No.706132

恋姫外史終章・いつまでも一刀第33話

アキナスさん

洛陽で一刀を待っていたのは・・・・・・

2014-08-04 05:23:41 投稿 / 全6ページ    総閲覧数:4360   閲覧ユーザー数:3528

洛陽へやってきた一刀は街で、先についていた美羽と七乃を見つけて話をしていた。

 

「そうか、お前達もここで公演できるまでになったんだなあ」

 

「うむ!」

 

「お嬢様が本気を出せば、こんなものですよ」

 

「まあ、否定はしないが・・・・・・」

 

「実は、先に王宮でもやる事になっておるのじゃ」

 

「・・・・・・何?」

 

美羽の一言に、一刀は眉を顰めた。

 

「ここのお偉いさんから、王宮で開かれる宴に出て欲しいと頼まれたんですよ」

 

「・・・・・・」

 

「どうかしたかの?」

 

無言の一刀に、美羽は声をかける。

 

「いや・・・・・・七乃、ちょっと」

 

「はい?」

 

呼ばれて近寄ってきた七乃に、一刀は耳打ちした。

 

「一騒動起きそうだ。美羽がいつでも逃げ出せるようにしとけよ」

 

「・・・・・・分かりました」

 

珍しく真面目な顔で七乃は答えた。

 

「じゃ、俺は行くわ。久々のお前達の歌、楽しみにしてるからな」

 

そう言って、王宮の方に向かおうとする一刀。

 

そんな一刀の背中に、美羽から声が掛けられた。

 

「のう?一刀」

 

「何だ?」

 

「お主が背負っておるのは、誰じゃ?」

 

 

 

 

美羽が指差した一刀の背中には

 

 

 

 

「むにゃむにゃ・・・・・・もう食べられないにゃ・・・・・・」

 

 

 

 

 

美以が寝ているにもかかわらず、しっかりとしがみついていたのだった・・・・・・

 

 

 

 

 

 

何故、美以が一刀と一緒にいるのか?

 

それを話すにはまず、一刀との邂逅から説明せねばなるまい。

 

蜀の統治をしていた時、一刀は南蛮へ行き、貂蝉の仲介を経て美以たちと顔を合わせていた。

 

そのとき宴が開かれたのだが、その時の食事に一刀が特大の味噌鍋を作ったのである。

 

かなり大味だったが、それが南蛮の者達の好みにジャストミートしたようで、一刀は彼女達とすぐに仲良くなった。

 

真名も貰い、互いの国にたびたび遊びに行くようにもなった。

 

そして、一刀が洛陽に旅立つ直前、ミケ、トラ、シャムを連れて美以がたまたま遊びに来たので、そのまま護衛として連れてきたのである(ただし、連れてきたのは美以のみで他の三人は貂蝉たちに任せてきた)

 

以上が、美以がここにいる理由であった。

 

 

 

 

 

 

王宮にやってきた一刀は謁見の間に通された。

 

帝と参列者たちが見守る中、帝の側近の一人が一刀に言った。

 

「帝の命により、そなたの蜀王就任を祝う席を設けた。帝のご好意、ありがたく受け取るが良い」

 

「・・・・・・ありがとうございます」

 

(こりゃあ桔梗が言ったパターンになりそうだな)

 

さて、どう動こうかと考え始めた一刀。

 

「ん?」

 

ふと、一刀は参列者の中に見覚えのある顔を見かけた。

 

 

 

(何であいつがここに?)

 

 

 

一刀の視線の先にいたのは、一刀と同じように呼び出され、先に到着していた華琳であった・・・・・・

 

 

 

 

 

謁見終了後、一刀は美以を連れて猪々子と斗詩の所にやってきた。

 

「何で華琳が来たのか知ってるか?」

 

一刀の疑問に答えたのは斗詩だった。

 

「今回の宴に呼ばれたかららしいですけど・・・・・・」

 

「ふ~ん、で?華琳はお供を連れてきたのか?」

 

「ええ、春蘭さんと秋蘭さん・・・・・・」

 

「後、凪がいたよな?」

 

「・・・・・・凪?」

 

猪々子の一言に、一刀は何か違和感を覚えた。

 

「あの二人はともかく、凪も連れてきたのか?」

 

「おう」

 

「・・・・・・」

 

「一刀さん?」

 

「キナ臭いな。用心する事に越した事はないか・・・・・・おい、お前達」

 

「「?」」

 

「いくつか注意する事を言っとくから、覚えとけよ。華雄たちにも言っとかなきゃな・・・・・・」

 

 

 

 

 

 

 

 

宴会は始まった。

 

参加者は帝、何太后、その側近達に上位の官僚たち、一刀、美以、猪々子、斗詩、董卓陣営の面々に曹操陣営の四人、そして・・・・・・

 

「「追いかけて♪逃げるふりをして♪そっと、潜る、私マーメイド♪つかまえて♪好きだよと、言ってほしい~~♪熱い永遠の今♪きっと、きっと、未来が始まる~~・・・・・・」」

 

熱唱中の美羽と七乃である。

 

そんな中、一刀を排除するための謀略が巡らされていく・・・・・・

 

 

 

 

 

「まあ、お一つどうぞ」

 

「・・・・・・どうも」

 

酒を注がれて飲もうとする一刀だったが、

 

「はぐはぐ・・・・・・?兄、そのお酒変な臭いがするにゃ」

 

「む」

 

美以の言葉に杯を口につける直前で止める一刀。

 

「な、何をおっしゃるか・・・・・・」

 

一刀に酒を注いだ男が自分の杯にその酒を入れ、クイッと飲み干す。

 

「ぷはっ、美味い酒ですぞ?」

 

「・・・・・・じゃあ、俺のも飲んでみてもらえますかい?」

 

スイッと自分の杯を男に差し出す一刀。

 

「そ、それは・・・・・・」

 

「何を躊躇してるんで?まだ口つけてないから汚くないっすよ?」

 

「・・・・・・」

 

一刀の杯を受け取る男。

 

「おっと!?」

 

その直後、男は杯を落とし、割ってしまった。

 

「し、失礼!すぐに代わりを持ってこさせます!」

 

そう言うと、男はいそいそと席を離れていった。

 

「杯か・・・・・・美以」

 

「にゃ?」

 

「えらいぞ」

 

帝の方を見ながら、美以の頭を撫でる一刀。

 

宴の席にも関わらず帝の表情は暗い。

 

一刀の視線に気づくと、帝はあからさまに目を逸らした。

 

その隣の何太后に視線を向けると、冷たい視線が一刀を射抜く。

 

「・・・・・・ふう」

 

もう穏やかには済みそうにないなと、一刀はため息をついたのだった・・・・・・

 

 

 

 

 

 

 

どうも、アキナスです。

 

宴が始まり、早々に仕掛けられた一刀。

 

まだまだ帝陣営の攻勢は続きます。

 

果たして、一刀がカウンターを放つのは何時か?

 

では次回に・・・・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

「デラックスボンバー!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


 
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