No.668154 九番目の熾天使・外伝~マーセナリーズ・クリード~番外編okakaさん 2014-03-05 06:33:35 投稿 / 全1ページ 総閲覧数:665 閲覧ユーザー数:551 |
番外編2 調査記録【仮面の覚悟】中編
――――――――――――侵入者は仮面ライダー!総員、迎撃用意!』
突然の奇襲、それも先程まで話に出ていた仮面ライダーである。驚くokakaとルリコを尻目にヒロシは近くの端末に飛びつき操作すると、二人にモニターを向けた。
監視カメラの映像なのであろう。二人が覗き込むと、そこには赤い仮面の戦士【仮面ライダーV3】がショッカー戦闘員をなぎ倒す姿が映し出されていた。
「これが・・・仮面ライダー・・・」
「ああ、そうだ。彼は【仮面ライダーV3】仮面ライダー1号の【技】と仮面ライダー2号の【力】を併せ持つ戦士だ」
初めて見る【仮面ライダー】という存在、そしてその戦闘能力に少しだけ目を奪われていたokakaだが、すぐに思考を切り替えると緑川親子の足元に向かってワームホールを展開させた。
「えっ?きゃあっ!」
急に足元が消え、驚くルリコの悲鳴とともに二人はワームホールに落ちた。落ちた先はokakaの乗ってきて、アジトから離れて隠していた小型の次元航行船のキャビンだった。
驚く二人を見下ろしながらokakaはワームホールに上半身を突っ込むと二人に通信機とアタッシュケースの中にあったファイズギアのマニュアルを投げた。
「そこなら安全だ!その通信機でこいつの・・・ファイズギアの使い方を教えてくれ。時間が無いから現地で覚える」
そう言うとokakaはワームホールを閉じて安全を確保する。
あまりに唐突な展開にポカンとする緑川親子。しかし、既に安全域にいることを理解すると、通信機を耳に付け起動させた。ルリコがインカムをチェックする。
『通信テスト、聞こえる?』
『ああ、感度良好。問題無い』
『私もOKだ。では早速組み立ててくれ。まずは・・・』
ヒロシの指示通りにファイズギアを組み立てると、okakaはファイズギアを腰に装着、携帯電話型デバイス【ファイズフォン】に変身コードを入力する。
≪Standing by≫
待機音声を確認すると、okakaはファイズフォンをベルトに装着した。
≪Complete≫
認証音声が鳴り、okakaの体中に赤い【フォトンストリーム】が這いまわる。そして、それを基点としてスーツが形成。okakaは【仮面ライダーファイズ】へ変身した。
「おお!、すげーな・・・よし!行くか!」
okakaは少しだけ変身した自分の体を確認すると右手首をスナップさせ、走りだした。――――――――――――
――――――――――――同じ頃、同アジト内――――――――――――
「V3きりもみ反転キィィィィィィック!」
『グウォォォォォォォォッ!』
V3の必殺技の一つ【V3きりもみ反転キック】が【ゴルゴム】のサイ怪人に命中、サイ怪人が苦悶の声を上げながら周りの戦闘員を巻き込み爆発した。
その炎の中からバイクに乗った新たな怪人が同じくバイクに乗った戦闘員を伴いながらV3に襲いかかってきた。
「チッ・・・さすがに数が多いな・・・だがっ!」
V3――――――【本郷耕也】は舌打ちをすると、自ら戦闘員の群れに突っ込む。
「V3サンダー!」
V3は【V3 26の秘密】の一つV3サンダーを使い、触覚から100万Vの稲妻を発生させ、バイクと戦闘員達を一掃した。それを見たショッカー怪人【ジャガーマン】は驚き、怒りを露わにする。
「おのれ仮面ライダーV3!よくも我が【殺人ライダー部隊】を!」
怨嗟の声を上げながらジャガーマンはV3に向かって突進する。しかし、V3はジャンプでジャガーマンの上を飛び越え、背後を取ると後ろ回し蹴りでジャガーマンをバイクの残骸めがけて吹き飛ばした。
「V3スクリューキック!」
残骸に足をとられ動きの鈍ったジャガーマンに必殺のV3スクリューキックが突き刺さる。
「ガァァァァァァァァッ!おのれぇ・・・仮面・・・ライダァァァァァァァァァッ!」
「よし、これで・・・っ!V3バリヤー!」
怨嗟の声とともにジャガーマンが爆散し、残っていた戦闘員も巻き添えに吹き飛ばされた。
近くの敵を一掃したV3はアジト破壊のために深部へと進もうとした。
しかし、奥からの異様な気配に気付き、V3がとっさにバリアを張った次の瞬間、強力なメダル型のエネルギー弾がV3に浴びせられた。
なんとかしのいだV3が目を向けると、そこには黄金の鷲の意匠に右目と肩から蛇の突き出た怪人がこちらに歩み寄るのが見えた。
V3は【26の秘密】の一つ【マトリックスアイ】で怪人を素早く分析する。
「鷲と蛇の意匠・・・全身に満ちたメダル型のエネルギー結晶体・・・そして黄金のショッカーベルト!貴様が【ショッカーグリード】か!」
「ほう・・・私を知っているのか仮面ライダーV3いや・・・本郷耕也!」
そう叫ぶとショッカーグリードは翼を広げ、V3に飛び掛かった――――――
――――――――――――――――――
「オラァッ!」
「「「イーッ!!!」」」
ファイズに変身したokakaは手近な戦闘員や怪人でファイズギアの性能や動作を試しながら深部へと急いでいた。そこにいるであろう【ショッカーグリード】を倒し、【プロトディケイドライバー】を奪取、もしくは封印するためだ。
通信機越しにヒロシがokakaに状況を問いかける。
『どうだい?okaka君、ファイズギアは』
「ああ、いい感じだ。だいぶ慣れてきた」
『そうか、底の角を右に曲がってくれ、そこが【首領の間】だ』
「あいよ、そぉい!・・・ってあれ?いねぇぞ?」
通信機に送られる映像を見ながらヒロシがokakaに指示を出す。okakaは言われたとおり通路を右に曲がると、見えてきた豪奢な扉を突き破った。しかし、その部屋にショッカーグリードはおらず。無人だった。
ふとokakaの視界にケースに収められた一つの黒いドライバーとその隣の白いバイクが目に入る。変身を解除したokakaはそれに歩み寄ると、トラップをの有無を確認し、ケースからドライバーを取り出した。
「これが・・・」
思わず息を呑むokakaにヒロシが答える。
『そう、それがプロトディケイドライバー。【原初の破壊者】のベルトだ、一度装着して認証登録をしてくれ。それで奴はドライバーを使えなくなる』
okakaがプロトディケイドライバーをファイズギアを外した腰に当てると、ドライバーからベルトが飛び出し、両腰に武装デバイスが出現する。
すると同時にありとあらゆるライダーの知識がokakaに流れ込んできた。あまりの情報量に一瞬ふらつくも、なんとか耐える。
凄まじい情報の波が収まると、ベルトは自然に外れた。
「こいつはすげぇ・・・でも10分が限度ってとこか・・・」
『ああ、それ以上はベルトの【トリックスター】が暴走しかねん、使うつもりなら慎重に考えるんだ』
「ああ・・・今は使えないな・・・」
あまりに大き過ぎる力、そしてそれに伴う大き過ぎる責任、まだ自分にはこれを使う【覚悟】が無い。そう判断したokakaはドライバーをしまうと再びファイズギアを装着した。
「変身!」
≪Complete≫
再びファイズに変身したokakaは首領の間の隅にあるモニターを確認する。するとそこには黄金の怪人が仮面ライダーを叩きのめす姿が映し出されていた。――――――――――――
――――――――――――――――――――――――
「フハハハハハ!どうした?V3!?お前の実力はそんなものか!?」
「ぐぅっ・・・まだだ!レッドボーンパワー!クロスハンド!」
V3が叫ぶと同時に両手をクロスさせる。するとV3内部の細胞強化装置が作動し、一時的に肉体強度を増強させる。【26の秘密】の一つ、【クロスハンド】である。そしてV3の胸のレッドボーンにエネルギーが集中し、強力なパワーを発生させるもう一つの【26の秘密】である【レッドボーンパワー】を発動させた。
身体能力を限界まで高めたV3は、ショッカーグリードに飛び掛かる。
「V3電撃チョップ!」
稲妻を纏ったV3の右腕がショッカーグリードに振り下ろされる。しかし、ショッカーグリードは微動だにせず左手でつかみ、その電撃ごと受け止めた。
「ふん!この程度か!V3!」
「何!?」
「今度は貴様がシビれる番だ!」
ショッカーグリードはV3の電撃を吸収するとセルメダルのエネルギーを加えた電撃を掴んだ腕から流し始めた。とっさにバリアを貼り、電撃を吸収するV3。
しかし、ショッカーグリードは余裕の態度を見せたまま、電撃を流し続ける。
「私は知っているぞ、そのバリアは100万Vまでしか吸収できないことを、そして!それこそがお前の【死の弱点】の一つであることを!」
ショッカーグリードは叫びとともに電撃の出力を上げた。
「!?しまっ・・・ぐあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」
「フハハハハハハハハハハハ!どうだ!?自分の電撃でやられる気分は!?」
弱点を見ぬかれ、V3は電撃にもだえ苦しむ。その姿を見たショッカーグリードは高笑いを上げる。そしてV3の膝が崩れ落ちると、ショッカーグリードは手を離し、V3を壁に叩き付けた。
「ぐはっ!・・・」
「さて、そろそろトドメだ・・・忌々しいそのベルトを徹底的に砕いてやる!」
そう言い放つと、ショッカーグリードはライダーの力の源であると同時に、最大の弱点でもあるベルトを破壊するため両腕にエネルギーを溜める。
最後の一撃が放たれようとした瞬間、バイクのエンジン音が響いた。
「おっと!そいつは困るな!」
突然の声にショッカーグリードが声のした方を向くと、一台のバイクとロボットが体当たりを仕掛けてきていた。そのバイク、そして、それにまたがる人物。正確にはその人物の仮面を見て驚いたショッカーグリードは反応が遅れ、体当たりをモロに喰らい吹き飛んだ。
「!?ぐわっ!」
「お・・・お前は・・・」
ロボット【オートバジン】に支えられて立ち上がったV3が声を絞り出す。その声にバイクから降りた人物は答えた。
「俺か?今の俺は・・・仮面ライダーファイズ・・・っていうらしいぜ?」
「仮面・・・ライダー・・・!?」
その答えに、V3の仮面の奥、【本郷耕也】の瞳が見開かれた。
「きっ・・・貴様!そのバイクは・・・!」
二人が目を向けると、ショッカーグリードがフラフラと立ち上がりながらファイズ、正確には彼の乗っていたバイクを見て叫ぶ。
「?ああ、これか?ベルトのおまけにしちゃあ良いバイクだな。気に入ったよ」
そう言うとファイズ、okakaは、乗ってきたバイク、【マシン・プロトディケイダー】のカウルをなでた。ライダーマシンはその持ち主であるライダーにしか使えない。つまり――――――――――――
「何だと!?・・・貴様・・・私のベルトをォォォォォォォォ!」
【プロトディケイドライバー】を奪われたことに気付いたショッカーグリードは激昂した。そんな彼をファイズになったokakaは鼻で笑う。
「ハッ!そんなに大事なら後生大事に持ち歩けよ。それに、ライダーは人間の【自由】と【平和】を守る存在なんだろ?じゃあ人類を【支配】しようとするお前には無理だな。」
言いながらもokakaは内心冷や汗をかいていた。【鷹の目】がさっきからヤバイと警告を続けている。このままでは勝てない。そう考えたokakaはV3の内臓通信機に通信を送った。
『少し離れたところに俺の乗ってきた船が隠してある。今のままじゃ奴は倒せない、一旦退いて体制を立て直そう』
その通信にV3が答える。
『確かにその方が良さそうだ。だが俺はまだお前を信用できん』
『・・・悪いが人を待たせてるんでな、俺はここで死ぬわけにはいかない。だから嫌でも付き合ってもらうぜ、アンタにも帰りを待つ人が居るんじゃねぇのか?』
『!・・・そうだな・・・仕方がない・・・10秒くれ。俺の技で隙を作る』
『10秒だな、任せろ』
通信を切ると二人はショッカーグリードに向き直る。怒りに震えるショッカーグリードは翼を大きく広げた。
「許さん!・・・貴様・・・ここで八つ裂きにしてやる!」
そう叫ぶとショッカーグリードはファイズに飛び掛かった。ファイズはその突進を躱すと左腕の【ファイズアクセル】から、【アクセルメモリー】を引き抜き、ベルトの【ファイズフォン】に挿入した。
≪Complete≫
認証音声が鳴り、ファイズの胸部装甲が展開、真紅の【フォトンストリーム】が銀色の【シルバーストリーム】に色を変え、複眼が赤く染まる。
「付き合ってもらうぜ・・・10秒間だけな!」
そう叫ぶと【アクセルフォーム】へとチェンジしたファイズは、ファイズアクセルのボタンを押した。
≪Start up≫
起動音声とともに【アクセルモード】へと移行したファイズは超高速でショッカーグリードに連打を浴びせる。しかし、ショッカーグリードはそのスピードに反応すると、ファイズの攻撃のほとんどをさばき、逆に反撃をしてきた。
5秒間のラッシュの応酬の後、ファイズはバックステップで距離を取ると右足に装着しておいた【ファイズポインター】のマーカーを射出、連続で必殺のキック【アクセル・クリムゾンスマッシュ】を叩き込んだ。
≪Three, Two, One, Time out Reformation≫
アクセルフォームの加速が終了し、ファイズが通常形態に戻る。普通の怪人ならこれで倒せるはずだった。しかし、ショッカーグリードは全身に軽い傷を負った程度だった。
(やっぱだめか・・・でも!)
okakaがV3に目をやると、V3は腰のベルトに手を当てて、ショッカーグリードに向き直っていた。
「V3逆ダブルタイフーン!」
V3の掛け声とともにベルトの二つの風車から強力な竜巻が発生し、ショッカーグリードを飲み込んだ。
「おのれぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!仮面ライダァァァァァァァァァァァ!」
怒りの雄叫びを上げ、セルメダルを撒き散らしながらショッカーグリードは吹き飛んで行く。その隙に、二人はプロトディケイダーとオートバジンに飛び乗ると、okakaの開いたワームホールへと駆け込んだ―――――――――――
―――――――――――二人はワームホールを通りぬけ、小型船の近くに転移すると、バイクを止め、変身を解除した。
okakaは転移の副作用が収まるのを待つため、そして耕也は戦闘ダメージと、逆ダブルタイフーンの反動のため二人とも同時にその場にくずおれる。
しかし、二人とも互いに視線を合わせるとゆっくり立ち上がった。
「やせ我慢すんなよ・・・」
okakaの挑発に耕也は不敵な笑みを浮かべて返す。
「そっちこそ・・・」
二人はしばらく互いを見て笑っていたが、近づく気配を察知し、身構える。気配の主はゆっくりとこちらに歩み寄りながら害意が無いことを示す。
「安心しろ。俺は敵じゃない。・・・それにしても、手ひどくやられたみたいだな」
ラフな服装に首から下げた二眼レフのトイカメラが目立つその男を警戒したまま耕也が問う。
「お前は何者だ?」
その男は少し不満げに答えた。―――――――――――
――――――――――「はぁ・・・こういう時は自分が先に名乗るもんだろうが・・・まぁいい、俺は門矢士、通りすがりの仮面ライダーだ、覚えておけ」
あとがき
前後編で終わらせるつもりがまさかの三部構成に・・・これも皆乾巧ってやつの仕業なんだ・・・おのれディケイド!・・・ホントは自分のせいですすみません。・・・
冗談はさておき、次回で決着付けます。絶対。(言っとかないとまた伸びそうだし・・・)
それと、次回のげんぶさんのライダーですが一つだけ確定しています。ヒントは・・・【狂い咲き】
解った方の中から抽選で一名様に次回の出演とファイズ変身のチャンスが与えられます。(ただし、No15位内の方でキリヤさん以外に限る)あと、げんぶさん、バイクの設定どうします?要望ございましたらショートメールで頂けるとありがたいです。ではまた次回で・・・
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