翌朝、レオン博士の研究所。
「うーむ…」
レオン博士は入れ替わったボクたちをまじまじと見つめている。
「で、博士。何かわかったんですか?」
と、モニカちゃんの身体になったボクが問いかける。
「何とも言えん…。ぶつかったショックで入れ替わるなんて症例は聞いたことがないからなぁ…」
「そ、そんな!元に戻る方法はあるんですか?」
「それを今解析しているんだが…なにぶん症例がない。方法が見つかるにはかなり時間がかかるだろうな」
「えぇぇぇ!?じゃ、じゃあボクたち一生…」
「まあ待て。ないとは言っていない。時間がかかるというだけの話だ」
「でも女の子の身体なんて…」
と、泣き始めるボクをよそに、ボクの身体に入り込んでいるモニカちゃんが予想外の行動をとり始めた!
「えへへへ…リク君の身体だぁ…」
なんと頬を真っ赤に染めながら、自分を抱きしめ始めたんだ。
「モニカちゃん…頼むからボクの身体でヘンなことしないで…」
その時だった。ボクの身体についている通信機が着信音を奏でる。
ああもう、ちょっと待って!ボクの身体には今モニカちゃんが…!
『リク君大変だ!オキシィマートで強盗事件が発生した!!』
通信の相手はクオンお姉ちゃんだった。よりによってこんなときに事件が起きるなんて…。
「えぇ!?そそそそんな!わたしどうすればいいんですか!?」
『リク君…?どうしたの?いつものリク君らしくないぞ!』
あぁ、お姉ちゃんは今話している相手が誰かわからないみたいだ…。
「いやあのっ!こういう事件に遭遇したことなくて…」
『何言ってるんだよ!君はK-9隊員じゃないのか!』
ボクの身体のモニカちゃんが、おろおろし始める。
「え、えと!えと!!そのっ…身体はそうなんですけど」
『え…?ちょっと待って、今日のリク君やっぱりヘンだよ…』
「だ、だって…だっ…てぇ…!」
と、通信機の向こうであきれ果てているクオンお姉ちゃん。
そして何がなんだかさっぱりわからず、今にも泣き出しそうなモニカちゃん。
どうしよう!このままじゃますます混乱しちゃうよ…やっぱりここはボクがなんとかしなきゃ!
ボクはモニカちゃんの近くに歩み寄ると、こっそりと耳打ちする。
(…モニカちゃん、モニカちゃん)
(リク…君?)
(ここはボクの言うとおりにして…)
(う、うん…でもどうすれば…)
(大丈夫。まかしといて!)
『おーい、リク君?大丈夫!?』
通信機の向こうでさすがに心配そうなクオンお姉ちゃんの声。
(いい?モニカちゃん。今はとりあえず『ボク』になりきってくれ)
と、心の中で呟くボク。
「…う、うん。大丈夫よ…じゃなかった、大丈夫です、クオンお姉ちゃん!」
たどたどしくはあったけれど、必死でボクになりきろうとしてる。
『じゃあ、場所のデータがそっちに入ってるはずだから、その中に指示されたポイントまで急行して。いいね?』
(リク君?)
(右下にアイコンがある。それを選んで)
(アイコン…これね!)
「…は、はいっ!すぐ行きます!!」
と、なんとか通信を終えてほっとため息をつくモニカちゃん。
「で、今度はどうするの?」
「さっきの場所がわかったなら、すぐにそこに向かうんだ。ボクも一緒についていくから、その通りにして」
「うんっ!」
…こうして、『ボク』として現場に向かうことになったモニカちゃん。
そして、『モニカちゃん』としてサポートすることになったボク。
ボクは…モニカちゃんは…、この事件を解決できるんだろうか?そして…
…無事に元に…戻れる…のかな…?
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どうしよう!いろんな意味でヤヴァいことになったぞ!?
■出演
リク(ただし中身はモニカ):http://www.tinami.com/view/376146
モニカ(ただし中身はリク):http://www.tinami.com/view/376207
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