No.614565

一刀の晋王転生録 第五章二十七話

k3さん

五胡との戦いは終わった。洛陽に帰った一刀はここで曹操と孫権が戦っていた事を知る。

2013-08-31 21:33:39 投稿 / 全3ページ    総閲覧数:2314   閲覧ユーザー数:1990

 姓:司馬 名:昭  性別:男

 

 字:子上

 

 真名:一刀(カズト)

 

 北郷一刀が転生した者。

 

 

 

 

 姓:司馬 名:懿  性別:女

 

 字:仲達 

 

 真名:理鎖(リサ)

 

 一刀と瑠理の偉大なる母。第三章で死亡した。

 

 

 

 

 姓:司馬 名:師  性別:女

 

 字:子元

 

 真名:瑠理(ルリ)

 

 母を目標にする一刀の姉。一刀を異性として愛す。

 

 

 

 

 姓:張  名:春華 性別:男

 

 真名:解刀(カイト)

 

 一刀と瑠理の父にして、一刀の師。第四章前編で死亡した。

 

 

 

 

 姓:王  名:元姫 性別:女

 

 真名:美華(ミカ)

 

 一刀に異常なまでに執着する一刀の妻。

 

 

 

 

 姓:鄧  名:艾  性別:女

 

 字:士載

 

 真名:江里香(エリカ)

 

 後の司馬家軍の宿将。司馬家に対して恩を感じている。

 

 

 

 

 姓:賈  名:充  性別:女

 

 字:公閭

 

 真名:闇那(アンナ)

 

 司馬家の隠密。一刀のために働くことを生きがいとする。

 

 

 

 

 姓:王  名:濬  性別:女

 

 字:士治

 

 真名:澪羅(レイラ)

 後の司馬家の水軍の将。一刀を気に入り、司馬家のために戦う。

 

 

 

 

 姓:司馬 名:望  性別:女

 

 字:子初

 

 真名:理奈(リナ)

 

 一刀達親戚で、一刀と瑠理とっては義姉という立場。

 

 

 

 

 

 

 姓:杜  名:預   性別:女

 

 字:元凱

 

 真名:綺羅(キラ)

 

 一刀とは同期。親同士の仲は良くないが、当人達の仲は良い。  

  第二十七話

   「消えぬ違和感、合肥の戦いの結末」

 

 

 馬岱から報告を聞いた一刀は、さっそく鐘会に姜維の首を見せてもらう。

 

「確かに、奴の顔だな」

 

 何度確認してもそうとしか思えない。

 

(鐘会の不気味さに今まで警戒していたが、恐れすぎたか?)

 

 そう思いながらも一刀は姜維の首をとった時の事を詳しく聞く。

 

「私と対面した彼は最早逃げられないと観念したのか、身体が崩れ落ちて最後は大人しかったですよ。現に私はこうして無傷でしたの

 

で」

 

「成程、確かにそうでないと説明が付かんな。分かった、鐘会、良くやってくれた。褒美は洛陽に戻ってからということで良いか?」

 

「ええ、分かっていますよ」

 

 聞くべきこと聞いた一刀は全軍に帰還命令を出し、洛陽に戻る。

 

 その間、一刀は拭えぬ違和感があった。

 

(姜維が大人しく討たれた? あの勝利に執着していた男が?)

 

 だが、彼の首と思わしき物を見せられたため、これ以上疑問に思うことは出来なかった。

 

 ならば鐘会には、相応の褒美を与えねばならない。そうしなければ民、兵達に不平不満を抱かれ、国の崩壊に繋がりかねないのだか

 

ら。

 

 この事が、乱世最後の戦いと発展するとは、この時点では彼は気付けない。むしろ気付くことは不可能だった。

 洛陽に帰還し、劉協自らの労いの言葉を聞き、司馬家の屋敷へと帰ってくる。

 

「一君! お帰りなさい!」

 

「ああ、ただいま、美華」

 

 二人はすぐにべったりと寄り添い、戦の話をする。負ける寸前だったと知ると、涙目で良かったと彼女は呟く。そして一人の男の話

 

になると、彼女は不安を口にする。

 

「ねぇ、一君。あの鐘会って男、絶対何かあるよ。あいつは絶対信用してはいけない。それに今回の戦いでも腑に落ちない事があるん

 

でしょ?」

 

「分かってる、だが俺達を欺こうとしていたとしても、証拠が無い。だから皆と同じようにするしかない」

 

「……そっか」

 

 結局はどうすることも出来ないと分かると彼女は気落ちする。一刀はそれをどうにかしようと話題を変える。

 

「そういえば、俺達が五胡と戦っている時、他の勢力で何か変わったことは?」

 

 その結果がこれだった。これに美華は苦笑しながら彼の話題変えに付き合う。

 

「少し置いてくれた賈充の部下を使って調べさせたけど、劉備軍は陛下に追い出されたみたい。後は……曹操と孫権が合肥で戦ったっ

 

て報告を受けてる」

 

「何だって? それで結果は?」

 

「……曹操が勝ったみたい」

 

「それは驚いたな……」

 

 曹操は一刀達に敗北し、甚大な被害を受けている。ならば必然、出せる兵力は少ないだろうというのは一刀は分かる。事実、兵力は

 

曹操軍が二万、孫権軍が十万と圧倒的に不利だった。

 

「勝利に大きく貢献したのは張遼。七千の兵を率いて孫権軍のほとんどを倒したって」

 

「それは凄まじいな」

 

「でも、やっぱり唯ではすまなかった。楽進、李典、于禁、郭嘉が戦死したって報告があった」

 

「そうか……」

 

 一刀は典韋を含めて、戦死した彼女達を思い浮かべる。あまり顔を合わせなかったが、それでも良き人材だったと思う。

 

 そこで、ふと曹操の事を考える。敵とは言え心配になってきたのだ。

 

(彼女は大丈夫なのか? 自尊心が強いのと同時に責任感も強い。この二つが変な方向に行かなければ良いけど……いっ!?)

 

 思考の最中に一刀は美華に頬を抓られる。

 

「一君、敵の女の事を考えたぁ? 味方はともかくそれは流石にちょっと」

 

「あ、ああ、済まない」

 

「謝るくらいなら、誠意を見せて」

 

 そう言われて、一刀は美華に接吻する。その後、戦明けというのもあってか、気が高ぶり結局は一夜を共に過ごした。

 

(それにしてもやきもち程度で済むとは……変わったな美華、いや、成長した……かな?)

 

 そんな事を思いながら眠りに付いた。

 

 翌日、今まで戦いの褒章を与えるために来てほしいと劉協から呼ばれる。

 

 その時、歴史がさらに動く。


 
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