姓:司馬 名:昭 性別:男
字:子上
真名:一刀(カズト)
北郷一刀が転生した者。
姓:司馬 名:懿 性別:女
字:仲達
真名:理鎖(リサ)
一刀と瑠理の偉大なる母。
姓:司馬 名:師 性別:女
字:子元
真名:瑠理(ルリ)
母を目標にする一刀の姉。一刀を溺愛している(?)。
姓:張 名:春華 性別:男
真名:解刀(カイト)
一刀と瑠理の父にして、一刀の師。
姓:王 名:元姫 性別:女
真名:美華(ミカ)
一刀に異常なまでに執着する一刀の妻。
姓:鄧 名:艾 性別:女
字:士載
真名:江里香(エリカ)
後の司馬家軍の宿将。司馬家に対して恩を感じている。
姓:賈 名:充 性別:女
字:公閭
真名:闇那(アンナ)
司馬家の隠密。一刀のために働くことを生きがいとする。
姓:王 名:濬 性別:女
字:士治
真名:澪羅(レイラ)
後の司馬家の水軍の将。一刀を気に入り、司馬家のために戦う。
姓:司馬 名:望 性別:女
字:子初
真名:理奈(リナ)
一刀達親戚で、一刀と瑠理とっては義姉という立場。
姓:杜 名:預 性別:女
字:元凱
真名:綺羅(キラ)
一刀とは同期。親同士の仲は良くないが、当人達の仲は良い。
第六話
「五胡撃退戦 姜維の武力」
敵指令官の姜維率いる部隊が一刀達に襲い掛かる。
一刀、馬騰達の軍は、策を食らった直後と言うこともあって動揺を抑えきれていなかった。時が経つにつれて、
劣勢になって行く。
(こいつら精鋭部隊か何かか!? 他の奴らとは違うぞ!)
馬騰は彼らに今までの兵とは違う強さを感じていた。一刀も馬騰ほどではないにしろ感じている。
(強い! それに此方の兵は動揺してしまっている! このままだとやばい!)
一刀は焦りを隠しきれなかった。表情にまで出てしまっている。
「蒲公英! 大丈夫か!」
「まだ何とか! でもこのままじゃ不味いよ」
馬超、馬岱は呼吸が乱れている。最早武器を持てなくなってしまうのも時間の問題だろう。
(く! せめて娘達だけでも!)
それを見ていた馬騰はある覚悟を決めようとしている。
そしてそれらを察知してしまった一刀はさらに焦る。
悪循環が続く中、それでも彼らは懸命に戦う。
なかなか一刀を討ち取れない姜維は少しだけ苛立つ。
(ち!、これ以上雑魚共に任せても時間が掛かる。もたもたしてたら中央にいる奴らが制圧して此処に来るかも
しれん、ここは俺が行くべきか……)
判断した姜維の行動は早かった。乗っていた馬を走らせ一刀の所にまっすぐに向かう。かなりの速さで一刀に
接近し、腰の短剣を持ち一刀の首めがけて斬撃を放つ。
(な!? 何時の間に!?)
急に現れた姜維に驚きつつも一刀は即座に反応。何とか弾くことに成功する。しかし首に刃をかすめてしまう。
(ほう、やるな)
姜維は頭の中で一刀を少しだけ賛辞した後、後ろに下がりすぐに大勢を整える。
そこで一刀はさらに驚かさせる。何と姜維は持っていた短剣をしまったのだ。
(どういうつもりだ!?)
これには一刀も首を傾げそうになる。が、すぐに判明する。
姜維は武器を持たないまま攻撃のためのような構えをしたのだ。
(こいつ、無手使いなのか?)
どうやらそれが姜維の戦い方らしいというのが分かったが新たな疑問が浮上した。
(馬から下りない? どういうつもりだ? ……まさか!?)
そのまさかだった。姜維は乗馬した状態で一刀に挑みかかってきたのだ。
乗馬で攻撃する際、通常は槍や戟、長剣、可能なら弓などで攻撃が基本。例外は先ほどの奇襲で急接近して攻
撃するなどである。稀にそれらを無視した武器を使う人物もいるようだがそれでも一つだけ共通しているのは、
武器を使うということである。無手でやるなど聞いたことが無い。
姜維のような行動を見せ付けられた場合、大概の人間は舐められたと思って腹が立ち応戦して挑みかかるだろ
う。
しかし一刀は違った。今までの戦いで姜維という男がそのような理が分からずにするような男ではないと思っ
た。一刀は警戒心全開で応戦して挑みかかる。
そして二人がぶつかる寸前、姜維は左拳を一刀めがけて突き出す。篭手等は何も付けない状態の素手で。
対して一刀は剣を姜維の拳に斬撃を繰り出す。
二人の攻撃は物理的に直接ぶつかる。
またしても一刀は姜維に驚かさせる。
(な、何だって!? 剣が拳に弾かれた!?)
何と、一刀の斬撃は姜維に弾かれ、傷一つ付けることが出来なかったのだ。
(何故!? どうして!?)
当然疑問は出る。だが考えている暇は無かった。
姜維は一刀の剣が弾かれた後、口元を吊り上げながら反対の拳で一刀の顔めがけて打拳を放つ。
一刀は何とか紙一重でかわした。
(! こ、これは!?)
視線を突き出された拳に移したことで先ほどの疑問が判明する。
僅かながら姜維の拳は光のようなものを帯びていたのだ。
それは氣と呼ばれるものだ。この氣を自在に使えると身体を強化するようなことができる。またそれを放出し
て攻撃に使うこともできるのだ。
つまり先ほど剣が弾かれたのは氣で強化した拳で受け止め、瞬時に少しだけ氣を放出し、弾いたのだ。
簡単に思えそうだがかなりの高等技術だ。一刀が以前出会った楽進が氣の使い手だったが、彼女では恐らく無
理だろう。彼女では強化、放出を同時に行えない。これだけでも姜維の技術は素晴らしいものがあるが、真に驚
くべきところはそこではない。先ほど一刀がかなり近づいて見ないと分からなかったという事実にある。もう一
度楽進を基準にしよう。彼女が氣を使う場合、少し遠くで見ても腕や身体が光っているのが一目で分かるのだ。
ところが姜維場合それが分からなかった。それはひょっとしたら彼女に比べて氣が少ないからでは? と思うか
もしれないが、一刀の剣撃を無傷で弾いたことからそれは違うことが分かる。ではどういうことかと言うと、姜
維の場合、かなり氣が濃縮されてほぼ透明に見えるのだ。つまり楽進に比べると、姜維の氣の力、技術は遥かに
上を行き、レベルが違いすぎるのだ。それも彼女が見たら自信を喪失させるほどの。
(かわしていなければ、首が潰れていた……)
一刀は姜維とすれ違った後、急いで後退し、体勢を整える。
「ほう、今のも防ぐのか……やるな」
彼は一刀に向きながら言った。対して一刀はその言葉に返事を返すことが出来ないでいた。
(武も知もあいつのほうが上か! どうする? どうすれば良い!?)
一刀は何とかこの危機を脱するための方法を考えるが考えが纏まらない。
そんな中、姜維はふと何かを思い出したように言う。
「そういえば、貴様の名を聞いていないな……何と言うんだ?」
「司馬昭……司馬子上だ」
「その名……覚えておいてやろう」
姜維は馬から下りる。
(く! 駄目だ何も思いつかない! どうにかして奴を倒すしかない!)
結論を出した一刀は姜維に応えるように馬から下りた。
「さぁ、始めようか!」
そう言い終わる直後、姜維は一刀に向かい走り出した。
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姜維の恐るべき力が発揮する!?