「それでさぁ!ル・シャトンがまた新作のパン出したんだけど一緒に買いに行かない!?」
「行く行く!」
「あたしも!!ねえアルディナは?」
「じゃあわたしも行こうかな。気になるしねw」
放課後の電車通り。
風天中学校の2年生、マオ・スペア、長岡シラセ、アルディナ・ルーヴ、セルマ・ピュローネ、そして筑波ミライの5人が談笑しながら歩く。
すると後ろから、3年生の飯田橋ミウと天満橋テムナがやってきた。
「おっすー。マオたちも帰り?」
「あ、えへへ。そうなんだけどね」
「その前にミウのお店寄ってこうかなって」
「奇遇やなぁ、ウチもミウに誘われてん」
「なんだテムナもなの?」
学年こそ違うが、彼女たちはまるで本物の姉妹のように仲がいい。
かくしてル・シャトンを目指して進んでいく7名であったが、災害というのはいつ起きるのかわからないもので…。
さて、電車通りを横断してル・シャトンのある通りへ入ろうとしたそのときだった。
「う、うわぁぁぁぁぁ!!」
荷物の積みすぎでコントロールを失った一台のトラックが、7人をめがけて突っ込んできたのである!!
「うわ!ちょっと何あれ!」
「みんな危ない!逃げるぞ!!」
一目散に逃げ出す7人だったが、次の瞬間トラックは勢い余って横転!
「ぎゃガッ…」
「「「「「「ミライ!!?」」」」」」
なんとミライはトラックの下敷きになってしまったのだ!!
「う、うわぁぁ、どうしよう…」
トラックの運転席からは痩せこけたヒューマンの男性が出てきた。
マオはミライが潰されたのを目の当たりにして思わず叫ぶ。
「なんてこった!ミライが殺されちゃった!」
続いて、ミウが運転手を指差して一言。
「この人でなし!」
「こ、こんなことになるなんてぇぇぇ、うわぁぁぁぁぁ」
運転手はその場に泣き崩れた。
「だ、だカら……、死んでなイってバ…」
ミライは間一髪のところで生きていた!身体は完全に潰されて鉄くず同然だが、
衝突の衝撃で首がちぎられた結果、頭が転がり落ちていたため無事だったのである。
「とにかくすぐに修理できるトコへ運ばなアカンで!?」
するとセルマは、ある一点に視線を合わせて閃いた。
「あった!手ごろな場所があったわ!」
「あ、ちょっとセルマ!…あー行っちゃった…」
「まあいいんじゃない?修理工場がちょうどいいところにあって」
「いや、修理工場は修理工場だけどあそこって…」
あきれ果てる残り5人。彼女たちが唖然としたのも無理はない。なぜなら…。
セルマがやってきた場所。そこは天空電鉄の風天車庫だったのだから…。
「すいません!友達が壊れちゃったんで修理してください!」
「ここは電車専用だよ…」
「え!?」
「…セルマ…あたし電車じゃないよ…」
嗚呼、セルマよ。君はなぜ電車の車庫にミライを運び込んだのか…。
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ちなみに「なんてこった!」「この人でなし!」のくだりはサウスパークが元ネタ。
あとセルマちゃんが最後の最後で海胆水母。
■出演
ミライ:http://www.tinami.com/view/778760
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