一刀の修行が始まって一夜が明けた
まだまだ終わらない修行の続きが始まった
今回の話は
その頃のお留守番をしているひとたちの話である
四節 〜高まる一刀欲と不穏な影〜
時間は一刀達が『闇行』で消えた後まで遡る
華琳「…………桃香、政務をしなさい……」
愛紗「そうですよ、桃香様……仕事をして下さい………」
桃香「分かってますけど〜……」
此処は政務室………
一刀が修行に向かってから3時間程経っていた
城の皆はそれぞれの仕事などに取り組んでいた
春蘭や鈴々なら兵達の鍛錬、桂花や風など軍師達は部屋で書類書き
そして三国の王達は今日の分の政務をしていたのだが…………
蓮華「姉様!!仕事をして下さい!!」
冥琳「雪蓮………そのままでは日が暮れてしまうぞ?」
雪蓮「だって〜〜一刀がいないんだもん〜」
雪蓮が言ったとおり、桃香や雪蓮はいつも一緒に政務している一刀が今この場にいないのでやる気が起こらないのだ
因みにやる気が起こらないのはこの2人だけではない
祭や蒲公英、霞や小蓮も仕事に力をいれられていないのだ
驚くことに実は表に出してはいないが秋蘭や愛紗、更には華琳までモチベーションが下がっていたのだ
華琳「分かっているなら手を動かしたらどうなの?」
桃香「うぅぅ………はい……」
桃香は渋々政務を再開し始めた
華琳「桃香、貴方だけ寂しい訳じゃないのよ?
蓮華だって、愛紗だって………私だって好きな人と会えなくなるのは寂しいわ
たとえひと月といえど私達にとってはとても長い日数よ」
桃香「………………」
桃香は顔を上げ華琳の話を聞く
華琳「だけど一刀は必ず帰ってくるわ
それは紛れもない事実でしょう?」
桃香「…………はい」
桃香の悄気た返事に華琳は笑顔で
華琳「それなら待ちましょう
必ず帰ってくるのだから待っていれば帰ってくるわ」
と言った
愛紗「華琳殿の言う通りです
それに……………桃香様」
桃香「なに?愛紗ちゃん……」
愛紗「詠も申していたではありませんか
私達はご主人様を信じているのです
只待つだけでもご主人様を信じている証ではありませんか」
愛紗の発言に桃香は一瞬目を見開いた
桃香「愛紗ちゃん…………」
愛紗「疑って待つより、信じて待ちましょうではありませんか」
桃香「……………そうだね、私や愛紗ちゃん、華琳さんや皆はご主人様を信じているもんね」
愛紗「そうです」
桃香「…………うん!私、頑張る!!」
愛紗「そのいきです、桃香様」
桃香がやる気を出したところを見て冥琳と蓮華は
蓮華「姉様、桃香もやる気を出したんですよ?」
冥琳「まさか、桃香殿が政務をしているのに貴方はやらないという事はないでしょう?」
と嫌味ったらしく言った
すると雪蓮は
雪蓮「むー!もう、分かったわよ!
………このモヤモヤは一刀に閨であたってやる……」
冥琳「やれやれ、そんな事私や蓮華様が許すと思うか?」
雪蓮も渋々だが政務を再開し始めた
華琳「そういえば祭りの進行はどうなっているの?」
華琳が冥琳に聞くと
冥琳「約五割程終わっています
残りはこのひと月で終わります」
…………華琳が言う祭りとは三国同盟が結ばれ今年で二年が経ったので
その事を祝うものとして一刀が帰ってくるであろう約ひと月後の七日後に五日間行われるのだ
華琳「そう…………私達が決めなければならない事項はあと何だったかしら………」
華琳は書簡を見ながら呟いた
桃香「えぇ~っと……………確かご主人様が天和ちゃん達と一緒に歌う際に後ろで踊る人が必要って人和ちゃんが言ってましたよ?」
華琳「踊る人ねぇ………」
今回の祭りのメインとも思われるのは天和、地和、人和によるコンサートなのだが
三国の王達と冥琳、愛紗、思春、一刀以外知らないのが一刀が飛び入りとして歌をうたうという事が決まっていたのだ
歌うのは一刀だけという㊙コンサートでもあるのだが、その為には後ろで踊る…………言わばバックダンサーが決まっていないのだ
雪蓮「ん〜〜………やっぱり動ける武人から選んだらどう?」
冥琳「それはそうだがな、武人から絞ると今度は軍師達から非難の声が上がってしまうぞ?」
愛紗「そうですね………」
桃香「どうしますか?」
蓮華「因みに人数は何人だったかしら?」
蓮華が華琳に訊ねた
華琳「確か五人だったかしら……」
雪蓮「中途半端ねぇ〜〜」
華琳「まぁ、直ぐに決めるわけじゃないからいいのだけれど」
桃香「はぁ〜………ご主人様の後ろで踊るのかぁ」
雪蓮「一刀を悩殺してもいいのなら私は立候補するわよ♪」
華琳「あら?私がそう簡単にさせるとでも?」
雪蓮「関係ないわ♪」
愛紗「ののの、の、の、悩殺!?」
冥琳「いや、決まっていないからな?」
政務室は賑やかに政務をしながら一刀を待っていたのだった………
だがしかし……………
??B「では…………参りましょうか……?」
遂に不穏な影が動き出してしまったのだ………
??A「ようやくか!待ちくたびれたぜ!」
??C「好きなだけ壊して良いんだよな!?」
??D「目標を捕らえたらな………〃〃
それまで『我慢』しろ………」
??C「……………分かったよ……」
??B「まぁ、くらいの目標を捕らえるまでですよ
その後は我々の自由ですから……」
??A「そういやーよ、〃〃もこっちに向かってるらしいぜ?」
??C「ほう?アイツがか?」
??D「あとどれくらいで来るんだ?」
??A「一時間も掛からないって言ってたぞ」
??B「その頃には終わってますよ?
残念ながらね………」
??D「〃〃には後片付けを任せるか………」
??C「ガッハッハッハっ!可哀想な奴だぜ!!」
??B「おしゃべりもこれくらいで…………」
??B「行きましょうか……………
大陸の中心地、成都へ………」
……終……
Tweet |
|
|
4
|
0
|
追加するフォルダを選択
一刀の修行の一日目が終了した
一刀が修行をしていた頃
城に残っていた華琳達は賑やかに過ごしていた
だが、遂に裏で不穏な影が動き出していた………