No.554686

亡国機業物語  外伝

カイザムさん

エムが亡国機業に加入する物語を妄想で描きました。 この物語はこれから書く「インフィニット・レジオネア」へ反映します。

2013-03-13 13:03:08 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:1244   閲覧ユーザー数:1210

とある日、薄暗く人気が全くない廃墟の中で一人の女性がいた。

 

 

 

女性は高身長で豊かな金髪を持ち、抜群のプロポーションを誇っている。

格好は仕事用と思われる赤いスーツを纏い、下はミニスカートを着用してる。

その女性はその廃墟でとある人物が現れるのを待っていた。

 

 

 

「もうそろそろ来てもおかしくはないと思うけど・・・・。」

 

 

 

女性は左腕に嵌めてる腕時計を見ながらそう呟いてたら・・・・

 

 

 

「すこし遅れてすまないな・・・・・・。」

 

 

 

 

突如、暗い空間から低い声が現れた。しかし女性は驚く素振りを見せなかった。

何故なら女性はその低い声の持ち主と会合する事になってたからだ。

 

 

 

 

「いえ私は大丈夫です。それより今日はどうのようなご用件で?貴方が呼び出すという事はとても重要な事だと思いますが・・・。」

 

 

 

 

 

女性は暗闇のする方向へ声を向けると、その声の主が暗闇へと姿を現した。

 

 

 

 

「今日から我々の組織の中に新たなる同志が加わる。」

 

 

 

 

そういいながら出てきたのは男であった。暗い紺色の衣を纏い、素顔は仮面で覆われてる。仮面は灰色で右目の部分だけにしか穴が開いてない。 その穴からは暗闇の中で禍々しく光る深紅の瞳が見える。

 

 

 

「新たなる同志・・・?まさか・・・、貴方が自らスカウトしたという訳なのですか!?」

 

 

 

女性は少しばかり唖然とした。

 

 

 

 

「そう驚くことはない。これから新しく入る同志は少々特殊な事情があってな・・・。」

 

 

 

「特殊な事情・・・・?」

 

 

 

「かつてドイツ軍は極秘裏で遺伝子合成で人工人間を生産してたのは分かるな?」

 

 

 

「まさか・・・・・、」

 

 

 

 

「そうだ。今日から我々亡国機業に加入する同志はその人工人間だ。」

 

 

 

 

「・・・・・・。」

 

 

 

 

「そう気まずい顔をするなスコール。」

 

 

 

 

女性の名前はスコールと言った。

 

 

 

「しかし・・・ドイツ軍は我々亡国機業を今でも足取りを探ってる状態です・・・。ファントム様・・・貴方は如何の様にしてドイツで造られた人工人間を連れてこられたのですか・・・?」

 

 

 

 

「心配するな。お前が気にすることではない。」

 

 

 

 

ファントムと呼ばれる男・・・。ちなみにスコールは亡国機業の女性幹部。スコールが彼の事を「様」という。つまりファントムという男は女性幹部のスコールよりも上の存在に位置するのだ。

しかし亡国機業の幹部会の人間でさえファントムという男の行動を把握する事が出来ない。

 

 

 

 

亡国機業は第2次世界大戦に生まれた組織であり、50年以上前から活動が報告されており。2つのグループに分かれており運営方針を決める幹部会と、その方針の下で動くスペシャリスト揃いの実動部隊で構成されてる。

現在はISの強奪を主体に活動しており、世界のパワーバランスとなっているISの強奪を実行できるので、亡国機業は世界をも震撼させる巨大な組織だという事がドイツ軍で報告される。

しかし、それは飽くまでもドイツ軍による報告なので真実は定かではない。

 

 

 

とある思想家や学者たちの中では「亡国機業の元となる組織は十字軍時代に聖地を巡って戦争を起こしたテンプル騎士団が源」、「百年戦争でフランスとイギリスに武器を売買してた死の商人たちが発端」、「イタリアで起こった中世から近世への変革-ルネッサンス時代の技術者や芸術家、思想家たちにより結成された組織が元」、「アメリカ独立戦争で愛国派の組織から派生したもの」等、沢山の意見や仮説がメディア内で飛び交ってるが結局は組織の真実は分かってないままである。

 

 

 

 

人工人間はドイツ軍の極秘裏で造られた。表沙汰に発覚するまでに50体の人工人間が造られた。

ちなみに表沙汰になって以降、人工人間を生産してた機関は倫理法に触れた為に国際裁判沙汰となり、その機関は解体された。そして50体の人工人間は軍事目的で利用されたり、別の機関で薬の実験台となっており、普通の人間たちによる理不尽で差別で不当な扱いを受けてる。中には開発途上国で少年兵として転売されてる者もいると言われる。

機関は解体したが、残された人工人間はこうのような末路を辿ってしまう。

ドイツの代表候補生の「ラウラ・ボーデヴィッヒ」もその1人である。

 

 

 

 

「さて紹介するとしよう。」

 

 

 

男はそういうと 暗闇から人影がスコールの目の前で徐々に姿を現した。

 

 

 

 

「・・・・・女の子・・!?」

 

 

 

 

暗闇の前で姿を現したのは、小柄な女の子であった。生気を感じられない雰囲気を放ってた。

無表情で人形のような感じであった。

スコールはその女の子に多少の恐怖を感じていた。

 

 

 

 

「これから我々の同胞となる"エム"だ。またの名は・・・・」

 

 

 

 

男の言葉に釣られて言うかのように女の子は

 

 

 

 

「オ リ ム ラ      マ  ド カ ・・・・・・。」

 

 

 

 

抑揚も無く言葉でスコールに自身の名前を告げた。

 

 

 

 

「エム・・・、オリムラマドカ・・・。」

 

 

 

スコールは女の子名前を確認するかのように問う

 

 

 

 

「ソウダ・・・。私は オリムラ マドカ」

 

 

 

 

女の子はスコールの問いに答える。

 

 

 

 

「この小娘はもともと反政府組織の少年兵で道具として使われてた。」 

 

 

 

 

「なんて非道な事を・・・。」

 

 

 

 

スコールは男から聞かされた女の子の事情を聞いて、すこし怒りを立ち込めていた。

 

 

 

 

「この娘はISの操縦の資質がある。スコール、お前がこの娘の面倒をみてやれ。」

 

 

 

 

「しかし・・・、」

 

 

 

 

「そう不安になることはない。この娘が組織の行動に支障をきたす恐れがあったら・・・・、」

 

 

 

 

男はスコールにあるモノを渡す。

 

 

 

 

「こ・・・・・これは・・・・!?」

 

 

 

 

「ナノマシンの起動スイッチだ。この娘にはナノマシンを埋め込んで置いた。もしもこの娘が組織に支障をきたす行動を起こせば、その起動スイッチを押してナノマシンを起動すればこの娘の脳中枢を焼切ることが出来る。」

 

 

 

「・・・・そ・・・、そんな・・・!!ファントム様・・・!!」

 

 

 

 

「人道的では無いと言いたいか?逆に言おう。薬物と脅迫に怯えて自由を失った少年兵に比べればまだ優しいものだ。組織の活動に支障がなければその範囲で自由を謳歌させればいいだけの事だ。」

 

 

 

 

「しかし・・・・!!」

 

 

 

 

「心配することはない。」

 

 

 

 

男はスコールの問いに応えずに暗闇へと姿を消し、残ったのは感情もない人形のような女の子だけだった。

 

 

 

 

 

「今日から貴女も私たちの仲間よエム・・・・。私はスコール・ミューゼル。これからアナタを導く者よ。どうか宜しくね。」

 

 

 

 

スコールはエムに自己紹介するも・・・

 

 

 

 

 

「エム・・・・それが私の名前か・・・・。いいだろう。」

 

 

 

 

 

「えっ!?」

 

 

 

 

 

突如口調が変わった女の子。男が消えたのか分からないが、感情も無かった女の子の表情が変化した。それは他人を見下すような傲慢な目に変化してた。

 

 

 

 

 

 

「成程ね・・・・。ファントム様が何かしらの手段で一時的に人格を押さえてた訳なのね・・・・。」

 

 

 

 

 

スコールは女の子突然の変化に対して驚きもしなかった。      

 

 

 

 

 

「エム・・・・。これから宜しく頼むわね?ちゃんと私の指示に従ってもらうわよ?」

 

 

 

 

 

「フン!!好きにしろ!!下らない命令を出してみろ?直ぐにお前を殺すからな!?」

 

 

 

 

いきなりスコールに対する暴言を吐くが

 

 

 

 

「そんな怖い事は言わないの。さぁ私に付いて来て。これから私たちのアジトへ案内するから。」

 

 

 

 

 

スコールは女の子の暴言に気にも留めず、外の方へ歩き出した。

 

女の子はスコールに刃向う事も無く彼女の後に付いて行き、廃墟の外の空き地に停めれられたスポーツカーに乗り後部座席へ座った。 スコールは運転席に乗りスポーツカーのエンジンを起動させて、車を発車して廃墟を後にした。


 
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