No.641841

真・恋姫†無双 巡る外史と仮面の魔神 十二話

XXXさん

魔神編

プラチナむかつく

2013-12-01 16:08:06 投稿 / 全4ページ    総閲覧数:2224   閲覧ユーザー数:2032

乾杯、その言葉はここ…夜の成都で聞こえてくる。

長きに渡る戦いに終止符を打ち、今は三国の兵、将、軍師、そして王が笑いながら祝っていた。

落陽の屋敷での説明から四日…三国の王は今できる事をやると言う志で過ごすことに決定。

外史が消滅すると言う事実は聞かされた者のみの秘密にしておくらしい。

だが、避けては通れないのは怪人の存在。

これはどう説明をすればいいのか……そんな事を考えていたが、今は楽しく宴をしようと言う意見が多い。

あるところでは酒飲みが始まり、あるところでは軍師同士の意見交換が始まり、あるところでは自身の武の自慢をしたり、一人鼻血のアーチを描いたり…

平和だ……そう思いながら劉備は談笑していると、ある存在が動いたことに気付く。

劉備はそれを追いかけるべく、他の王二人に断りをいれて席を立った。

 

 

 

平沢梨斗は成都城内にある木上で夜空を眺めていた。

どこの空も同じで違う…そう思いながら。

周りから談笑が聞こえ、料理の香りがしているなか、彼は何故その輪の中に入らないのか。

答えは入りづらいから。

落陽でけっこうきつめに話したので受け入れられないだろう、と思っているのだ。

まあ、彼の場合何回も同じような事があったし、そもそも歪みを修正する仕事は基本暗躍だ…こう言った状況に慣れていない訳がない。

そんな感じで黄昏ていると、下からうんしょ、うんしょと声が聞こえた。

下を見ると……そこには木をよじ登ってくる劉備がいた。

 

「うんしょ…!うんしょ…!」

「………ウェ?」

「あ、平沢さんこんばんわ~」

「リュウビザン、ナズェノボッティルンディス?」

「ふえ?今なんて…きゃっ!?」

 

リトが一瞬奇妙な声で話した途端、劉備は掴む筈だった枝をすかしてしまいバランスを崩す。

あまり高くはない場所なのでケガはしないだろう……劉備は後ろ向きに倒れそうになる。

だが、ふと誰かに支えられるような感覚がした。

そこには、いつの間にか劉備の近くまで降りてきたリト。

リトはそのまま劉備を掴むと、地面へと降り立った。

 

「っと……たく、嫁入り前の女の子が木登りするんじゃありません!怪我したらどうすんの!」

「あう~~…ごめんなさい。でも、子供の頃から登ってたんですよ?」

「それはそれ、これはこれ。第一、今は子供の頃より身軽じゃないんだから自重しなさいな」

「うう…やっぱり最近お腹周りが増えてきたせいかな…」

「いや、むしろ腹より上だと思う」

 

なんだかお母さんっぽい説教をしたリト。

対する劉備はちょっと反省しており、自身の腹部を抑える。

恐らく画面の前の皆様はもっと上の方が重いと思っているだろう。

 

「…で、どったの俺のとこなんか来て?」

「あ、そうだった!平沢さん、皆と一緒に食べましょうよ!お話もたくさんして!」

「ん…止めとくよ、俺アイツらに嫌われてそうだし。落陽で色々言ったからな…」

「でも、話す内に皆きっと平沢さんの事いい人だって分かってくれますよ!」

「いい人…ねぇ…」

 

いい人と聞いて眉間をよせるリト。

まるで何かを思い出すような口調で劉備に反対の言葉を言った。

 

「……俺はいい奴じゃないよ。むしろこのここにいる奴等全員がそうじゃないの?」

「えっ…?」

「だってそうだろ?兵は人を殺している。将も人を殺している。軍師はその策を考えてるし、王は戦えと命令する。間接的に人を殺しているんだよ。だから戦場じゃ皆悪人」

「でも、それは皆の為に…」

「その皆は自分の仲間の事?それとも自分の民?」

「はい…」

「だよな、自分の身内の為なら襲いかかってくる敵を倒すのは当然。正義って奴があれば、他は全部敵なんだ。その敵を倒すためなら…正義の為なら、人間はどこまでも残酷になる。誰かの為だと言い訳をして、自らを正当化する。お前もその一人だ」

「そう…ですね…」

「少なくとも、ここにいる全員が罪を持っている。一生背負っていく罪……時間は短いが、償えよ」

「…分かりました」

 

少し下を向いて落ち込んでいる劉備。

そんな彼女を見て、リトはでも、と付け加える。

 

「お前は根っからのお人好しだからな。道を踏み外す事はたぶんないだろーな」

「えっ…あ、はい!」

「肯定すんのかよ……まあ、破壊前の世界で俺のマントずっと持ってる位だしな」

「マント…?あ…だって、借りたものはちゃんと返さないと!」

「だからって反董卓連合の時まで持ってるのかよ。ほんっとお人好しだな」

 

マントと言われてなんの事かわからずにいたが、外套の事だと気付く劉備。

そうしていると劉備は忘れていたことを思い出した。

 

「平沢さん、私の真名は桃香って言います♪」

「うん、それでどったの?」

「これからはそう呼んで下さい!」

「えっと……判断基準は?」

「前の世界で助けてくれたこと、私に覚悟を教えてくれたこと、それにさっき支えてくれたからです♪」

「そんな事で……まあいいや、その真名預かるよ…桃香」

「はい♪」

「俺に真名は無いからな……リトって呼んでくれればいいかな?」

「リトさんですね♪」

「……ごめん、さんは止めて。後敬語も。なんか調子狂う…」

 

劉備…桃香がリトにさんを付けて言うのに微妙そうな顔をする本人。

何が気にくわないのか…敬語もダメらしい。

 

「…リト、くん…でいい?」

「そうそう、そんな感じで」

「じゃあリトくん、一緒に行こ♪」

「……絶対なんか言われんだろうな~」

 

渋々、と言った顔で劉備に手を引かれて移動する。

さて、ここからどうなることやら…

 

 

 

各将が騒いでいる中、魏延は桃香がやってくると気付くと席を立つ。

その顔は緩んでいた……桃香がリトの手を引いてくるまでは。

 

「と、桃香様!?何故魔神をここに…!?」

「だって仲間外れだったんだもん。焔耶ちゃんだって仲間外れにされたら嫌でしょ?」

「それは、そうですが…」

「とりあえず、ゴチになります」

桃香と魏延が話している最中、リトは回鍋肉を食べ始めた。

むぐむぐと食べていると、周りの視線と言う視線がリトに集中されている。

正直食べづらい。

 

「(うわ…なんか疎外感…ん)これ美味いな、誰作ったの?」

「あ…それは私が…」

「それは流琉が作ったんだよ!流琉の作る料理はすっごく美味しいんだ!」

「ちょっと、季衣…!」

「へ~~、小さいのにスゲェな。将来いい家庭持つよ」

「あ、ありがとうございます…っ!」

 

たぶんリトは無意識で言ったのだろうが真に受けた典韋。

その証拠に、許緒の後ろで「はにゅ~」としている。

某紳士には生唾物だろう。

次にチャーハンを食べているとどこからか、嫌味たっぷりの声が聞こえた。

 

「ふん、食う事しかやることのない能無しが大口を聞いたものだな」

「思春、口を慎め。こやつはこれでも、魔神を名乗る男だ」

「ですが蓮華様、こやつが言っていた事を信じろと言うのですか!?外史の消滅やら怪人やら訳のわからない事を!?しかも我々を見下すような発言を…!」

「いや、だからお前らは十分強いって…人間の範囲内で」

「人間の範囲内で…だと?貴様は自らを人間を越えた者だとでも言うのか!?」

「うん、とりあえず俺は人外だと思ってるよ?だから怪人と戦える」

「傲慢だな…!貴様は名の通り、神にでもなったつもりか!?」

「まあそうなんだけどさ、別の世界では。でも俺は神だって言う自覚はない。むしろ化物…怪物さ、怪人と同じ」

 

甘寧の言葉を時に肯定し、時に否定するリト。

そして、チャーハンを食べ終わると席を立って周りにいい放つ。

 

「で?他に甘寧みたいな意見の奴いる?……ってほぼ全員だろうな、皆シャイなだけで。それでどうする?自分達だけで、怪人と戦えるのか?」

「当たり前だろうが!儂等は一騎当千の将!たとえどんな相手でも潰してやるわい!」

「うん、いい返事だ。感動的だな。だが無意味だ。お前らは怪人がどんな存在か全く知らない」

 

だから、と言ってちょっといたずら目に、笑う。

 

「今から俺と戦おうや。ここにいる武官、全員で」

 

 

 

数分後、成都城内にある闘技場に三国の将がほぼ全員集まっていた。

ちなみに参加していないのは呂布、孫堅、馬騰、華雄。

何故でないかと言うと、呂布の場合はまだ食べたりないらしく、他の三人はもうやった、だそうだ。

周りには三国の王二人と軍師、野次馬が囲んでいる。

 

「ねー、ねー。朱里おねーちゃん。あのくろい人だーれ?」

「魔神さん…平沢梨斗って言う人だよ璃々ちゃん」

「へー、そうなんだ~」

 

その野次馬のなかには、黄忠の娘の璃々がいる。

正直、何でいるのか分からない。

 

「それで、誰から戦う?ワタシか?それとも…」

「いやいや、だから全員だってば。全・員」

 

何とも大胆な事を言うリト。

彼は三国の将全員と一度に試合をするのだと言う。

周りはざわめきだし、無理だ、頭のおかしい奴だ、等の声が上がる。

 

「貴様、全員とやるだと!?何をふざけた事を…」

「あれ、もしかして自信ないの?お前の言うこんなにふざけた奴に負けるとでも思ってるのかな?」

「そんな訳ない!貴様などワタシの一撃で文字通り粉砕してやる!」

「あ、プラチナむかつく…俺は一人でもこの三国滅ぼせるんだけどー?一人でできんのか、エセブラックジャック」

「ぶら…?まあいい。試合が始まった瞬間、ワタシが貴様を仕留めてやる!」

 

髪の色的な発言もあったが、ようやく始まるようだ。

審判は曹操がやるらしい。

リトはグローブをはめ、刄金を取り出す。

 

「…では、この曹孟徳がこの試合の審判をする。異議はないわね?」

「「「………ッッ!!」」」

「ん~…しょいっと…」

「――――始め!」

 

「でやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁッッ!!!」

「……はぁ…」

「…あ?」

 

始まりと共に走り出したのは魏延。

己の武器を大振りに持ち上げ、リトに突進してきた。

だが次の瞬間、急に額に痛みを感じると、目線が上になる。

そしてそのまま………意識が途絶えた。

 

「「「………は?」」」

「もうちょっと考えて来いよ、魏延。お前噛ませになったぞ…って聞いてないか」

 

他の武官が呆気に取られているなか、リトは気絶している魏延をぺちぺちと叩いている。

―――今、魏延は何をされたのか…

彼女達は先程の光景をもう一度思い出す。

そしてその瞬間、全員が全員で驚いた。

魏延は……

 

デコピンで倒されたのだ。

 

「まあいいや。これで一人脱落…っと」

「貴様…前より強く……」

「ん?いや、これが素だよ。俺仮面してるとけっこう力出なくてさ」

 

「だから、」

 

「ここからが俺の全力全開…だ」

 

 

「ッ!体勢を立て直せ!魔神に我らの隙を掴ませるな!」

「「「おう!!」」」

 

夏侯淵の一声で全員が我に帰り、それぞれの武器を構える。

生半可な覚悟では勝てない…そう判断したのだろう。

対するリトはゆっくりと歩いてくる。

未だに鞘から刄金を抜かないまま…。

そうしている内に黄忠、厳顔、夏侯淵、黄蓋の矢と弾が飛ぶ。

リトはそれを紙一重に避け、あまつさえ矢を遠心力を使って投げ返してくる。

その矢は音もなく近寄ってきた甘寧と周泰に飛んでいき、二人はそれを防いだ。

だが、その隙にいつの間にか背後に回ってきたリトが当て身をして気絶させる。

次に張遼と趙雲がそれぞれの獲物で奇襲を仕掛けてきた。

 

「おりゃぁあああああ!!」

「はぃいいいいいいい!!」

「速いな、だが遅い…!」

 

高速の突きが両側からくるが、数回かわした所でリトは刄金を抜き龍牙を切断、飛龍偃月刀は踵落としの要領で地面に叩きつける形で粉砕。

さらに一団に接近し、顔良と文醜の武器を切断、細切れにした。

あっけねぇ……とつい突っ立ってしまった。

そうしていると、許緒と典韋が岩打武反魔と伝磁葉々が迫ってくる。

さらに横から夏侯惇と張飛も。

リトは二つの重量級武器をブリッジしてかわし、それぞれの鎖、紐を持って軌道を変える。

その先は張飛と夏侯惇…二人は避けている隙に張飛が蛇矛を斬られ、夏侯惇は投げられた鞘が手に当たり得物を手離す。

 

「ぐぅ…!」

「離しちゃダメで…しょっと!」

「でやあああああああ!!」

「えーい!!」

 

次に来たのは李典と馬岱。

さらに正面と背後には于禁と馬超がやって来る。

リトはまず最初に到着するであろう、馬超と于禁の相手をすることにした。

二人は同時に攻撃してくるが、リトはそれを姿勢を低くして避け、さらに于禁の双剣の片方を蹴りあげる。

さらに馬超の銀閃を馬超が掴んでいるまま掴み、馬岱を攻撃。

馬超が抵抗している間、李典の螺旋槍がやって来るのを見てリトは二本の槍をぶつけてそれを破壊。

残った螺旋槍はなんと……指で貫いていた。

 

「赤心少林拳……桜花…」

「んなアホな!?」

 

貫いてすぐさまリトは黄忠達のもとへいく。

黄忠達は矢や弾を放つが、それは刄金で打ち落とされる。

そして、到着した瞬間すべての弓、豪天砲が真っ二つに斬られた。

一人短剣を取り出した黄蓋だが、先程蹴りあげられた于禁の双剣がそれに当たる。

そしてその隙にリトは黄蓋の喉元に切っ先を突き付けた。

 

「なんと……」

「ほい、終わりっと」

「はは……降参じゃ…」

 

手を上げて降参の意思を表す黄蓋。

だが、リトの試合はまだ終わってはいない。

何故ならば…

 

「で、お前らは俺とサシでやりたいのか?」

 

まだ関羽、楽進、孫策が残っているのだから。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

XXX「作…グボォ!!」

一刀「一刀の!」

一刀「後書きコーナー!」

一刀「って大丈夫か作者!?」

XXX「正直……頑張り過ぎたと思う。目がいたい…」

一刀「ドンマイ…で、けっこう積めたな」

XXX「頑張った…」

一刀「てかオンドゥル…」

XXX「言った…」

一刀「…誰か、作者が機能してない!ヘルプ!」

 

リト「呼んだ?」←空間裂けながら

 

一刀「何でこれるんじゃぁああ!?」

リト「ゆかりんの能力舐めんなよ」

一刀「あ…そ…で、なんか今日無双したね。特に焔耶が…」

リト「ああ、デコピンパンチ?あれ女の子を極力傷付けない為に考えたんだ」

一刀「デコピン凄すぎるだろ!あと赤心少林拳って…」

リト「まあ、その世界にいって覚えた。かなり自己流だけど」

一刀「でも凄すぎるわ、あの三人抜きだったけど」

 

XXX「ボソボソボソ…」

リト「はいはい、次回コールはよだと」

一刀「はいよー。では次回、真・恋姫†無双巡る外史と仮面の魔神 十三話は!」

リト「仮面編 “再生怪人は大して苦戦しない”。……って何だこのサブタイィィィィィ!!」←ゴルディオンハンマーぶったたき

一刀「全力で同意!」←ウィザーソードガンぶっさし

XXX「ゲホ…!新しい編になったのにはつっこまないのか…ガクッ」

 

再見…ゴホァ!ΟДΟノシ


 
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