No.654594

真・恋姫†無双 再現4

ぽむぼんさん

司馬懿仲達が出立します。中々物語が進まなくて大変ですね。物書きさんを尊敬します

2014-01-14 12:17:30 投稿 / 全2ページ    総閲覧数:2893   閲覧ユーザー数:2482

「あー、ついにこうなってしまいましたか」

 

私への客人がみえているとの事ですので会ってみたところ、お医者様のようですね。

どうやら玲はあの曹操に仕える事になるのでしょう。この玲の知恵を与える日がついに来てしまうのです。非常に由々しき問題だと考えられるでしょう。詰みですね

 

「玲?どうかいたしましたか?」

 

「えぇ、少し気分が優れないのです。姉上よ。・・・・・・よりによってなぜ今日なのでしょうか。今日は阿蘇阿蘇を買いに出かけた後に肥肉を食べ、お酒を飲むつもりでしたのに」

 

つい先日、とても美味しい肥肉を出す店を見つけてしまったばかりなのです。食後には甘い蜜柑も出てくる極めて良心的な素敵なお店。あぁ、どうして私の邪魔をするのですか!

 

「あらあら、それはとても残念ですね玲。大丈夫ですよ。阿蘇阿蘇は私が買いに行きましょう」

 

「流石は姉上。と言いたい所ですが、玲がこの家に帰る事は暫くは無いでしょう。無意味です」

 

「えぇ、ですから私が阿蘇阿蘇を買いに行こうかと思いまして。もう玲さんが買った物を読めないのですから」

 

何という事でしょうか。姉上は玲の心配をしておられない。流石は姉上といったところでしょうか

 

「あの・・・」

 

玲達の会話を聞いたお医者様が困った目で見つめています。どうしたら良いのか分からないといった顔ですね

 

「あぁ、はい。見て分かる通り玲は健康そのものです。病気は治りましたので診ていただかなくて結構ですよ」

 

お医者様にそう言うと同時に、玲は貯金と団扇を持ち、紺碧を基調にして所々に紫を入れた羽織を纏い、帽子を被ります。我ながらとても美意識が高いと思います

 

「さぁ、行きましょうか。許昌への道程は長いですからね。それでは姉上。くれぐれも司馬一族の名前を穢さないようにお願いしますよ」

 

「孟徳様の誘いを3年孟徳お断りし続けている時点で名前を貶めている気もしますが・・・・・・はい。玲もしっかりと働くのですよ?」

 

おや、お医者様が驚いた顔をしておられます。

 

「あ、あの、なにが何やら」

 

「お医者様。玲は毎日食べ歩き、飲み歩き、好きな時に好きな事をしています。誰が玲の体調が悪いと言いましょう?そんな中にお医者様が私の病気を聞きつけてやって来られた。私が病床に伏せている事は孟徳様への書簡以外で述べた事は無いのです」

 

「故に、お医者様が玲を訪ねていらっしゃったという事は孟徳様のご命令なのでしょう。長年断ってきました。遂に力を行使するうになったという事は、お断りする事は出来ないでしょう。玲は参ります」

 

無駄な事は嫌いですので、そう一言付け加えて屋敷の外に出ます。予想していた通り、兵が待機していますね。抵抗していたら玲の美しい肌に縄でも掛けられてしまったのでしょうか。死んでも嫌です

 

「それでは皆様。許昌までよろしくお願い致しますね?」

 

あぁ、憂鬱です。何故私がこんな!

 

 

馬に跨り、出立します

平和になってからというもの、戦は無くなったものの未だに賊は出没しますが、こちらには魏の兵士がついているのです。何の心配も無いでしょう

 

「ところで、何故そこまで私を欲しがっているのでしょう。孟徳様は」

 

「おそらく、学校の為ではないでしょうか?学校が建てられてから2年。生徒の数が増えてきましたが、先生の数は多くありません」

 

学校・・・・・・というものは確か、大きな私塾でしたか。教鞭を取る人間はいくらでもいるでしょうに。簡単な読み書き、算数なら文官の誰もが教える事が出来そうなものですが

 

「物を教えるには、その事柄について精通している必要があるそうです。ただ知ってるという事と理解しているという事は別なのだとか」

 

「それで玲が召し抱えられるのですか」

 

学校の先生。噂は玲の耳にも届いています。いつもおどおどしている先生、緊張すると帽子を深く被り声が聞こえなくなる先生、すぐに鼻血を吹き出す先生、授業中に寝る先生、服の露出が激しすぎて学校にいられなくなった先生、目つきが悪く、生徒を怯えさせる先生、本を読むといつも息が荒くなる先生

 

まともな先生は2~3人しかいないという噂じゃないですか。玲はそんな場所に行くと!?嗚呼、憂鬱です

 

「きっと司馬懿殿なら良い先生になれるはずだと思います」

 

「はぁ・・・・・・褒めていただきありがとうございます。微妙に嬉しくは無いのですが。そういえば、まだ名前をお聞きしていませんでしたね。もう知っているとは思いますが、玲の氏は司馬、名は懿、字は仲達と申します」

 

「はっ、お聞きしております。私の氏は楽、名は進、字は文謙と申します」

 

なんという事でしょうか。魏の五将軍のうちのお一人ではないですか、立ち居振る舞いから只者では無いと思っていましたが

 

「これは申し訳ございません。魏の五将軍が一人とは知らず。非礼をお詫び致します」

 

「い、いえ!そんな!将軍だなんて!私はただ民を守る為に戦っていただけです。いずれは、仲達殿のような方々が平和を紡いでいきます。私のような武が取り柄の人間はその命令に従うだけです」

 

何と謙虚なのでしょうか。呉蜀連合と戦った後、その戦果から五将軍と讃えられたお人。その将軍がこのようなお人だとは

 

「誇るべきです将軍。貴女の行った事は平和を手に入れる為のもの。それを讃えられているという事は誰もが貴女の行動に感謝しているのです。行き過ぎた謙虚はかえって、讃えた人々をも穢す事になるでしょう」

 

その将軍を叱る玲は何様なのでしょうか

許昌への道程は長い

 

 

 


 
このエントリーをはてなブックマークに追加
 
 
11
0

コメントの閲覧と書き込みにはログインが必要です。

この作品について報告する

追加するフォルダを選択