同盟の調印は無事済み、俺達はホッとした。
俺達と桃香達は朝食を取っていた。
そんな時だった・・・桃香が静かに箸を擱き、突如、椅子から立ち上がり、俺の前まで歩み寄り、俺の約1メートル位で止まる。
「如何されました? 桃香殿。何かありましたか?」
「もしかして、お食事がお口におあいしませんでしたか?」
俺と愛紗が桃香に質問した。
星達も何事かといぶかしみ、桃香を見た。
朱里達もいぶかしんで桃香を見る。
何だ・・・一体・・・?
「北郷さん・・・お願いがあります・・・」
「何だね? 改まって・・・」
桃香が意を決して口を開いた。
「あの・・・わた・・」
「はあい!! 一刀!! 元気してた!!」
桃香の言葉は突如大きな声にかき消された。
声の主を探すと何とそこには雪蓮がいた・・・
何でいるんだ・・・
「雪蓮・・・何でいるんだ・・・幽州城に・・・国境や警備は如何した」
「ああ、国境なら警備が手薄な所の交代時間を狙って入って来ちゃった。後、警備は強引に入ってきちゃった。コレでね」
雪蓮は木箱を取り出して俺に見せた・・・
おい~~~~~~~~~~~~~~~!!!! ソレは俺の専売特許だぞ!!!!!!!
パクてんじゃない!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
俺は心の中で絶叫しながら、顔は笑顔を作り何とか雪蓮に対応しようとする。
「・・・で・・・一体何しに来たんだ・・・」
「も~そんなに怒んないでよ・・・いい男が台無しじゃない・・・」
別に怒っていない!! 怒ってないたら、怒ってないもんね!!!!!!!
意趣返しされたなんて思ってないもんね!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
ほ、ホントだよ・・・・?
「・・・一刀様・・・顔に出てますよ・・・思いっきり・・・」
愛紗は俺にそう言い指摘した。
「ん! んん!! で、本当に何しに来たんだ、蓮華を連れまわして・・・」
俺は咳払いをし、雪蓮に問いかけた。そう、このお気楽王様、自分の妹を連れてきたのである。
しかも亀甲縛りで猿轡・・・マニアックな・・・
・・・兵士を鍛えなおすか・・・こんな見つけやすい変態を見つけられないとは・・・
「観光~♪」
ふざけているのか・・・
「解った、で、本題は・・・?」
「も~~冗談なのに・・・本来の目的は正式な同盟締結の挨拶」
ヘイ、ユウ・・・君の正式な挨拶は、妹を亀甲縛りして猿轡かませて、不法入国、不法侵入し、朝飯食ってる時に乱入する事が呉の挨拶だとでも・・・
素敵過ぎて朝から笑えるぞ・・・無論、嫌味だがな!!
「冗談が過ぎるぞ・・・」
俺は頭を抱えながら呟く。
「本当よ、今回、公式発表は避けたの、また、襲撃されるなんて堪ったもんじゃないわ」
なるほど、それなら納得できるが・・・蓮華を縛り上げるのは間違ってるからな・・・・
「・・・とりあえず・・・蓮華を解いてやれ・・・見るに忍びない・・・」
「え~~中々色っぽいと思わない? 荒縄に食い込む柔肌、見えそうで見えない胸とか下着とか・・・」
「解ったから外してやれ・・・俺はそんな趣味は無い・・・」
・・・今度、愛紗にやってみよう・・・
俺がそう言うと雪蓮は残念そうに縄を解く。
「フハ・・・お姉様!! 何を考えているのですか!!?? 私を縛り上げて、蒼に不法入国だけに止まらず、蒼王の居城たる幽州城の王居住区に不法侵入するなど!? 正気ですか!?!? もし、これで北郷殿との関係にヒビが入ったらどうするおつもりですか!!?? 常々お姉様には・・・」
「あ~はいはい、解った、解った」
怒りが収まらない蓮華を放置し俺に向き直る。
放置プレイだと!? なんて高度な!!
「で、何で劉備達がいる訳? 貴方達、戦争状態だったはずじゃ・・・」
雪蓮、君、フリーダム過ぎないか・・・冥琳が苦労するはずだわ・・・これは・・・
俺は遠く建業で仕事している冥琳に両手を合わせて祈った。
強く・・・生きてくれ・・・
建業では・・・・・・
「ハックチュン!」
「あれ~冥琳様~お風邪ですか~」
「・・・いや・・・誰かが噂をしているのかも・・・」
そんな事があったとか無かったとか・・・
俺は気を取り直し、雪蓮に語りかける。
「ソレはだ、蜀との停戦協定が決まり、同盟に調印したからいるんだ」
俺の説明に雪蓮は納得したように呟く。
「なるほどね・・・劉備、私の名は孫策、よろしくね♪」
そう言い雪蓮は右手を差し出す。
「はい♪ 孫策さん! 私の名前は劉備です。よろしくお願いしますね♪」
そう言い桃香も右手を差し出す。
両雄は握手を交わした。
「雪蓮、朝食はまだかな?」
俺は雪蓮達にそう問いかけた。
雪蓮達は思い出したようにお腹をさする。
「・・・それじゃ~お願いしようかしら・・・」
「・・・御相伴に与る・・・」
そういい、開いてる席に並んで座る。
暫くして、雪蓮達の食事が運ばれてくる。
食事が進むにつれ、桃香達との話が進みだし、何時の間にやらお互い真名で呼び合うようになっていた。
暫くして、俺はお茶を飲みながらある事を思い出す。
「ところで桃香、俺に何かあったんじゃないのか?」
俺がそう言うと、桃香は突如真面目な顔をして立ち上がり、俺に向き直る。
「ええ・・・北郷さん・・・」
「なんだ?」
俺が問いかけ、桃香はその口を開く・・・
「私を・・・・・・弟子にしてください!!」
ソレを聞いた瞬間、食堂は時が止まった・・・・・・・・・
俺は湯呑みを持ったまま固まり、愛紗はお箸で掴んだご飯を零し、星はウソーと言う顔をし、稟はメガネがずれて、風はウトウトの状態で固まり、佑は箸で運ぼうとした状態で固まり、トライフはレンゲを口に入れた状態で固まり、春菜はお皿に手を伸ばそうとした状態で固まり、過去愛紗は持っていた茶碗を落とし、朱里は何事? と言わんばかりの顔で桃香をガン見し、焔耶は持っていた箸をへし折り、口からご飯を零していた。雪蓮はお茶を飲んでいる状態で止まり、蓮華は湯呑み茶碗を握りつぶした・・・・・・・
『え、ええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!』
桃香意外の俺達は共有の叫びを食堂でシャウトした・・・・・・
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恋姫無双の愛紗ルート後の二人が真の世界にやってきたら?
という妄想から生まれた駄文です。
読んでもらえれば幸いです。