No.638212

一刀の晋王転生録 最終章一話

k3さん

二人は何故転生したのか、二人はどのような状態なのか。それを知るには少しだけ、過去の話をしなければならない。

2013-11-19 21:03:16 投稿 / 全2ページ    総閲覧数:2167   閲覧ユーザー数:1971

 姓:司馬 名:昭  性別:男

 

 字:子上

 

 真名:一刀(カズト)

 

 北郷一刀が転生した者。

 

 

 

 

 姓:司馬 名:懿  性別:女

 

 字:仲達 

 

 真名:理鎖(リサ)

 

 一刀と瑠理の偉大なる母。第三章で死亡した。

 

 

 

 

 姓:司馬 名:師  性別:女

 

 字:子元

 

 真名:瑠理(ルリ)

 

 母を目標にする一刀の姉。一刀を異性として愛す。

 

 

 

 

 姓:張  名:春華 性別:男

 

 真名:解刀(カイト)

 

 一刀と瑠理の父にして、一刀の師。第四章前編で死亡した。

 

 

 

 

 姓:王  名:元姫 性別:女

 

 真名:美華(ミカ)

 

 一刀に異常なまでに執着する一刀の妻。

 

 

 

 

 姓:鄧  名:艾  性別:女

 

 字:士載

 

 真名:江里香(エリカ)

 

 後の司馬家軍の宿将。司馬家に対して恩を感じている。

 

 

 

 

 姓:賈  名:充  性別:女

 

 字:公閭

 

 真名:闇那(アンナ)

 

 司馬家の隠密。一刀のために働くことを生きがいとする。

 

 

 

 

 姓:王  名:濬  性別:女

 

 字:士治

 

 真名:澪羅(レイラ)

 

 後の司馬家の水軍の将。一刀を気に入り、司馬家のために戦う。

 

 

 

 

 姓:司馬 名:望  性別:女

 

 字:子初

 

 真名:理奈(リナ)

 

 一刀達親戚で、一刀と瑠理とっては義姉という立場。

 

 

 

 

 

 

 姓:杜  名:預   性別:女

 

 字:元凱

 

 真名:綺羅(キラ)

 

 一刀とは同期。親同士の仲は良くないが、当人達の仲は良い。  

  第一話

   「禁忌の転生術」

 

 

 時は、左慈と于吉が転生しようとしたところまで遡る。左慈が一刀の司馬昭への転生に苛立ち、嘆いたあの時までに……。

 

「どんな方法でも良い、何か無いのか? ……誰にも手を出されずに奴の居る外史に介入する方法は……」

 

 悔しそうに顔を歪めながら、藁をも縋る思いで宇吉に問う。

 

「……一つだけありますよ」

 

「何!?」

 

 まさか本当にあったとは思わず驚く。

 

「それはどう言った物だ!?」

 

 左慈は慌てて于吉を揺らしながらその方法を問う。

 

「これは我等管理者でも禁忌と呼ばれた外史の介入方法……」

 

「禁忌だと?」

 

 左慈は彼を揺らすのを止める。

 

「ええ、そうです……」

 

 于吉は眼鏡の位置を直しながら言った。

 

「それは、北郷一刀と同じようにあの外史へ転生するというもの」

 

「転生……」

 

「はい、それも三国志や三国演技に出てくる登場人物に転生するというものです」

 

「ちょっと待て?」

 

 左慈は管理者として、ある意味当然の疑問に辿り着く。

 

「それはむしろ外史の物語の調整をするには持って来いでは無いか? それなら身元がはっきりするからそこで怪しまれない、それを

 

利用し、生きてもらっては困る、あるいは死んでもらっては困る奴等の処理がしやすくなるはず……なのに何故禁忌とされる?」

 

「ええ、そうですね……記憶が引き継げるというのであれば、ね」

 

「……そういう事か」

 

「ええ、外史に選ばれた北郷一刀と違い、登場人物として無理やり介入する術のためか転生して生きている間は記憶が飛んでしまうの

 

です」

 

 記憶がなければ本来の目的を果たすどころか思い出せずに終わる。

 

「さらに言えば、そうなると転生先の外史でそうとはわからず真剣に生きることになります。それによって外史に対する価値観が変

 

わってしまうという危険があります。例えば、否定派だったのが肯定派に変わる、と言ったように」

 

「……だから禁忌なのか」

 

 禁忌とされるようになった理由に納得する。しかし今度は別の問題に差し掛かる。

 

「待て! だとすると俺が転生した時、奴と戦えるのか? 記憶が無いのではそれはほぼ不可能では無いか?」

 

 そう、彼の言うように、一刀と戦いたいという記憶が無いのであれば彼と戦うという状況になるのは非常に難しいと言わざる負えな

 

い。だが、于吉はそれをある方法でその可能性を劇的に上げる方法をすでに思いついている。そして否定派が手を出せないようにする

 

方法も。

 

「では、史実や演技で司馬昭と敵対する存在に、そうですね……姜維伯約に転生したとなれば?」

 

「! そうか、成程! そしてそういう事か!? もともと司馬昭と敵対する奴として戦っても否定派の奴等は俺に手を出せない!」

 

 何故そうなるのか、それは司馬昭と姜維は正史においては不倶戴天の敵同士であり、何度も争いあっていた。故に一刀と左慈が戦う

 

運命になる確率は高い。さらにそうなると正史どうりと言う事になる。もし否定派の管理者が彼の正体が分かったとしても手を出そう

 

とはしない。そうしたらそれこそ正史と大きく異なる事になる。

 

「はい。無論、確実に彼と戦えるようになるかは実際にやって見ないと分かりません。そして正史では姜維伯約は司馬家に敗れていま

 

すので勝てる要素は少ないでしょう。さて、如何致しましょう?」

 

 左慈の答えは既に決まっていた。

 

「分かった、やってくれ」

 

「そうですか、では」

 

 早速、于吉は左慈に術を施し、彼を姜維として転生させる。

 

(そうですね、では私は姜維と親密な間柄になったという、魏あるいは晋の将である鐘会士季になって見るとしましょうか……)

 

 さらに于吉は自身に鐘会となるように術を施した。

 

 こうして二人は外史に介入し、管理者達の間でしばらく行方不明となったのであった。


 
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