「ふむふむ・・・・・ぐぅ・・・・・おぉ?」
「ど、どうした風?」
細作から書状を受けた風はずっとあんな感じ
どうしたんだろ?
「・・・・・お兄さん」
「う、うん」
「待ちに待った時が来たのです。稟ちゃんと霞ちゃんがやってくれました」
「稟と霞が?」
「はい、建業に奇襲をかけた稟ちゃんたちは雪蓮さんと冥琳さんの伏兵にあったようですね」
「それってまずいんじゃ」
「ですが、皆さん和解に成功したようです。その後、霞ちゃんと雪蓮さんはそれぞれ兵を率い
蓮華ちゃんを救うため合肥を囲む晋へ奇襲をかけたみたいですね~」
「霞と雪蓮が・・・・・そりゃ晋が気の毒になるな」
「お二人の奇襲は大成功、晋に大きな動揺を与えました。
それを見た蓮華ちゃんは孫呉の大号令を発したそうです
これで、呉と晋の同盟は決裂。合肥は大激戦になっているようなのです」
呉が晋との同盟を解消した
それを聞いたら全身から力が抜けて・・・・
「よかった・・・・・本当によかった」
気づいたらその場に腰から座り込んでいた
「奇襲に成功したものの多勢に無勢は変わりません。呉にとって厳しい戦いが続くでしょう」
「だな、ならこの好機を逃す手はない。俺達も動こう」
襄陽を固める将は
魏の秋蘭、風、季衣、沙和
蜀の関羽、呂布、陳宮
合計7人
明命には晋の内部調査をお願いしているのでここにはいない
兵力はおよそ8万
うち恋親衛隊が5万となっている
一騎当千の将と士気の高い兵が揃ってはいるものの、規模が小さい
晋の本拠地を攻めるには厳しい兵数だった
このままでは明確な勝利が見えなかった
「呉が戦端を開いてくれた。これ以上の好機はないと思うし呉を見殺しにできない
なら、無謀かもしれないけど今すぐ攻撃を開始するしかないと思うんだ」
今動かないと雪蓮や蓮華、呉の皆を見殺しにしてしまう
そんなことはできない
だけど、皆が同じ考えではない
特に関羽さんは納得が行っていない様子だった
「ですが北郷殿、この戦力で戦を仕掛けるのはあまりに無謀。危険すぎると思われますが」
関羽さんの言うことももっともなんだけど
「それは分かってる。だけど呉を見捨てるなんて・・・・・」
「呉は我等を裏切り晋と手を結び、今度は晋まで裏切りました。信用できませぬ」
「きっと事情があったんだと思う。蓮華が率先して仲間を裏切ることなんてしないよ」
「それは・・・・・私だって信じられませんでした。それでも呉が裏切ったのは事実です」
まずいな
一枚岩になれないまま圧倒的不利な戦場に出ても結果は・・・・・
「風、風の戦略を聞かせてくれ」
「・・・・・・・グゥゥ」
「寝るな!」
「おぉ?」
「もう少しだけお待ち頂ければ、状況が変わるかもしれませんねー」
「少し待てば状況が変わるの?」
「はい~。・・・・そうですねぇ、まずはお兄さん
どっかに騎馬隊を率いてくれる将がいないかな~とつぶやいてみてください」
「???」
「ささ、つぶやいてください」
「・・・・どっかに騎馬隊を率いてくれる将はいないかな~」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「・・・・・・何も起こら」
「ここにいるぞー!!」
「え?」
声の方を見るとそこにいたのは馬超さん、おんぶをされた馬岱さん、そしておんぶをしているのは
「・・・・・・・・凪・・・・・・凪!!」
「隊長!!!」
馬岱さんを投げ俺の胸に飛びつく凪
あ、馬超さんナイスキャッチ
「凪、信じてたよ凪、本当によく来てくれた」
「隊長!!隊長!!隊長!!!隊長!!!!うわぁぁぁぁぁん」
凪は俺に抱きつくとそのまま泣き崩れてしまった
俺は凪の頭をやさしくなでた
「寂しい思いさせてごめん」
「ゥゥゥゥ・・・・・隊長・・・・」
これで将は10人
武将は8人だ
「馬超さん、馬岱さんの傷は・・・・・」
「ああ、矢を受けた傷がまだ治ってなくてね。これじゃとても戦場には・・・・・」
「蒲公英大丈夫だもん。戦場であいつらを・・・・ウグクク」
「馬鹿!せっかく傷口がふざがったってのに」
馬超さんと凪の介抱を受け、痛みが落ち着いたみたいだ
「馬岱さん、気持ちは分かるけど君を戦場に出すことは許可できない」
「で、でも蒲公英は!!」
「前線には出てもらえないけど、その代わり襄陽の守備を任せたいんだ」
「守備?」
「うん、馬岱さんは罠の達人と聞いているしね。その技を発揮して襄陽を敵から守ってほしい
どうだろう、この任務受けてくれるかな?」
「ううう、でも・・・・・」
その後、馬超さんの説得を受けた蒲公英さんは渋々防衛任務を受けることとなった
「それと、馬岱さんの補佐は引き続き凪にやってほしい」
「そんな!私は隊長と共に戦場で」
「俺だって凪と離れたくない。だけど、万が一の時、凪の力で馬岱さんや皆を守ってほしいんだ
ここが守られていればいつでも帰ってこれる。必ず帰ると約束するよ凪」
こうして襄陽の守備は馬岱さんを中心に凪が補佐をする態勢となった
前線に出せる将は8人
うち、武将は6人
「防衛の目処が立った。馬超さんも帰ってきてくれた。勝機も見えてきたかな風」
「いえいえ~、もう少し待ちましょうか」
そう言うと風は座席で居眠りを始めてしまった
次は何が来るのだろう
椅子に座りぼ~としていたその時だった
「西と南から大規模な砂塵?」
西から来る一隊の旗は 趙 魏 孟
南からの旗は孫
「趙子龍華麗に推参!蜀より援軍に参った」
「なんで私がこんなところに・・・・はぁ桃香様にお会いしたい・・・・ブツブツ」
「ミイが来たからには悪いやつなんてお茶の子さいさいなのにゃ!」 「「「そうにゃそうにゃ」」」
「趙雲さん、魏延さん、孟獲さん・・・・ありがとうございます!本当にありがとうございます!!」
そして
「かぁ~~ず~~~とーーー!」
「うわっぷ」
飛びついてきた小蓮
「援軍に来たよ一刀、私は一刀のお嫁さんになるんだから当然よね」
歓喜に沸いていた場の空気が一気に冷え切った気がするけど今はそんな場合じゃない
「ありがとう小蓮、来てくれて本当にうれしいよ」
これで武将は10人だ
「ふん、もう孫家の姫に手を出してたなんて相変わらずね。この全身孕ませ性液男が」
この声・・・・・
「け、桂花?」
「話しかけないでくれる?妊娠しちゃうでしょう」
「桂花、けいふぁ~~~~~~~!」
足に何かが引っかかる
「のわぁ!」
次の瞬間、俺の体は足に引っ掛けられた縄によって逆さ吊りとなっていた
「ふん、私の罠から逃げられると思わないことね。これから毎日地獄を見せてあげるわ」
「はは、毎日ってことは俺のそばにずっと居てくれるってことだよな。大歓迎だ」
「ば、バッカじゃないの!そのまま死ぬまで吊されてればいいんだわ」
桂花とやりあうのも酷く懐かしく感じる
帰ってこれたんだって改めて実感できたよ桂花
「ん、ところでその子は?」
桂花が抱える子供
まだ1歳ぐらいと言ったところか
「・・・・・あんたと私の子供よ」
「へ・・・・」
「言っときますけどね、この子は私一人で育ててるの、だからこの子は私の子であってあんたとは何の関係もないけど一応父親はあんたで」
「落ち着け桂花!つまり俺と桂花の間に生まれた子供なんだろ!?」
「・・・・・むかつくけどそういうことよ。なんで華琳様との子でなくこいつの・・・・・」
そう言いながらも桂花はその子を俺の前に差し出した
「お、俺の・・・子供・・・・・」
逆さ吊りにされながらも小さなその手を掴もうとした時
「サワルナ コノ ゼンシンセイエキオトコ」
「・・・・・・・・・」
桂花がニヤリとしながらこちらを見ていた
「・・・・・・どういう教育してんだああああああああああああああ」
その後、やっと逆さ吊りから降ろされた俺はなんとか荀惲を抱くことを許された
今は俺の腕の中でスヤスヤと寝息を立てている
「ところで北郷殿、我々の武器はそちらに預けたままなのだが」
関羽さん、呂布さん、馬超さん、馬岱さん達の武器は生存証明として蜀の劉備さんに送ってしまった
「うん、武器の件なんだけど」
「ちぃーーーとまち!その件の説明はうちの仕事や」
「真、真桜!!!」
「たいちょ~~~~~~~!!」
「あはは、真桜も来てくれたのか」
「何言うてますの。隊長のいるとこにうちがいるのは当然やろ?」
「うん、そうだ。当然だ。真桜がいないなんて考えられないよ」
俺達は目と目を合わせると笑顔を見せ合った
「さて、武器の件なんやけど、以前みんなの武器見せてもろた時に改良案をまとめてたんです
んでや、完成品がこちらになってま~す」
一同から湧き上がる「おおーー」と言う歓声の声
そこには三国の将全員分、真桜改良型武器が並べられていた
秋蘭が専用の弓を取る
「・・・・軽い、しかもこの強度・・・・ふむ、これなら打ち合いも可能か」
季衣が専用の鉄球を手に取った
「鉄球が二つに割れてる。そうか、鎖を線に沿って回転させれば速さと破壊力が増すんだね」
武器の軽量化と強度の強化、更に真桜のアイデアで一工夫が加えられた武器は好評だった
これで布陣は整った
風の操る最大の作戦、十面埋伏の計の完成だ
部隊編成は
部隊編成は
右の陣に関羽さん 馬超さん 趙雲さん、魏延さん、孟獲さん、
左の陣に季衣、小蓮、沙和、真桜、そして呂布さんと陳宮さん
俺は秋蘭の部隊に桂花と共につく
風は統括兼兵糧管理だ
みんなを集めた
「態勢は整った。風の十面埋伏の計を必ず成功させ、こんな戦争早く終わらせるんだ!!」
「「「「「「「「「「「「「「「「おおーー!」」」」」」」」」」」」」」」」
待っててくれよ華琳、春蘭、流琉
必ず助けるよ
「いやーまいった。道を間違えるなんてついてないなぁ」
ん?
「遅れてすまない。蜀から援軍に来た公孫伯珪だ。以後よろしく」
すると風が
「むむむ、これでは十一面埋伏になってしまうのです。残念ですがお帰りを」
「ちょ、ちょ待てよ!援軍に来たのにお帰りをっておい、あれ、皆どこ行くんだ。待ってってば」
横を見ると真桜が悩んでいた
「どうしたの?」
「うちとしたことが、白蓮さんの武器だけ作ってなかったわ。と言うか、あの人の武器なんだったかなぁ」
「おおーい、白馬騎馬隊が援軍に来たんだぞー!そんな扱いはないだろぉ~~(涙」
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部隊編成を変えました。十面になっていませんでした。