No.568426

司馬日記外伝 事後シリーズ1

hujisaiさん

『その後』の、思春さんと一刀さんです。超短編です。

2013-04-21 14:56:50 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:12779   閲覧ユーザー数:8451

「終わった後は冷たいのね」

「…何を女みたいな気色の悪いことを言っているんだお前は」

 

寝台に腰掛けてサラシを巻き始めた彼女に気色悪いって言われました。

 

「だって思春いつもすぐ帰っちゃうじゃん。朝まで居てくれりゃいいのにさ」

「…あんな事があったというのに、お前はもう忘れたのか」

「ああ、蓮華に見られたこ「判ってるなら言うな馬鹿」

 

手の甲で軽く頭を叩かれました。

「あの後私は蓮華様に問い詰められて大変だったんだぞ」

「へー…何て?」

俺には

『ねえ一刀、思春の時はいつもあんなに…その、荒々しい感じなの?わたし、一刀が喜んでくれるなら頑張りたいけど、縛られるのはちょっと怖いわ…。それとも、明命に聞いたんだけど…思春の方からああいう事をしてって本当に言ったの?そんなこと無いわよね?』

って聞いてきたけど。

何が悪かったって、前回は思春が来たのが深夜だったので事が済んで明け方に同じ事を言ったら『…帰らせたくないのなら、縛りつければいいだろう』とか言ってこれみよがしに思春さん御持参の御縄様の方をちらちらとご覧になったのが御宜しくなかったのではと思うが突っ込んではいけない。事後にはさりげなく外から見えないように布団の中に隠し、さりげなく忘れずに持ち帰るように促すのが皇帝の仕事。…そんな皇帝がいるかとか俺に突っ込まないでくれ御願いだから。

 

「………何だって良いだろう、ここに来るのは蓮華様の御負担を減らす為なのだから要らん御心配をかけるようではいかんということだ」

「そーっすね…」

いまだに思春はそれを言い訳に使うし、それを示すために翌日が蓮華の日の前夜にやって来る。

 

寝台から体を起こし、じゃあさあと声をかけ、なんだと答える彼女を背後から抱きすくめる。

「こんなんじゃまだまだ足んないよ、俺種馬だから明日蓮華を滅茶苦茶にしちゃうかも知れないね、そしたら思春の所為だな。それに仮にも皇帝を背後から押し倒すとか無いんじゃないかな、これ公表したらきっと怒る人居て蓮華に迷惑かかるよね。それがいやなら」

 

強引気味に振り向かせて、唇を奪う。こういう時はいつもなすがままになる彼女には不思議に思いながら舌を絡めあうと、次第に思春の切れ長の瞳がとろけ始め、ん、ふ、と鼻を鳴らしだす。唇を離し、思春の瞳を見つめる。

ここで照れずに。少し偉そうに、自信を持って、本気で。

 

「もう少し、愛しぬかれてから帰れよ」

 

押し殺し気味にそう言うと、彼女は少し俯いて。

「朝までには私は帰るからな…それまでは好きにしろ、この馬鹿」

そうか細く呟いて、しな垂れかかって来る面倒可愛い彼女を再び寝台に組み伏せた。

 


 
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