No.547639

亡国機業物語  Part5

カイザムさん

前作の続きです!!  幼少期が終われば  彼の活躍する本編「インフィニット・レジオネア」を始動します!!  一夏たちから見ればオリ主「タボン」は敵対する存在になります。

2013-02-23 01:31:21 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:1139   閲覧ユーザー数:1117

亡国機業 タボン・トラークの幼少期

 

 

 

第5話 「苦渋の決意」

 

 

 

 

 

 

 

地獄絵図を見てしまったタボンはこの施設から抜け出そうと考えた・・・!!

 

 

 

 

 

 

「あのおじさんは児童施設の人なんかじゃない!!子供を攫って酷い事をする悪い大人だったんだ・・・!!」

 

 

 

 

 

8歳くらいの女の子にあれだけのヒドイ仕打ちをして自身の下半身に付いてるモノを口にさせる・・・。

よく考えてみたら、あの部屋にはほかの女の子もいた・・・。5~6人だ。

しかもみんな生気を失ってて目を開けたまま沈黙して倒れてた。

そして奥の方には紐で縛られた6歳くらいの男の子も沈黙したまま黙り込んで座ってた。

その光景を見たタボンは確信したのだ。

そのおじさんは善人では無かった。善人ぶって身寄りの無い子供たちを騙して性対象にさせる極悪非道な悪魔だという事を・・・!!

 

 

 

 

はやくこの施設から抜け出さなければ、自分も酷い目に遭わされる・・・!!

 

 

 

 

 

逃げなければ・・・!!

 

 

 

 

 

タボンは昨日寝た部屋に戻り急いで机に置いてあった雑嚢を肩に掛けて1階へ急ぐ・・。

 

 

 

 

 

 

「あのおじさんは女の子にエッチなことをしてるのに夢中になってる・・・・!!今の内なら・・・・!!」

 

 

 

 

 

そう考えた。  しかし・・・・タボンの頭の中で何かが過った。

 

 

 

 

「あの女の子を置いて行っていいのかな・・・・?あの子だってこんな所に居たくはないはずだ・・・!!」

 

 

 

 

タボンの良心がこびり付き1階へ急ぐのはずなのに女の子ことを考えてしまい、走るスピードが徐々に下がっていた。

 

 

 

 

「ど・・・・どうしよう。あの女の子を見捨てるなんて・・・、あの女の子だって家に帰りたい筈だ・・・!!」

 

 

 

 

あの悪魔が言ってた事をタボンは思い出す。

 

 

 

 

「しゃぶれば、お母さんの所へ帰してやるから早くしゃぶれ!!」

 

 

 

 

あの醜い悪魔の言葉から察すると、あの女の子には家族がいる。

 

 

 

 

「あの女の子のお母さんやお父さんはきっと心配して探し回ってる筈だ・・・・。こんな所で置いて行っていいのかな・・・?このままだと、きっと女の子は殺される・・・!!

でも・・・僕もまだ子供だ・・!!大人なんかに勝てる訳がない・・・・、どうしよ・・・。

このまま逃げだしたらきっと女の子は殺されてお母さんやお父さんは悲しむ・・・。

けれどボクが助けに行ったとしても、あんな大きな奴に勝てる訳がない・・・。下手をすれば返り討ちにあって僕も殺される・・・。」

 

 

 

  

タボンは今すぐこの建物から逃げ出したい・・・。

しかし、3階で暴漢に犯された女の子の泣き叫ぶ声と同時に必死で誰かに助けを求めるような表情が頭にこびり付いて離れない・・。

 

 

 

 

 

「ここで逃げ出したら、あの女の子は一体どうなるんだ?」

 

 

 

 

 

彼の良心が頭に響き足が止まってた。

 

 

 

 

 

「なに考えてんだよ!!あんな奴に敵う訳が無いのに・・・!!・・・・でも・・!!

逃げたとしても・・・・僕はその先どうすればいいんだ・・・?」

 

 

 

 

2日前にスラムのゴロツキにリンチされて住んでた掘立を追い出されたタボン。

自分の居場所を探すために広大なスラムを徘徊してた。

 

 

 

そして昨日はスラム街とこの大都市の市街地の境目で、ギャングやマフィア同士のピストルの撃ち合いで、生から死への過程を見てしまった。

その時自分もピストルで撃たれると思ったタボン。

 

 

 

そしてそのギャングの抗争から必死で逃れてきて、あのおじさんと出会い現在に至る。

 

 

 

仮に逃げたとしても居場所なんて無い。今のタボンには力なんて無い。そして彼を支えていた両親も死んだ。どうすればいいかわからない。

 

 

 

 

 

 

「・・・・女の子を助けたら、女の子はボクの事をどう思ってくれるのかな?」

 

 

 

 

 

 

タボンの頭にある事がよぎった。

 

 

 

 

 

「もしも女の子を助けたら、そのお礼でその家族に育ててもらえるかもししれない・・・!!」

 

 

 

 

人助けの見返りを考えた。

彼がまだ更識家の謀略の対象になる前・・・、まだ裕福で学校に通った時に習った事

 

 

 

先生

「助けてもらったのなら、たとえ知らない人でもお礼をしないと行けませんよ?」

 

 

 

 

先生が言ってた事だ。もしかしたら女の子を助けたお礼に、その家族に養ってもらえるかもしれないと考え着いた。

 

 

 

 

 

 

 

「・・・・話が上手すぎる・・・・。」

 

 

 

 

 

 

 

 

流石に他人を助けたかってお礼に養ってもらえるなんてお伽話でも考えられない事だ。

 

 

 

 

 

「小公女セーラ」は富豪のお嬢様だったが、父親がダイヤモンド鉱山の事故で無くなり、さらには鉱山の発掘で莫大な借金を生んでしまい、実家の資産はすべてその借金の埋め合わせで消えた。そしてセーラには資産も地位も全て失い、学院の下働きをさせられる。

しかもその学院の院長はとんでもない屑であり、金のあるものには媚びて、無いものには奴隷のように扱う。

そんな院長の元で地獄のような日々を送ったセーラだったが、父親の友人が鉱山でダイヤモンドを発掘して巨万の富を得て、さらに遺児であったセーラを引き取り、彼女は学院を去り再び幸せに暮らした。

 

 

 

 

 

こんな都合のいい展開があるわけがない・・・。

タボンがこの施設から出れば「セーラが過ごした貧しい部屋」とよべるような所すら無い。

居場所なんて無い。

 

 

 

 

悩んだ挙句タボンは決心した

 

 

 

 

 

「あの女の子を助けよう・・・・!!」

 

 

 

 

どのみち女の子を置いて逃げても居場所なんて無い。

だったら助けて、その女の子の家族に助けたお礼として養ってもらうほうが僅かながら希望はある・・・!!

なにもやらなければ始まらない・・・!!

 

 

 

 

 

「・・・このままだと女の子が殺されちゃう!!・・た・・・助けなければ・・!!」

 

 

 

 

あの悪魔に勝てる見込みなんて無い。けれど女の子はきっとあの悪魔から解放されたいと死にもの狂いで願ってる筈・・!!

 

 

 

 

タボンは3階へ引き返そうと、方向を180度変える。

 

 

 

 

「・・・・・まってて。ボクが・・・・助けるから・・・!!」

 

 

 

 

タボンは殺されるのではないかという不安に駆られながら、震え足で悪魔が居た部屋へ戻ろうと、足をゆっくりと3階へ向けて動かした。

 

 

どうすれば・・・あんな大柄のおじさんに勝てるのかと考えながら3階へ続く階段へ向かうタボン。

 

 

不安すぎて肩に掛けた雑嚢の物入れの出し口の開け閉めを行ってた。

するとあるものが目に留まる。雑嚢の中にナイフ1本とピストル1丁が入ってた。

 

 

この2つの品は昨日のマフィアの抗争から逃げる時に落ちてた物を拾ったものである。

 

ナイフは刃渡り20cmくらい。

 

 

タボンはそのナイフを取り出し、少し血で滲んでた刀身を見続ける。

 

 

「・・・・これで女の子を救えるかも・・・・。」

 

 

無心に呟いた彼はナイフを片手に持って3階へと向かった。

その時の彼には“返り討ちにあって殺される不安”というものが薄れていた。

 

 

 

 

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