第九話 再会は勘違いにより………
「ごめん少し遅くなっちゃった」
「なのは、はやて待った?」
部屋の方で思った以上に話し込んでしまったためすこし遅くなってしまった、と思いながらユーノとフェイトは教室に入っていった
「ん、大丈夫やで。待ち時間で友達も作れたしな~」
「うん、だから気にしないで」
待たせていた二人が気にしていないみたいなのでとりあえずはひと安心といったところである
「あ、エリオくんにキャロ、二人とも寝ちゃったんだ?」
「うん、今日はやっぱり疲れたのかな、ついたらもう寝ちゃってた」
なのはのほうにフェイトが答えている間にユーノは稟の方に声をかけようとおもいそちらに顔を向けて遅くなったことについて謝ろうとしたのだが………
「稟ごめん、おそくなっちゃって………」
「………」
稟が答えない………それを不思議に思って稟の顔を覗き込んでみると驚いた顔で固まっていた
ちなみに稟の後ろにいる楓、桜、麻弓も同じ状態である
「稟?」
もう一度呼びかけることでやっと稟の意識がこちらを向いたのかこちらに顔を向けてくれた
「………っと、ああ、すまんユーノ、ちょっと驚いてな」
「??驚いたって何に?」
とりあえずいやな予感がするのだが気付かないふりをしてユーノは稟に疑問を向けるのだが稟はその質問には答えなかった
「………いやユーノ、いつ子供が産まれたんだ?連絡ぐらいしてくれてもいいじゃないか」
「はい?」
………結論から言おう。暴走したのである
「やっぱり、スクライアくんの子供なのね?そうなのね?!楓、さっちゃんこれはスクープなのですよ!!!」
「いや年齢的にみてそれはないんじゃ………」
「わたしも稟くんと………」
「それで母親は?状況的に見てハラオウンさんが妥当だとわたしは思うんだけど?」
「いや、だから麻弓ちゃん」
「稟くんとわたしの子供………ぽぉ~~~~」
「う~ん、母親っていうとフェイトちゃんになるのかな」
「やっぱり、ハラオウンさんなのね!!」
「名前はなんていうんだ?」
「エリオくんとキャロちゃんだよ」
なんかもう見事にカオスになりつつある………
フェイトは真っ赤になってるし。
はやては楽しそうににやにやしながら見てるし。
なのははそんなつもりはなくても話をよけいにややこしくしている。
ユーノはとりあえずこの惨状をどうにかするのはあきらめてこの後どうするのか決めることのする
(とりあえずここから移動しよう………まずはエリオとキャロをやすませてあげないとね)
「フェイト、ふたりをやすませてあげたいから先に帰ろうか?」
「そ、そうだね疲れてるみたいだから寝かせてあげないと」
声をかけるとフェイトはまだ顔が赤かったが落ち着いたのかしっかりした口調で答える。
このさい目の前のカオスは無視の方向で………というのが今回のユーノの方針である
「よし、じゃ行こうかフェイト。はやて、先に帰るけど家のほうまでみんなのあんない頼むね。地図は置いていくから」
「了解や。わたしはもうしばらくこれ見てて落ち着いたらつれていくわ」
その言葉をきくとユーノは魔法陣を展開して自分達が住むことになる家に四人を……むろん、フェイト、エリオ、キャロ、アルフの四人だが……連れて転移した。
それをみていたはやては目の前の惨状に目をやって
「いったい何時までつづくんやろうか?」
とぼやいた、そのぼやきに
「あはは………しばらくかかるんじゃないかと」
あのカオスに加わらなかった桜がそう答える。
「そういえばさっきスクライア君が使ったのが八神さんたちの世界の魔法なんだよね?」
「そうやで。とりあえず、はやてでえーよ。ユーノくんが使ってたのは…………………」
とりあえず目の前の混沌に加わらかった二人はとりあえず魔法についてはなして時間をつぶすことにする。
カオスはそれから10分近く続き稟、楓、麻弓、なのはの四人はユーノとフェイトがいつのまにか帰ったことに気がついていなかった。
その後稟達は、はやての案内でユーノ達の暮らすことになる家に向かった。
「というわけで、あのこ達はフェイトちゃんが保護してユーノくんが後継人になっとるんよ」
「へぇ~、あのこ達は ハラオウンさんが保護してる子供たちなんだな」
稟たちはあのあとはやての案内でユーノ達が暮らす家に向うことになり道中ついでにあの子供たちのことも稟たちは説明してもらっている。
稟たちからすると気がついたらユーノとフェイトがいなくなってたのだが、そのエリオくんとキャロちゃんを休ませるために先に家に帰ったらしい、という感じである。
稟(+楓+桜)からするとユーノとフェイトのその行動が幹夫おじさんの親ばかぶりとかぶって少々苦笑が漏れていたが。
「それはそうと土見くん?」
「ん、なんだ?」
「結局のところスクライアくんと土見くんってどういう関係なの?」
「あ、それはわたしも気になっとったんよ。土見くんとユーノくん、やけに仲良さそうやったし」
「わたしも気になります」
「わたしもです」
「わたしも気になるな?」
まぁほとんどの人はここにいるしいいかな?と稟は心の中で数俊だけためらって結局話すことにする
「ユーノもいるときが都合がいいと思ったんだが………まぁいいか。俺とユーノは一応親戚になるんだよ。あんまり近い親戚ってわけじゃないんだけどな。母方の親戚になるらしいんだ。
父さんが管理局の遺跡調査部関係で勤めてたからスクライア一族のほうとも関わりがあったらしくてさ、その関係で父さんの仕事についていったときにユーノと知り合ったんだ。
まだ光陽町に越してくる前の話で、あえてユーノとの関係を言葉にすると『楓たちよりも付き合いの古い幼なじみ兼親友』ってとこかな?ユーノのほうもそんな感じだと思うぞ?」
まぁここ数年はユーノの仕事が急がしくてまともに連絡すらとれていなかったのだが
「そうなんだ。なーんだ、あんまりおもしろくなかったわねー」
麻弓おまえはなにを期待してるんだ、と、とりあえず稟は心の中でそうツッコム
「小さい頃のわたしの知らない稟くんを知ってる人ですか………ちょっと羨ましいですよね」
「そうだね楓ちゃん」
「(楓たちにとってはそうかもしれないな、だけど………)だけど楓と桜はユーノの知らない俺をたくさん知ってるだろ?」
「はい、稟くんのことですから」
「もちろんです。一緒にいた時間と思い出なら楓ちゃん以外にはまけないとおもうよ。楓ちゃんとはほとんど同じだけど」
当然、稟も二人のことはたくさん知っている、そのことを稟はとてもうれしく思った
「……なぁ、ていうことはもしかしてやけど、土見くん魔法が使えるん?」
「まぁ、一応な。魔力コントロールが下手でおおざっぱなのしか使えないがな(ユーノみたいにうまくはできないんだよなぁ……。はぁ…明日にでも久しぶりにユーノと模擬戦してみようかな )」
「「稟くん魔法が使えるんですか!?」」
「あ………(ま、まずい………。楓たちには秘密にしてたからな……)」
「す、すまん今まで黙ってて」
「り、稟くん、謝らないでください。それはいいんですっ!!そうじゃなくて稟くんわたしに魔法を教えてくれませんか?」
「へ?なんでまた」
大切な幼馴染たちに隠し事をしていたのが後ろめたくて稟はつい反射的に謝ってしまうが、楓の予想を超えた返しに間抜けな声を上げる
「え、えっとその魔法の授業もありますし勉強しておきたいなぁって………ダメですか?」
稟の中で楓に頼まれて断る必要性はないのだが………
「俺なんかに教わるより八神さんやユーノ達に教わったほうがいいとおも「稟くんじゃないと嫌なんです!!」うぞ。って楓?」
「っつ!!すみません。でも………わたしは稟くんがいいんです。稟くんじゃないとだめなんです………」
はやてたちに教わった方がわかりやすいと思ったのだが楓はそれは嫌だというのだ
(はぁ、楓にあそこまで言われたら受けるしかないじゃないか。だがなんで楓はそこまで俺にこだわるんだろう?)
「稟くん。楓ちゃんは『大好きな稟くん』にだから頼みたいんだよ。あ、ちなみに私にもよろしくね」
「さ、桜ちゃん!!」
桜のそのことばに楓は真っ赤になりながらなにかいろいろいっていたがとりあえずかわいいので許すことにする
「楓さん乙女やね。土見くんも了承してあげればええのになぁ。土見くんって意外に鈍感なんやろか?」
「たぶん……ユーノくんと同じで、まわりのことには聡くて自分のことには疎いタイプなのかも?」
「楓みたいな美少女にここまで言わせるなんて罪な人よねぇ~。だけど本当に気付いてないのかしら?」
SIDE 稟
三人とも余計なお世話だ。無視だ、無視…………
それに俺だって楓の俺への想いについては気がついている。いやむしろ気がついていなかったら俺の感覚は異常だろう。だがそれでも楓はあまり積極的にならず今までは少し引いて接してきていた。だが今日の楓はいつもより押しが強く少し戸惑ってしまったんだ。
「す、すみません。稟くん。稟くんの手を患わせることになりますし………それに迷惑ですよね?だからさっきのことはいいですから………」
あぁ少し黙ってたから楓が誤解しちゃってるな
それにあんな気落ちした顔させちまった。護るって決めた大切な子にこんな顔させるなんてホントダメな奴だな俺………
楓にこんな顔をさせるくらいならとっとと了承しとけば良かった。
だって………
『楓の悲しそうな顔なんて見たくない………。いや………そんな顔はさせないってきめたはずなのにな俺………』
「いや、引き受けるよ楓。桜もそれときに一緒でいいよな?」
「うん、了解です」
「え、で、でも稟くんの手を患わせるわけには………」
楓のやつさっきといってることが違うぞ?
「でも楓は俺に教えてほしいんだろ?」
だから少し背中を押してやる、だって俺が楓のためにしてやれることはそんなに多くはないから
「で、ですけど……」
だから、もう一押し
「俺が楓に教えたいんだだめか?」
「?!だ、ダメなわけないです。わたしは稟くんに教えてほしいです。でも………稟くん、迷惑じゃないですか?」
俺はそれに笑って答える。どこにこの答えに迷う余地があるというんだ
「俺が楓のこと迷惑なんて思うわけないだろ?むしろいつも俺のほうが迷惑かけっぱなしでわるいなって。なんなら家事でも勉強しようかな?」
「稟くん………ありがとうございます。じゃ魔法のことよろしくお願いしますね。ですけど」
あれ楓さん?なにゆえそんなにおこった顔を?
「稟くんは家事なんてできなくていいんです!!むしろしないでください!そんなことしたらわたしが悲しみます!稟くんのお世話をすることがわたしの生きがいなんですから!!」
い、いやそんな堂々とダメ親父みたいな生活を推奨されてもな(汗)。少しだけ抵抗を試みてみる。俺はまだ楓のヒモとはいわれたくない
「い、いやでもな………」
「だめです。」
あえなく撃沈。それでも抵抗を試みる
「い、いやでもそれだと大変じゃないか。楓のこと心配なんだよ…………無理してるんじゃないかって」
これは本心だ。楓は少し無理をしすぎるところがあるからな
「稟くん………。わたしなら大丈夫です。稟くんのために何かしてるのは楽しいですし、稟くんの役に立ててるんならわたしは嬉しいですから」
「はぁ………わかったよ。でも具合悪そうだったりしたらすぐにベットに縛り付けるからな」
これだけは絶対に譲れない妥協点、ちなみにこれは桜にも適応される
「で、でも………わかりました」
楓も最初は反論しようとしたが俺の真剣な顔に気がついたのか素直に頷いてくれた
後ろでは………
「土見くん、ヒモね」
「ヒモやね」
「にゃはは………麻弓ちゃん………はやてちゃん……」
「あははは←(否定できない)」
余計なお世話だ!それに俺はヒモじゃない……と思いたい………
「だけど楓、買い物の時、米なんか重いんじゃないか?」
「いえ、大丈夫ですよ。わたしこう見えて力ありますから」
ありもしない力瘤を作ってみせるその姿もかわいい………じゃなくて!
「でも重いだろ?今度から買いに行くときは俺が持つよ」
ヒモじゃない、ヒモじゃない、ヒモじゃないヒモじゃない、ヒモじゃない、ヒモじゃない、ヒモじゃない
俺は断じてヒモなんかじやない!
「断固拒否です。稟くんにそんなことさせられません」
なんかてこでも動かない感じだな………。
よしならこれでどうだ!少し言うのが恥ずかしいので楓の近くにいって小声で言う
「じゃあお米を持った楓を俺がお姫さま抱っこするのはOKなんだな?」
楓はその言葉に少し動揺したようで赤くなっていた。よしこれなら…………
「……………じゃぁ、これからはそれでお願いします(真っ赤になりながら嬉しそうに)」
これで楓も折れてくれるだろう………って!?
いま楓なんて言った?
「マ、マジか?」
楓は満面の笑顔で
「はい」
そう答えた。うっかわいい………じゃなくて!まじか?………まぁでも
「ああ、わかったよ」
楓の負担が少しでもへるならそれ位やってやろうじゃないか!嫌ではない………というかむしろ嬉しいことだ、いや絶対にむちゃくちゃ恥ずかしいんだけどな。楓を笑顔にさせれるんなら安いもんだ。立ち止まって楓に微笑みかけながらそう思っていた
ん?ちょっとまて『立ち止まって』?
「ていうか………急がないとユーノ達待ってそうだな?」
いつの間にか立ち止まっていたのに気付きそう洩らしたのだった。それに反応して八神さんが
「そうやね。ほな、はよ行こうか?」
「うん(ああ)(はい)」
そうきりだし俺たちはユーノ達の家に急いだ。
あとがき
もうやらんといったのにまたやってしまった。3話連続投稿。とりあえず書きためてある分がどんどん消えていく………
とりあえず先を書きます。それからこちらにはUPするようにしよう…………ではみなさんまた逢う日まで
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こんかいでやっとSHFFLE!陣営とリリカルなのは陣営がまともにからみます。
ここまで来るのに時間かかりすぎですね、はい