ここは、夏口に駐屯している黄祖の支配下の一つの町である・・・
そこでは一人の男が、都督を務めていた。名を、蘇飛・・・
この蘇飛は、文武両道のお手本とも言え、武は孫策にも匹敵するとも言われ、智は周喩にも劣らず、その上優しさもあるため、この当たり一帯では、かなりの評価を得ていた・・・
いきなり聞こえた怒号に剣が止まる・・・
甘寧が見たその先には、部隊長がいた・・・
部隊長「お前たち其処で何をしている!!」
甘寧「っち・・・」
兵士「(助かったー・・・)あ、いえ・・・」
遠目越しに見たため、誰かが分からなかったが、近づいくと・・・
部隊長「これは、甘寧殿でしたが・・・」
甘寧「私に、何かようか?」
部隊長「いえ、それにしても何をしていらしたので?」
甘寧「貴様には、関係ない」
部隊長「ですが、この時間帯は私に許可をとってくださらないと、この場所は使ってはいけないはずなので・・・」
甘寧「そうか・・・以後気をつける」
なんとも、その場しのぎの会話である、其処に・・・
蘇飛「ん?部隊長ではないか?」
部隊長「これは、蘇飛様!!どうしてこのような場所に!?」
蘇飛「私がここに着たらまずいのか?」
部隊長「いえ、滅相もございません!」
蘇飛「?・・・して、甘寧殿はいらっしゃるか?」
甘寧「私に何か用か?」
じっと、甘寧を見てみる・・・
蘇飛「この度、件で貴殿の事が問題になってな、少し自重してもらいたい・・・」
甘寧「そうか、兵士に対しての八つ当たりというやつか・・・」
ぐっ、と剣を握る・・・
甘寧「私は、そんなつもりは無いのだが・・・」
蘇飛「しかし、現に怪我などをしているではないか?」
さらに、剣を握る力が強くなる・・・
甘寧「それでは、都督様は怪我をさせてはならぬ、という甘っちょろいことを言いなさるので?」
蘇飛「それは、どういう意味だ?」
いきなり剣を振りかぶる・・・
甘寧「私は貴様等のような、臆病者が上からものを言うことが一番許せない!!」
部隊長「貴様!!」
兵士「蘇飛様!!」
蘇飛「・・・・・」
蘇飛はピクリとも動こうとしない・・・
甘寧「どうした!やはり、貴様も臆病者か!!」
剣が当たりそうな・・・その一瞬・・・
蘇飛「未熟だな・・・」
バリン、という音と共にいきなり剣が砕け散る・・・
甘寧「えっ?」
当たる、そう確信したはずなのに・・・
蘇飛「お前の覚悟はそんなもんか・・・」
言葉と共に、黒い何かに包まれた気がした・・・
甘寧「あ・・・・ああ・・あ・・・」
感じるのは、【死】確実に殺すと言うほどのもの・・・
蘇飛「少し頭を冷やせ、部隊長と其処の兵士・・・」
二人「はい!」
蘇飛「この事は、他言無用だ・・・」
二人「わかりました!」
すると、黒い何かは収まり、スタスタと蘇飛は歩いていった・・・
甘寧「私は・・・・・・・」
『間違っているのか?』
その言葉の先は、彼に聞きたくなり、追いかけた・・・
【続く】
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