No.665174

九番目の熾天使・外伝~マーセナリーズ・クリード~番外編 

okakaさん

番外編その2
今回は前後編になりそうです。
げんぶさんとの邂逅になります。

2014-02-22 07:05:31 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:606   閲覧ユーザー数:520

番外編2 調査記録【仮面の覚悟】前編

 

――――――――――――旅団本部団長室――――――――――――

 

 

「大ショッカー?」

 

「うむ、あらゆる世界に対して、征服活動を行っていた【悪の秘密結社】だ。今回はこの大ショッカーの残党について調査してもらいたい」

 

 

そう言うとOTAKU旅団【団長】クライシスはデスクの上の資料をokakaに投げ渡した。

旅団発足後からお約束となりつつある調査任務。だが、今回の任務は普段と違い【旅団メンバー候補の選定】ではなく、【壊滅した別組織の調査任務】だった。

普段とは勝手の違う任務だったが、既にある程度のデータが出揃っているため、それほど難儀しないとは思う。しかし、未だに不安要素が残るため、okakaは団長に詳しく話を聞くことにした。

 

 

「この資料にある怪人ってのは何なんですか?」

 

「そのままの意味だ、優秀な人間をベースに、様々な生物の特徴を取り込んだ改造人間を作り出し、征服活動の尖兵としているのだよ」

 

「げっ・・・人体実験か・・・またマッドサイエンティストの匂いがするのは気の所為じゃ・・・無いですよねぇ・・・」

 

 

半ば諦めにも似た感情がokakaを襲った。そしてそれに追い打ちをかけるようにクライシスの言葉が続く。

 

 

「だから竜神丸ではなく、君なのだよ。彼では奴らの研究データとウィルスを組み合わせて新しいB.O.W.を創りだして【また】一騒ぎを起こすかも知れない。それに君自身はマッドサイエンティストという人種に慣れがあるからな。君ももう五体の改良型タイラントを相手に大立ち回りをするのは嫌だろう?」

 

 

竜神丸入団後に付き合わされた【実験】を思い出し、クライシスの言葉をokakaはイメージしてみた・・・様々な動植物の要素をもったタイラントが重火器を振り回しながら、自分に襲いかかってくる光景・・・二度と付き合わないと言ったがそれくらいで【あの】竜神丸が諦めるとは思えない。

やっぱり自分しかいない・・・現実は非情である。

 

 

「解りました・・・行ってきます・・・」

 

「元々君に拒否権はない・・・それと今回も秘匿のため、機体は置いていってもらう。必要なら自力で何とかしたまえ」

 

「了解しました。では、逝ってきます」

 

 

こうしてokakaは大ショッカーへの調査を開始した――――――――――――

 

 

 

 

 

 

 

―――――――――ちょうど同じ頃【地球】海鳴市にて―――――――――

 

 

「行くのか?」

 

「ああ、ショッカー残党が動き出したらしい。ショッカーは倒してこないとな・・・」

 

「無事に、無事に帰ってきて・・・」

 

「当然だ、絶対にお前に悲しい思いはさせない」

 

「そうか・・・行ってらっしゃい・・・耕也」

 

「ああ、行ってきます。白蓮」

 

 

――――――――――――そしてまた、男が一人、愛する妻を置いて、戦場へ向かう――――――――――――

 

 

 

 

 

――――――――――okakaが調査を開始して3日後――――――――――――

 

調査報告3日目、地下基地内での本格的な潜入調査を開始。

大ショッカーはショッカーを母体とした複数の組織による連合組織であることが判明。

現在は別世界との連絡を強化し、組織の再興を目的に活動中。

組織全体の共通の敵として、【仮面ライダー】という存在、それを殲滅するための計画【プロジェクト・ディケイド】が行われるも失敗している模様。

この基地に居るのは主にショッカーを始め、死人から覚醒した【オルフェノク】

5万年ごとに人類の文明を一掃していき、優秀な人間を改造した怪人による新世界の創造を目論む【ゴルゴム】

「サナギ体」、「成虫態」と呼ばれる2つの姿を持ち、高度な知性と記憶までもにコピーする非常に高度な擬態能力を持ち、成虫態だけが使用可能なクロックアップと呼ばれる超高速移動を駆使する宇宙生命体【ワーム】

以上の【怪人】と【組織】及びそれに類する生命体を確認。それらを束ねているのは【ショッカーグリード】と呼ばれる人造生命体であることが判明。

奴らは優秀な技術者を拉致し、その技術を怪人製造に転用しているらしく、一部の技術者は反抗の意思がある模様。

ただし、反抗の意思を見せたものは処刑対象とされるため、表立っての行動は避けている。

今後は批判的な技術者に対して接触、内定調査を中心として、調査を行う。

 

私見

非常に危険な組織であると同時に、正義を自称する管理局暗部よりは開き直った印象を受ける。

ただし、管理局と違い、体面を気にしないので大規模事件を引き起こす可能性はこちらのほうが高いと推測。

また、選民思想が強く、和睦、相互不可侵は不可能と判断。

早急に殲滅することを提案します。

 

 

「―――っとこんなもんかな・・・よし、送信完了っと待たせたなドクター・・・あー・・・」

 

 

厳重にロックされた一室で、団長への報告書を書き終えたokakaは、端末を閉じると後ろにいた白衣の男女・・・大ショッカーに反抗の意思のある二人の技術者に声をかけた。しかし、報告書で頭がいっぱいで名前をド忘れしてしまう。白衣の男女は溜息を付くと、もう一度名乗る。

 

 

「緑川だ、緑川 ヒロシ、こっちが娘のルリコ」

 

「ああ、そうだった。すまんすまん。で、だドクター緑川、さっきうちのボスに報告しておいた。すぐに返答が・・・ときたきた。ちょっと失礼」

 

 

okakaは二人に断ると端末を取り出し、指令内容を確認する。内容は非常にシンプルなものだった。

曰く―――『該当組織を敵性と判断した。調査を中断、反抗の意思のあるものを救出後,殲滅せよ』

 

 

「―――だそうだ。これでネクストで思いっきり・・・っとまただ。失礼」

 

 

『なお、秘匿のため機体の使用を禁ずる。現状の戦力で対処せよ』

 

 

「・・・・・・マジかよ団長」

 

 

追加指令を確認したokakaはその場にくずおれる。それを見た緑川親子は何かあったのかとくずおれたokakaに詰め寄る。

 

 

「どうした?なにかあったのか?」

 

 

ヒロシの問いにokakaは顔を上げながら答えた。

 

 

「・・・現状の戦力で抵抗者を救出後、殲滅しろ。だそうだ」

 

 

okakaの回答にルリコが声を荒らげた。

 

 

「ちょっと!どういうこと!?ネクストとか言うロボットが使えないの!?」

 

「・・・そうらしい。組織秘匿のため現状の戦力で対処せよ。だと」

 

 

okakaの言葉にルリコは怒りだした。

 

 

「何それ!そんなのってありなの!?アンタのいる組織ってそんなに秘密にしなきゃいけないの?これじゃあどうやってここから逃げ出せばいいのよ!?」

 

 

ルリコのもっともな言い分にokakaは立ち上がりながら答えた。

 

 

「安心しろ。逃げ出すのは簡単だ。協力してくれたアンタ達親子は絶対に逃がす。問題は逃げ出すタイミングとどうやって殲滅するかだけだ」

 

 

そのokakaの言葉にルリコは半目で睨みながらも押し黙る。・・・一応は信用してくれるらしい。ルリコが矛を収めたことで、部屋中が静まり返った。

 

 

「―――戦力なら、アテがある」

 

 

唐突に口を開いたのはヒロシだった。驚きながら見つめる二人を尻目に彼は部屋の片隅に置かれた金庫にカードキーを差し込む。ピピッっという電子ロックの解除音と共に扉が開かれると、ヒロシは中にあったアタッシュケースを取り出した。

 

 

「「ドクター(お父さん)・・・それって・・・」」

 

 

驚く二人にヒロシはケースの中身を見せた。

中には特殊なデザインの携帯電話、デジタルカメラ、腕時計などと一緒に一本のベルトが入っていた。ヒロシが出してきたもの、それは―――――――――

 

 

「これはファイズギア、仮面ライダーファイズに変身するためのベルト。これはその二本目のベルトだ。人間でも使えるように調整されている」

 

 

仮面ライダー、その名に聞き覚えのあったokakaがヒロシに問う。

 

 

「仮面ライダー・・・たしかそれってショッカーの天敵の名前だよな?なんでショッカーに?」

 

 

その疑問にはルリコが答えた。

 

 

「それは簡単よ。だってそもそも【仮面ライダー】はショッカーが作った【怪人】その最高傑作だもの」

 

 

ルリコの言葉にokakaが反応する。恐らく仮面ライダーはショッカーを始めとした組織にとっては・・・

 

 

「・・・裏切り者ってことか」

 

「ええ、脳を改造される前に逃げ出したのよ。そして、ショッカーに抵抗を続けている。人間の【自由】と【平和】を守るために・・・」

 

 

 

ルリコの言葉にヒロシが続ける。

 

 

「これはその名を継ぐベルト。【プロジェクト・ディケイド】のためにオルフェノクから提供されたベルトを改良した【怪人と戦うための力】だ。これを使うといい」

 

「プロジェクト・ディケイド・・・」

 

 

自身が調べた中にもその存在と失敗の記録が残る名前にokakaは思わず声に出す。それを聞いたヒロシは更に続ける。―――プロジェクト・ディケイドとは―――

 

 

「【対仮面ライダー用仮面ライダー開発計画】・・・それがプロジェクト・ディケイドだ」

 

 

つまり、【怪人】と同じ力で戦う【仮面ライダー】を倒すためには同じ【仮面ライダー】の力を使えばいい。という【目には目を歯には歯を】の思想から究極のライダーを作り出す計画。それがプロジェクト・ディケイドの真相だったのだ。しかし――――――

 

 

「でも、失敗したんだよな?」

 

 

そう、okakaが調べた結果【プロジェクト・ディケイド】は失敗に終わっている。なのになぜか引っかかる。

なぜ、その研究資料であるベルトがまだ処分されず現存してこの基地にあるのか。

天敵とも言える存在である仮面ライダー、終わったはずの計画、しかも失敗したはずなのに。

その疑問はヒロシが解決してくれた。

 

 

「ディケイドライバー自体は完成している。彼もまた、組織を裏切り大ショッカーを壊滅させた【仮面ライダー】として、な」

 

 

つまり、研究自体は成功を収めたものの計画の本筋であるライダー殲滅に失敗どころか新たなライダーを生み出してしまったのだ。大ショッカーにとっては手痛い失敗だっただろう、その失敗のせいで組織が壊滅状態に陥っているのだから。

だが、ヒロシの言葉はそれで終わらなかった。

 

 

「そしてそのプロトタイプがこの基地の最深部にある。ショッカーグリードが使い、大ショッカー再興のための旗頭とするつもりなんだ。それをなんと阻止しなければならん。」

 

 

そこで一度言葉を区切るとヒロシはokakaに向き直り、頭を下げた。

 

 

「私はどうなっても構わん。頼む、この力でショッカーグリードを倒してくれ。そしてプロトディケイドライバーを封印してくれ」

 

 

頭を下げて真摯に頼み込む父を見たルリコは自分も頭を下げて頼み込んだ。

 

 

「お父さん・・・私からもお願い。あいつらを・・・大ショッカーを倒す力になって」

 

 

okakaはいきなり二人に頭を下げられ少しだけ困惑したが、二人に向かって手を差し出しながら答えた。

 

 

「元々ここの大ショッカー殲滅が俺の任務だ気にするな。それよりこいつの使い方を教えてくれ。それと、アンタたちも助ける。だから―――今後とも宜しく頼む」

 

 

okakaの手をヒロシが握り返した時、基地全体に警報が鳴り響いた。okakaは自分が見つかったのかと身構えるが、次のアナウンスに驚き、大きく目を見開いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『警報!基地内に侵入者!基地内に侵入者!侵入者は【仮面ライダー】である!繰り返す!侵入者は仮面ライダー!総員、迎撃用意!』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あとがき

長くなりそうなので一辺切ります。げんぶさんとの短編なのにほとんど出てきてないし・・・後半で大暴れして頂く予定です。できるだけ早く仕上げるので今しばらくお待ちを・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 


 
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