はじめに
この作品の一刀はチート性能です。
キャラ崩壊、セリフ崩壊の部分があることも
あるとは思いますが、ご了承ください。
貂蝉side
「どうやら無事に見つけることが出来たみたいね。」
外史の狭間から見ていた私はホッと胸をなでおろした。本来はこうしたイレギュラーを排除することが私たち「剪定者」の役目なのだけど。あの時、私はご主人様が望んだものを守ることが出来なかった。だから今度こそは、みんな幸せになってほしい。それはあの時の贖罪の気持ちからなのかもしれない。
「その中に私もいられたら幸せなのにね。」
そう自嘲気味に笑う。
ただ、この事態を「管理者」に知られたらどうなることか。それだけは避けないといけないわね。
そう思考に耽っている時、私は寒気を感じるほどの冷たい視線を感じた。
「やれやれ、温情を持って助けてやったというのに・・・・。」
鋼のような冷たい言葉が聞こえてくる。
マズイ!駆け出そうとする意思とは別に身体は動こうとしない。
「思えば『あの時』も役立たずな左慈や于吉のせいで貴様には好き勝手されたしな。」
背後からも冷たく透き通った声が聞こえる。暗闇から姿を現したのは私なんかとは比べ物にならないくらい華奢な容姿の道士二人。はたから見たら左慈ちゃんや于吉よりも弱弱しそうなのに、こんな殺気を放ってくるなんて。
「見たこと無い人ね。あなたたちは?」
私は震えそうな身体を奮い立たせ道士に問う。
「我が名は天蓬(てんぽう)。『外史』の行く末を肯定するものにしてその存在の終端へ導くもの」
「我は哪吒(なたく)。『外史』にある『異物』を排し、あるべき流れへと導くもの」
そう名乗ると哪吒が私へ近付いてくる。その身体からはものすごい覇気を感じる。
そう、あなたがあの『闘神哪吒太子』の名を冠せし者なのね。
私が知る「剪定者」の中でも最高クラスの力を持った存在。
「私をどうするつもりなのかしら?」
震える声で問う。哪吒の瞳には何の感情も無いように思えた。
「お前をどうこうするつもりはない。我はただ外史に紛れ込んだ『異物』を排するのみ。」
その言葉で彼らの狙いがご主人様であると理解した。
それはさせない!もう二度とあんな思いをさせたくは無い。
「申し訳ないけど、それをさせるわけにはいかないわ。私はもう二度と『あの人』を悲しませることはしたくない。それをしようとするあなたたちを行かせる訳にはいかない!」
そう言って哪吒に向かい駆ける。体中の全ての闘気を拳に集中させ哪吒へ放つ。
ブン!
その拳は哪吒にあたることは無く空を切る。
バキッ!
猛烈な衝撃が腹部を襲う。拳撃をかわした哪吒の蹴りが私の腹を抉る。
昏倒とする意識をなんとか保ちつつも、自分の身体に起こる変化に気が付く。
「力が抜けてゆく・・・・。」
自分の力がなくなってゆくことに混乱する中、哪吒が言う。
「お前はもう『剪定者』たる資格はない。お前の力は返してもらう。そして死ね、貂蝉。」
振り上げられた太刀に自分の終わりを感じる。私はまた、守れなった。自分の力が無いばかりに。ご主人様や愛紗ちゃんたちを守れないのね。
(ごめんなさい)
そう呟いて目を瞑る。
しかし、その時
「貂蝉様!」
その声に目を開けると、そこには私につき従ってくれていた者たちが庇うように並んで立っていた。
「貂蝉様、ここは我等に。貂蝉様は『北郷様』のいる外史へお逃げください。哪吒様たちの足止めは我等が命を懸けて。さぁ、急いで。」
その言葉を聞いて私は意識を手放した。薄れゆく意識の中で
「ありがとう」
と呟きながら・・・・。
「やれやれ、困ったことになりましたな。これではしばらくは我々も手が出せん。
厄介なことをしてくれたもんだ。」
ため息をつきながらぼやく天蓬。その足元には数人の道士の屍が転がっていた。
「しかし、貂蝉と志を同じにするものがこんなにいたのには驚きましたな。しかも己の命を懸けて自ら『結界』になるなど・・・・。この『結界』、破るには少々時間がかかりますねぇ。どうしたもんか。」
そう呟くとまたため息を吐く。そんな天蓬を余所に哪吒は言う。
「貂蝉にはもはや神仙としての力は無い。ただの庶人だ。こちらの脅威となることはない。」
そういうと踵を返して歩いてゆく。その様子を見た天蓬が
「どちらへ?」
と問うと
「管理者(マスター)の所だ。お前もついて来い。」
振り返りもせずにそう答えた。
「北郷一刀、か。」
哪吒のその呟きは天蓬には聞こえない。
洛陽近くの森の中
「お父さん、こっちにお姉ちゃんが倒れてる。」
時代は静かに回り始める
狂ル狂ル と
あとがき
なんとか本編にこぎつける事が出来ましたが
相変わらずの文章力と表現力です。
今回は最遊記シリーズのキャラをオリキャラとして登場させました。
しかし、なんともごちゃ混ぜな感じですな。
少しでも面白いと感じてもらえたら幸いです。
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恋姫†無双の二次創作です。
今回は本編の序幕です。
相変わらず拙い文章と未熟な表現力ですが
少しでも面白いと思っていただける人がいれば
幸いです。