この作品は、作者の妄想があふれ出して固まったという不純な動機から生まれています。
原作?なにそれおいしいの?なんてレベルは超越しております。
主人公もげろなんてしょっちゅうです。
それでも良いという方はどうぞお進みくださいませ。
今日は約束通り、勉強会の日。
あれから日程の調整とか場所の提供とか色々と頑張ったけど、まあ皆がきちんと揃う日がこの時期にあったことは割と幸運だったんじゃないかな?
それを場所を取ってくれた地和ちゃんに言ったら、
「そりゃ、皆貴方に興味があるんだから当然じゃない」
とよく分からないことを言われた。
「でも、本当に私も聞いて平気なんですか?」
ここは大学のとある一教室。
「あんまり深いのは厳しいですけど……。基本的なことなら、何とか。ですが、桂花から稟さん相当頭いいって聞いてますけど?」
「あの子がそんなことを?随分と珍しいこともあるものですね……」
一番最後に来たオレに対して話しかけてきた稟さん。
「そうなんですか?」
「ええ、少なくとも面と向かって自分の身内を褒めるようなことはしない子です。まぁ、それはともかく、確かに基本的なことはできると思いますよ」
「おおー、すごい自信ですねえ」
「風、貴女だって同じでしょうに。まあそれはともかく、別にわからなくてもいいのです。こういうのは別の視点で考えられる人がいればいいだけですので」
「あー、それは分かる気がします。そういうことなら、オレもお世話になるかもです」
「それは勿論。こちらだけが頼るわけにもいきませんから。それに、貴方が聞ける相手なんて、この場には……っと、これ以上は野暮ですかね?」
「うー、反論できないの……」
「ぐぬぬ」
稟さんの言葉になぜか呻る沙和と地和ちゃん。
地和ちゃんは成績について知らないからともかく、沙和はやればできるけどやらないタイプだからねぇ……。
「まあ、実際稟姉さまだけでしょう。同じ学年以下では確実に北郷さんの方が頭もいいですし~。もともとは稟姉さまに聞くつもりだったのですから~」
「ん?そうなのか?」
と、風ちゃんがそんなことを言ってきた。
「はい~。テスト前は大体みんなで集まって、稟姉さまに教わるというのが習慣でした~」
「まあ、私だけでなく都合がつけば美羽さんだったり秋蘭さんも来たりしてましたが。秋蘭さんが来るときは大抵お姉さんも一緒でしたね」
なるほどね。
「というか、風。貴女なんで私を姉さまなどと。普段は何度言っても稟ちゃんと呼ぶくせに」
「ふふふ~、人前ではよく見せておきたいという乙女心ってやつですよ~」
「全く……」
「いいんじゃないですか?仲が良くて」
「まあ、仲は悪くないですがね……」
そう言って稟さんはため息をついた、
なんか、色々と複雑みたいだな……。
さて、そんな会話をしてからだけど勉強会自体は割とスムーズに進んでた。
「北郷君、これなんだけど……」
「ん?ああ、それはこの公式……」
まあ、思ってたよりも質問も多くなかったし、やっぱり皆結構勉強できるほうだったみたい。
身構えてたと言ったら大げさだけど、ちょっと拍子抜け。
まあ、面子で考えたらそんなに大変な集まりじゃないからね。
聞いた話だと一番成績が低いのがおそらく沙和か真桜だけど、それでも平均は超えてるらしいし。
「おや、もうこんな時間ですか」
稟さんの声に顔を上げると、すでに時計の短針は9を過ぎていた。
「おお~、これはこれは。随分と集中していたみたいですね~」
「ウチ、こんなに集中したん初めてかもしれん……」
「ちぃも……」
風ちゃんがググッと背筋を伸ばしている隣では、真桜と地和ちゃんが机に突っ伏していた。
「姉さん、あんまり普段から勉強しないから」
「一夜漬けで乗り切っちゃえばこっちのもんよ!」
人和ちゃんがため息をついて言ったが、地和ちゃんはどこ吹く風といった感じか。
「ま、まぁ人の集中力なんてそんなに長く保てるものじゃないからね。オレも疲れたよ」
「そうなんですか?というか、北郷君は自分の勉強できたんですか?」
「ええ。稟さんにも教えてもらえましたし、一人でやるよりも効率よかったです」
「それならよかったです。むしろ私の方が結局何回か頼ってしまいましたから」
「上手く教えられてればいいんですが」
「十分です。先生方よりも上手だったと思いますよ」
「ほんとよね。将来先生になればいいんじゃない?」
稟さんと話していたらそばで聞いていた地和ちゃんが入ってきた。
「教師か……。こうやって友達とか知り合いに教えるならともかく、仕事として教えるとなると色々大変そうだけどなあ」
「まあ、学校で教えるとなったら免許等でそうかもしれませんが。個人塾とかなら十分に生徒が集められそうですね。仕事ということは変わりないですが」
「稟さんまで……」
まあオレも高2だし、進路はそろそろ考えないといけないかねえ?
あ、ちなみにオレは理系だが、歴史とか考古学にも興味ある。
及川なんかには「傍から聞いたら変やけど、かずピーやしなあ」というよく分からない納得をされてる。
「まあ、とりあえず帰りましょうか。私は鍵を返しに行ってきます」
「なら、風がついて行きましょ~。北郷さんは皆さんと先に校門に向かっててくださいな~」
「分かりました。学校ですから何もないと思いますけど、気を付けて」
そんなわけで、稟さんと風ちゃんが教室の鍵を返却しに事務室へ向かうことになった。
俺は沙和達5人と先に校門へ。
「それにしても、一刀君はなんでも出来て羨ましいの」
「せやな~。運動も恋さんと張り合えて、勉強はトップやし……」
「そ、そうかな。でも、皆も結構よく出来てるみたいだし、今回は成績も期待できるんじゃない?」
到着して二人を待っている間に、話題はオレの話になった。
というか、面と向かって言われると結構恥ずかしいぞ!?
「少なくとも、ちぃは今までで一番勉強したもの。これで成績上がってなかったらこれ以上何すりゃいいのよ!ってなるわね」
「確かに。というより、一刀さんの教え方ってすごく要領のいい感じがしたわ。いつもの勉強もこんな感じなの?」
人和ちゃんに聞かれた。
「自分でやるときはもう少し幅広いかな。今日はとりあえず、ここさえ押さえておけばって所を重点的にって感じだったから」
「へぇ~!そういうのって、コツとかあるの?」
「授業で先生が繰り返したりしたことを復習するくらいかな。ほら、オレバイトしてるから、まとまった勉強時間っていうのが取りにくいしね」
「そういえば、冥琳先生のご実家のお店で働いてるんだっけ?」
「そうだね。お姉さんが出資+店長やってるお店だから間違ってないよ。居酒屋だけど、ご飯もおいしいから今度食べに来てよ。売上上がるとオレのバイト代も潤うし」
「あら~、それなら風達も今度行きましょうかね~?」
そんな話をしていたら二人がやって来た。
「美羽さんが前に我々を誘ってくれてましたし。貴方からも誘われたのであれば、友人らも誘うべきですかね」
「やっぱり、同級からもさん付けされてるんですね、あの人……」
オレは苦笑いするしかなかった。
帰宅後。
すでに夕飯その他諸々も片づけて、妹たちは先に寝てる。
ちなみに、母さんは友人と久々に会うとのことで今日は帰ってきてない。
「さてと、オレもそろそろ寝ますかね……」
と、ふと視界の端で光るものを感じてそっちを見れば、携帯がメール着信を伝えてきていた。
「ん?誰だ……?」
確認のために開いてみれば、なんと美羽さん。
肝心の内容はというと、
『稟から事情は聞いたよ。とりあえず、一刀のバイトが入ってる日の予定は2ヶ月先まで伝えておいたから。ついでに姉さまと亞莎にも言っておいたから、来たらきちんと相手してあげなさいね』
「いや、ほんと早すぎない?」
前から行動力ある人なのは知ってたけど、これはすごいな。
「まあ、別にオレがいようがいまいが関係ないとは思うけどさあ」
とりあえず、了解という旨の返信を送った。
「さて、今度こそおやすみなさい……」
あとがき
どうも作者です。
まーた半年経過してます。ほんとお待たせして申し訳ないです。
もはやあとがきで謝罪するのが恒例化してて何とも……。
今回は勉強会の様子(ダイジェスト)と終了後の会話がメインでした。
それと、美羽さんの暗躍も少々。
個人的に私の書いているこの外史でのお気に入りの一人だったり。
すごく便利(一刀の名前呼び捨てできる、お嬢様、一刀からの好意も高め等)なので、これからも困ったらちょくちょく出てきます。
現代日常系ってネタはたくさんありますけど、書ける能力が私にないってのが一番の問題ですね……。
気長にこれからも書いていきますので、忘れていなかったら次もお楽しみに……。
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一刀と恋姫たちが現代の学校で繰り広げる物語。 笑いといちゃこらと(視聴者と私の)嫉妬からできています!