自分の気弾を当て、敵将を後悔させてやる。との思いは冷静さを欠いた自分自身によって
裏切られる
気を溜める為に足を止めてしまった凪に、敵将の鍵爪が気弾を爆発させ凪は自分の
気弾で視界が奪われてしまう。
「なっ!しまったっ!!」
咄嗟に溜めていた気を開放し、何処から来るか解らない攻撃に防御の姿勢を取るが
ザシュッ!!!
左の太腿に熱い熱を帯びた一筋の線、そこからは大量の血が流れ出す。
辛うじて溜めた気を霧散させ閻王で敵将の戟をそらすことで致命傷は避けたが傷は浅くない
ううっ、次が来るっ!迎え撃て、次こそ気弾で仕留める!
太腿を斬られ、更に凪の頭に血が上りもはや混乱といって良いほど今の戦いの状態を理解する事は
出来ておらず、敵将の策略に深くはまり込んでいた。
「あっ・・・」
闇雲に更に気弾を放とうとした瞬間、右腕に巻かれた閻王の蒼い下布が目に入る
それと同時に、自分の足元へ気弾を打ち込み土煙で煙幕を作り後方へと大きくバックステップした
自分の型にはめたと思っていた敵将は意外な顔を見せる
落ち着けあれは敵の罠だ、隊長の言葉を忘れるな。私は一つのことだけにこだわり過ぎる。真直ぐ、唯真直ぐにと、それは悪いことではないだが捕らわれるな。そしてそれしか出来ないと言うなら真直ぐ前を、広く大きく前を見て真直ぐ進む、そうすれば私の可能性は大きく広がる、視野を狭くするな。広く大きく見るんだ、私は一つの雲、雲は無形、そして天から見下ろす広い視野、自分を信じろ!覚悟を決めろ!
「コオオオオオォォォォォォォ」
足を肩幅に開き、特殊な呼吸法。体内の気を循環させ、傷口からの出血を押さえ筋肉で絞める
とたんに傷口から血は止まり、まるで無傷のように傷が塞がって見える。
次に行うは硬気功、気を手足に蓄え身体を強固な一つの武器として作り変える。その腕と脚はうっすらと
光を帯び、鋼鉄の強度を作り出す
次は想像力だ、武術で一番大事なのは豊かな想像力。腕を鞭のように思うんだ、しなやかに
そして打撃が当たる一瞬に私の拳に爆発するように力を込める
構えを作り左腕を完全に脱力し、柔らかく動かし始めた
「・・・貴様の言葉にもう惑わされない、私は自分を信じる覚悟を決めた」
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GW企画!夜の部です!!
何時も読んでくださる皆様方、ありがとうございます^^