武僧達のいない、安全な場所に着いた三人。
「ってなわけで、武器戦闘を学ばせて」
「あれ? でもミロさんは体術が得意でしたよね?」
「まあ、とにかく、武器も学ぶと便利かな、って。ていうか、言い出したのはあんたでしょうが」
ミロは男をこつんと殴った。
「……武器か。これはどうだ?」
そう言って、男は刀身の短い曲刀を見せた。
「何これ?」
「これは『飛翔剣』という、投擲用の剣だ。近接攻撃・間接攻撃の両方が可能だぞ」
「使いやすいの?」
「いや、使いにくい方だ」
「だったら別の武器が……」
「はいはい、練習しましょうね」
ユミルに引っ張られ、ミロは飛翔剣の練習をする事にした。
「これから、俺が魔法で的を召喚する。それに向かって、飛翔剣をぶつけろ」
「わ、分かったわ!」
男が呪文を唱えると、目の前に的が現れた。
ミロは飛翔剣を持ち、的に狙いを定める。
「それっ!」
ミロは勢いよく、飛翔剣を投げつけた。
飛翔剣は車輪のように回転し、的に向かっていく。
的に飛翔剣が刺さると、霧のように消滅した。
「最初はこんなものか」
「あ、回収忘れた!」
ミロは急いで飛翔剣を回収する。
「戻すまではできていないようですね」
「次はこれだ」
次に、男は呪文を唱え、複数の的を召喚した。
「え、っと……? せいやっ!」
ミロが飛翔剣を投げつけると、的を貫通するように飛翔剣が飛んでいく。
全ての的を貫通すると飛翔剣は手元に戻った。
「呑み込みは早いな。これならどうだ?」
男は次々と的を召喚した。
的は動いており、簡単に当てさせる気は無い。
ミロは、じっくりと的を見続ける。
しばらくすると、的は一直線に並んだ。
それを見計らい、ミロは飛翔剣を投げつける。
飛翔剣は全ての的を貫通していった。
訓練はこれで、一通り終わった。
「武器の扱いには慣れたか?」
「ええ。ありがとう」
「後は使って慣れろ、ですね。飛翔剣は使いこなせば万能に戦えますよ」
「早く脱出できるといいわね……。そのためには、あたし達が行動しなきゃ」
「そうですね!」
三人は脱出のために教会を歩いていった。
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第3話。短いです。