No.641500

一刀の晋王転生録 最終章九話

k3さん

一刀は王女達に彼女達を任せたことを後悔する。そんな間も鐘会の話は続く。

2013-11-30 22:13:06 投稿 / 全2ページ    総閲覧数:1801   閲覧ユーザー数:1623

 姓:司馬 名:昭  性別:男

 

 字:子上

 

 真名:一刀(カズト)

 

 北郷一刀が転生した者。

 

 

 

 

 姓:司馬 名:懿  性別:女

 

 字:仲達 

 

 真名:理鎖(リサ)

 

 一刀と瑠理の偉大なる母。第三章で死亡した。

 

 

 

 

 姓:司馬 名:師  性別:女

 

 字:子元

 

 真名:瑠理(ルリ)

 

 母を目標にする一刀の姉。一刀を異性として愛す。

 

 

 

 

 姓:張  名:春華 性別:男

 

 真名:解刀(カイト)

 

 一刀と瑠理の父にして、一刀の師。第四章前編で死亡した。

 

 

 

 

 姓:王  名:元姫 性別:女

 

 真名:美華(ミカ)

 

 一刀に異常なまでに執着する一刀の妻。

 

 

 

 

 姓:鄧  名:艾  性別:女

 

 字:士載

 

 真名:江里香(エリカ)

 

 後の司馬家軍の宿将。司馬家に対して恩を感じている。

 

 

 

 

 姓:賈  名:充  性別:女

 

 字:公閭

 

 真名:闇那(アンナ)

 

 司馬家の隠密。一刀のために働くことを生きがいとする。

 

 

 

 

 姓:王  名:濬  性別:女

 

 字:士治

 

 真名:澪羅(レイラ)

 

 後の司馬家の水軍の将。一刀を気に入り、司馬家のために戦う。

 

 

 

 

 姓:司馬 名:望  性別:女

 

 字:子初

 

 真名:理奈(リナ)

 

 一刀達親戚で、一刀と瑠理とっては義姉という立場。

 

 

 

 

 

 

 姓:杜  名:預   性別:女

 

 字:元凱

 

 真名:綺羅(キラ)

 

 一刀とは同期。親同士の仲は良くないが、当人達の仲は良い。  

  第九話

   「鐘会の暗躍 乱世の化身」

 

 

(彼女達に任せたのは早計だったか……くそ!)

 

 一刀が後悔と同時に怒りが増幅していく中、鐘会の話はまだ続く。

 

「続けますよ? 司馬師に掛けた術が解けた後、私は貴方にも何らかの術を掛けるつもりでした」

 

「だが、俺にはそんな心当たりは無いぞ?」

 

 実は術の話になった時から一刀は疑問に思っていた。そうすればこんな反乱を起こす必要は無い。

 

「しかし、思いもよらぬ誤算が生じました。貴方には術が効かなかったのです」

 

 そう、一刀が当主となった直後の姜維との戦いで鐘会が一刀の天幕を訪れたあの時に彼を術に掛けようとしていたのだ。

 

 だが、一刀には術が効かなかった。だからこそ、鐘会にある行動を起こさせた。

 

「だから私は反乱を企てるしか無かった。貴方達が天下を治めたその直前で動き、十分な準備が整わないその時を狙って。そしてそれ

 

までの間、あなたの戦力となりえる者達の排除しました」

 

「? どういう事だ!?」

 

 自分が当主となった後、今まで居なくなった者は無い。一刀は彼の言っている意味が分からなかった。鐘会はそんな一刀に構わず説

 

明を続ける。

 

「まず、その好機が訪れたのは、曹操の反乱です。漢が馬騰を疑った時、私は一人の伝令兵を捕らえました。何でも馬騰に洛陽に帰還

 

し、どう言う事か説明しろという命を伝え来たとか。そこで私は太平要術を使い少しだけ記憶を弄り、伝令の内容を変えました。忠義

 

を示すのであればその首を差し出せと」

 

「な、何だとぉ!?」

 

 馬騰の死は、曹操の失策によるものでは無く、彼の細工によるものだった。

 

「目論みどうりに馬騰は自害。いやぁ、此処には馬超にも聞かせてたかったです。そしてその後、魏の典韋が死んだのは僥倖でした

 

よ」

 

 典韋は、曹操が母を陥れ死なせたという怒りを抱いた馬超の手により討たれた。つまり彼女の死も鐘会が深く関わっていたと言って

 

も過言では無い。

 

「さらにその後に起こった合肥での戦いで魏で多くの将が死んだのも私にとっては良い傾向でした。思わず笑ってしまうところでした

 

よ」

 

 その戦いも、曹操の反乱の時に、彼女の馬騰を引き込むという目論みが崩れたのが原因で、曹操は退きべき時に退かず、多大な損害

 

を出した状態だった。その為、楽進、于禁、李典、郭嘉は死ぬまで戦った。彼女達の死も間接的に鐘会が関与していると言える。

 

 此処で一刀はようやく鐘会の言う戦力とは何かに気付く。

 

(他国の優秀な将の事だったのか? もし自分の力になってくれるならとは思っていたが……)

 

 恐らく鐘会は他国を降したときに味方になるかもしれない彼女達をそうなる前に排除したと言っているのだと一刀は理解した。

 

「まさか、他にも?」

 

「ええ、そうですよ。貴方が晋王となった後、私は仲間となった姜維と協力して事に当たりました。彼には呉の動きを、そして私は蜀

 

の動きを見ていました。そして、姜維が私に呉がケイ州を奪うために動き出したと言うでは無いですか。それを聞いた私は、劉備充て

 

に呉に攻め込んできたという手紙を持った蜀の伝令兵を殺し、手紙を奪い、そのまま作戦続行というような別の手紙を作り、伝令兵の

 

扮した姜維に、劉備に渡すように頼みました」

 

(やはりか……)

 

 鐘会によって関羽の書いた手紙が摩り替えられ、劉備達は彼女達が死ぬまでその事実を知られる事は無かった。彼女達の死もまた彼

 

の手が加えられたものだったのだ。

 

 またそれにより、一刀は不自然な時間帯に曹操と戦っている瑠理の援軍に向かう。その時期に一刀が来るとは予想出来なかった曹操

 

は無理な撤退戦を強いられ、結果、夏候淵は死亡した。

 

 そして、関羽達の死をきっかけに蜀と呉は夷陵の戦いを始める。この戦とその前でも合わせて複数の将が死んでしまっている。

 

「関羽の死なせた後は、魏にも細工をしましたね。張遼の酒に毒を盛り付けてやりましたよ。これで次に戦で張遼の死なせる事に成功、

 

さらに呉の周泰も死ぬことになるとは思いませんでしたが、ふふふふふ」

 

 周泰の死も、呉は蜀との戦いで疲弊したため、彼女もかなり奮闘し、無理をしていたところがあった。

 

「さらに幸運が起きました。それが蜀との決戦。私は特に関与しようともしませんでしたが、魏延が諸葛亮によって死にました。いや

 

いや本当に予想外でした」

 

 その時の蜀は夷陵の戦い機に劉備が失意していた。そして諸葛亮が蜀をどうにか存続させようと暴走した。

 

 さらにその後の魏との決戦では、仇討ちに燃える夏候惇の暴走により指揮系統に異常をきたし滅ぶ。

 

「最後は陸遜です。どうも彼女は死にたかったようですからね」

 

 陸遜の死も実は、流れ矢による死では無い。鐘会が狙ってやったものだった。

 

「まぁ、こんな感じで今まで暗躍していた訳です。この天下を制する為に」

 

「もう良い! その口を閉じろ! 鐘会!」

 

 全てを知った一刀にあるのは怒りしかなかった。三国の滅び、そして将達の無念の死。

 

 そこには、鐘会がほぼ全てが絡んでいたのだ。

 

「お前は乱世そのものだ! お前は何としても倒さねばならない!」

 

 乱世の化身。

 

 そんな言葉が、彼にはふさわしいのであろう。


 
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