No.146526

飛天の御使い~第零幕~

eni_meelさん

恋姫†無双の二次創作です。
拙い文章には磨きがかかったみたいで
ヒドイもんですが、
少しでも面白いと思っていただければ幸いです。

2010-05-30 11:03:44 投稿 / 全8ページ    総閲覧数:7635   閲覧ユーザー数:6339

 

はじめに

 

この作品の一刀はチート性能です。

 

キャラ崩壊、セリフ崩壊の部分があることも

 

あるとは思いますが、ご了承ください。

 

 

北郷side

 

「お師匠様、この峠を越えたところの湖のほとりに小さな邑があるそうです。」

 

行商の隊列の先頭から息を切らせた少年が笑顔でそう告げた。

 

「ふむ、久しぶりに野宿しなくて済みそうだな。」

 

そう答えると峠のほうを見上げる。その顔は満面の笑みで覆われていた。

 

前の邑で商隊の護衛を依頼されてから早1週間。その間ずっと野宿だったためようやく床で寝られることが嬉しくてたまらなかった。

 

「それにしてもこんな辺鄙なところにも邑があるもんなんだな。」

 

そういうと商隊を率いる商人が顔を覗かして

 

「この先の湖は解池と言われる『塩湖』なんですよ。なのでその湖の恩恵を受けて塩の売買が盛んな場所なんです。」

 

そう教えてくれた。そっか解池ねぇ、たしか正史では関羽が塩の密売していたなんてことも言われてる場所だよなぁ。結構有名なところなのね。うんうん。

 

 

(ん?もしかしてその邑に愛紗がいたりするのかな?でも俺と愛紗が会ったのって啄県だったし、こんなところにいるわけないよな。でもでも、あの時より今は数年も前だからもしかして本当にいたりして・・・)

 

なんてことを考えたしてるうちに峠を上りきる。高台からは邑が見てとれる。

 

(ん?なんか様子おかしくないか?)

 

邑の方を見れば黒煙が上がっている。只ならぬ感じがする中、先行して邑に向かっていた商隊の警護兵が顔色を変えて慌てて戻ってきた。

 

「大変だ、邑が賊の集団に襲われてる。」

 

その報告を聞くなり、刀を携え歩みだす。

 

「一刃、お前は商隊に残り彼らの護衛をしろ。警護兵の何人かは俺についてきてくれ。」

 

すばやく指示を飛ばし、数名の警護兵とともに邑のあるほうへ駆けてゆく。

 

 

 

 

 

「頼む、間に合ってくれよ・・・・・・・・。」

 

 

???side

 

「あ・・・、・・・・・・ゃ、起きろ!」

 

誰かに呼びかけられたような気がした私は、ゆっくりと瞼を開ける。

 

そこにいたのは酷く慌てたような顔をした兄者だ。

 

「・・・・兄者?どうしたのです、そんなに慌てて。」

 

寝ぼけ眼のまま、目の前の兄者に問い返す。兄者は私の両肩を掴んで、深呼吸すると簡潔に答える。

 

「賊だ、邑が襲われた。今すぐ寝台の下に隠れるんだ。早くしろ。」

 

そう言われ、慌てて起き上がり寝台の下に隠れる。屈んで覗き込んできた兄者が

 

「目をつぶってジッとしてろ。絶対に声を出すんじゃないぞ。」

 

そう言った。不安な表情を浮かべていたのに気づいたのか、

 

「心配するな、俺が必ず守ってやる。」

 

そう言い残すと、家の外へ飛び出していった。私は兄者の無事を必死に祈った。

 

「兄者・・・、兄者・・・・、兄者ぁ・・・・。」

 

しばらくすると家の外から

 

「ぐあぁぁぁ・・・・。」

 

という兄者の叫び声が聞こえてきた。兄者?気が動転する。大好きな兄者に何かあったのではないか?恐怖心もあったが、それ以上に兄者のことが気になった私は恐る恐る寝台の下から出て、家の外へと目を向けた。

 

 

「!!・・・・・・・・、あ・・・に・・・じゃ・・?」

 

そこで見つけたのは、辺り一面に広がる血溜りの中に横たわる大好きな兄者の姿だった。

 

目の前が真っ白になる。辺りの喧騒も聞こえなくなる。血溜りに足を進め、大好きな兄者にしがみつくように抱きつく。兄者の身体から温もりが消えていく。涙が溢れてくる。

 

「兄者ぁぁぁぁぁぁーーーーーーーーーー。」

 

大声で泣いてしまった。どうしても涙を止められなかった。

 

「兄者ぁ、逝かないでください。私を一人にしないでください。」

 

すがりついて泣いている声を聞いてか賊たちが次々と集まってくる。

 

「おい、まだ生き残りがいるじゃねぇか。さっさと殺っちまいな。」

 

一斉に振り上げた剣をみて目線を下げ

 

「兄者、今そちらに逝きます!。」

 

諦めの言葉を吐く。

 

ガキン!

 

賊たちの剣は私には届かなかった・・・・・・・・。

 

 

一刃side

 

警護兵が慌しく戻ってきたと思ったら、師匠は刀を携え数人の兵とともに駆けて行った。

 

師匠の供をするようになりもう2年。その間、師匠について剣術の修行をした。最初のころは全然ついていけなかったのだが、最近では師匠と10数合は渡り合えるようになった。

 

(無論全力ではないんだろうけど・・・・)

 

師匠とともに旅をしながら、その土地土地で賊退治などをしているのだが、未だに師匠は供をさせてくれない。師匠の背中を預かるに値しないということなのか。それともまだ未熟だからなんだろうか。思慮に耽っていると、前方から子供を抱えた血塗れの女性が駆け込んでくる。その後ろからは賊の残党なのか数人の賊が続く。

 

「お願いします、この子を助けてください。」

 

そう言うと女性は抱えていた少女を一刃に託し、フッと崩れ落ちた。血を流しすぎたためか、傷が致命傷だったのか絶命したらしい。追ってきた賊は、こちらの姿を確認し分が悪いと思ったのか、こちらには向かってこず退いて行った。一刃の腕の中の少女は、惨劇に気づいてないのか気持ちよさそうに眠っている。

 

「とりあえず師匠たちに合流しないとな。」

 

商隊に指示を出し邑へと向かう。

 

 

北郷side

 

邑に着いてみると、そこには悲惨な光景が広がっていた。逃げ遅れただろう子供たちの屍が散乱していた。その亡骸を一瞥しつつ、生存者の捜索と賊の殲滅を優先させる。邑の入り口を塞ぐようにいた賊たちを一気に斬り伏せ、負傷者の救助を警護兵にまかせて奥へと駆ける。そんな時、邑の中心の方から叫び声と泣き声が聞こえてきた。

 

「まだ、生存者がいるみたいだな。」

 

そちらのほうに意識をやって駆け出す。しばらく行くと賊に囲まれた少女の姿を確認する。賊たちは剣を振り上げ、今にも少女に斬りかかろうとしている。持ちうる最速のスピードで賊に迫り、振り上げていた剣を弾き飛ばして少女の前に身体を滑り込ませる。

 

「なんだてめぇ・・は・・」

 

その言葉は最後まで紡がれる事なく一閃した剣撃によって頸を跳ね飛ばされる。遠巻きにその様子を見ていた賊たちは、恐れをなしたのか四散していった。

 

「とりあえずは大丈夫かな?」

 

そう思いながら亡骸に抱きついて泣いている少女に視線を移した。

 

「(!!愛紗?)」

 

その姿を見て思わず凝視した。その少女の姿は在りし日に別れた愛しい者の姿だった。ただ容姿はまだあどけなさが抜けていない少女であったが。少女の愛紗に話しかけようとするけど、彼女は亡骸に抱きついて泣きやむ気配はない。とりあえずそっとしておくことにしておこう、とその場を離れ邑の中を確認していく。数名の生存者からことの顛末を聞きながら、商隊との合流を待った。

 

 

 

しばらくすると商隊が邑に到着した。俺の姿を見つけた一刃が少女を抱えて寄ってくる。抱えられた少女を見て再び驚愕する。

 

「(!!鈴々?)」

 

一刃に抱えられていたのは、まだ幼いその容姿だが紛れもない鈴々その人だ。

 

「この娘、どうしたんだ?」

 

一刃に問うと

 

「お師匠様が邑にむかわれた後、賊に追われている女性の方が僕にこの少女を託して亡くなったんです。どうやらこの邑から逃げてきたようでしたけど。」

 

そう答えた。

 

(ふむ、確か愛紗と鈴々は同じ邑で暮らしていたとは聞いていたけど、この邑がそうだったんだな)

 

そう考えていると不意に後ろから喋りかけてきた声に反応し、そちらへ振り返る。そこには目を真っ赤に腫らした愛紗がいた。

 

「どうしたんだい?」

 

そう問いかけると、愛紗は小さな声で

 

「さっきは助けてくれてありがとうございました。」

 

と答えペコリと頭を下げた。そこにはぎこちない笑顔の愛紗がいた。

 

「・・・・・っ・・・・・。」

 

その痛々しい姿を見て堪えきれなくなった俺は思わず愛紗を抱きしめた。

 

「ごめんな、もう少し早く来ていれば君の家族を助けてあげられたのにかもしれないのに。本当にごめん。」

 

そうあやまりながら愛紗の髪をなでる。

 

(この娘も一刃と同じように守りたいものを目の前で失った。その悲しみは計り知れないだろうな)

 

しばらくなだめた後、愛紗の兄の亡骸も含め犠牲になった人たちを丁重に葬った。

 

 

 

 

 

 

翌朝、愛紗は鈴々とともに俺の元を尋ねてきた。その姿は昨日の惨劇に打ちひしがれている姿を見せることなく、真剣な眼差しで対峙する。

 

「おじさま、私たちに武芸を教えてくれませんか?」

 

そう言った愛紗の瞳にはあの日の一刃同様、力強い光が見て取れた。恐らくこういう流れになるのだろうなぁ、とうすうす感づいていた俺は、彼女たちの覚悟を汲み取りこの邑に留まることを決めた。

 

 

あとがきです

 

ない知恵絞った文章ですが、相変わらずな出来です。

 

最後のほうが雑になってしまった感はいなめないのですが、

 

温かい目で見ていただけたらと思います。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


 
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