No.185451

レジェンド†無双 5

あのさん

第5話です。

キョけけけけけけけけけけけええええええ!!!!

ぴーちくぴーちくぴーちく!!

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2010-11-19 20:30:49 投稿 / 全7ページ    総閲覧数:1571   閲覧ユーザー数:1413

 

―――蜀、訓練場

 

「・・・う、う」

 

俺の眼前に倒れ伏し呻く馬超。

しかし、未だ消えぬ闘志をその眼に宿しこの俺を睨む。

 

「やっちまったなぁ・・・・・・」

 

どんな理由があれ、

蜀が誇る軍事力の要である、あの五虎大将の一角を打ち落としてしまったのだ。

 

 

 

―――訓練場、早朝

 

夜の気配は消え明るくなりつつあるが、未だ太陽が昇っていない時間帯。

世界は立ち上る朝焼けに台頭されていた。

 

「ずずっ、ずぅずずっピ!」

 

その情景の中、俺は木製のベンチに座り背を預けながら、

缶コーヒーで朝の一時に色を着ける。

 

「ん?」

 

「はああああああああっ、せいいっ!」

朝焼け濃度が高くてその姿を視認できなかったが、ベンチのちょうど正面で槍を振るう若い女がいた。

 

「・・・あれは、確か馬超さんとかいったな。

朝っぱらからやけに地球温暖化に貢献しまくってるじゃねーか。」

 

茶化し半分、冷やかし半分で

まだ中身が半分ほど残っていた缶コーヒーを、馬超を目掛けて勢いよく投げつける。

 

キュルルルルピー!

 

重量を得ることで中途半端に安定した缶コーヒーが、空中に螺旋を描きながら、

馬超の背後となる死角を目指す。

 

―――が 

 

ザクッ!

 

背後に繰り出された馬超の突きによって、缶コーヒーは空中で的確に串刺しにされた。

 

「おいおい、山賊レベル5よりすげーぞ」

 

しかも後ろ向きで、その場から半歩も前後しなかったにも関わらず

中身の茶色い飛沫の一滴すらもその身で汚すことはなかった。

 

 

「たしか北郷一刀だったな、ずっとこの眼には写っていたよ・・・」

 

缶コーヒーを勢いよく天に解き放ち、

俺に背を向けたまま続ける。

 

「あんたのことは色々ときいているぜ。

あの愛紗に一撃入れたんだってな」

 

ゆっくりと振り向き、その双眼が俺の姿を捉える。

 

「勝負しようぜ、この錦馬超と」

 

朝焼けのまどろみの中、その情景に時折霞むその姿は

世界の終焉にたった一人取り残された幻想的な勇者のようだった。

 

だから

 

「・・・いいだろう、誠意をもって相手してやろう」

 

無意識にそんなことを口にしていた。

 

 

 

俺は右手に太刀を握らせ、馬超と真正面から向き合う。

 

「俺は後攻でいいからさ・・・・・・来いよ」

 

「おう!いくぜ!」

 

馬超が駆け出し、音もなく俺との距離の差を瞬時に詰める。

 

「・・・」

だが驚きには値しない、

この程度の戦闘技術なら一般兵レベル75でも可能だからだ。

 

「セイッ!」

槍先が俺の首元を目掛けて襲ってくる。ってコレは食らったら痛いぞ!

 

「うまうー」させるか!

 

片手で刃を掴んで受け止め「な!」急ぎ太刀を地面へ捨てる。

空いた手でポケットから金属トンカチを取り出し、大きく振り上げる。

 

「え?」

 

さらに大きく振り上げる。

武器を無効化し、動きが寸分でも止まった時点で、

 

――――俺の勝利条件は埋まってしまったのだ。

 

その手元の柄に向かって、

大きく降り下げた。

 

「ぐっぐうううううううぅ」

馬超が呻き苦悶の表情を滲ませる。

 

俺はそのひるんだ隙を逃さず、その脚を払い、重力パワーで槍とともに地球に叩きつける。

まだ槍が手から離れないことを確認し、さらに腹にジャンピング・エルボーを決める。

 

 

「げげごぼうおぇ」

 

――――勝利

 

 

「また、つまらぬものを斬ってしまった・・・」

 

「き、斬ってないし・・・、

あとつまらないってどういう意味だコラ!」

 

槍を杖代わりにして立ち上がり、

生まれた直後の小鹿のように足腰を震えさせながら俺と向き合う。

 

「・・・復活早えよ、腹に布団でも仕込んでんのかよ」

 

ザック、ザック

 

槍を軸とし、ゆっくりと一歩一歩こちらに歩いてくる。

俺はもう一戦を想定し、馬超の一挙手一投足に意識を向ける。

 

――――だが

 

「あたしは馬超、真名は翠だ」

 

なぜかこのタイミングで名乗ってきた、

だから俺も意識せずに自然と名乗る。

 

「俺は北郷一刀、

真名はルイズ・フラ○ソワーズ・ル・ブ○ン・ド・ラ・ヴァ○エールだ。

ヨロシク」

 

「る、るいず、ふら・・・??」

おいおい混乱してるぞコイツ。

 

「北郷でかまわないぞ、翠。

そっちの名はあんまり使わないし、てか一度も使ったことがない」

 

 

その時

 

先ほど馬超に串刺し刑に処された缶コーヒーが

突然その痛みを思い出したかのように大声を喚き散らす。

 

「イタちょッ、こ、これッ、ちょッ、しゃれにならんのおおおおおおおおおおおおお!!!」

 

 

 

あとがき

 

いかがでしたでしょうか?

 

以降も馬超√を開拓していきたいと思います。

 

 

ちなみにこのレジェンド無双において、

話の最後に食べ物なんかが突然騒ぎ出すことに、疑問を持たれている方もいると思いますが・・・

これは一刀が一方的に感じる幻聴の類ではなくて、全て一度の例外もなく現実の声です。

もちろん物語の根幹に関わるふか~い理由があります。

 

 

 

では幸!

 


 
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