No.680206
インフィニット・ストラトス―絶望の海より生まれしモノ―#11*![]() 高郷葱さん 2014-04-20 15:40:43 投稿 / 全1ページ 総閲覧数:894 閲覧ユーザー数:864 |
――夢を、見ていた。
【真っ白な砂浜 / 静謐な深森】にただ一人、自分だけがポツリと立ち尽くす、そんな夢を、【彼/彼女】は見ていた。
何故、夢と分かるのか。
それは【彼/彼女】が居る場所にはありえないものであるからだ。
―――不意に、声が聞こえる。
【セカイ】に溶けこんでゆく、【澄んだ鈴のような / 深く響くような】声。
その主は―――【純白の少女 / 真紅の
その、ある種の神々しさすら感じさせるその姿に【彼 / 彼女】は見惚れていた。
『―――汝は、何故に力を求める?』
不意に重なって聞こえる、二つの声。
それは鈴の音のような少女の声であり、深く響く武士の声であった。
『―――汝は、何故に力を求めない?』
それは【彼 / 彼女】に向けられた明らかに矛盾している問い。
答えなど存在しないであろうその問いであるが、【彼 / 彼女】の胸中には湧き上がる『何か』があった。
「俺は―」
「私は―」
ざぁ――と一陣の風が駆け抜ける。
自分の発した答えすら【彼 / 彼女】には聞き取れないほどの音が辺りを覆うが、【純白の少女 / 真紅の武士】は満足げな表情を浮かべる。
『――それが、汝の答えか。』
『――その答えを、忘れないで。』
『さあ、征け。我が―――』
『私たちはいつもここ―――』
そんな声を聞きながら、【彼 / 彼女】の意識は急激に遠のいてゆく。
純白の少女と真紅の武士。
その姿を見守る、純白の騎士と真紅の賢者の姿が【彼 / 彼女】には見えた気がした。
―――遥か大空を舞う、大鷲とともに。
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#11*:かの者の名は…
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