No.712729

孤高の御遣い 北郷流無刀術阿修羅伝 君の真名を呼ぶ 3

Seigouさん

龍奈、見参

2014-08-31 23:39:45 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:7817   閲覧ユーザー数:5203

左慈「くそっ、くそっ、くそっ、くそっ!!どういうことだ!!?あの北郷のデタラメな戦闘能力は!!外史のバグではないのか!!?」

 

于吉「ですから言ったでしょう、一筋縄では行かないと・・・・・」

 

泰山の頂の神殿の中では柱に蹴りをいれながら当り散らす左慈とその後ろ姿を見つめながら諭そうとする于吉がいた

 

于吉「どうやらあの北郷の強さは、チートそのものと見て間違いないでしょう」

 

左慈「それだけでは説明できんぞ!あの強さは、俺達が戦ってきた北郷の中でもトップクラスだ!」

 

于吉「調べてみましたが、あの北郷はこの外史に来た時から山賊やら水賊やらを一人で討ち続け、その数はゆうに百万を超えるみたいです」

 

左慈「百万だと!!?一国まるまる潰せる数字だぞ!!」

 

于吉「もちろん、約5年に渡る歳月の間での話です、その間に蓄えた実戦経験と肉体的鍛錬を考えると、その強さは我々の想像を超えるでしょう・・・・・」

 

左慈「くそっ!!ますます気に食わん!!」

 

于吉「・・・・・これは、正攻法で行っても勝てる可能性は無いと思った方がいいですね」

 

左慈「ならばどうする!?」

 

于吉「ここは、また彼女達に役に立っていただきましょうか」

 

左慈「また人形頼りか」

 

于吉「仕方ないでしょう、我々にも手段を選んでいる余裕は無いのですから」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

朱里「雫ちゃん、この荊州には手配書の配布は終わったよね」

 

雫「あ、はい・・・・・少なくともこの天角の都には、行き渡っています・・・・・」

 

雛里「・・・・・どうしたの?雫ちゃん」

 

桃香「うん、なんだか様子が変だよ・・・・・」

 

雫「なんだか・・・・・今自分は、正しい事をしているはずなのに、それが正しくない事のような気がして・・・・・」

 

星「何を言っているのだ、正しいに決まっているだろう」

 

蓮華「ええ、我らが神聖なる真名を汚した不届きな輩に賞金をかけ捕まえる・・・・・何を迷うことがあるの?」

 

雫「・・・・・・・・・・」

 

時雨「・・・・・私も、すごく違和感を感じているんです、雫様」

 

雫「時雨さん・・・・・」

 

時雨「なんだか私達は、とんでもない思い違いをしているような気がしてならないのです・・・・・」

 

「・・・・・・・・・・」

 

前に華佗や凪が言っていた薄い邪気、杏奈の突然の体調悪化

 

どうにも不可解な事が自分達の身の回りで起きているのは分かるが、それが何を意味しているのかが分からない

 

百合「失礼します」

 

華佗「待たせたな」

 

その時、杏奈を診ていた華佗、百合、柊、雛罌粟が玉座の間に入ってきた

 

桃香「あ、華佗さん、杏奈ちゃんはどうなの?」

 

華佗「今は、ぐっすり寝ている」

 

柊「はい、精がつく薬を飲んでいただきましたので」

 

雛罌粟「しばらく安静にしていれば、元気になります」

 

桃香「ほっ、よかった~~」

 

華佗「だが、安心はできないぞ」

 

愛紗「?・・・・・どういうことなのだ?」

 

華佗「俺も五斗米道の能力を全て使って杏奈の病魔を調べてみたんだが、やはり病魔は見つけられなかったんだ」

 

柊「はい、やはり杏奈さんの体調悪化は病気とかそういうものじゃないんです」

 

雛罌粟「相手が病気じゃないんじゃ、流石の雛達もお手上げですよ・・・・・」

 

百合「ですから、今後杏奈さんの体調はまた悪くなるかもしれませんから、天角の侍女さんに常に様子を見てもらって、何かあったら早急に知らせてもらうことにしました」

 

詠「それなら安心ね」

 

徐栄「申し上げます!」

 

張済「ただ今帰りました!」

 

桃香「あれ?徐栄さんと張済さん、何処に行っていたの?」

 

華琳「何を言っているのよ、桃香」

 

零「そうよ、この前東に落ちた流星の調査でしょう」

 

桃香「ああ!そうだった!で、何かあったの?」

 

徐栄「それが、流星が落ちた痕跡はあったのですが・・・・・」

 

張済「はい、あったのはその痕跡だけで、他には何も・・・・・」

 

桃香「そっか、何もなかったんだ・・・・・」

 

蓮華「流星・・・・・そういえば、ちょっと前に管輅という占い師が天の御遣いについて予言していたわね」

 

雪蓮「ああ、あのエセ占い師で有名な管輅ね」

 

零「天の御遣い・・・・・徐栄、張済、流星が降ってきた所には誰かいたの?」

 

徐栄「いいえ、誰一人いませんでした」

 

張済「だいたい流星が降った所に人が居たら死んでしまいますよ」

 

零「・・・・・それもそうか」

 

雫「天の御遣い・・・・・確か、『世が入り乱れ、乱世の兆しが見え始める時、冥き空より流星が舞い降りる、その流星は光と闇の翼を合わせ持つ天の御遣いを乗せ武と智と和を持って乱世を沈静するであろう』、でしたね」

 

蓮華「ええ、知っているわ・・・・・でも、もう乱世は終わっているし、今更そのような輩は必要ないのではないの?」

 

華琳「どうかしら?もし本当にその様な者がやってきたら、案外、今私達が抱えている問題を解決してくれるかもしれないわね」

 

桂花「珍しいですね、華琳様がそのような妖言風説をお信じになられるなんて」

 

華琳「・・・・・そうね、私らしくもなかったわ、今の言葉は取り消しましょう」

 

そのような荒唐無稽な話より、今は自分達の真名を汚した不届き者を探し出すことに意識を向ける一同

 

その時

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

                         「いいえ、そうでもありませんよ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「!!!???」

 

突然、聞き慣れない声がし、一同は一斉に声がした方向に振り向く

 

すると、なんの気配もないはずの柱の影から二人の法衣を着た男がぬうっと出て来た

 

桃香「だ、誰ですか!?」

 

華琳「っ!!?」

 

雪蓮「っ!!?」

 

その人物に上座の間の将達は一斉に武器を構える

 

于吉「おやおや、これは物騒な雰囲気ですね」

 

華琳「いきなり城に踏み込んできた輩を警戒しない者なんていないのではなくて?」

 

雪蓮「そうね、切り刻まれたって文句は言えないわよ」

 

于吉「これは怖いですね・・・・・私は于吉、しがない法術師でございます」

 

左慈「俺は左慈・・・・・こいつと同職と思ってもらえばいい」

 

嫌そうな顔で自己紹介をする左慈だった

 

愛紗「お主達の名など聞いていない!」

 

嵐「そうだ!勝手に乗り込んできて勝手に話を進めるな!」

 

零「それにどうやってここまで潜り込んだのよ!警備の奴らは何しているのよ!?」

 

于吉「私達法術師にとって、そんなことは造作もないことです・・・・・それにしたって、せっかく天からはるばるここまで来たというのに、この扱いはないと思いますがね」

 

「!!!???」

 

左慈「さっき貴様らが言っていた二つの流星、それに俺達は乗ってやってきたんだぞ」

 

蓮華「それじゃあ、貴方達が管輅の言っていた天の御遣いなの?」

 

于吉「ふふっ・・・・・そのような大層なものではありませんが、まぁ解釈は人其々ですので、お任せします」

 

左慈「そんな事より、貴様らが探している不審者の情報を提示してやろうか?」

 

星「なんだと!?何か知っているのか!?」

 

左慈「知っているもなにも、俺達はさっきあいつに会って来たばかりだ」

 

春蘭「なんだと!!?」

 

于吉「その不審者は、現在この荊州の荊山の山奥にいますよ」

 

桂花「ちょっと待ちなさいよ!さっき会って来たって、ここから荊山まではかなり距離があるわよ!」

 

于吉「そこは、我々法術師の力としか説明できませんね」

 

左慈「この情報を信用するかしないかは貴様らに任せる、せいぜい有意義に使うんだな」

 

この言葉を最後に、左慈と于吉はカメレオンのように消えていった

 

桃香「・・・・・消えちゃった」

 

星「なるほどな、道理で気配を感じなかったわけだ・・・・・」

 

雫「これほどの力を持っているなら、彼らが天の御遣いである可能性は充分高いでしょう」

 

冥琳「そうだな、ここはあの二人の言葉を信用してみるのも一つの手ではあるかもしれんな・・・・・雪蓮はどう思う?」

 

雪蓮「・・・・・・・・・・」

 

冥琳「?・・・・・どうした?雪蓮」

 

雪蓮「・・・・・なんだか、あたしの勘があの二人は信用しちゃいけないって言ってるのよ」

 

秋蘭「華琳様、私もあの二人は容易に信用してはならないような気がします」

 

風「そうですね~、物凄く胡散臭いですよ~」

 

華琳「そうね、何とも言えない不気味さを孕んでいるわ」

 

隱「でも、今は他に情報もありませんし、確認だけでもしてみたらどうですか~?」

 

雪蓮「・・・・・気が進まないけど、それしかないか・・・・・思春、明命、行ってきてくれる?」

 

思春「はっ!」

 

明命「お任せ下さい!」

 

華琳「思春と明命だけに行かせる訳にはいかないでしょう・・・・・秋蘭、流琉、あなた達も行きなさい」

 

秋蘭「承知いたしました」

 

流琉「はい」

 

朱里「ではこちらも・・・・・桔梗さん、紫苑さん、お願いできますか?」

 

桔梗「委細承知」

 

紫苑「分かったわ、朱里ちゃん」

 

零「荊山への道のりなら案内役がいた方がいいでしょう・・・・・張済と・・・・・って、どうしたのよ華佗!?」

 

華佗「・・・・・・・・・・」

 

荊山への案内人を選抜していると、ものすごく険しい顔をしている華佗が目に止まる

 

華佗「・・・・・俺は、あの二人は全面的に信じてはいけない気がする」

 

雫「ど、どうしてですか?」

 

華佗「俺は、あの二人の内側に底知れぬ邪気を感じた」

 

凪「私も華佗さんに同意です・・・・・表には現れていませんでしたが、その内側に黒い何かを感じました」

 

華佗「これは、あくまで俺の勘だが・・・・・この周囲に漂っている微量な邪気の根源は、あの二人なんじゃないかと思う」

 

柊「それじゃあ、杏奈さんがあの状態になっているのは、あいつらの仕業なんですか!?」

 

華佗「確証はないが、俺はそう思っている・・・・・」

 

「・・・・・・・・・・」

 

零「・・・・・華佗の言っていることも合っているかもしれないけど、それでも確認はした方がいいでしょ・・・・・張済、霞、頼むわよ」

 

張済「はっ!分かりました!」

 

霞「よっしゃ、任しとき!」

 

零「言っておくけど、今回はあくまで確認よ、賞金に目が眩んで手を出すんじゃないわよ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

それから3日後

 

 

一刀「よし、これで生活の必需品は全部揃ったな、種も全部手に入ったし」

 

襄陽の街から、必要な物を全て買い揃え木製の小屋に収める

 

種もさっき植えたので、あとは収穫を待つだけである

 

一刀「・・・・・それにしても、あいつらも無茶するな・・・・・なんだよこのべらぼうな金額は・・・・・」

 

街で入手した自分の手配書に書かれた賞金額を見ながら溜め息を吐く

 

なにせこの金額は、天角の月の税収の3分の一に相当するのだから

 

街には自分を捕まえようと必死な人々が溢れる有様で、たとえ北郷隊といえども治安維持には相当に苦労するだろう

 

正体がバレないように外套を被りながら買い物をする自分は、きっと怪しさ全開だったに違いない

 

一刀「後をつけられた気配はなかったし、ここはかなり険しい難所の奥の奥だから、心配はないだろうけど・・・・・」

 

普通の人間ではとても辿り着けないような所に居を構えているため、見つかる事はほぼないのは確かである

 

一刀「一番心配なのは、あの二人がここの情報を知っている事だけどな・・・・・」

 

もし左慈と于吉が自分の居場所を言いふらしていたら、ここに大量の賞金稼ぎ達が押し寄せる事になる

 

そうなったらここにも長くはいられない

 

一刀「甘かったかな、あの時倒しておけばよかったかもしれないな・・・・・」

 

まさか自分にここまでの賞金がかけられているとは思ってもみなかった為、少しだけ後悔するのだった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして、周りの森の藪の中では

 

明命「・・・・・居ました、皆さん」

 

秋蘭「にわかには信じられなかったが、まさか本当に居るとはな」

 

紫苑「これで確認は済んだわね・・・・・早速戻りましょうか?」

 

霞「にしても、なんちゅう所に住んどんねん、案内するだけでも結構しんどかったで・・・・・」

 

思春「ああ、ここに来るだけでもかなり体力を使ってしまったぞ・・・・・」

 

桔梗「来るだけなら良かったのだが、探すのに一番難儀したぞ・・・・・」

 

流琉「疲れましたよ~・・・・・」

 

張済「危うく遭難するところでしたからね、暫くここで休んでいきましょう・・・・・」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一刀「(・・・・・まさかもうここまで来てるとはな)」

 

森の中に潜む気配を一刀は感じ取っていた

 

これは熊や虎といった動物の気配ではない、明らかに人の気配である

 

具体的に誰とは言えないが、きっと天角の将の誰かではある

 

一刀「(2の4の6の・・・・・8人か・・・・・早速ここには住んでいられなくなったか・・・・・)」

 

気付いていることがバレないように、視線を外し数を数える

 

せっかくこの世界の歴史に干渉しない踏切りがついたというのに、あっちからこちらに干渉されてはたまったものではない

 

一刀「(さて、どうしたものか・・・・・)」

 

退けるか、ここを離れるかくらいしか選択肢がないが、前者は確実に受け入れられないだろう

 

本日二度目の溜息を吐きながら、移動の準備でもしようかと思っていると

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ギャオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「!!!!????」

 

一刀を含めた一同は、けたたましい声がした空に振り向き仰天する

 

角は鹿、頭は駱駝、目は兎、体は大蛇、腹は蛟(みずち)、鱗は鯉、爪は鷹、掌は虎、耳は牛

 

そこには、紛れもなく一刀が蜀で倒し助けたあの龍がいたのだから

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

明命「はうああああああ!!!??」

 

紫苑「あ、あれは蜀の悪龍!!!??」

 

思春「おい!!なんであんなものがここにいるんだ、桔梗!!?」

 

桔梗「分からん!!」

 

秋蘭「くっ、こんな時に・・・・・」

 

霞「アカンでこれは!!あの男に構っている場合やあらへんで!!」

 

流琉「どどどど、どうするんですか!!?」

 

張済「あわわわわ・・・・・」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一刀「おいおいマジかよ!!」

 

無刀術の戦闘装束のまま素手で構え、全身の氣を解放する一刀

 

一刀「くそっ!!忠久と金剛刀が無いのが痛過ぎるけど、来るなら来やがれ!!」

 

五胡との戦で恋とみいとの合体奥義の時に駆けつけてくれていたからてっきり心変わりしていたと思っていたが、単なる思い込みだったようだ

 

このままここで戦ってはせっかく作った田畑を全て壊されてしまう為、一刀は場所を変えようとする

 

その時

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

???「か~~ずと~~~~~~~♪♪♪」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一刀「・・・・・へ?」

 

いきなり可愛い声で呼び止められて振り向いてみると、あの龍が全身から淡い光を放っていた

 

光を放ちながら龍はたちまち萎んでいき、人間ほどの大きさの光の玉となる

 

その玉は一刀の目の前へと移動し、一刀も少し身構えてしまう

 

しかし、その玉はどんどん人の形を成していく

 

???「ふぅ・・・・・久しぶり、一刀~~♪」

 

光が薄れていき現れたのは、緑色の髪に、側頭部から二本の角が生え、青白い染み一つない肌に、目は人間で言う白目の部分が黒く、瞳が金色、そして腰に緑色の鱗のついた尾っぽを生やした全裸の女性だった

 

まさに人外と呼べる女性は、いきなり一刀に抱きついてきた

 

一刀「うわっと!・・・・・え~~と・・・・・どちら様?」

 

???「え~~~~、忘れちゃったの~~~?」

 

一刀「いや・・・・・君はさっきの龍なのか?」

 

???「あそっか、この姿で会うのは初めてだもんね・・・・・私は龍奈、こっちが本当の姿だよ、あの時は助けてくれてありがとね♪」

 

一刀「いや、それはいいけど・・・・・(本当にこの世界は何でもありだな)」

 

史実や演義ではありえないことが起こりまくるこの世界は、本当にパラレルワールドなんだなと思い知らされる

 

一刀「それじゃあ、君は女の子だったのか」

 

龍奈「ちょっと失礼なんじゃない、まさか私のこと雄だとでも思っていたの!?」

 

一刀「いや、そういうわけじゃないけど・・・・・その名前は君の真名なのかい?」

 

龍奈「真名?・・・・・ああ、人間の習慣ね、私にはそういったものは無いから安心して♪」

 

一刀「分かった、龍奈・・・・・そういえばあれからどうだ?腹痛は完治したのか?」

 

龍奈「うん、一刀のおかげで鬱陶しい生理痛から解放されたわ、ホント感謝感謝よ♪」

 

一刀「え、生理痛?(食あたりじゃなかったのか)」

 

龍の体の構造や生態系など知るはずもないため仕方ないといえば仕方ないが、自分の五斗米道もまだまだ未熟という事であろう

 

龍奈「でも、あの時はごめんね・・・・・私もお腹が痛くてイライラしてて、周りにいっぱい迷惑かけちゃったみたいで・・・・・」

 

一刀「その理由については、俺が皆に説明したから大丈夫だ、皆は龍奈のことを悪龍だとか言っていたけど、その誤解も解けているからさ」

 

龍奈「あは、本当にありがとう、一刀~~~~♪♪」

 

むぎゅうううううううううううう

 

一刀「(うおおおおおおおいい!!!)////////」

 

大きさで言えば、雪蓮や冥琳に匹敵する乳を一刀の胸板に押し付けてくる龍奈

 

背の高さやスタイルもあの二人とほとんど同じという悩ましい体なため、抱きしめられると自然と顔が近くなる

 

人外とはいえ、これは彼女達にも負けない美少女といえるだろう

 

その魅惑の感触と輝くような顔立ちからなんとか意識を遠ざけ、疑問に思うことを口にする

 

一刀「それはそうと、龍奈は俺のことをどうして忘れていないんだ?」

 

龍奈「ああ、この世界に来たあの二人の妙な術の事ね・・・・・安心して、貧弱な人間と違って私にはそんなものは通用しないから♪」

 

一刀「やっぱり、皆の記憶が無くなったのは、左慈と于吉のしわざだったのか・・・・・」

 

龍奈「・・・・・あの二人を倒しに行くの?」

 

一刀「・・・・・いや、俺はもうこの国の歴史には干渉しないと決めているからな、出しゃばるような事はもうしない」

 

龍奈「あは、良かった♪」

 

一刀「?・・・・・何が良かったんだ?」

 

龍奈「だあってぇ、もし一刀があの二人を倒して他の人間の記憶を取り戻したら、私が一刀を独り占めできないんだもん♪」

 

一刀「独り占めって・・・・・まさか、俺と一緒に暮らすつもりなのか!?」

 

龍奈「もちろんだよ、助けてもらった恩返しもしたいし、一緒に暮らそ♪」

 

一刀「それはダメだ!分かっているかもしれないけど、この場所はもう皆にバレてしまっているから移動しないといけない、ここにいたら龍奈も巻き込まれるぞ!それに俺は、この世界の人間とは今後一切関わりを持たないと決めているんだ!」

 

龍奈「あんな薄情な連中に遠慮なんてすることないわよ!あんな奴ら私がいくらでも追い返してあげるから!それに私は人間じゃないし、何も問題無いはずでしょ!?」

 

一刀「・・・・・・・・・・」

 

龍奈「一刀だって、一生一人でいるなんて寂し過ぎるでしょ!最後の時間くらい私が傍にいてあげるから!」

 

一刀「・・・・・龍奈は、俺の寿命が5年も無い事を知っているのか?」

 

龍奈「うん・・・・・一刀の中の氣は、微量だけど少なくなってきているのは分かるから・・・・・私には、一刀の寿命を延ばしてあげられない、だから最後の時くらい一緒にいてあげる」

 

一刀「・・・・・分かった、ありがとうな、龍奈」

 

ギュウ

 

龍奈「あ・・・・・♪♪~~~~~~~////////////」

 

一刀に抱きしめられた龍奈は、嬉しそうに腰の尻尾をブンブン振りまわし鼻歌を歌いながら耳まで真っ赤に染まった

 

一刀「それと、前に五胡との戦いの時は力を貸してくれてありがとうな」

 

龍奈「なにいってるのよ、一刀が危機の時はいつでも助けてあげるわ♪」

 

一刀「本当にありがとうな・・・・・そろそろ何か着てくれ、流石にそのままじゃ拙いだろ//////////」

 

龍奈「別にいいじゃん、人間の着る服なんて邪魔なだけだよ♪私はこのまま一刀とくっついていたいし♪」

 

一刀「いやいやいやいや、それは拙過ぎる!頼むから服を着てくれ!//////////」

 

龍奈「も~~~、恥ずかしがり屋なんだから~~♪」

 

一刀「男物の服しかないけど、とりあえず今はこれで我慢してくれるか?」

 

小屋の中から自身が着るはずだった服を取り出し龍奈に渡した

 

龍奈「ありがとう・・・・・それにしても、一刀は私の事を怖がらないのね」

 

一刀「?・・・・・なんで怖がる必要があるんだ?」

 

龍奈「だって・・・・・頭にこんな角があるし、肌だって人間とは違う色してるし、目だって皆とは違うし、こんな尻尾が生えてるし・・・・・」

 

一刀「・・・・・もしかして、龍奈は今まで」

 

龍奈「うん・・・・・皆、私を怖がって逃げていっちゃうか、武器を向けてくる事が殆どだったから・・・・・」

 

一刀「大丈夫だよ、俺は見た目や考え方に偏見を持つような人間じゃないからな」

 

龍奈「あは♪一刀だ~~~い好き♥」

 

むぎゅううううううううううう

 

一刀「おいいいいいい!!だから服を着てくれ~~~!!//////////////」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

思春「・・・・・見たか?」

 

秋蘭「ああ・・・・・見た・・・・・」

 

霞「うそ・・・・・やろ・・・・・」

 

流琉「信じられません・・・・・」

 

紫苑「まさか、こんな事があるなんて・・・・・」

 

張済「夢でも見ているのでしょうか?・・・・・」

 

桔梗「あのような見目麗しい女が、あの悪龍だというのか・・・・・」

 

明命「はうあああ、凄いです・・・・・」

 

森の中から一部始終を見ていた一同は目を皿にしていた

 

紫苑「これは、下手に手を出すわけには行かないわね・・・・・」

 

秋蘭「ああ、急ぎ天角に戻って、華琳様達にお伝えせねば・・・・・」

 

霞「ほな、すぐに向かうで!」

 

そうして、すぐさま帰途に着く一同

 

流琉「・・・・・それにしても、あの人達、何を話していたんでしょうね?」

 

思春「全ては聞き取れなかったが・・・・・一緒に住むと言っていたな」

 

張済「他には・・・・・薄情な連中とか・・・・・私が追い返すとか・・・・・」

 

明命「あと・・・・・記憶がどうのこうの・・・・・歴史がどうのこうのと言っていましたね」

 

霞「・・・・・分からん事だらけや、とにかく今はこの事を皆に知らせるで!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

于吉「・・・・・まさかこのような事態が起きるとは」

 

左慈「くそっ、どこまでも忌々しい!!あの龍をどうにかできんのか、于吉!!」

 

于吉「はっきり言ってどうにもなりませんね、我々の道術はあくまで人間かそれ以下の生物位にしか通用しません・・・・・龍のような生命力に満ち溢れた、人の領域を軽く超えた存在には通じません」

 

左慈「貂蝉や卑弥呼も、かつての外史で一匹の龍を相手に手こずったそうだからな・・・・・くそっ!!どうしてここまでイレギュラーが起こるんだ!!?」

 

想定外の事態が連発し、さらに柱に当り散らす左慈

 

その時

 

???「お困りかな?小童共」

 

左慈「っ!!?・・・・・貴様は・・・・・」

 

于吉「・・・・・・・・・・」

 

突然、柱の影から少し掠れた男の老人が姿を現す

 

しかし、その顔は影に包まれ見えない

 

左慈「何の用だ?今はお前に構っている場合ではないんだ!」

 

???「ほっほっほ、言うのぉ、小童が♪」

 

左慈「なんだと!?」

 

???「お主達だけで、あの何でもありな北郷の相手が務まると思っておるのかの?」

 

左慈「・・・・・・・・・・」

 

于吉「・・・・・・・・・・」

 

???「なんだったら、わしらがあの龍の娘を引き受けてやってもよいぞ」

 

左慈「大きなお世話だ!!老兵は去ね!!」

 

???「これは大きく出たな・・・・・まぁ、必要だと思ったらいつでも呼んでくれて構わんぞ、わしらは寛大じゃからの、ほっほっほ♪」

 

そうして、老人は柱の影に身を投じ、その気配は完全に消えてしまった

 

于吉「・・・・・左慈、今回は彼らの協力を得てもよろしかったのではないですか?彼らはベテランの管理者には違いありませんし」

 

左慈「冗談じゃない!仮に成功したとしても、後でどんな要求をされるか分かったものじゃない!」

 

于吉「確かに、それはそうですけど・・・・・」

 

左慈「・・・・・仕方ない、次の手を考えるぞ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

はいどうも、Seigouです

 

大分間が空いてすみませんでした

 

最近ようやく姉が自分のパソコンを購入し自分のパソコンが手元に戻ってきたので、これで執筆活動に勤しむ事が出来そうです

 

さて、この龍奈さんなんですが、見た目は森羅○象のアス○ロットさんに似た感じだと思ってください

 

この阿修羅伝専用キャラですが、彼女の魅力を全面的に出していければいいなと思っています

 

あと、北郷伝39話を復活させましたのでそちらにも行ってみてください

 

では・・・・・待て!!!次回!!!


 
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