふ~、嘘ですね。一刀君、今にも人を殺しそうな顔してますよ?」
一刀「・・・」
左慈「俺はその顔の一刀も好きなんだが、苦手な奴のほうが多いからな」
そう言って私の方を見る
運命「桃香、一刀の雰囲気に飲まれちゃだめ」
運命ちゃんは私の耳元でそう囁いた
桃香「それって・・・」
運命「言いたい事あるんでしょ?一刀に」
・・・もしかして運命ちゃん達は私のためにこんな事を?
運命ちゃん達のおかげでピリピリとしていた空気も、ご主人様に感じていた恐怖心も少しは薄れた。
ご主人様と話すのなら今しかない!!
桃香「ご主人様!!」
~一刀side
落ち着け?
なにを言っているんだ、俺はこんなにも冷静なのに。
怖い?
俺は今そんなに怖い顔をしているのか?
桃香「ご主人様!!」
そんな事を考えていると桃香が俺の名前を呼んだ
一刀「今度はなんd『守るから!私がご主人様を守るから!!』・・・桃香?」
桃香「ご主人様が悲しい時、苦しい時・・・私が守るから・・・支えるから・・・」
「だから優しいご主人様に戻ってよっ!!もうこんなご主人様は見たくないよぉ・・・」
一刀「っ!!!」
桃香「はぁ・・・はぁ・・・」
桃香は目に涙を浮かべ、そして震えていた
それを見た瞬間。身体を支配していた熱が一気に引いた
運命「僕は何があろうとも一刀の傍にいて一刀を支える。なら一刀のすることは・・・わかるよね?」
運命の問いにあの日出来事が頭の中で再生された
満月の夜。
二人きりで交わした誓い・・・
一刀「例えなにがあろうとも俺は大切な人達を守ろう・・・」
震えて今にも泣きそうな桃香
俺は馬鹿か・・・大切な人を泣かせて何が守るだ・・・
しっかりしろよ北郷一刀っ!!お前が守るって決めたんだろうが!!!
一刀「桃香・・・ごめんな」
優しく頭を撫でながら言う
桃香「ご主人様ぁ~!!」
飛びつく桃香を俺は優しく抱きとめた
これで話が終わればどれだけいいか・・・
俺はまだ言わなきゃいけない事がある
一刀「・・・桃香、聞いてほしい事がある」
桃香「・・・」
桃香は俺の胸に顔を埋めたまま
一刀「俺は村をあのようにした奴らを許す事ができない」
運命達のおかげで冷静さは取り戻せた。
だからこそ、冷静になった俺はあの行いを許す事が出来ない
今も残るこの怒り。
一刀「だから俺・・・」
また彼女達を悲しませるかもしれない、苦しませるかもしれない・・・
だけどこれだけは止める事は出来ない
なぜなら・・・
「―――あいつらを殺す―――」
なぜならこれは俺が初めて自分の意志で人を殺すと決めた事だから
続く~
ちわです、コイケヤです。
お久しぶりです。夏休みもあと少しになり泣きそうなコイケヤです
今回は自分で書いといてなんか内容が詰まってないです・・・
楽し過ぎですよね・・・すみません。
戦闘とかシリアス?の部分は書きにくいです。早く終わらせたいなぁ~
感想、意見要望など気軽にお書きください
コイケヤに質問とかあったら気軽にどうぞ~!!
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ちわです、コイケヤです。
もう夕方だというのに暑いな・・・
蝉が鳴いている・・・
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