ある日の放課後、風天中学校・音楽室。
エリシア・グレイ、ミュア・ブリーズ、キャメロン・ベルの三人がセッションの合間にこんな話をしていた。
「で、さぁ…すっかり忘れてたけど」
「ん?」
「バンド名どーする?」
「「あー…」」
前回ヴォルペ・ドゥエでライブを行った彼女たちだったが、肝心のバンド名が未だに決まっていなかったのだ。
「じゃあこれなんかどうかな!」
と、盛大に声を上げたのはミュアだ!
「ヴォルペさんに感謝の意を表して『ヴォルペ』とか」
「それは却下」
「えー…」
「あたしたち全員ネコじゃん。ヴォルペってイタリア語でキツネのことだよw」
「Oh Crap...」
ミュアの案、あっさり却下。
「じゃあじゃあ。イタリア語つながりで『
という案を出したのはキャム。
「でも覚えられるかな?」
「あたしは無理かも。ていうか分かりづらいぞそれ…w」
「あ、やっぱダメ?w」
キャムの案、覚えづらいという理由で却下。
「イタリア語でしばらなくったっていいんじゃない?」
「じゃあドイツ語とか。ほらここってドイツ移民多いし」
という理由でエリシアが出した案は!?
「『
「いい線行ってるけど覚えられるかこれ?w」
「うーん、上手いこといかないなあ…」
「「「はあ…」」」
どれも浮かんでは消え、浮かんでは消え、なかなか決まらない現実にため息をつく三人。
思わず自分の手のひらの肉球をいじりだす始末…。
「…ん…?」
ふと、エリシアが自分の肉球を触っていて何かをひらめいたようだ。
「I know!これでいこう!!」
「え、なになに!?」
「What's the matter?」
驚くミュアとキャムを尻目に、エリシアはノートに3文字のアルファベットをつづった…!
「E・M・C…?」
「ほら、あたしたちの名前のイニシャルをつなげたの!EMC!よくない?」
「うーん、だったらこうして…」
ミュアはさらにその後ろにアルファベットを2文字足した。
「『Emcee』これでどう?」
「あー…それいいかもしれない!エムシィね!エリシアどう思う?」
「エムシィ、エムシィ…読み仮名はひらがなのほうがいいんじゃない?w」
「あーwなんかこうふわふわっとした感じでねw」
「よしじゃあそれで!」
「えむしぃ!いい響きじゃん!」
「じゃあ今日はEmceeの名前も決まったってことで!セッションの続きやろう!」
「「Yeah!!」」
かくして、名前も無かったこの小さなスリーピースバンドに『
彼女たちの夢は、まだまだ始まったばかりなのだ。
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バンドを結成した三人娘。ついにそのバンド名が決まります…。
■出演
エリシア:http://www.tinami.com/view/774824
ミュア:http://www.tinami.com/view/775189
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