「……納得いかないわ」
布団に包まりながら彩が不満の声をあげる。
「何が納得いかへんのよ?」
「何がって、こんな間違いだらけの展開がよ!」
「うん。確かにこの展開は間違ってるかも」
彩の不満に小夜子も同調する。
「だから、何が不満なのよ?」
「何で……何で、お姉ちゃんがあんなに遠くで寝るのよ!?」
お姉ちゃん達はいもうと達から、随分と離れた位置に布団を敷いている。
具体的には部屋の端と端に布団を敷いているのだ。
「仕方無いやろ。あんたら二人が何をするか分かったもんやないし、あっちはあっちで、
話したい事があるみたいやし」
「そんなの関係無いわよ。私はお姉ちゃんと一緒に寝たいの!」
「……わたしも初音お姉ちゃんと寝たい……」
二人共欲望全開で不満を漏らす。
「そんなこと、うちに言われても困るわ」
変態二人に苦戦している間、香織から離れた所でお姉ちゃん達は――
「寝る場所を離すなんて、あんたにしては気が利いてるじゃない」
「まぁ、環のためじゃないんだけどね」
「ふふっ。小夜子が少しだけ心配だわ」
菜々の計らいに環は感心し、初音は心配そうな言葉を言いつつ、どこか嬉しそうな表情をしている。
「多少気になる事はあるけど、二人は今回の旅行どうだった?」
「ふふ……っ。楽しかったわよ」
「……微妙」
「そう。楽しんでもらえてなによりだわ」
環の感想は、あえてスル―をします。
「まぁ、これであたし達もいもうと達も仲良くなれるといいんだけどね」
菜々の思惑通りの展開になっているのかは微妙な所があるが、少なからず各姉妹にとっては
意味のあるものになったのかもしれない。
と、無理やり纏めてみる。
――おまけ――
「はぁ……はぁ……お姉ちゃんの寝顔。見てるだけで興奮するわ……」
「うん。姉ちゃんは寝顔も可愛いな」
「初音お姉ちゃんは、天使だよぉ……♪」
それぞれのいもうと達は姉の寝顔を充分堪能しましたとさ。
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色んな意味で割と酷い気がする。
でも気にしない♪
これで一応旅行の話は終わりです。
次回からまた普通の話になります。