「政、戻ったよー」頭上から建機型神姫を呼ぶ声がした。「オッ、丁度戻ったみたいだな。親方、こっちこっち」建機型神姫は周りの神姫たちの間をすり抜けて待機所の端まで進み頭上に手を振った。」振り仰ぐと建機型神姫の振る手の先にオーナーとほぼ同じ年の頃と思われる女性がいた。この女性が建機型神姫のオーナーだろうか。女性としては背が高い。ジーンズにデニムシャツを羽おり、長い黒髪を無造作に後ろで束ねていた。
「マッチング、結構時間かかるみたい。ひとまずご飯にしよっか」女性は建機型神姫に手を伸ばした。「おおっと、ちっと待ってくんな親方。ラビィ、こっち来なよ」女性の手を遮ると振り返って私を呼んだ。喧騒の中をすり抜けて建機型神姫のとなりに進んだ。
「政、この子は」女性は私を見下ろして建機型神姫に声をかけた。「この兎型はラビィ。ここは初めてだってんで案内してやってくんないかな、親方」私の肩に手を置いいて建機型神姫が応えた。「兎型ヴァッフェバニー、ラビィです。お見知りおきを」紹介され、女性に頭を下げた。
「アンタが友達作るなんて珍しいわね」少し驚いたように目を大きくしていた。「ラビィね。この辺に越してきたのかな。まあ、神姫センターなんてどこもそんなに大差ないから大丈夫よ。」
「いやいや、そうじゃねェんだよ親方。まだ起動されたばっかりでバトルロンドやったことがねえんだよ。センターに来たのは初めてなんだ。オーナーもな。」
「に、しては場数踏んでるように見えるけど」オーナーと神姫は似るのだろうか。彼女の神姫に同じことを言われたばかりだ。
「CSCをリセットされていてオーナーに再起動されたので、神姫センターに来るのはオーナー共々初めてです。」
「あちゃ、つまんないこと言っちゃたわね。ごめんね」そう言うと、顔をしかめた。
「まったく、野暮なこと言うなよ親方。ま、アタイもさっきおんなじこと言ったけどな。」建機型神姫は屈託なく笑った。「侘びにきちんと案内してやんなよ。ラビィもオーナーも勝手が分かんねェんだからさ。急ぎの用もないんだし」
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体調の問題や何やかやで中断していましたが、また、ちまちまと投稿していきます。
読んでいただいていた方申し訳ありませんでした