第十話 使い魔
視点は変わってユーノside
ある家の前に緑色の魔法陣が出現する。それが光ったかと思うとそこには人が立っていた。言うまでもないと思うが転移してきたユーノ達である
「ここが今日からわたしたちの住む家……」
「おっきい………」
フェイトとアルフが茫然としたように呟く。
まぁ普通の一軒家だ……大きさ以外は(準豪邸レベル)。きっと泊まりに来る人が多いだろうというリンディさんの配慮だろう
「お義母さんやりすぎ………いくらなんでも大きすぎない?」
「まぁ、ヴィータ達も来たりするだろうし、これぐらいないと部屋が足りなくなるよ」
「あっ!そうか、だからこんなに大きく作ったんだ。」
ユーノの説明の元フェイトも納得するのだが………
「でもねぇ」
「これは」
「「「やりすぎでしょ(だろ)!!!」」」
とりあえず叫んでおいた
「とりあえず、中には入ろう。ベットは取り付けてあるって言ってたから適当な部屋にキャロとエリオを連れてってから休ませよう話はそれからにしない?」
「うん、そうしようか」
「了解だよ」
ドアをあけた。すると
「……………」
なぜかそこには十歳くらいに見える青い髪に赤い目をしてゴスロリ風の黒のドレスを着たかわいい女の子が立っていた。
「えーっと」
「???」
ちなみにフェイト→アルフである
女の子はフェイト達に視線を向けた後、フェイトの後ろの人物に視線を向け嬉しそうに頬をほころばせた。
その視線を向けられた人物…ユーノ…は
「ただいま、レン」
ほほ笑みながら当然のようにそういったのだった
「「よ、幼女誘拐!?」」
フェイトとアルフは不審者を見るような冷たい目でユーノを見て後退りする。アルフは若干楽しそうな光が目の奥の方に見えるが気にしてはいけない。
まぁいきなり知らない女の子が自分達がこれから住む家に入った途端に出てきたら混乱してそう思うのも無理はないのかもしれない(限定条件 フェイトなら)
「はぁ~、ちなみに誘拐じゃないよフェイト。彼女のことは後でちゃんと説明するからいまは二人(エリオとキャロ)を休ませてあげよう」
「う、うん、わかった」
そんな二人にユーノはため息をつく。とりあえずは本気で信じているっぽいフェイトにだけフォローを入れてからエリオとキャロの二人をベッドまで運ぶことにしたのだった
とりあえず二人を休ませることにした三人は適当な部屋のベットにふたりを寝かせたあと、この家のリビングだと思われるところに集まっていた。
「さぁ、ユーノしっかり話してもらおうかな?」
(フェイト……顔は笑ってるのに目が笑ってない。はぁ~、ぼく何かしたかなぁ………レンのことで怒ってるわけじゃないだろうし)
実はフェイトは自分の知らない女の子と親しそうなユーノの様子が気に食わなかっただけなのだが
その女の子はというと
「………(おいしい)」
どこから持ってきたのかケーキをどことなく満足そうな表情で食べていた。
アルフが食べたそうにしていたのでユーノは少女…レン…にアルフにもあげれば?と念話を送ってから話を始める
「まぁ、そんな大したことじゃないんだ。とりあえず結論から言うとレンはぼくの使い魔なんだよ」
「「は?」」
その答えに固まる二人とりあえずは驚いている
「で、でもユーノの魔力量じゃこんな高位な使い魔は生み出せないはずだよ!?」
フェイト達がさっき驚いたのはこういうことだ。通常、使い魔とはなにか生きものなどを媒介にして魔導士の魔力により作り出すものである。
フェイトにはアルフという普通の人間と遜色ない言語能力を有し、戦闘も並みの魔導士以上にこなす使い魔がいるがそれはフェイトの膨大な魔力量、そして魔導士としての実力に裏付けされている。
ユーノは魔導士としての実力としては申し分ないのだが魔力量が少なくフェイトと比べると十分の一程度の魔力量しかもたない。だかどうみても前に座る女の子の姿をした使い魔はアルフと同レベルか少し下くらいのレベルに位置する使い魔なのである。ユーノの魔力量では生み出せるわけがないのだ
「ああ、そのことなら事情があるんだ。このこはぼくが生み出したわけじゃないんだ。ある人から託されたんだよ………」
「「託された?」」
使い魔を持つには2つの手段がある。
1つは自分で生み出すこと
そしてもう1つがだれかから譲り受けることだ
ユーノの場合は後者に該当する
「そ、ある遺跡に行ったときにね」
「遺跡?」
フェイトが不思議そうな顔をする、アルフも同様だ。
遺跡に誰かがいたとユーノは言っているのだから当然だろう。基本的にユーノは遺跡に潜るときは一人で潜る、彼自身の遺跡探索能力が高すぎて周りがあわせきらずに足を引っ張るからである
そのことを二人とも知っているため、ユーノが誰かと一緒に潜ったのは驚きだったのだ。けれどそう考えた直後にフェイトはどこか違和感を感じたのだが
「一緒に発掘に行っていた人から託されたの?」
フェイトはさっきのユーノの物言いから違うと感じつつも無難な質問をする
「それが違うんだよ。遺跡には守護者(ガーディアン)って言われるものがいる事があるのは知ってる」
「うん、ちょっと前にユーノに説明してもらったから」
ちなみに先ほどからアルフが会話に参加していないのは、となりでレンが食べていたものと同じケーキを二つ持ってきてアルフと一緒に食べているからである。
「うん、じゃ説明ははやいね。実はレンをぼくに託したのはその守護者なんだ」
「・・・ええっ!でも守護者ってゴーレムとかなんだよね?」
基本的に遺跡にいる守護者はフェイトの言うとおり意志を持たないゴーレムなどの場合が多い、しかしなにごとにも例外というものは存在するのである。
「うん、たしかに普通はそうなんだけど。ほんとに稀なんだけど精霊とかに分類されるものが守護者となってる場合があるんだ。そういう守護者は、そうだね………魔導士で言うとSーランクくらいの実力を持つ奴もざらに居るんだよ。普通は意志疎通もできるし、よっぽど分別の無い行動をとらない限り戦いになることは無いんだけどね」
「ということはユーノにそのこを託したのはそういうタイプの守護者だったってこと?」
「そういうこと」
とりあえずは今の説明で納得したものの、まだフェイトには不思議なことが一つあった
「でも、そんな簡単にあんな高位の使い魔を手放すとは考えづらいんだけど?」
フェイトは本当に何故だかわからないという顔をして尋ねる。まぁ普通は自分の手足のように動いてくれる自分の使い魔を手放すことはしない、それが優秀であれば特にだ
「その守護者はね、“私はここからでられないからこの子に外の世界を見せてあげてほしい。あなたは信用できそうだからこの子をお願い”って言ってぼくに託したんだ。レンに世界をみせてあげてほしいって」
「そっか………でも」
納得した顔になる。けれどその顔は少しすねたような表情をしていた。そのことにユーノは心中で苦笑を洩らす
「でも使い魔ができたんだったら教えてほしかったよ」
「フェイト?きみはレンにあったことはあるはずだよ」
「ぇっ!ほんとに?心当たりは無いんだけど」
「ねぇユーノもしかしてレンって………無限書庫の………」
とここでアルフが会話に割って入り注意がアルフに向く
「うん、正解だよ、アルフ」
「……ユーノ、降参わたしってその子とあったことはないと思うけど?」
フェイトのその言葉にユーノはいたずらが成功した子供のような表情を浮かべてわらいかける
「うん、確かにレンのこの姿ははじめてかもしれないね」
「???」
「レン、ちょっとこっちに来て」
「………(コクン)」
ユーノがそう呼ぶとレンはトコトコとユーノの方に向かってきてその前でとまる
「レン、いつもの状態になってくれる?」
そういうとレンは頷く。そしてすぐにレンの体が光りはじめレンの形が変わっていく。光が納まるとそこには一匹のリボンをした黒い猫がいた
「………この子ってユーノが一年くらい前に飼うって言ってた猫だったんだ」
ユーノがいったのはそういうことだ。フェイトもレンにはあったことがあるしレンもフェイトは知っている。要はユーノがレンは使い魔であることを伝えていなかったことが今回の事件の発端だったのである。
ちなみにレンは毎日無限書庫までつれていっていたのでアルフも知っているというわけである。
ユーノが猫を飼っていると知ってる人間はたくさん居るがそれがユーノの使い魔だと知っているものはいなかったのだ。本当はユーノもレンが人間の姿で現われなければ話すつもりはなかったのだが今回のことで話さざるをえなくなったのである。
「それはわかったんだけどもう1つ質問いい?」
「うん?いいけどどうさたの?」
ユーノはなにか聞かれるようなことあったかなぁと思いながらそうこたえる
「ユーノって、土見くんだっけ………彼と知り合いみたいだったからちょっと気になって」
「あはしもほほっへはんはほ(あたしも思ってたんだよ)」
アルフもフェイトの質問に便乗するようにケーキを頬張りながらいってきたのだが正直何を言っているのか聞き取れない。が、長年の付き合いからだろうかユーノもフェイトも言ってることを完璧に理解していたりする
「「アルフ喋るんならのみこんでからね」」
とりあえずアルフのこんなところを見てエリオやキャロがまねしないとも限らないので一応釘は刺しておく。
ちなみにレンはあの後ユーノの膝に登って気持ちよさそうにしながら丸くなっている
「えっと、ぼくと稟の関係だったよね?」
ふたりとも興味津々という風に頷く
「まぁ、たいしたこと無いんだけど。ぼくと稟は………(以下稟の説明とほぼ同じということにより省略)………ていうことなんだよ」
そう説明するとフェイトは少しだけ複雑な顔をしていたがユーノには何故かわからなかった
「親友か………ねぇユーノわたしたちは違うの?」
「う~ん、幼なじみではあるけどやっぱり親友ってのとは違うかな?あえていうならなのはとは姉弟みたいな関係、はやては本なんかについて話すことが多いから読書仲間?あとフェイトはほかの二人とはなんか違うんだよね。なんていうか………ほかの二人より近いんだ………無くしたくないっていうか、傍にいてほしいっていうか、うん、とにかく大切な人」
最後のほうはなんかすごいことを言った気がするが気にしない事にするユーノだった。フェイトは最後の言葉に反応して真っ赤である
「えっと、ユーノ、最後のはどういう」
「えっと………その」
ユーノとフェイトの間に気恥ずかしいような雰囲気が流れる
(ユーノ………わたしのこと大切な人って……今なら言えるかな)
フェイトは自分が好きなのはユーノなのだと伝えようかと思い、一方ユーノは
(まずったなぁ、ぼくはなんであんなことを言ったんだろう?)
自分のなかに芽生えている思いに戸惑いながらも
(フェイトは大切な人………自分が傍にいたくて傍にいてほしくて………あぁ、ぼくいつのまにかフェイトにいかれちゃってたんだ)
自分の気持ちなのにがどういうものなのか自覚した。アルフとレンはふたりの雰囲気を察してエリオとキャロの様子を見てくると言って出ていっていた。
アルフもユーノとフェイト双方の思いには気付いていたし、レンはユーノが幸せならそれでよかった。
ユーノとフェイトが自分の想いを言葉にしようと口を開こうt
ピンポーン、ピンポーン
その雰囲気をぶち壊すようにインターホンがなったのだった
ふたりはインターホンを押した人物に(呪ってやる………)そう想いながら
「はぁ、出ようか?」
「そうだね」
そういって玄関に向かったのだが
((間、悪い))
とりあえず主の幸せを思う使い魔たちはそう思ったそうだ
ユーノとフェイトふたりが玄関をあけるとそこに立っていたのは
湖の騎士と
??「久しぶりね。ユーノくん、フェイトちゃん」
烈火の将
??「久しぶりだな、テスタロッサ、ユーノ」
そして鉄槌の騎士
??「久しぶりじゃねーか。おめーら」
子犬?「………」
子犬フォームの盾の守護獣
上からシャマル、シグナム、ヴィータ、ザフィーラ
彼らは夜天の書の守護騎士、というのは建前ではやての家族みたいなものだ
「えっと、どうしたんですかシャマルさん達?いま任務に出てるって聞いてましたけど」
「それがね、みんなはやてちゃんの引っ越しの手伝いするって言って、鬼のように仕事終わらせて帰ってきちゃったのよ。しかも一週間の有休とってきちゃった」
はやてのことになるとヴォルケンズは見境が無くなるのだ。その様子にユーノとフェイトは頭を抱えて
「あの、まだ荷物すら届いてないんですけど」
「それに荷物の整理は明日の予定ですし」
そうかえした。すると
「なに部屋はあるんだろう泊まっていくさ」
「もとからそのつもりだしな~。それにはやてがいる家にユーノもいるんだから安心できないだろうが!!」
そんな答えが返ってくる。ユーノはザフィーラに視線で助けをもとめると
わたしにはどうにもできん
盾の守護獣は眼でそう語っていた
「まぁ、とりあえず上がってください。はやてはまだついて無いですけど、僕らはエリオくんたちを休ませるために早く帰ってきたもので」
ちなみにエリオとキャロのことはみんな知っている
一同「えぇ(あぁ)(おぅ)」
(これ以上やっかいなことにならないといいけど)
(シグナムとしばらく模擬戦やってないな………よし今度機会があるときにでも)
フェイトはしらないがこの家の地下には巨大な訓練場がある。ユーノの“やっかいなことにならないといいけど”という望みが叶う確率は限りなくゼロに近いのだった
あとがき
SHUFFLE!リリカルストーリー 第十話をお送りしました。
とりあえず登場人物が増えて難しいです。頑張ります
とりあえずは皆さんが見ていて分かりにくいようなら人物名の表記をしようと思います。
見難い、これがどのキャラなのかわからない、などあったら連絡くれるとうれしいです。
では今回はこの辺で失礼します
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今回はあの騒ぎの後のユーノ達です。それではどうぞっ!