No.647052

新世紀より~エヴァンゲリオン 2 《第壱話 使徒、襲来》 「外」へ 

列車砲さん

数年前、碇シンジの前に現れた奇妙な「研究所」。「ねぇ君、こっちに来ないかい?こっちにくれば、地球なんかを守ったり出来るかもよ?」
それから数年後、2015年。第3新東京市。ここから、物語は始まる。
エヴァ以外に、日常、ロストプラネット、地球防衛軍などとのクロス?です。
TV版(たまにコミック版、新劇場版)を元としますが、進むにつれ原作とはどんどん乖離します。
にじファンからの移転作品です。

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2013-12-21 23:53:21 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:1020   閲覧ユーザー数:1017

「こちらハシビロコウ-05、統合アクティブステルス状態にて順調に飛行中。目標地点到達まであと五分」

 

『こちら司令部、了解した。警戒せよ』

 

「こちらハシビロコウ-05了解した。通信終わり」

 

空を切り裂き、一つの物体が飛んでいた。

しかし、それを外部から視認することはできない。

その機体は統合アクティブステルスにより目視、レーダー、赤外線等々あらゆる探知手段からほぼ完全に「見えなく」なっているためだ。

どちらかといえばずんぐりした機体だが、見た目に似合わぬ高速で空を飛んでいた。

機内には、十人弱の男女が乗り組んでいる。

機内部は実用一辺倒の内装であり、あまり心安らぐ風景とは言えない。

いくつかの椅子が設けられてはいるが、人々はむしろ立っているほうが多く、壁や手持ちの機材をいじっていたり、小さな窓から外を見ていたりしている。

機体と機材が発するかすかな音以外にも雑談の声が満ちている。

 

「それで、結局行くことにしたんですか?」

 

壁から延びる半固定式のモニターを見ていた女性が言う。

しかし、そのバッジを見る限り、完全な女性ではなく、女性型人工知性であるらしい。

機内に作り付けで設置されたイスに座り、携帯式の端末をいじっていたシンジは、顔を上げて答えた。

 

「はい、やっぱりできることはしておくべきかと思って」

 

シンジはそういって再び携帯端末いじりに戻る。

そこには、ちょうど海岸に上陸しつつあるカテゴリーGの姿があった。

国連軍や戦略自衛隊の戦車やVTOL攻撃機が周囲を囲んで果敢に攻撃を仕掛けてはいたが、ろくに効いていないようだ。

 

「ところで、俺たち以外の味方はどうなってんの?」

 

窓の外を見ていた若い男が言ったその問いに、どこかと通信していた若い女性が横のモニターでデータをチェックして答える。

 

「え~っと…空中巡洋艦が二隻と、空中長距離砲艦が一隻、空中高速物理砲艦が四隻、攻撃機が十二機向かっています」

 

「オーバーキル気味じゃないか?」

 

「保険ですよ。それに、いくつかはそのまま残りますし」

 

そんな会話を交わしていると、壁の立体表示機が光を発した。

それは少し無意味に光った後、ヘッドセットをつけた若い女性の胸像を映し出す。

彼女は、皆がこちらに注目していることを確認すると、口を開いた。

 

『えーっと皆さん、緊急事態みたいです。どうやら国連軍がN2を使う気だとか…』

 

彼女がそこまで言い終わったとき、窓から閃光が差し込んだ。


 

 
 
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