No.648249

英雄伝説~運命が改変された少年の行く道~ 異伝~新たなる軌跡のプロローグ~中篇(前半)

soranoさん

異伝~新たなる軌跡のプロローグ~中篇(前半)

2013-12-25 15:19:34 投稿 / 全2ページ    総閲覧数:2443   閲覧ユーザー数:2269

~メンフィル大使館~

 

「ペテレーネ。お前は今の話、どう思う。俺に気を使わず自分の思った事を言って構わん。」

「私は……構わないと思います。多くの同年代の人達と共に学院生活を送るのはあの子にとって良い事だと思います……実際、短期間とはいえジェニス王立学園での生活をとても楽しんでいました。」

リウイに促されたペテレーネは少しの間考え込んだ後答え

「……まあ、こちらとしてもエレボニアの内情も易々と入ってくる事もあり、国としても益にはなるが…………――――条件がいくつかある。その条件を呑めるなら、皇子の希望通りに二人を”トールズ士官学院”に入学させよう。」

リウイは頷いた後オリヴァルト皇子を見つめて尋ねた。

「……ちなみにその条件とは?」

「………………」

オリヴァルト皇子は真剣な表情でリウイを見つめて尋ね、ミュラー少佐は黙ってリウイを見つめていた。

「―――まず一つ目は護衛役としてツーヤ並びにレーヴェの同行を認め、二人ともトールズ士官学院に何らかの形で関わらせ、最低でもどちらか一人は常にプリネの傍にいさせる事だ。」

「ツーヤ君はプリネ姫同様学院生として入学しても違和感はなく、ちょうどいいと思うのですが……さすがにレーヴェ君は年齢的な問題もあって、学院生として入学させるのは少々無理があると思うのですが。」

「ならば戦闘訓練の臨時教官にでもして、”Ⅶ組”の副担任あたりにしてしまえばいいだろう。士官学院なのだから、戦闘訓練の授業くらいはあると思うが。」

「なっ!?”剣帝”を士官学院の教官にですか!?」

リウイの話を聞いたミュラー少佐は驚いて声を上げ

「なるほど……確かに”結社”の”執行者”であった彼なら、実戦技術の教官として十分務まるだろうね。実際猟兵団を鍛えた事があるんだから、実戦技術のプロと言ってもおかしくないだろう。」

オリヴァルト皇子は納得した様子で頷いた。

「だ、だが……確か今の士官学院の実戦技術の教官は…………」

一方ミュラー少佐は複雑そうな表情をして言葉を濁し

「まあ、”彼女”にはボクの方から頼んで了承してもらうよ。それで他の条件は?」

オリヴァルト皇子は静かな表情で答えた後リウイを見つめた。

 

「2つ目はプリネ、ツーヤ、レーヴェ、そしてプリネの使い魔達全員に万が一その身に危険が訪れた場合、身を護る為にどのような者達が相手でも戦える特権をユーゲント皇帝に認めさせておく事だ。」

「……その特権の具体的な内容は?」

「……どのような者達が相手でも戦える……―――例えば”貴族派”の”領邦軍”や”革命派”の”鉄道憲兵隊”がプリネ達に危害を加えようとした際、存分に戦える事だ。――――万が一、相手を殺害してもエレボニア帝国はメンフィル帝国に対して一切文句を言えない事も含めてある。」

「なっ!?リウイ陛下!さすがにそれは横暴では……!万が一、他国にそのような事が露見すればエレボニアはメンフィルの属国なのかと見られます!」

「リウイ様…………」

オリヴァルト皇子の疑問に答えたリウイの説明を聞いたミュラー少佐は驚いた後、厳しい表情で声を上げ、ペテレーネは心配そうな表情でリウイを見つめた。

「他国の皇族に加えて貴族も留学させるのだから、皇族達自身やその護衛達に”その程度の権限”はあって当然だと思うが。万が一現在のエレボニアの”事情”にプリネ達が巻き込まれた際、抵抗する事もできずに”何か”あった場合”エレボニア帝国”はメンフィル帝国に対してどう責任を取るつもりだ。」

「し、しかし…………」

リウイの話を聞いたミュラー少佐は複雑そうな表情で言葉を濁し

「…………わかりました。父上を説得して何とか認めさせます。皇帝たる父上の意志ならば例え相手が”四大名門”や”鉄血宰相”でも”一応”、逆らえないでしょうし。」

「おいっ!?」

静かな表情で答えたオリヴァルト皇子の説明を聞いたミュラー少佐は厳しい表情でオリヴァルト皇子を睨んだ。

「―――ただし。あくまで相手が”プリネ姫達に危害を加えようとした時”です。さすがにプリネ姫達自身から危害を加えようとすれば、見逃す事はできません。」

「それは別に構わん。それ以前にプリネ達がそんな事をする性格だと思っているのか?」

「いえいえ……3人の事はよく知っている上、プリネ姫のガーディアン達もそのような性格ではない事を知っていますので、絶対にそんな事はしないと確信していますが……念の為に確認させて頂きました。」

リウイの言葉を聞いたオリヴァルト皇子は苦笑しながら答えた。

「そしてこれは最後の条件だが―――――――」

その後リウイから最後の条件を聞いたオリヴァルト皇子はミュラー少佐と共に大使館を出て、飛行船に乗る為にロレントに向かっていた。

 

~エリーズ街道~

 

「フウ……最大の難所は何とか突破できたな……しかしさすがはリウイ陛下。相変わらず厳しい人だ。2つ目の条件もそうだが、最後の条件も”彼ら”に納得させる事は通常ならかなり難しいだろうしね。」

大使館からある程度距離を取ったオリヴァルト皇子は安堵の表情で溜息を吐いた後口元に笑みを浮かべ

「……どうするつもりだ。ユーゲント皇帝陛下は相手がお前の頼みならば聞くかもしれんが…………”彼ら”は絶対に渋ると思うぞ。」

ミュラー少佐は真剣な表情でオリヴァルト皇子を見つめて尋ね

「フフ……そこに関しては”ボクのやり方”で”彼ら”に納得させるよ。先程出された条件を呑む代わりに”例の船”の出資者にもなってくれる上、学院の経営金として”寄付”もしてもらえるのだから、”彼ら”も文句は言いにくいだろうしね♪」

尋ねられたオリヴァルト皇子は静かな笑みを浮かべて答えた………………

 

 

 

 

予想以上に長くなったので分けました。残りの分も完成しかけているので、近日更新できますのでお待ちください。……感想お待ちしております


 
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