No.1061142

スマブラ Stern des Lichts 61 ~アドベント・チルドレン~

Nobuさん

今回は、あの人気キャラを助けます。
ただ、あのキャラの出番がそろそろなくなってきたので……。

2021-05-07 11:55:02 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:334   閲覧ユーザー数:334

 ダーズに操られたソニックは、シャドウの手により解放された。

 

「この僕が闇からお前を引きずり出すとはな」

「でも、おかげで自由を取り戻せたんだ。Thank you、シャドウ」

「別に、君に感謝された覚えはない」

 相変わらず、シャドウは素っ気ない態度を取った。

 これでようやくソニックとシャドウは再会した。

 後は残っている仲間を助けて、ここから脱出する手段を探せばいいのだ。

 

「ソニック、あまり速く走ったら俺達は置いてけぼりになるからな」

「分かってるって」

 クロムは念のためにソニックに釘を刺し、シャドウと共に前に立って一行を率い、霧の森を進んでいった。

 視界は悪かったが、ゼルダの魔法で何とか前が見えるようになった。

 そして10分後、一行が霧の森を抜けると、リンクが北に何かを発見する。

「あれは……マスターソード!?」

「と、言いたいところだけど、とりあえず梟の像を調べないと」

 こどもリンクは南に行き、梟の像の文章を読む。

「勇者の訪れを待つものがある。これってもしかして、ボクとリンクの事?」

「多分な」

 文章を読み終わった後、一行はマスターソードがある場所に行く。

 だが、マスターソードを守るように、闇の鎖に縛られた金髪の青年が立つ。

 異世界の剣士、クラウド・ストライフだ。

「こいつは誰が助ける?」

「オレに任せろ! 久しぶりの出番だからな!」

 ドンキーコングがぶんぶんと腕を振る。

 世界的には無関係の両者だが、ドンキーは久しぶりに戦えるので、かなりやる気満々なのだ。

「おりゃぁぁぁぁっ!」

 ドンキーはジャイアントパンチでクラウドを縛る鎖を打ち砕く。

 すると、瞳が赤く染まったクラウドがバスターソードでドンキーに斬りかかってきた。

「うおっ!」

 意外に身軽な動きで、クラウドの攻撃をかわすドンキー。

 母体をダーズの支配から救い出すため、彼は戦う。

 

「セェイッ!」

 クラウドはバスターソードから衝撃波を飛ばす。

「おらぁ!」

 ドンキーはパンチを繰り出すが、クラウドはドンキーの攻撃を回避する。

 拳と剣がぶつかり合い、二人は距離を取り直す。

「そぉ……らあ!」

 ドンキーはクラウドに突っ込んで転がる。

 クラウドはドンキーの攻撃をその場回避でかわすが次に行ったパンチが命中する。

「……」

「うおっ!」

 クラウドは空中から凶斬りを繰り出し、切り刻む。

 ドンキーは、上にいたクラウドを拳で払い、クラウドのシールドを削っていく。

 シールドブレイク直前でクラウドは右に回避し、空中からバスターソードを叩き込む。

 その隙にクラウドはドンキーの攻撃が届かない場所に移動し、リミットゲージを溜める。

「……」

「うおあぁぁぁっ!」

 リミットブレイク状態になったクラウドはドンキーに突っ込んで切り刻む。

 さらに、怯んだところに凶斬りが入る。

「こいつ、強いぜ! でもよ、オレはもっと強い!」

 そう言ってドンキーはジャイアントパンチをぶちかますが、クラウドはドンキーの背後に回り込んで斬りかかる。

「くそっ! もっと攻めないとダメか!」

「……」

 クラウドは距離を取って衝撃波を放ち、再びドンキーを切り刻む。

 その威力は高く、ドンキーは肩を押さえて蹲る。

「……」

 苦しむ顔のドンキーを、クラウドは赤い瞳で睨みつける。

 このままでは、ドンキーは倒されてしまう。

「やめろ、ドンキー!」

「いやだ……オレは……諦めない……! お前を助けるまで……オレは諦めない……!」

「……」

 ドンキーの必死の言葉にも、クラウドは全く反応しない。

「目を覚ましてくれ……クラウド……!」

 ドンキーがクラウドを攻撃しようとすると、クラウドがバスターソードによる凶斬りを繰り出す。

 直後の切り返しをドンキーはシールドで防ぎ、クラウドを掴んで投げ飛ばす。

 その後、すぐに突っ込んでドンキーヘッドバットでクラウドを地面に埋め、ぐるぐると腕を振る。

「間に合ってくれ!」

 クラウドが抜け出すのが先か、ドンキーが最大まで力を溜めるのが先か。

 全員、固唾を呑んで見守っていた。

 

「クラウドォォォォォォォォォォ!!」

 そして、クラウドがまさに抜け出そうとした直後。

 ドンキーのジャイアントパンチがクラウドに命中、クラウドは場外へと吹っ飛ばされるのだった。

 

「……ここは……」

 ドンキーにより、クラウドはダーズの呪縛から解放され、元の青い目に戻った。

「実は、僕達はかくかくしかじか……」

 シャドウは、これまでの事情をクラウドに話した。

 キーラを撃破したが、新たな敵が現れて皆がバラバラになった事を話すと、クラウドは理解して頷く。

「……また同じ目に遭うとはな」

「同じ目?」

「一度、元いた世界で操られた事があってな」

 はあ、と溜息をつきながらクラウドは左手で頭を押さえる。

「でも、もう大丈夫だぜ。元気出せよ、クラウド」

「そうですよ~。貴方は何も悪い事はしてなかったでしょ~?」

「二人とも……俺を許してくれるのか……?」

「「もちろんだ(です~)!」」

 マリオとヨッシーが、落ち込むクラウドを元気付ける。

 いつでもどこでも前向きなこの二人に、クラウドは僅かながら笑みを浮かべた。

「……ありがとう……」

 

 その後ろでは、ドンキーがぶつぶつと呟いていた。

「そもそも助けたのはオレなんだけどな……」

 

 マリオ、クラウド、ヨッシーという人気の高い三人が今ここで再会を果たした。

 そして、リンクはゆっくりとマスターソードがある場所に向かって歩く。

「さあ、勇気よ、闇を打ち破れ!」

 リンクがマスターソードを抜くと、マスターソードが輝き、大地を覆う闇を打ち払った。

 その様は、まるで鍵の形をした剣を持った勇者のようだった。


 
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