No.978664

九番目の熾天使・外伝 蒼の章 ディア篇・予告……?

Blazさん

今年ラスト……ではないはず。
ってなわけでまたコレよ。

2018-12-31 09:36:36 投稿 / 全4ページ    総閲覧数:1018   閲覧ユーザー数:990

 

 

 

 旅団No.17 ディアーリーズ。

 彼には生まれついてと言ってもいいある体質、いや性格があった。

 それは―――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「だから! 僕のこの変に増える女性関係をなんとかできませんかって!!」

 

 「できるわけないでしょ。それは貴方のやったことで、神やアマテラスが仕組んだことではなくてよ」

 

 「なぐっ……」

 

 「第一、貴方のその馬鹿みたいに増えるプラナリアのようなフラグの体質は全て貴方が原因なのよ、ディア」

 

 

 

 フラグと言われるもの。それはいわゆる彼と女性との関係で恋愛の切っ掛け、始まりの(えにし)のことを言う。

 ディアーリーズは旅団の中でも特にそのフラグというものに強く惹かれるのか、他のメンバーよりも女性関係は極めて広く、そして多い。その総数は彼が分かっているだけでも数十に及び、彼の目の前にいるレイチェル曰くさらにその何十倍というフラグが確定しているのだという。

 

 「そんな……いや、だからってプラナリアみたいにそこまで増えるわけないでしょ!?」

 

 「そう言っているけど、事実貴方のフラグ数は異常よ。わかりやすく言うと他の人間が頑張っても二桁だっていうのに、貴方だけ桁数が―――」

 

 「いやいやいやいやいやいやいや!? そんなはずないでしょ!! 仮に僕がそこまでフラグってもそこまでの桁数―――」

 

 「言っておくけど、将来の貴方のフラグ総数は四ケタよ」

 

 「嘘言うなぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!?!?!?!?」

 

 「なら、せめて貴方の超一夫多妻さを教えてあげましょうか」

 

 「やめてぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!?!?」

 

 

 

 

 

 「貴方の将来の子どもの数は約三百よ」

 

 

 

 

 

 その瞬間。ディアーリーズは地面に伏し、両腕を石製のタイルに叩きつける。

 嘘だ。嘘であってほしい。っていうか嘘だろ。

 そんな現実に対しての必死の逃避と抵抗、そして反論をしようとするが、ディアーリーズの口は動くこともなくただ腕だけが地面に叩きつけられてヒビを作っていた。

 

 「まぁ、この数はあくまでも竜神丸がアマテラスを使って面白半分に観測した数よ。だから、この事象の貴方のフラグは……そうね。十分の一と言ったところかしら?」

 

 「そんな気休めだけど、みたいなこと言ってますけど要は三十人は子どもこさえるってことですよね。どこの蒼崎さんですか。っていうか僕は蒼崎さんですか」

 

 「あら。これでもまだマシな方よ。もっと酷い事象だと、貴方は百人の女を妻として娶ってるのだから」

 

 「それもはや支配者のそれでしょうか!!」

 

 「そうね。その事象は旅団という組織はないのだから、まぁ自然とそうなったのよ」

 

 結果。何をどうやっても自分の運命から「フラグ」という文字が消えないという事実に打ちひしがれるしかないディアーリーズは地面に伏せたまま顔だけを上げてレイチェルのゴスロリ服を見上げる。

 その当人は鉄壁ともいえるロングスカートによって彼女に対する痴漢をさせないようにしているが、今は互いにそんなことを考えることも意味もない。

 ゆっくりとまだ温かい紅茶を口にしたレイチェルは焦燥感と絶望に顔を歪め、涙の滝を流しているディアーリーズの顔を冷ややかに、内心面白そうに眺めていた。

 

 「……で。貴方がここに来たということはまた増えたのね。おめでとう」

 

 「全ッ然、心がこもってないっていうかおめでとう案件ではないんですが」

 

 「そうかしら。貴方が馬鹿な女との関係が増えるのは私としても面白……興味のあることですもの」

 

 「ちょっとレイチェルさん。今面白そうって言いかけましたよね。言おうとしましたよね!?」

 

 「五月蠅いわよ。全く……久しぶりに一人でティータイムを楽しみたいと思っていたのに。貴方って本当に節操ないわね。おまけに何? 世間では年末で忙しいっていう時によく私のところに顔を出せたわね」

 

 「いや、だから大体のことが終わってさぁ新年だって時にまた変に女性絡みの話が増えて、しかもその中にラムダって子が居るから相談できる相手がレイチェルさんしか居なかったんです!! あと、ココノエ博士は仕事納めだからってどっか行ってしまいました!!」

 

 あの女、とこの場には居ない人物に悪態をつくレイチェルは深いため息を吐くと再び見下した目でディアーリーズを見た。

 

 「…………で、最後には私のところにのこのこ現れた……ね。本当に貴方、節操ないわね。しかも今度はあの次元境界接触用素体なんて。蒼崎だって、もう少し自重してるわよ」

 

 「え……?」

 

 「あら、貴方知らなかったの? 蒼崎。普通にまた結婚してるわよ。今度は普通の人間と」

 

 そう言ってレイチェルは、ティーセットの近くに置かれていた一枚の封筒を彼に見せる。それは蒼崎が年末前に書いた結婚報告と予定、そして招待券がセットとなった図々しい結婚報告セットだ。

 これには思わずディアーリーズも本当かと彼女が手に持つ手紙を奪い取ってでも確認しようとするが、レイチェルは慣れた手で素早く手紙を隠すと、自身のゴスロリドレスの中へと手紙をしまい込んだ。

 

 「はい!?」

 

 「フラグ止まりでやたらと増やすよりも、あっちの方は多少タチ悪いけど結婚まで踏み切っているのだもの。どちらがマシか貴方でもわかるわよね?」

 

 「ぐっ……っていうかどっちもタチ悪いと思いますけど……」

 

 「自分で自覚するだけの頭はまだ残ってるようね。けど、あっちはあっちで自分の身の振り方もしっかりと弁えてたわよ? ま、その分物理的に制裁はされていたけれど」

 

 「いや、向こうも悪いじゃないですか……」

 

 「結婚まで踏み切らない貴方が言えたこと? いい加減、あのツバキ=ヤヨイともう一人との話を決着させないと貴方の身の危険は増すばかりよ」

 

 いずれは来るだろうあのイカルガの英雄のことを思い浮かべクスクスと笑うレイチェルは、ティーセットと一緒になっているフィナンシェに口をつけると小さな口で柔らかな菓子を食べていく。

 余裕のある彼女の振る舞いに自分の気持ちなど蚊帳の外かと思っていたディアーリーズは次第に彼女のところに駆け込んだ自分が馬鹿だったのでは、と思い始める。

 

 「それは……っていうか、僕彼女とそんなことしました!?」

 

 「貴方はその気ではなくても向こう二人はその気よ。恋愛のこと、本当に何も知らないのね。よくそれでクライシスのところの団員が務まる……ああ。そうね。この言葉は不適切だったわ。その手の話を全く知らない愚かなヤツは他にも居たもの」

 

 「愚かって言いきりましたか……」

 

 「話を戻すわよ。貴方は駆け込み寺のように私のところに来たけれど、貴方の運命は既に詰み。どうする事もできないほどにフラグにまみれている。

 現在は恋愛する女たち二人が貴方との婚姻を望み、今もなお貴方のことを好きでたまらない女たちが居る。

 そして未来にはいずれ貴方のことを好くだろう女もたくさんいる。それこそ貴方一人を夫にしてサッカーの試合ができるほどにね」

 

 「具体的な例えありがとうございます……つまりそれだけの女の人とフラグるってことですよね」

 

 「そういうことね。だから貴方のフラグはもはや回避どころか切除不可能。貴方にとってフラグとは人生の一部であり貴方そのもの。

 その結果は見てて笑えないものよ。メインヒロインから人畜無害、果ては主人公から人類悪まで。その手広さはどこぞの屑よりも広く、そして果てしないわ」

 

 「その屑の名前多分聞いたことあります……」

 

 「どうでもいいわ、そんなこと。さて、結果貴方にとって切除したいフラグはもはや貴方の人生にとって切除できない、いいえ切除してはならないものとなった。このままいけば、貴方は死ぬまで……ああ。貴方死ねなかったわね。まぁ永遠フラグが付きまとうわね」

 

 「そこまで確定してますぅ!?」

 

 「してるわよ。ワリとアマテラスも暇なのねと思うほどに。貴方の未来は向こう数千年まで確定してたわよ」

 

 「嘘ぉ!?」

 

 「ま、それだけ確定してるのは私としては暇なものだけれど。もう少し味が欲しいところだったわ。

 ……さて。そこまで確定した未来。変えられない現実。抗えない運命。

 そして、この先増えるであろう女たちとの縁。

 貴方はどうするつもりなの、ディアーリーズ?」

 

 

 

 青年の運命は決まっていた。いや、既に決められてしまっていたのだ。

 もはや回避どころか切除すらもできないほどに。それすら彼という人間を構成する要素の一つであるように、彼の運命、人生は既に確定され、そして約束されてしまっていた。

 彼の運命がもはや神の悪戯というよりも遊び半分で作ってしまったかのように、彼のさだめはもう変えられない。変えることすら不可能で、そして変えてもまた戻されてしまうほどに、彼の運命は決められてしまっていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ―――だが。彼はそれでも諦めなかった。

 

 ―――例えそうであったとしても。例え、運命を決められてしまっていたとしても。

 

 ―――まだ手はある。たった一つ。自分のこのふざけた運命を変える、たった一つの方法が。

 

 ―――まだ、青年の中には残されていた。

 

 

 

 

 

 この世界を根底から覆す。その方法が。

 

 

 

 

 

 

 

 

 「―――だったら。僕は……アマテラスを掌握する」

 

 「…………え?」

  

 「アマテラスを……蒼を手にする。

 

 

 

 

 

 そして、このふざけた……ふざけ過ぎているこの運命を変えて見せる…………ッ!」

 

 

 

 

 

 今。ここに、たった一人の青年による世界を相手にした戦いが幕を開ける。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 九番目の熾天使・外伝 =蒼の章=

 

 ディアーリーズ篇

 

 = Change Destiny =

 

 

 

 これは、運命を変えるための蒼の物語。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「……ま。つっても変わるわけねーけどな」←こたつの中で煎餅かじってるBlaz

 

 「鬼かよ、お前……」←予告のを見ていた蒼崎

 

 「言っとくがお前もだぞ、蒼崎」

 

 「うそん……」

 

 「おいウサギ。お汁粉食うか」←こたつに入りながら雑煮(関西)を食べようとするラグナ

 

 「お餅は一つ。やわめ小さめよ。それ以外は受け付けないわ」←なぜか丹前を着てこたつに入っているレイチェル

 

 

 

 「ていうか散々人のこと弄っておいてなに新年スタンバってんですかこの四人」

 

 

 

 

 

 

 

 

 当然ながら連載する気はない。

 


 
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