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九番目の熾天使・外伝 ~ライダー戦国大合戦~

竜神丸さん

第1話

2014-01-17 19:39:48 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:2395   閲覧ユーザー数:925

それは、とある出来事から始まった…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ミッドチルダ、とある有名な洋菓子店…

 

「んん~♪ 美味しい~♪」

 

ディアーリーズ、ハルト、アキ、こなた、アスナ、咲良、美空の七名は、そこでスイーツを堪能しているところだった。女子一同は美味しいケーキを幸せそうに味わっており、ディアーリーズとハルトはそんな彼女達に苦笑しながらもケーキを一口ずつ口に含んでいる。

 

「しっかし、いつの間にこんな洋菓子店なんて出来てたんだか。今日初めてこの店の事を知ったぞ」

 

「本当ですよ。確かに美味しいのは美味しいんですが、僕も最初はこんな店は知りませんでしたよ」

 

「え、二人共知らないの!? この店の人気はミッド中の洋菓子店の中でも、ぶっちぎりのトップなんだよ!!」

 

「あ、マジで? そりゃ知らなかった、デルタの奴にも教えてやったらどうだ? あいつ確か洋菓子作りの腕前も超一流だろ?」

 

「ふむ、確かに。帰ったら知らせてあげましょう」

 

「はぁ~♪ こんなに美味しいスイーツが食べられるなんて素敵よねぇ~♪」

 

「もしこれがウルの手作りだと思うと、最高に幸せよ~♪」

 

(…あ、これ僕が帰ってから作らなきゃいけないパターンだ)

 

アキ達の会話を聞いて薄々嫌な予感を感じたディアーリーズは、早いうちに材料のメモを書き始める。ちなみに美空と咲良はアキ達の会話についていけておらず、夢中でケーキを食している。

 

「二人共、美味しいですか?」

 

「うん、おいしいよ~!」

 

「はい、美味しい…です」

 

「良かった。口に合ったようで」

 

「…あ、そうだ」

 

ここでハルトが気付く。

 

「今回は誰が支払うんだ? 確かこの店、値段も結構高かった気がするんだが」

 

「何言ってんのよ、そこは男であるアンタ達が支払いなさいよ」

 

「女子に支払わせるなんて、それは男のやる事ではないんじゃないかなぁ~?」

 

「あぁ、やっぱりこうなるんですね……ではハルトさん、支払いお願いします」

 

「いやおい!? 即答で決めんなよコラ!?」

 

「だってハルトさん一番年上じゃないですか。そこは大人であるあなたが奢るべきでしょう」

 

「ちょ、おま……本当に食えない奴だねぇ、スイーツと違って」

 

ハルトは渋々ながらも、勘定を支払いにいく為に財布を取り出す。

 

「そんじゃ、これ食べ終わったら次は買い物に付き合いなさいよ。まだ買うべき物はいっぱいあるし、何より美空ちゃんの新しい服とかもちゃんと買わなきゃいけないし」

 

「あぁもちろん、似合ってるかどうかはウルに見て貰うけどね」

 

「ちょ、捕まりかねないからやめて下さい本当に!? ねぇハルトさん、流石に僕まで服選びに付き合ったらマズいでしょう!?」

 

「頑張れウル、俺はスイーツ勘定の支払いしてくるから」

 

「少しは助けようと思って下さいよこの裏切り者ぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉっ!!!」

 

ハルトにはあっさり見捨てられ、ディアーリーズは完全に逃げ道を失う。

 

「それに美空ちゃんだって、ウルに服が似合うかどうか見て欲しいでしょ?」

 

「え、あ、あの…」

 

「ちょ、美空ちゃんに聞くのは反則でしょう!? 僕の逃げ道なくなるじゃないですか!!」

 

「当たり前じゃない、アンタを逃がさないようにする為に聞いてるんだから」

 

「駄目だ、詰んだ…」

 

買い物に付き合う事がほぼ完全に決定事項になりつつあるディアーリーズ。彼の明日はどっちだろうか。

 

「それじゃ決まり。早く食べ終わって、買い物に向かうとしま―――」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

-ズドォォォォォォォォォンッ!!-

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「「「「「「「!?」」」」」」」

 

こなたが喋っていたその時だ。店の外から、何やら巨大な爆発音が響いてきた。

 

「な、何だ…!?」

 

ディアーリーズ達と勘定を支払い終えたハルトが店の外に出てみると、そこには異様な光景が広がっていた。

 

「「「グルァァァァァァァァァァァァッ!!」」」

 

「「「ギシャァァァァァァァァ…!!」」」

 

なんと複数の怪人達が一斉に街中へと姿を現し、民間人達に襲い掛かっていたのだ。グロンギ、ミラーモンスター、魔化魍、ファンガイア、ゾディアーツなど、その種類も様々だ。

 

「怪人!? 何だってこんな場所に…!!」

 

「おいおい、よく見りゃファントムまでいるじゃないの」

 

ハルトの言葉通り、怪人達の中にはミノタウロスやヒドラといった、ファントムという名の怪人達も姿が確認出来る。

 

「と、止まれ貴様等!! これ以上暴れたら我々が黙って…ぐぇっ!?」

 

「お、おい!! 大丈夫か…ごばぁっ!?」

 

管理局の魔導師達が挑むも、怪人達によって簡単に倒されてしまう。中には逃げ出してしまう魔導師もおり、あまり役には立ちそうにないようだ。

 

「うわぁ、管理局の連中ダメダメじゃん…」

 

「こうなってくるとウル、流石に俺達が無視する訳にゃいかないんじゃないのか?」

 

「…仕方ありませんね、いきましょう!」

 

≪≪ドライバー・オン≫≫

 

ディアーリーズ、ハルトの腹部にドライバーが出現。二人はそれぞれ専用の指輪を取り出し、変身の構えに入る。

 

「「変身!!」」

 

≪フレイム・プリーズ! ヒーヒー・ヒーヒーヒー!≫

 

≪チェンジ・ナウ!≫

 

ベルトに指輪を翳し、ハルトはウィザード・フレイムスタイルに、ディアーリーズはウィザードそっくりの形状をした青色の魔法使い“仮面ライダーウォーロック”への変身を遂げる。

 

≪コネクト・プリーズ≫

 

≪コネクト・ナウ≫

 

「それじゃ、行って来る!」

 

「さぁて、ド派手なショータイムだ!!」

 

ウィザードはウィザーソードガン、ウォーロックは日本刀型魔法剣“ウォーロックソード”を魔法陣から取り出し、怪人達に向かって突撃していく。

 

「私達もいくわよ、美空ちゃんと咲良ちゃんは下がってなさい!」

 

「は~い!、いこう、みっちゃん!」

 

「あ…!」

 

咲良と美空が後ろに下がり、アキ、こなた、アスナの三人もそれぞれデバイスを取り出そうとしたその時だ。

 

 

 

 

 

 

-ブゥゥゥゥゥン…-

 

 

 

 

 

 

「「「!」」」

 

突如、街中に謎の赤い結界が張られた。青かった空が、一瞬で赤い空に変わる。

 

「? 何…?」

 

「何にせよ、早く加勢にいった方が良いっぽいかも!」

 

アスナは自身の専用デバイスである“フルール・ド・フルーレ”を取り出し、それを起動しようとした。

 

しかし…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…………あれ?」

 

何時まで経っても、デバイスが起動する事は無かった。

 

「ね、ねぇちょっと、フルーレ!?」

 

「アスナ、何やってんのよ!! 早くウル達に加勢しないと……あ、あれ、ブルーローズ!?」

 

「ちょ、何で魔法が発動しないのさ!?」

 

ここでアキやこなたも異変に気付く。

 

何度やっても、何故か彼女達の魔法が発動しないのだ。これではディアーリーズ達の加勢に向かう事は出来ない。

 

「何で!? 何で使えないのよ!? 今までこんなの無かった筈でしょ!!」

 

「アキちゃん、これ使える?」

 

「へ…おっと!?」

 

その時、美空と一緒に物陰に隠れていた咲良が、アキにドライバーと三枚のコアメダルを投げ渡した。

 

「オーズドライバー!? 使えるのかしら…?」

 

試しにドライバーを腹部に持っていくと…

 

-ガシャンッ!-

 

「うわ、出来た!?」

 

アキの腹部にドライバーが装着された。何故かオーズドライバーは使えるようだ。

 

「え、変身出来るの!?」

 

「な、何かよく分かんないけど……迷ってる場合じゃないのは確かね!」

 

とにかく今は戦うしかない。アキは装着したドライバーに三枚のコアメダルをセット。ベルトの右側に付いていた装置“オースキャナー”を手に取り、セットしたコアメダルをスキャンする。

 

「変身!!」

 

『タカ! トラ! バッタ! タットッバ・タトバ・タットッバ!』

 

周りにメダルのようなエフェクトが複数出現した後、アキは“仮面ライダーオーズ”への変身を遂げて見せた。

 

「おぉ、変身出来た!!」

 

「え、でも何でオーズ…?」

 

「考えるのは後にしなさい、まずはアイツ等を倒さないと!」

 

そういって、オーズは左手に持っていた刀剣型武器“メダジャリバー”を右手に持ち直し、ディアーリーズ達の加勢に向かう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「「ハァァァァァァァァァァァァァァァァァァァッ!!!」」

 

その一方、ウィザードとウォーロックは怪人達を相手に無双を繰り広げていた。怪人が振るって来た武器をウィザードが華麗に受け流し、その隙にウォーロックがウォーロックソードで斬り裂く。今のところ、苦戦らしい苦戦は全くしていない。

 

「ギギギギギッ!!」

 

「はいはい、大人しくやられて頂戴なっと!!」

 

「ギシャァァァァァァァァッ!?」

 

「ハッ!!」

 

攻撃をひらりとかわしたウィザードがレイドラグーンに一閃を加え、斬られたレイドラグーンの頭を踏み台にウォーロックが大きくジャンプする。

 

≪バインド・ナウ≫

 

「凍えろ!!」

 

「「「グガァァァァァ…!?」」」

 

魔法陣から噴き出された冷気で、三体のダークローチが氷付けになる。その凍ったダークローチ達を、ウォーロックがウォーロックソードで粉々に粉砕する。

 

≪ハリケーン・プリーズ! フーフー・フーフーフーフー!≫

 

「しゃあ、思いっきり行こうかぁっ!!」

 

一方で、ウィザードは緑色の魔法陣を通過。風を操る形態“ハリケーンスタイル”へとスタイルチェンジして大きく飛び上がり、空中を飛んでいるアゲハヤミーやピジョンオルフェノクをすれ違い様に斬りつけて撃墜していく。

 

≪ビッグ・ナウ≫

 

「い~よいしょぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉっ!!!」

 

「「「シャァァァァァァァァァッ!?」」」

 

その地上では、ウォーロックが魔法陣を使って右腕だけを巨大化させ、離れた位置にいたラットファンガイア達を纏めて押し潰していた。しかしその後ろから一体のバケネコが飛び掛かってきた。

 

「フシャアッ!!」

 

「!? しま…」

 

「うぉりゃあっ!!」

 

「ギニャァァァァァァァァッ!?」

 

そんなバケネコも、オーズが投げたメダジャリバーによって貫かれる。そのまま地面に落ちたバケネコの身体から、オーズがメダジャリバーを引き抜く。

 

「ウル、お待たせ!」

 

「その声…アキ!? え、何で召喚魔法を使わないの!?」

 

「やれるなら最初からやってるわよ!! 何故か魔法が使えないのよ!!」

 

「魔法が使えない!? それってどういう…」

 

「話は後、また来るわよ!!」

 

「な、おっと…!!」

 

複数のダスタードが一斉に襲い掛かり、ウォーロックとオーズは一旦戦闘に集中する。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ウゥゥゥゥゥ…!!」

 

「あぁもう、こっち来るなってば!?」

 

「おりゃー!」

 

「「「ギシャァァァァァァァァァァァッ!?」」」

 

一方で、こなた達の方にも怪人達が襲い掛かっていた。アスナが屑ヤミーを背負い投げの要領で思い切りぶん投げ、咲良は掌から火炎放射を繰り出してワームサナギ体を焼き尽くす。こなたは身長が低い所為か攻撃が敵に上手く当たらず、仕方が無いので美空を連れて必死に逃げ回っている。

 

「あぁもう、身長が低い自分が憎い……美空ちゃん、大丈夫?」

 

「なん、とか…」

 

「ブルルルルルッ!!」

 

「ヒャッハァァァァァァァッ!!」

 

「え、ちょ…のぎゃっ!!」

 

「!? こなたさ…がっ!?」

 

モールイマジンがハイテンションな奇声を上げながらこなたを突き飛ばし、その隙にペガサス・ゾディアーツが美空の首を掴み上げる。

 

「あ、ぐ…ッ!!」

 

「ようやく見つけたぞ、アトラスの器を…!!」

 

「ディバイド様のもとまで連れて帰るとしよう、ギャハハハハハハハッ!!」

 

モールイマジンが楽しそうに高笑いし、ペガサス・ゾディアーツは美空を捕まえたままその場を立ち去ろうとする。

 

「!? おいウル、美空ちゃんが!!」

 

「な!? 美空さんを離せ!!」

 

美空が連れて行かれそうになっている事に気付いたウォーロックは、すぐにそちらの方まで向かおうとするが、他の怪人達に阻まれてしまう。

 

「くそ、邪魔だ!!」

 

「グォウッ!?」

 

ウォーロックソードでアノマロカリス・ドーパントを斬り倒すも、他の怪人達がウォーロックやウィザード達を妨害する。このままでは美空が連れて行かれてしまう。

 

「こうなったら…!!」

 

オーズは一体のアントロードを蹴り飛ばしてから、メダジャリバーに三枚のセルメダルを投入。オースキャナーでメダジャリバーをスキャンする。

 

『トリプル・スキャニングチャージ!!』

 

「二人共、伏せなさい!!」

 

「え…のわっ!?」

 

「おぉうっ!?」

 

オーズがやろうとしている事を察したのか、ウォーロックとウィザードは同時にその場に伏せる。

 

そして…

 

「セイヤァァァァァァァァァァァァッ!!!」

 

「「「「「グギャァァァァァァァァァァァァァァァッ!!?」」」」」

 

オーズの放った一閃により、彼女の前方にいた怪人達は一斉に真っ二つにされて爆散。これで残る怪人も少なくなってきた。

 

「何…!?」

 

「早く逃げようぜ、ギャハハハハハハハッ!!」

 

モールイマジンが右手の爪を縦に振るうと、空間に大きな裂け目が出現。その中へ、ペガサス・ゾディアーツが美空を引っ張って行こうとする。

 

「逃げるな、こっちへ来い!!」

 

「あぐ……ウル、さ…ん…!!」

 

「待て、美空さんを離せ!!」

 

「誰が返すかよバ~カ、ギャハハハハハハハッ!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「馬鹿は一体どっちでしょうねぇ?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『SHOOT VENT』

 

 

 

 

 

 

-ドゴォォォォォォンッ!!-

 

 

 

 

 

 

「な…グォォォォォォォォォォッ!?」

 

「ギャハァァァァァァァッ!?」

 

「「「!?」」」

 

突然の砲撃で、ペガサス・ゾディアーツとモールイマジンが同時に吹っ飛ばされる。砲弾が飛んできた方向では、大砲ギガランチャーを構えている緑の戦士“仮面ライダーゾルダ”の姿があった。

 

「全く。人がせっかく休暇を過ごそうと思っていたところに、一体何ですかこの状況は」

 

「その声……デルタさん!?」

 

「人の休暇を潰してくれた責任、どうにかして取って貰いましょうか…ねっ!!」

 

「ヌグォォォォォォォォッ!?」

 

ゾルダに変身しているのはデルタのようだ。ゾルダはギガランチャーをその場に放り捨て、右腰に付いている銃型の召喚機マグナバイザーを構えてペガサス・ゾディアーツに銃撃を浴びせまくる。

 

「美空さんっ!!」

 

「ウル、さん…!!」

 

ペガサス・ゾディアーツが離れた隙に、ウォーロックが美空を救出。美空も安心した表情でウォーロックに抱きつく。

 

「グヌヌヌ……逃がしてたまるかよぉぉぉぉぉいっ!!」

 

「ッ…!!」

 

美空を逃がすまいと、モールイマジンがウォーロックに飛び掛かったその時…

 

「「だらっしゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!」」

 

「え…ゴワァァァァァァァァッ!?」

 

ロキとokakaの繰り出した飛び蹴りによって、モールイマジンは大きく吹っ飛ばされた。

 

「へいへ~い、女の子に対する扱いがなってないぜ~?」

 

「もう少し、礼儀ってもんを教えて貰って来るんだったな」

 

「チィィィィィ…!!」

 

「く、一旦引くぞ!!」

 

「あぁ、分かってらぁっ!!」

 

流石に分が悪いと判断したのか、ペガサス・ゾディアーツとモールイマジンは先程開いた空間の裂け目へと飛び込んで行く。

 

「あ、おい待て!?」

 

「逃げんじゃねぇコラァッ!!」

 

「ウル、追いかけるわよ!!」

 

「え、ちょ…痛ダダダダダダダダ!? 引っ張らないで痛いから!!」

 

「あぁっとこれ、俺達も行かなきゃならないっぽい?」

 

「はぁ、仕方ありませんね…」

 

逃げたペガサス・ゾディアーツ達を追いかけるべく、ロキ、okaka、オーズ、ウォーロック、ウィザード、ゾルダの六名は同じように空間の裂け目へと飛び込んで行ってしまう。それと同時に、空間の裂け目もゆっくり閉じて消えてしまった。

 

「え、ちょ、皆!?」

 

「あ~消えちゃった~…」

 

「ウル、さん…」

 

その結果、こなたやアスナ、咲良や美空はその場に置いてけぼりになってしまうのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一方、とある次元世界では…

 

 

 

 

「ふん、はぁっ!!」

 

「グルルル…!?」

 

こちらでも支配人が仮面ライダーザビーとなって、ワームサナギ体の大群を相手に戦っているところだった。といっても、こちらはもうすぐ決着が着きそうである。

 

「さぁて、一気に決めてやりますかねぇ」

 

首をコキコキ鳴らしてから、ザビーは左腕のザビーゼクターに手を伸ばし、ザビーゼクターの背中のスイッチを押す。

 

「ライダースティング…!!」

 

≪Rider Sting≫

 

ザビーゼクターの持つ鋭い針ゼクターニードルにエネルギーが集中し、ザビーはサナギ体の大群に向かって駆け出す。

 

「はぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!」

 

すれ違い様にサナギ体を一体ずつ確実に貫いていき、次々と爆発が起こる。ザビーが立ち止まる頃には、サナギ体の大群は全滅していた。

 

「ふぅ、こんなところか…」

 

「いやぁ~お疲れさん」

 

ザビーの変身を解除する支配人に、近くの岩場で休んでいたkaitoが声をかける。どうやら怪人退治を支配人に任せて、自分だけ一人で楽をしていたようだ。

 

「…たく、お前も少しは働けっての。全部俺だけで倒す羽目になっただろうが」

 

「まぁ良いじゃないの、今回も順調にモンスターを倒せたんだからさ。大目に見てよ」

 

「あのなkaito、お前はそうやっていつも…」

 

そこまで言って、支配人の口が止まった。何故なら…

 

「ん、どしたの?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「キシャァァァァァ…!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

kaitoの真後ろに、空間の裂け目から頭だけを出している謎の怪人がいたのだから。

 

「キシャアッ!!」

 

「え、ちょ…アレェェェェェェェェェェェェェェッ!!?」

 

「な、おい、kaito!?」

 

謎の怪人―――ホエール・ドーパントがその大きな口を開いた事で、kaitoは身体が粒子状になってそのまま吸収されてしまった。ホエール・ドーパントはすぐに、空間の裂け目の中へと姿を消す。

 

「何なんだ今の……とにかく行くしかないか…!!」

 

吸収されたkaitoを助け出すべく、支配人も同じように空間の裂け目へと飛び込んでいくのだった。

 


 
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