No.198787

真説・恋姫演技 ~北朝伝~ 第三章・第三幕『改訂』

狭乃 狼さん

ほんっっっと、すいません!

二度とやら無いと誓ったはずの再投稿、またもややってしまいました。

・・・一応、理由としては、

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2011-01-30 20:29:26 投稿 / 全11ページ    総閲覧数:25331   閲覧ユーザー数:18717

 「お嬢~!詠~!ほんまに、ほんまに無事で良かった~!」

 

 賈駆と月の二人を、姜維が号泣しながら、思いっきり抱きしめる。

 

 「ちょっと、由!分かったから少し落ち着きなさいって!」

 

 「へぅ~。由さん、苦しいです~」

 

 口ではそういいつつも、割とまんざらでもなさそうな感じで笑う二人。と、その姜維の背に、少々冷たい感じの声が降ってくる。

 

 「……姜維?私も一応、ここにいるんだがな?」

 

 「あ。……や、ややな~、もちろん分かってるって~。華雄も元気そうで、ほんま良かったわ~」

  

 「……本当にそう思っているのか?」

 

 『ははは』

 

 華雄の言葉にあわてて笑顔を向ける姜維。それに対し、華雄は冷淡な目で彼女を見ながら、さらに突っ込んだ。そんな様子を見て、思わず笑い声のこぼれる一同。

 

 

 この日の朝議の最中、突然一刀たちの下に現れた華雄と賈駆、そして月と、仮面をつけた一人の少女。

 

 一刀たちはそれに驚きつつも、彼女たちを暖かく城に迎え入れた。服のあちこちをボロボロにしつつも、元気な姿を見せた彼女たちを見て、ホッと胸をなでおろした一刀たち。

 

 

 そんな中、残るもう一人の人物のことが、一刀は気になって仕方がなかった。

 

 見た目でいえば、十六・七といったところだろうか。”ショートカット”にしたその黒髪が、美しい光沢を放っている。顔につけたその面は、少女のその顔のほとんどを覆っており、鼻と口以外はすべて隠されている。目の部分からのぞいているその瞳は、まるで深い湖の底のような緑色。

 

 その瞳の色に、一刀は見覚えがあった。そう、一刀が良く知る”彼”もまた、まったく同じ色の瞳をしていた。

 

 そして何より、少女が身に着けているその服。

 

 それは、月が着ている”それ”と同じ、一刀自身がデザインをし、”彼”に渡したメイド服のデザインの中の一着。それと、まったく同じものだった。

 

 「……華雄将軍。その、そちらにいるその人は」

 

 華雄に対し、”その”希望を込めて、少女の素性を聞く一刀。だが、華雄の答えは、一刀のその希望にそったものではなかった。

 

 「あ、ああ。……このか、いや、”これ”は、私の副官でな。……李儒、という。……”命(みこと)”、自己紹介を」

 

 「は」

 

 李儒、と。華雄はその少女のことをそう呼んだ。しかも、少女の真名らしきものまで。

 

 (……白亜は、自分の真名は、生涯の伴侶にしか教えられないといっていた。……なら、やっぱり)

 

 自身の希望が打ち砕かれたことに呆然とする一刀の耳を、少女の自己紹介がむなしく通り抜けていく。

 

 「”お初”にお目にかかります。華雄将軍の副官を勤めております、姓を李、名を儒と申します」

 

 「あ……はい。……よろし」

 

 「……そして、字は、”白亜”に御座います。……よろしく、お見知りおきのほどを」

 

 「え。…………今、何て……」

 

 

 少女は今、その字をなんと名乗った?

 

 少女の挨拶に、心ここにあらずといった感じで返そうとした一刀であったが、少女が名乗ったその”字”を聞いて、一瞬でその頭の中を真っ白にした。

 

 「……」

 

 みれば、少女は少々ばつの悪そうな感じで、その口元に笑みを浮かべて一刀を見ていた。

 

 「……はく、あ……?え?いや、でも、あれ?……確か、白亜は男で……ええ?!」

 

 パニック。

 

 一刀の頭の中は、完全にぐちゃぐちゃになっていた。

 

 それも、無理の無い話である。

 

 目の前にいるのは、李儒と名乗った、間違う事なき少女。しかし、その字は、そしてその声は、聞き間違うはずの無い、親友のそれ。

 

 そんな一刀と同様に、徐庶も姜維も、徐晃も司馬懿も、困惑を隠せないでいた。ただ一人、違う意味で困惑していたのは、唯一この中で、一刀の親友でもある、その人物との面識の無い、伊籍であった。

 

 「……あの、状況が良く分からないんですが、……えと、何がどうしたんでしょうか……?」

 

 その伊籍が思わず一刀たちに問いかける。

 

 「……その、ね、朔耶?ここにいるのは、もしかしたら、劉べ」

 

 「……徐庶どの。……今ここにいる私は、あくまでも、”李儒”という名の者に御座います。……今は亡き、少帝陛下ではありません。……そこのところ、よしなに、お願いいたします。……な?”一刀”?」

 

 「!!……そか。そういう、事、か」

 

 李儒が最後に、”あえて”呼んだ一刀の名。

 

 それを聞いた瞬間、一刀はすべてを理解した。ようは、月と同じだと。

 

 

 

 

 十三代皇帝であり、今は少帝と諡された劉弁は、王淩の手によって、すでに亡き者にされている。

 

 

 それが、”例”の書簡によって大陸中に広められた、”事実”、なのである。

 

 

 もし劉弁が、自身の生存を告げて表舞台に戻った場合、当然、王允による画策の全てを、世間に公表することになる。そうなれば、当然のように向こうはこちらを偽者だとして、諸侯へ討伐を命じることになるだろう。となれば当然、”復位した”上で、劉弁もまた、王允らの討伐を呼びかけることとなる。

 

 だが、それでは正直、あまりにも”リスク”が高すぎる。

 

 大陸を二分しての決戦ともなり、それによって早期に決着がつくならば、まだ、それはましなほうである。しかし、決着がなかなかつかず、戦が長続きした場合はどうなるか?

 

 そしてもし、諸侯や豪族らが、どちらにも従わなかったら。

 

 -その時は、確実に、大陸全土を巻き込んでの、群雄割拠の時代となるであろう。はるか古の、春秋時代のように。

 

 しかし、このままにしておいても、いずれは同じ状況へと達するであろう。漢室の、朝廷の権威による呪縛など、すでにほとんど無くなりかけているのだから。

 

 現に荊州では、劉氏の一派である劉表が、自らこそが”正統の漢であると”宣言をし、その勢力を益州に伸ばしつつある。その益州を治める劉璋もまた、劉表と同じ論を掲げて漢中を押さえ、都を虎視眈々と狙っているのである。

 

 同じ漢の一族ですら、そんな風である。

 

 中原の曹操や、江南の孫堅、南陽の袁術らも、それぞれ独自に動いている。今居る冀州にしたところで、袁紹が平原を急襲し、その地を治めていた劉備を追いやるという暴挙に、出ているのである。

 

 -もはや、戦乱の世は避けられない状態にあるといっても、過言ではない。

 

 では、一体どうするべきか。

 

 世間的には、すでに死んでいる自分。

 

 もはや皇帝では無くなった自分。

 

 そんな自分に、できることはなにか。

 

 考えに考え抜いた挙句、彼女が最終的に出した結論は、名前も顔も身分も隠し、諸侯の中の一人の下で、再び天下をまとめていく、その手伝いをすることだった。

 

 たとえそのために、多くの人々から、怨嗟と罵声を、浴びせられることになろうとも。

 

 多くの罪を、その背に背負おうとも。

 

 そして、

 

 一刀の下でなら、自分はそれに耐えていけると、劉弁は-いや、李儒は決断したのである。

 

 

 

 「……白、いや、李儒さん?……貴女のその覚悟はよくわかりました。けど、一つだけ聞かせてください。……俺が、皇帝としての”劉弁陛下”を立てて、利用する可能性は、考えなかったんですか?……天下を纏めるなら、それが最も効率のいい方法だと、俺がそう判断するとは」

 

 「……まったく考えなかったとは、申しません。民への被害を最低限にするためなら、それが一番いい方法だということは、わかっておりますから」

 

 「では、何故?」

 

 じ、と。李儒のその、仮面の下の瞳を見つめる一刀。

 

 「……貴方だから、です。「え?」……女性に優しい貴方が、そんなことをするとは思えませんでしたから。あ、正確にはだらしない、ですね」

 

 「……」

 

 にっこりと。

 

 女の子を利用したりなんか、一刀に出来るとはおもえなかった、と。李儒は笑顔でそう言ったのである。

 

 「……一刀さんの、負けですね」

 

 「せやな。……カズ、いじめんのもほどほどにしといたり」

 

 「そうそう。女をいじめるのは閨の中だけにしとけ」

 

 「ちょっ!?輝里と由はともかく、蒔さんは何てこと言うんですか?!」

 

 『……間違っているとでも?』

 

 「……ませんけど」

 

 白い目で、ジト目を三人から向けられ、反論のできない一刀であった。

 

 「くくく。……んほんっ。……だからこそ、私は”ここ”を選んだのです。この”空気”に包まれていれば、間違った方向には決して行かないと。そう、思った次第です」

 

 「……そか」

 

 「はい」

 

 李儒のその言葉を聞き、短く頷く一刀。そしてそれに、答える李儒。

 

 あははははは。

 

 朗らかな笑い声が、室内に響き渡るのであった。

 

 

 「では改めて、北郷一刀殿。……われら四名、これよりは貴方を主君とし、貴方のおそばにお仕えしたいと思います。受け入れて、いただけますでしょうか」

 

 「もちろんです。華雄さん、賈駆さん、月、そして、李儒さん。……これから、よろしくお願いします」

 

 『御意』

 

 揃って一刀に拱手し、頭を下げる一同。

 

 「なら、これからはぼくの事も真名で呼んで頂戴。ぼくの真名は詠。よろしく頼むわよ、北郷」

 

 「ああ。俺は一刀でいいよ。月ともども、よろしくね」

 

 と、その真名を預けると言った賈駆に、一刀も名で呼んでほしいとそう微笑んだ。が、

 

 「わかったわ。……けど、一つだけ、言っておいてもいい?」

 

 「?……何?」

 

 「……月に手ぇ出すんじゃないわよ?……出したら、ただじゃすまないから」

 

 「詠ちゃ~ん」

 

 「あ、はは……肝に、命じときます」

 

 賈駆の台詞に、その顔を引きつらせ、うなずく一刀であった。

 

 「ははは。……なら、私も、真名をお預けしたいです。私は「あ、ちょっと待った」……え?」

 

 その賈駆の後に続き、自身の真名を名乗ろうとした李儒を、一刀が途中で遮る。

 

 「……あの、さ。……その話し方、やめてくれないかな?……”前”と同じように、普通に喋って欲しい。君に敬語を使われると、なんか、くすぐったくて仕方ない」

 

 ぽりぽりと。

 

 ほほを掻きつつ、そう李儒に頼む一刀。

 

 「……なら、これでよいであろうかの?……私の真名は”命”、だ。……是非に、受け取ってくれ」

 

 「うん。……久しぶり、白亜。いや、……命。また会えて、嬉しいよ」

 

 「……私もだ。一刀」

 

 見詰め合い、二人の世界に入ってしまう一刀と李儒。

 

 「……おっほん!……二人とも、私たちがいること、忘れてはおらんだろうな?」

 

 『あ゛』

 

 わざとらしい咳払いとともに、徐晃にそうツッコまれ、その顔を真っ赤にして慌てて離れる二人であった。

 

 (……それにしても、一番、恐れていた事態に)

 

 (……せや、な。……けど)

 

 (ああ。……同じ立場なら、負けてなどおりはせんよ。ふふ)

 

 フフフフフフ。

 

 そんな二人を見ながら、嫉妬の炎をめらめらと燃やし、なんだか不気味な笑い声を静かにもらす三人がいたことは、まあ、とりあえずおいておくとする。そしてそんな空気の中、あえて何も言わずに、黙り続けている、一人の人物が居たことも。

 

「…………真名、か」

 

 ぽつり、と。

 

 周囲に聞かれないよう、そう洩らした華雄は、どこか寂しげな目をしていた。

 

 

 

 その後、話は長安での一件へと、その内容を移した。

 

 「……やっぱり、王允さん、ですか」

 

 「そうよ。みこ……じゃなくて、先帝さまは長安の街の再建計画を、それは順調に進めておられたわ。けど、街より宮殿の再建を推す王允と、対立してしまうことになったの」

 

 「……それが、あれの気に食わなかったのだろう。何度か、刺客をこちらに向けてきたのだ。されど、その全ては彦雲が阻んでくれた。……まこと、感謝してもしきれぬ」

 

  賈駆と李儒の口から、”劉弁”と、王允の確執と、それを原因とした暗殺未遂の事実が語られる。だがこの時、李儒自身、気づいていないことがあった。いつかの夜の、月との会話。それを、王允に聞かれていた事を。

 

 皇帝は、民の小間使いだと。

 

 公には、絶対に口にしてはならない、自身のその論理を、あの時聞かれていたことなど。

 

 だから、それをその場で語ることも無かった。

 

 彼女が”そのこと”に気づくのは、これからずいぶん先のこととなる。

 

 

 話を元に戻そう。

 

 

 とにかく、暗殺未遂の事実を材料に、王允を政から遠ざけることができた少帝は、街と周辺の邑々の復興に、その全力を注いだ。

 

 「……そんなある日、陛下が周辺の邑々を視察に出かけると仰せになってな。私が護衛の指名を受け、同行することになった月さまと詠とともに、都を離れたのだ。私直属の五百の兵も、同行させてな。だが」

 

 長安を出て一里もしたところで、謎の軍勢に襲撃された。相手は五千もいただろうか。多勢に無勢、とはこのことである。そんな中、ひそかに少帝を護衛していた王淩が、馬車を囮に敵をひきつけたことで、彼女たちは何とか命を拾った。

 

 華雄は、ここに逃げてくることになったその理由を、そう語ったのである。

 

 

 「……一つお聞きしますが、そんなわずかな護衛のみで、よく都を出る気になりましたよね?」

 

 と、司馬懿が不意に、そんな質問を投げかける。

 

 「……耳が痛いの。……実はの、本当は、私・あ、いや、”陛下”が”囮”のはずだったのだ。……あれの裏にいる者を、おびき出したいと思っての」

 

 「……え?それって、どういうこと?王允さんが全部の黒幕なんじゃあ」

 

 「始めのうちは、確かにそうは思っていたんだがな。……よく考えてみると、あれにはそんな、大それたことのできる度胸など、ありはせんはずなのだ。……あの、小心者の王允には」

 

 「小心者って」

 

 「小心者じゃ。……周りの顔色を伺わなければ、何も出来もせぬ奴を、そう呼ばずになんとよぶ?」

 

 つまり、背後に誰か、後ろ盾でもいなければ、王允には皇帝を暗殺するなどという、そんな大それたことなどできはしない、と。李儒はそういうのである。

 

 真の黒幕。

 

 そんな者が本当にいるのだろうか?仮にいたとしても、一体何が狙いなのか?そんな一刀の質問に対し、それを確かめる意味でも、わざと襲いやすい状況を作り、相手を誘ってみたのだと。李儒はそう答えた。

 

 「そのための伏兵に、奉先と文遠を置いておいたはずなのだが、結局あれらは出てこなんだ。……どういうことか、さっぱり分からんが、おかげでこうして、逃げることになったというわけだ」

 

 「……多分に、自業自得が多く含まれてますが」

 

 「う」

 

 賈駆の冷たい突っ込みに、何も言い返せずに消沈する李儒。さらに、

 

 「下手の考え休むに似たり、というやつですね。……素人考えの、行き当たりばったり過ぎる計画です」

 

 「あうあう」

 

 司馬懿にもそう突っ込まれ、完全にぐうの音も出なくなるのであった。

 

 「……とりあえず、元気出して?な?」

 

 「……その優しさが、余計に、心に痛いわ……」

 

 「あ、は、はは」

 

   

 それはともかく、その後何とか生き延びた彼女たちだが、結局、長安に戻るのをあきらめざるを得なくなった。

 

 それは何故か。

 

 わずか一晩。

 

 たった、それだけの間。

 

 彼女たちが追っ手から身を隠すために、森の中で野宿をしていたその間に、劉弁はすでに殺されたことになっており、早くも、劉協が帝位に就いていたのである。

 

 そうなってしまった以上、いまさら戻っても偽者扱い、もしくは狂人扱いされて、捕らえられてしまうのがオチである。

 

 そして、”秘密裏”に、消されてしまうであろうと。

 

 そう判断した賈駆の提言で、彼女たちは黄河を渡り、やっとの思い出この地に辿り着いたのであった。

 

 「……じゃが、なんにしても、可哀想なのは協じゃ。……あれを都に一人残し、つらい立場を押し付けてしまった。……それが、何よりも悔やまれてならんのだ。……母上が、死んだばかりだというのにな」

 

 「え?!太后さまが?!一体何時!?」

 

 「し、知らされて、おらなんだのか?もう、一月にもなるぞ。……どういうことじゃ、一体」

 

 李儒と劉協の母であり、霊帝の后であった何太后が、一月ほど前の深夜に、宮城の欄干からあやまって落下し、死んでいたと、李儒はいうのである。

 

 「……それも、王允たちの仕業かな?」

 

 「わからん。だとしても、隠す意味すらありはせぬ」

 

 「……」

 

 その話を、一刀はただ静かに聞いていた。

 

 (……正史じゃ確か、それを行ったのは董卓だったけな。……けど、ここじゃ絶対にありえないし。……何がどうなっているのやら)

 

 

 劉協は、現在その周りに、誰も味方の居ない状態となっている。その上、今後、王允たちが勅を出すたび、責任の全てを背負ってしまうのは、劉協のその小さな背である。李儒は、その一点だけが、何よりも心配で心残りだと。そう、うつむいて語った。

 

 一刀たちも、その心中を慮って無言となり、場は沈黙に包まれる。そんな空気にしてしまったことを気にしてか、李儒は無理やり笑顔を作り、劉協のことは自分の私心でしかない。だから、それ以上気にしないでくれと、そういったのである。

 

 

 

 その痛々しい笑顔に、一刀たちもその顔を上げ、話を次のものに進めた。

 

 最初にしていた朝議の内容。すなわち、勅書への対応について、である。徐庶たちはすでに、一刀のその決心を聞いて、全てを承知済みである。

 

 そして李儒たちにも、同じ事を包み隠さず話した。

 

 勅命を、拒否するということを。漢とは、袂を分かつということを。

 

 それに対する、李儒の反応はというと。

 

 「……私は、おぬしに従うぞ」

 

 一刀の考えと決断を、支持するというものだった。

 

 「……いいんだね?」

 

 「みなまで言うなというやつじゃ。……それに、王允はそうは思っておらんだろうが、いずれ、すべての諸侯が、おぬしと同じ考えに達することじゃろう。……良くても、利用する存在ぐらいにしか、思わぬようになるはずだ。……いや、もうなっておるかもな」

 

 諸侯の現在の行動を見る限り、漢への忠誠心は、かなり薄れているであろうからの、と。李儒は顔をしかめてそうつぶやいた。

 

 そして、後ろにいた華雄たちへとその視線を移し、彼女たちに問いかけた。

 

 「……華雄将軍、詠、月。おぬしらはどうする?」

 

 「ぼくも、命さまに従います」

 

 「私もです」

 

 「私も、だ。……それこそ、いまさらというやつです」

 

 李儒の顔をまっすぐに見据えたまま、賈駆も、月も、華雄も、揃って一刀を支持することを、はっきりとその口にした。

 

 「……ありがとう、みんな」

 

 一同に、深々とその頭を下げる一刀。……そのほほに、一筋の涙を伝わせて。

 

 

 その後は、それこそ目の回るような忙しさとなった。

 

 朝廷に対し、勅を断る旨を伝える書簡を出した後、街中をそれこそ駆けずり回って、一刀の方針を民に納得してもらうために奔走し、それと同時に、三日後には鄴の接収に来るであろう、袁家への対応を話し合ったりと。

 

 そうして目まぐるしく、あっという間に時は経ち、三日という日々が瞬く間に過ぎた。

 

 

 

 

 そして。

 

 

 鄴郡と、平原郡との郡境にて、二つの軍勢が対峙していた。

 

 

 一刀率いる鄴郡勢、五万。

 

 そして、

 

 袁紹率いる南皮勢、八万。

 

 

 一刀と袁紹が、それぞれの軍勢の前に、進み出る。

 

 

 ……今後を決することになる、二人の舌戦が、今、静かに始まろうとしていた……。

 

 

 

                                  ~続く~

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 この先おまけです。

 

 

 大して気にしないように。

 

 

 本編とは一応、関係ありません?

 

 

 では。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 某所:狭間の楽屋にて。

 

 

 一「白亜、いや、命のロリ巨乳メイド・・・・・・・・・最高じゃないか」

 

 だろ~?・・・しかし、あれは命、だからだ。・・・同じ巨乳でも、蒔じゃあ、ああはいかん。

 

 一「そだな~。蒔さんじゃいまいち、萌え要素が足りないよな~」

 

 輝里も中々のものだとは思うけどな。でも由は・・・ふ。

 

 一「・・・うん。絶対的に足りないよな。・・・何がとは言わないけど」

 

 よし、次は瑠里瑠里にスク水を着せたいと思うが、どうかね?

 

 一「・・・・・・・・GJ!!」

 

 よしよし。ならば、拠点でその内(ぞくうっ!!)

 

 一「・・・どうしたんだよ?」

 

 ・・・・おい、うし、うし、うし。

 

 一「牛?・・・ああ、後ろか。なんだよ、みんながいるなんてべたなおちじゃあ」

 

 くる~り(首だけ回れ右)

 

 輝・由・蒔『・・・・・・・・・・(ゴゴゴゴゴゴ)』

 

 一「・・・・・・・べたオチ、嫌い」

 

 おれも。・・・・じゃ、そゆことで。

 

 一「あ、こら!一人で逃げるな!」

 

 輝・由・蒔『・・・フタリトモ、ニガスカーーーーーーーーっっっっ!!』

 

 

 

 アッーーーーーーーーッ!!

 

 

 

 

 

 命「・・・ふむ。親父殿も、変わらず変態じゃの」

 

 瑠「・・・ただの馬鹿、とも言いますけどね」

 

 命「・・・スク水、着るのか?」

 

 瑠「・・・着ません」

 

 

 

 見たかったら言ってくださいねー!!書きますからー!!

 

 輝・由・蒔『ちっとは懲りんかい!この変態エロ親父ーー!!』

 

 

 

 

 

 

 えんどww

 


 
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