No.165898

デペイズマン・シード 3rd season;④

リリカルなのはA's後×デジモンアドベンチャー(ただし時間軸は02後:ED展開無視)八神つながり 真面目に連載第3話その④

おかしい。オレなんでこんな管理局嫌いなんだ?!
三提督辺り無理にフォローしているから余計変になってるよ?!

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2010-08-15 16:23:13 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:2797   閲覧ユーザー数:2685

 

 

 

「一人で考えても困るなぁ。えっと、連絡取りたい人おるんけど」

「俺たちの世界か?」

「そっち経由で・・・・・・一回戻らんとあかんかなぁ・・・」

「ちょっと待ってて。丈さん、光子郎さんと連絡取れるかしら?」

「勿論」

「さって。えーとやな。もしアレやったらデジモンたちは隠れてもろうた方がえぇと思うんけど」

「だって、アグモン」

「テイルモン」

「わかった」

「じゃぁ外で待っているわ」

 

 

 

 

 3-4

 

 

 

 

数十分後。

 

「ちゅーワケでご都合主義の如く第97管理外世界近くにおったそっちに相談したかってん。その、科学的に」

 

にっこにこにこにこ。

全力の笑顔が画面いっぱいに広がる少女の笑顔に、不運にもとっつかまった、もとい運よく連絡のとれた、アースラブリッジクルーは引き攣ったような笑顔になった。

断ったらどうなるかわかってるやんなぁ?という意図が言葉ではなく聞こえてくる気がする。あくまで気がする。

切り返せるのは、それでもなんだかんだで共に戦線に立った黒い少年か。

 

「それは平たく言えばツッコミ上等とかご都合主義にも程があるというか、上に僕たちメンバーも不満や不審を抱いているって言う扱いになるとか、ふつーなら上が僕らと君の接触をどうにかできないように根回しするんじゃないのかとか閲覧者様方に疑問を持たせるんじゃないかと。大体誰がここにハッキングしてきたんだっ」

「空気読まず乙。流石シリーズきってのKY王。

基本的にうちらの世界とこのデジタルワールドの関連を管理局が知らないことが一つ。

純ミッドチルダ人とポッと出のしかも犯罪者の私が仲良しなんて"ありえない"って頭の固い連中の常識が一つ。

あとハッキングはちょっと人聞き悪いで?97世界にあるハラフオン家の回線からアースラに連絡つけてもろぅただけなんやから。もともと転送サービスはあるんやし」

 

都合ええやろー。無邪気に告げる黒天使の調子はむしろ自慢げにすら聞こえる。

ますます脱力しながら、それでも忠告を口にする。

 

「その転送機能を分断している状態で強制的にアクセス出来るのが異常なんだッ・・・

もとい、はやて。機嫌が悪いのは理解したが、少々発言が」

「クロノには負けるわぁ。そっちなんてメタやで?メタネタ。

大体二重スパイやるって決めたんや。本来所属している組織をめたくそに言ったほうが色々都合よさげやん?」

 

間違いなく二重スパイ、という意味を履き違えた発言だった。

 

「君のソレは既に二重スパイのこういじゃないよ」

「大体それ本人たちの前でいうことじゃないぞ」

 

クロノとヤマト、画面越しと直接言われるが何を今さらきにすればいいのやら。

 

「というつっこみをしたそちらが、わざわざ第97管理…長いわね、メンドクサイ。地球にある"うち"の回線経由で連絡を遣した理由かしら?」

 

いかにも「偉い人の席」に座っているどっちかっていうと癒し系、ただしあくまで「どっちかっていうと」のおば、おねーさまが本題にはいるつもりのように言葉を引き継ぐ。

自分に振られたヤマトはどぎまきしながら自分たちのリーダーを前に押し込む。

 

「あ、オレじゃなくて、こっち」

「どうも。はやてのいとこで八神太一といいます。

はやてがお世話になってるそうで」

「あらー、こちらこそはやてちゃんにはすっごくお世話になってるわ」

 

主に義娘(むすめ)のお友達として。

嬉しそうな発言に含まれる色々とか勿論気にしてはいけない。

 

「えーと、とまぁよく判らないんですが、まぁこの世界に関わる人間の……っつーか、なんでオレが代表やってるんだ?ゲンナイさんじゃない?こういうのって」

「頼むな、リーダー」

 

あっさり押し付けただけあって、ヤマトはさっさと戦線離脱を発言している。

丈も少し苦笑いをしながら、申し訳なさそうに言う。

 

「ゲンナイさんはいまDW全体の外部干渉をチェックしてるから、とても無理だとおもうよ。

もともと交渉はどちらかというと光子郎なんだけれどね。

今回は性分上、一番キレちゃって相手を徹底的に叩きのめしているだろう?

顔を出すのはちょっとね」

「お兄ちゃん。どうせ元々遠慮も配慮も礼儀も持ってない組織ですもの。

こっちもそれに合わせるだけ。それでいいと思わない?」

 

妹まで物騒な応援を投げてくる。

思わない?って思っちゃ駄目だろ。

 

「そんな発想をする人がいるから人間界からは戦争がなくならない気がするよヒカリ。

というわけで、代表です」

「信頼の結果だと自分が押し上げられた理由を理解するべきなんだろうな。

クロノ・ハラオウン。

はやての友人で、時空管理局執務官をやっている。それと」

「この時空管理局本局次元航行部隊L級艦船第八番艦アースラ艦長をやってる提督、リンディ・ハラオウンです」

「復唱したら舌を噛みそうなお役職ですね」

 

親子かなんだろうかとも思ったが、外見イメージが全く見合わないのでその点は聞かないことにした。

返した言葉を無難とは思わないが。

果たしてくすっ、と異界の女性は軽く笑ってすら見せた。

 

「組織なんてそんなものです。それにしても驚いたわ。

こんな世界…言い方が悪くてごめんなさいね?魔法の存在の有無がこの場合基準であるのだけれど……ひとつにわざわざすわり心地のいい椅子で居眠りして寝ぼけながら、時々怒鳴りちらすしか能がなくなった人間しかいけない上層部が出張ってくるなんて」

 

にこにこ笑いながら、まるでなにやら受信してしまったように言っちゃいけないはずの発言を口にする、この場最高権力者。

 

「・・・・・・エイミィ」

 

ため息を押し殺しながら、それをごまかすようにオペレーターの名を呼ぶ執務官はこの場じゃなければ泣いていたかもしれない。

 

「たはは。大丈夫だよ、クロノくん。この回線でのやりとりはプライベート設定、完全非公開。記録にも残らないよ。スタッフ全員、心の引き出しにも仕舞いこむから」

「そうしてくれ。

まったく、砲撃女王すら一応お話聞いて、から切り込んでいくっていうのに、問答無用で理性を持つ現地生物を問答無用でアブダクション?

全く以って地に落ちたもんだな。今度戻るときはこっそり仮死状態の無人世界にいる巨大生物でもひとつ土産と持ち込むか。

三提督のように真面目な方々であるのなら自分たちで対応もできそうだが、怒鳴ることしか能の無い連中なら一掃とまでは行かずともある程度大人しくさせられるだろうしこちらとしても清々する」

「同じことやってるよくろ・・・あー、やめ、やっぱきいてないきーてない。

それよりも本題いきましょうよぅ」

 

だめだやっぱ親子だおんなじもん受信してる。

話題を変えないと。本来なら一介のクルーがしていいことではないだろうが、今はプライベートだということで御勘弁願おう。

 

「本題?」

「どこの組織も所詮誰かの私物化されているっていう話だったかしら?

黙らせたかったらもうちょっとまともな給料払えって話よねー」

 

だーかーら。

 

「そんないわずもながの常識じゃなくて、件のデジタルワールドにおける処遇ですよ。

本来なら管理外に属する世界です。

艦長どころか執務官レベルでどうとでもなりますけど、何故かはやてちゃんは上層部直属の任でここにいるんです」

 

自分もいつの間にか毒されていることからは目をそらして、とにかく自分が進言したとおり、本題へと話題を持っていくエイミィ。

だがむしろ上司は不思議そうに首を傾げた。

 

「そうはいっても彼女の仕事は調査でしょう?」

「だからですよ。権限はつまり彼女ではなく、あくまでも上にあるってことです」

「ほな私のレポート次第やったりするんか?」

「これが本気の調査なら、な」

「どういうこっちゃ?」

 

クロノが察し、苦い顔をする。

そして最初から判っていたように、提督が言いにくそうにする息子に代わった。

 

「はやてちゃん単独。本来の直属チームであるヴォルケンリッターの参加も許可せずに。

けが人が出ていて、危険であることははっきりしているのに、よ。

だいたい"世界"よ?一人で知るには出来ることなんてたかが知れているわ」

「ドサクサ紛れで私を片付けようとしてるとか?」

「なっ」

 

さらっと聞き流す話ではない。

冗談にしても耳障りが悪い。

 

「ありえちゃうわねー」

「ちょっ?!否定もなし?!」

 

流石の太一もあきれたようにいとこをみた。

そんな風な反応が、単なる暢気の延長戦じゃないことぐらいは理解できる。

 

「お前なにやったんだよ、はやて」

「んー、アレや。世界一つ滅ぼしかけてん。

もっとも私を嫌ってる上層部さんがたには取るに足らないトコやろうけどな」

「でもかけただけなんでしょ?」

「まぁせやね」

 

あっけらかんとかわされるいとこ同志の会話。

結果論と言えば確かに、攻められるべくことではなかろうが……

 

「はやてのせいじゃないだろう、あれは。

そういう意味ならあれだって管理局のせいだ」

「単独犯ですけど、まぁそうですね・・・あー、聞いてない聞いてない」

 

私はこの話に加わらない。

他のメンバーがiPodとか使ってまで逃げてるのに気付けない彼女の余裕の無さが哀れだ。

まぁ将来同じファミリーネームを預かることになるんだからしかたな、もとい。

 

「こんなはずじゃなかった、て裏がありそうだな。あんあり聞かないほうがよさそうだけど」

「・・・・・・その通りだ。さて話を戻そうか。

凶暴な、それこそSランクオーバーの魔道師を殺せる程度の生物がいる世界なら、時空管理局のその名の下において絶対管理を。

さて、御感想は?」

 

この場合は「凶暴な」に掛かるのはえすらんくおーばーのまどうし、の部分ですか?

勿論そんなことをきいてはいけない。

ただ大人の都合ってやつを上から目線で叩きつけられたって事実だけがそこにある。

 

「とりあえず胸糞わりぃ、しかでてこねぇよ。

俺たちに、この世界に関わるな。望んでいることってそんな大層なことか?

非干渉、無関心。実に現代的だと思うけどな」

 

はやてはそれが出来ない友人を知っているが。

それに、嘯く太一には悪いが、彼自身がそんなことを出来ないことを知っている。

実際この世界を確固たる意識を持って護るといっているのは彼ら自身たちなのだ。

 

「このデジタルワールドは実際俺たちの世界と密接に関係しているが、それを差し引いても大切な友人のいるこの世界に余計な介入をされても不愉快だ。それから」

「うん。君たちははやてを殺さない。それくらい、画面越しに会って5分たってなくても理解できる。

そんな風に手を汚すつもりはない。むしろつもり、という表現が失礼かな」

 

クロノがどこか困ったようにそう彼らを認めた。

へっ、と太一が鼻を鳴らす。

 

「わかっているならいいんだ」

「そういう風に考えてもいないのが偉い立場で悪い」

 

あぁまだ毒が抜けてない。

アースラのスタッフは必死で耳を塞ぐ。物理的にじゃなくて、どちらかというと能力使って。

ヤマトが後ろからにやりとしながら提案する。

 

「お前みたいなのが偉いとこにとっとといってくれよ。

そうすりゃ枕を高くして眠れるって奴だ」

「すまないな。僕は現場肌なんだ」

 

あんなところいったら体調崩す。

クロノの冗談なんてめずらしいなぁとはやてだけのんびりしたものだ。

そういう意味では代表とされた少年以外は名前すらよくわからない内とはいえ、滑り込んできた別の少年の声はきっと救いだ。

 

「話中すまない。太一、こっちでも通信」

「誰だ?」

画面がもうひとつ空中に出現する。

普通ならパソコン画面越しだが、対策本部のこの部屋では半ばお遊びでついてる機能。

そこには太一たちがみなれた後輩二人。

 

「太一さん!臨時シフト要請を受けたメンバーッス」

「大輔か。どうした」

「どうしたもこうしたも"敵襲"です。明らかに攻撃意志がありま、えっと」

「数は10、全員、例の組織の人と思われます」

 

大輔のわたわたした声と、賢の比較的冷静な声。

なんとも奇妙な組み合わせの中、さっきまでのやりとりがイヤが追うにもソコの面々には現実として突きつけられる。

 

「いきなり打って出てきたな」

「ドサクサ紛れではやてちゃんに手をかけようとしてる組織に黙ってる理由は無いと思うから・・・・・・おにいちゃん。わたしちょっといってくるね?」

 

まるでちょっとその辺りに買い物でもいくような軽い口調と共にヒカリが立ち上がった。

笑顔だ。

だが彼女をよっくしっているメンバーはそろって顔色を失った。

画面越しの大輔と賢のコンビもだ。

アースラの面々も大人しそうにしていた少女の、それが癇癪に近い怒り程度のものではないことを直に悟れた。

これを止められるのは、ぶっちゃけ兄のみだ。

 

「まて、まてヒカリ!お前は駄目と」

「えー」

「加減をしらんだろーが。

くそ、大輔、賢。できる限り傷をつけるなよ。基本防御と相殺で時間を稼いでくれ。

ジョグレスを使っても構わない」

「っす」

「わかりました」

 

あっさり通信は切れた。場所は既に丈が割り当てているから問題はないし、無理も無い。そりゃ逃げたいだろう。正直戦いが好きというわけでもないが、ここから飛び出せることを太一はこっそり感謝してる。

 

「ヤマト、俺たちも出るぞ」

「オメガモンで迎え撃つ気かい?けど相手を無効化するならミミくんを呼んだほうが」

 

丈の正論を、残念そうにヤマトが否定する。

 

「いや。時間がない。となれば圧倒的な力を見せて、なお傷つける気がない意志を伝えるしかないだろ。

組織ってのはこの世界にはいらない。利用はしてもさ。記録と報告は」

「こちらで引き受けよう」

 

クロノの声に、その場全員が頷いた。

自分たちがした記録では証明能力がないことを理解していたからだ。

 

「恩に着る」

 

一言言い放って、太一とヤマトが駆け出した。

 

 

 

 

 

・・・・・・・・・・・

やっとそろそろ終わりの匂い。

さぁバトルだ!(えー?!

っつーか魔王さまたちよりも先にアースラ面子かよ


 
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