No.784098

英雄伝説~運命が改変された少年の行く道~ 戦争回避成功ルート

soranoさん

外伝~”力の差”~前篇

2015-06-17 00:31:25 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:1200   閲覧ユーザー数:1091

~ミシュラム~

 

「そらっ!!」

戦闘開始早々クロウはダブルセイバーを投擲するクラフト―――ブレードスローを放ち

「二の型―――大雪斬!!」

エリゼは跳躍して襲い掛かるダブルセイバーを回避してクロウ目掛けて強烈な一撃を叩きつけようとした。

「へっ、喰らうかよ!」

エリゼの攻撃を後ろに跳躍して回避したクロウだったが

「秘技―――裏疾風!!」

「うおっ!?」

「斬!!」

「グッ!?」

地面に着地した瞬間電光石火の速さで追撃をしたエリゼの剣技を受けて怯んだ。

 

「やってくれるじゃねえか……!オォォォォォォ……アークスラッシュ!!」

自分の手に戻って来たダブルセイバーを手にクロウは強烈な一撃をエリゼ目掛けて放ち

「秘技――――百烈桜華斬!!」

対するエリゼも闘気を纏った薙ぎ払い攻撃で対抗し、同時に放った二人の武器がぶつかり合った瞬間、衝撃波が起こり、二人はそれぞれ吹っ飛ばされたがすぐに受け身を取り、それぞれ攻撃行動に移った。

「空破――――」

「!」

一瞬でエリゼに詰め寄ったクロウは突きを放ち、エリゼはそれを太刀で防御し

「絶掌撃!!」

更に一瞬で背後に回ったクロウの突きをエリゼは前方に跳躍して回避した。

 

「吹っ飛びやがれ!崩爆華!!」

「!!」

そこにクロウが追撃を仕掛け、クロウの強烈な一撃をエリゼは真正面から太刀で受け止めた。

「―――かかりましたね。連続水弾!!」

クロウの攻撃を受け止めていたエリゼは魔術を発動し

「!?しま――――」

エリゼの行動に気付いたクロウがエリゼから離れようとしたその時、エリゼの太刀から水の魔力による球体が現れ、クロウに襲い掛かった!

「うおっ!?」

襲い掛かる魔力球を至近距離で受けたクロウは怯み

「落ちよ!そして罪深き者に雷光の制裁を!救世の聖雷!!」

「ガアアアアアアアア―――――ッ!?」

更にエリゼが放った雷を呼び寄せる魔術を受けてしまい、水で濡れてしまった身体は雷をよく通していた為、悲鳴を上げるほどのダメージを受けた。

 

「二の型―――洸破斬!!」

「グッ……!?」

濡れた身体に雷を受けた影響ですぐに身体を動かせないクロウにエリゼは容赦なく追撃し

「アークス駆動。無の型――――独楽舞踊!ハァァァァァァァ……!」

「うおっ!?」

そしてオーブメントを駆動させた後全身を回転させて風圧を発生させてクロウを自分の元へと引き寄せてクラフトを放った。

「伍の型―――光鬼斬!!」

「!!ガッ!グッ!?」

エリゼが放った強烈な抜刀による一撃を間一髪ダブルセイバーで防御したクロウだったが、武器越しに伝わる凄まじい衝撃によって何度も地面にバウンドしながら吹っ飛ばされた!

 

「そこですっ!ダークマター!!」

「うおおおおおおっ!?」

クロウを吹っ飛ばしたエリゼは駆動を終えたオーブメントでアーツを発動してクロウを重力によって封じ込め

「魔力集束――――」

更に片手に電撃が迸る程の凄まじい魔力を球体状に集束させ、それをクロウへと解き放った!

「爆散せよ――――アウエラの導き!!」

「グアアアアアアアア―――――ッ!?」

動きを封じ込められた状態のクロウは為す術もなくエリゼが放った高火力の魔術を受けてしまい、再び吹っ飛ばされた!

 

「ゴホッ、ゴホッ!?クソッ………タレ……!下手したら”鬼の力”を解放したリィンよりも上じゃねえのか……!?幾ら”剣聖”とはいえ経験した修羅場は俺どころかリィン達よりも少ないのに、何でこんなにも実戦慣れしていやがるんだ……!?」

咳き込みながら口から血を吐いた後全身ボロボロの状態で武器を支えに立ち上がったクロウは忌々しそうな様子でエリゼを睨み

「―――私を鍛えて頂いた方達―――カシウス准将やエクリア様を始めとした方々は”人”として”最強”の部類か、”人”を超えた存在―――”超越者”です。”最強”や”超越者”との修練による経験に対して、”人”の身で挑む”試練”を一人で超えられた経験”如き”が敵うと思っているのですか?」

「ハッ、随分と上から目線で言ってくれるじゃねえか……!」

エリゼの答えを聞くと怒りの表情になった。

「私は事実を言ったまでです。その証拠に貴方はかつて”V”を始めとした”帝国解放戦線”のメンバーにザクセン鉄鉱山を占領させましたが……その時に兄様達とルクセンベール卿を分断させたと聞いています。プリネ様達同様リウイ陛下を始めとしたメンフィルが誇る”英雄”や猛者達に鍛え上げられ、更に”リベールの異変”という国家の危機に関わる程の大事件を解決した事で貴方が経験した修羅場とは比べものにならない程の修羅場を潜って来たルクセンベール卿が兄様達といれば、”V”もそうですが自分でも太刀打ちできないと判断したからではないのですか?」

「…………ッ……!」

しかしエリゼに図星を突かれると反論もせずに唇を噛みしめてエリゼを睨み

「それにこれはあくまで私の推測ですが”鬼の力”を解放した兄様も手加減をして、貴方と剣を交えたと思っています。」

「何だと!?見てもいねぇのに、そんなふざけた事をぬかすな!」

エリゼの推測を聞くと怒りの表情で反論した。

「見ていなくてもわかります。兄様はベルフェゴール様達――――”超越者”達の力をその身に宿しているのですから。兄様がその気になれば貴方如き”瞬殺”できるはずですし、私も”本気”になった兄様には足元にも及ばないでしょうね。」

「……じゃあ嬢ちゃんはあの時のリィンは無意識で手加減して俺と戦ったって言いたいのか……!?」

「あくまで推測ですが。この際ハッキリ言わせてもらいますが貴方は神々や魔神の”力”を軽く見過ぎています。彼らはその気になれば単独で国を滅ぼせる程の”力”を持っているのですから。そんな存在に”起動者”がいなければ戦う事もできない”騎神”――――人形兵器が敵うと思っているのですか?」

「オルディーネを人形兵器なんかと比べんじゃねぇ!それに俺はベルフェゴール達の事も軽く見ていねぇぞ!?以前オルディーネを操縦した状態で奴等に負けたんだからな……!」

「そのベルフェゴール様達が”本気”でなかった事に気付いていない時点で、軽く見過ぎている証拠です。」

「何だと!?それはどういう意味だ!?」

エリゼの口から語られた驚愕の真相にクロウは信じられない表情でエリゼを見つめて問いかけた。

 

 

 


 
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