天空稲荷神社・例大祭の最中。
「まさか例大祭でライブやるなんて思ってもみなかったよね」
「ねーw」
午前のライブを終え、休憩時間もかねて屋台巡りをしているのはエリシア・グレイ、ミュア・ブリーズ、キャメロン・ベルの3人。
中学生ガールズロックバンド・Emceeの面々である。
「あっ!ミュアこの屋台寄ってこうよ、Come on!」
「面白そう!ねぇエリシアは!?」
「行くに決まってンじゃん!Let's Go!!」
やってきたのは『鬼斬島田』の屋台。
「いらっしゃいませ!」
「やっほー貞興くん!Riceball買いに来たよー!」
「んー、そのライスボールって表現、いかにもだよなあw」
「や、あたしら全員英語圏の出身だしねw」
「普段から日本語で会話してるから忘れてるんだけどねwあ、じゃああたし鶏五目」
「あたしはそうだなぁ、鮭親子で」
「じゃああたしは高菜そぼろで」
「ずいぶん通だね…君ら全員外国人なのにw」
「何言ってンの。今はもう天空市民だよ!?」
「たはは…、おや、あれに見えるは愛さん!」
貞興が目をやると、そこには北城愛と今河美歩の姿があった。
「ふーっ、やっぱりこれだけはやめられないわよねえ。屋台めぐり!」
「ねー!こうして仕事のことを忘れてのーんびりとね!すいませーん!鮭とおかか一人15個ずつくださいな!」
「あなたたち良く食べますねホント」
冷や汗を書きながら苦笑いを浮かべる貞興。
「でも大丈夫なの?美歩さんは取材って名目だからまだいいとして、愛さんが神社の仕事サボったりなんかして」
「大丈夫。リアル身代わり人形を置いてきt…」
その時、愛の背中に悪寒が走った。
「お母さ~ん…?人にはサボるなって言っておいてどういうことかしら~っ?」
「ゆ、唯!?」
「あ、ごめん愛ちゃん!あたし取材に戻らなきゃ!」
美歩はそそくさと逃げるように立ち去っていった。
「美歩ちゃ…卑怯者ー!」
「さぁて、覚悟できてるかしらお母さん?…すいません、うちの母が」
「あ、うん…大変だね唯ちゃん…」
かくして唯に引きずられながら愛、退場。
「…ああいうのってさぁ…」
「うん?」
「あたしたちの国のコトワザで『Blood will tell(血は争えぬ)』って言うんだよね」
「…あー…」
…血は語る。血は争えぬ。
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小説作品ですが例大祭タグ、お許しください!
あと今回は英語でことわざみたいな感じのお話になってますw
■出演
エリシア(Gt/Vo):http://www.tinami.com/view/774824
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