第二章 『三爸爸†無双』 其の十五
本城 皇帝執務室 (時報:桂花 一人目 妊娠七ヶ月)
【緑一刀turn】
「お館様!懐妊の報告に参りましたぞ♪」
そう言って、いかにも桔梗らしく部屋の扉を勢い良く開いてやって来た。
「「「!!」」」
俺たち三人の心を満たしたのは、先ず安堵感だった。
そして俺たちは席から立ち上がり桔梗の手を握る。
「「「ありがとう!懐妊してくれて、本っ当にありがとうっ!!」」」
俺たちの目からは自然と涙が溢れ出していた。
それを見た桔梗は初め驚いた様だったが、笑顔で頷いてくれた。
「お館様・・・・・そこまで喜んで下さるとは・・・わしの方こそ子を授けて下さった事に礼を言いたいですぞ・・・」
桔梗に子供が出来た事は素直に嬉しい・・・・・・・・・しかしっ!
俺たちの安堵感を感じた理由・・・それは、これでようやく桔梗の攻撃から解放されたという物だった。
間違っても桔梗が嫌いだなどという理由では無い!
普段の物腰や話し方は格好いいし、笛を吹いている時みたいな物静かで神秘的な雰囲気も持っている。
顔も紫苑や祭さんより目が大きめなので、結構可愛らしい表情をすると時も有るのだ。
そして何よりあのおっぱい!
こんな桔梗に迫られて逃げる事が出来るだろうか!?
いやっ!出来ないっ!!
只、ここ最近の桔梗の攻めが激しすぎたのだ・・・・・。
事の起こりはこうだ。
先月の翠とたんぽぽの時、薬膳と房中術のダブルパワーで凄い事になってしまった。
しかもその効力が余りにも強力で、余波が麗羽にまで及んだ。
その余波が桔梗には、自分ではなく麗羽だったのがお気に召さなかったらしい。
更に華琳が薬膳と房中術のどちらに効果が有ったのか知りたいと言い出し、その房中術側の実験を桔梗がやると名乗りを上げた。
朝に房中術を施し、夜に搾り取られる・・・・・。
これを数日繰り返されたのだ。桔梗に。
初日こそ俺の息子様は暴れん坊となって昼間を耐えるのが大変だったが、二日目からは息子様が大人しいマジメくんになってしまった。
俺たち三人は日を追うごとにカサカサになっていき、反対に桔梗はツヤツヤと輝きが増していく。
息子くんが引きこもり寸前までいった所で華佗からドクターストップがかかり、俺たちは救われた・・・・・と、思った。
他の女の子達からも抗議が出始めたので連日では無くなっただけで、その後も俺たちの体調を見つつ桔梗の房中術実験は続けられた。
股間の筋肉が吊ったり、おしっこするだけでスジが痛いなんて体験初めてだよ・・・・・。
「それではお館様。今はこれにて失礼致します。後ほど後宮で。」
「「「え?もう行っちゃうの?」」」
退出の礼をする桔梗を思わず呼び止めた。
「申し訳ありません。華琳殿が何やら話があるとかで、まあ紫苑が言うにはそれほど時間の掛かる物ではないとの事ですから、お館様が今取り掛かっている案件を処理する頃には終わっていましょう。」
華琳の話って外史の事だよな。懐妊した人に教えてるって言ってたけど、思春の頃に比べると早くなったもんな。
華琳が何度も繰り返して話すから慣れたか・・・・・面倒くさくなって来たかのどちらかだな。
「うん、わかった。こっちを急いで片付けて後宮に行くよ。」
「いえいえ、別に急がなくとも・・・・・そういえば房中術を施した日は氣が充実して仕事が
「「「カンベンシテクダサイオネガイデス」」」
後宮談話室
【桔梗turn】
「いやいや、さすがはお館様。わしらの見込んだ男だな♪」
「普段はその話題に触れないように気を付けてよ、桔梗。まだの子たちは勿論、ご主人様たちも自覚してない事柄も有るのだから。」
なんだ紫苑め、心配そうにしおって。
「心得ている。わしは口が硬いのを知っているだろう。」
「あなたは時々、勢いに任せて口を滑らせるじゃない。」
「はて?そんな事が有ったか?」
「何とぼけてるのよ・・・劉璋様をクソ坊主とか言うから成都から遠ざけられたくせに・・・」
「あっはっはっは!そんな事も有ったか。」
「まあ、そのおかげで貂蝉と卑弥呼、そして華佗に出会う事が出来たのだ。これも天命だったのだろうさ。」
「あぁら、桔梗ちゃんったらわたし達との出会いを天命とまで言ってくれるなんて♪」
「がっはっは!強き
黄巾討伐の頃にこの二人と出会えていたのは行幸だったな。
「貂蝉と卑弥呼には感謝しておるぞ。おぬしたちのおかげでお館様という主に出会う事が出来たのだからな。」
わしの話に興味を引かれたのか、祭も会話に加わる。
「そういえばおぬしらの出会いを詳しく聞いておらんな。折角じゃから語ってくれんか?」
「おう、祭・・・・・しかし、こうして昔話をするのに酒が呑めんというのは味気ないものだな・・・」
「酒の話をするな!・・・・・呑みたくなって来るではないか・・・」
「お腹の子の為にもお茶で我慢してちょうだいね♪」
紫苑め、顔は笑っておるが剣呑な氣を放ちよる・・・・・。
「桔梗さん、焔耶ちゃんがお祝いを言いに来たって・・・・・申し訳ないけど焔耶ちゃんには外史の事はまだ・・・」
「心得ておりますよ、桃香さま。」
わしが笑って返事をすると、桃香さまも微笑んで頷いて下さった。
お子を産まれても可愛いらしいお方だ。この笑顔が家臣や民を惹きつけるのだな。
ただ、焔耶の場合は・・・・・育て方を間違えたか?
「桔梗さまっ!ご懐妊おめでとうございますっ!!」
部屋に通されたと思ったら、走ってわしの下までやって来て声を上げた。
「おや?お前何か心境に変化が有ったか?」
「は?・・・・・そう・・・見えますか?」
「少し前まで、お館様の事で悩んでおったみたいだが・・・・・答えが出たか。」
お館様と出会ったばかりの頃は桃香さまの事で敵愾心を燃やし、それが過ぎればお館様への恋心に戸惑い、その想いを受け入れて落ち着いたと思ったら今度は嫉妬心で悩んでおった。
「はいっ!」
おうおう、実に晴れやかな笑顔で返事しおって。
「そうか。お前が素直な気持ちで祝福してくれるのは、やはり特別だからな・・・ありがとう、焔耶。」
「そ、そんな!桔梗さま!!」
「わしの腹の子は焔耶の妹になるのだからな。お前より先に孕めて安心したわ。あっはっはっはっは♪」
「そういえば焔耶を育てたのは桔梗じゃと言うておったな。」
「あ、そうか!焔耶ちゃんって、璃々ちゃんと同じ立場にいるんだね♪」
祭と桃香さまがわしの言った事を理解してくれたようだ。
「桔梗さま・・・・・・・それでお館があんなにカサカサに・・・・・」
「次はお前の番だぞ、焔耶。なんならわしが会得した房中術を伝授してやろうか?」
「ええっ!?そ、それは・・・・・その・・・・・」
焔耶のやつ、顔を赤くしおって♪こういう恥じらう姿をお館様たちに見せれば、良い武器になるんだがのう・・・・・。
「しまった!わしが焔耶と一緒にお館様たちとしておれば、紫苑より先に親子丼ができたではないか!!」
「き、桔梗さまっ!!自重してくださいっ!!そ、それにワタシが身篭ったら桔梗さまはその時点でおばあ・・・・・・・・・・」
「何が言いたいのかな?焔耶♪」
「いえ・・・・・なんでもありません・・・・・・」
ふぅ・・・・・紫苑からの気迫の援護射撃もあって焔耶を黙らせる事ができたわ。
後宮 個室
【緑一刀turn】
「そんな理由で、お館様方には少々ご無理を強いてしまいましたな。」
「「「いや・・・その話は事前にしておいてくれれば良かったのに。」」」
焔耶を育ててきた桔梗は、焔耶に自ら手本になって子育てを見せておきたかったのかも知れない。
良い処は真似をさせ、悪い処は反面教師になるように。
「そこはほれ、わしにも女の自尊心が有りますし、他の者への言い訳に焔耶を使いたく無かったものですからな。」
こんな風にあっさりと、しかも格好よく内心をバラされるから桔梗には敵わないんだよなぁ。
「桔梗は焔耶を陰で結構支えてるよね・・・・・・もし良かったら焔耶との昔話なんか聞かせてくれないかな?焔耶は余り身の上話ってしてくれないから・・・・・」
「なんだ焔耶のやつめ、枕話のひとつも出来んのか・・・・・」
いや、なんで枕話って決めつけるの?
「そうですな・・・焔耶の両親はわしが駆け出しの頃の小隊長と副官でしてな。わしはその二人に随分可愛がられました。」
桔梗は目を閉じて話し始めた。
「ある戦で我が軍は敗れ、その退却途中で追撃を受けた時にお二人が亡くなりました。焔耶には他に身寄りが無く、わしは二人への恩返しの意味でも引き取る事を決めました。焔耶が丁度、今の璃々くらいの歳の時で、前にお話した笛で大恥をかいた少し後の頃ですな。あの頃のわしが焔耶に教えてやれる事は武術と喧嘩の仕方くらいでしたがな。」
桔梗は閉じていた目を開けると、窓から空を眺めた。
西の空が夕焼けに朱く染まっている。
「これくらいの時刻に家に戻ると焔耶が喧嘩に負けて泣いている事がよくありましたな。そんな焔耶に『負けて泣きたくなければ強くなれ!』と言って二人で稽古をしたものです。わし自身も焔耶の両親を助けられなかったという思いも有りましたしな。より、武の道にのめり込んで行きました。」
桔梗と焔耶の強さの原点なんだろうな。
「しかし、いくら個人の武を鍛えても結局は五胡に追い立てられましたがな。緑のお館様がこの房陵に駆けつけて下さらねば、わしは焔耶の両親の様に自らの命を用いて他の者を逃がすつもりでおりました・・・・・・・・感謝しておりますぞ、お館様。」
俺たちは黙って桔梗の細められた目を見つめた。
「いやぁ、焔耶には色事も少しは教えるべきでしたなあ♪あの頃はわしも恥じらいが有って出来ませなんだ。あっはっはっはっはっ♪」
・・・・・・・・・・折角ここまでいい話だったのに、この一言で全て吹っ飛んじゃったよ。
「俺たちは今の桔梗も焔耶も好きだからさ、こうして生きていてくれる事が何より嬉しいよ。」
「その様に仰って下さるとは・・・・・何よりの褒美でございます・・・・・・・・はて?今の焔耶と言うことは、色事に関してはお館様たちが自分たちの色に染める楽しみが有るという事ですかな?」
「「「なんでそうなるのっ!?」」」
「いやいや、さすがはお館様♪義理では有りますが、いずれ親子丼にて焔耶がどのような色に染まったか確認させて頂きましょう♪」
桔梗の目が笑ってない・・・・・・これは本気の発言だ・・・・・。
五ヶ月後
後宮 中庭 (時報:桂花 一人目金桂 生後二ヶ月)
【桔梗turn】
先月は祭の長女、宴が生まれた。
今月は恋が予定日を迎え、来月には紫苑。
紫苑の子は双子という話で、まだ懐妊していない者達は羨ましそうにしておるが、わしとしては腹に抱える命は一つで充分。
腹が大きくなってくればぶつけやしないかと、気苦労で押しつぶされそうだわい。
そんな理由でわしは笛を片手に、春の日差しが心地よさそうな中庭に出て来た。
椅子に座り花を眺め、心の赴くままに音を奏でる。
以前、お館様が開いてくださった演奏会以来、人前でも気兼ねなく吹けるようになり、懐妊してからは酒を呑む代りに吹いている。
しばらく前に、またお館様の目に止まり話し掛けられた.
『天の国では胎教って言って、胎児に音楽を聞かせて感受性を養うんだ。』
『ほほう、天の国には面白い風習があるのですな。』
わしは素直に感心し、いい大義名分を教えて頂いたと思い、それ以来所構わず笛を吹いている。
そして今、わしの笛の音に混じって
ぽひ~~~~
ぷひ~~~~
と聞こえるのは、朱里と雛里がわしの隣で笛の鍛錬をしているからだ。
胎教の事を知った二人がわしに師事してきたのだが、別に断る理由もないので引き受けた。
楽士になるわけでは無いのだからわしが教えるくらいが丁度良いだろう。
「はわわ~・・・・・全然音がうまく出せません・・・」
「あわわ~・・・・・い、息が・・・続かない・・・・・です・・・」
「別に力を込める必要は無いのだぞ。色々と試しながら吹き方を変えてみるといい。」
「「は、はい!」」
そんなやり取りを星がニヤニヤしながら眺めていた。
「なんだ星?妙な笑い方をしおって。」
「いやなに。今のおぬしの言い方が、笛は笛でも『肉の笛』の吹き方を教えてる様に聞こえたのでな♪」
「なに?・・・・・・・・おお!確かにそうだな!あっはっはっはっは♪」
「に、肉の笛の・・・・・」
「ふ、吹き方・・・・・・」
二人も興味を引かれたようだな。恥ずかしそうにしながらも目が輝いておる♪
「懐妊前に散々吹き鳴らしてくれたお蔭で、あの時の賭けは殆ど儲けにならなかったぞ。」
「今頃思い出して嫌味を言うな。あの時はわしも少々意地になっておったのだ。」
こんな話をしている時にお館様三人と桃香さま方、出産を終えた母親組と出産を間近に控えた紫苑などがこちらにやって来るのが見えた。
「これはお館様方、お揃いで散歩ですかな?」
「やあ、桔梗。それに星と朱里と雛里も。笛の音が止んだから練習が終わったのかと思ってさ。」
お館様方は和やかに微笑んでおられる。体調も良いようだ。
「ええ、まあ。今度は笛を変えて教えようかと思いましてな。」
「へえ、他にも笛を用意してあるの?」
「丁度今、この場に届きましたぞ。三本の肉の笛が♪」
「「「は?」」」
「わしとしてはコチラの方が得意だと自負しておりますのでな、じっくり伝授してやろうかと思います。」
「「「き、桔梗・・・・・その目は以前の・・・」」」
「それは聞き捨てならんな!そういう事なら儂が朱里と雛里に伝授してやろうではないか!」
「あら、祭さん。わたくしだって負けていませんわよ♪」
「「「ちょ、祭さん!紫苑も!」」」
「ほほう、ならば以前の決着をここで着けるか?」
あの時のご奉仕勝負は有耶無耶で終わってしまったからな。
「あら、面白そうな話ね。私達も参加していいかしら?」
「「「か、華琳っ!!」」」
「これは華琳殿。『私達』という事は桃香さまと蓮華殿もですかな?」
わしが桃香さまを見ると楽しそうに笑っておられた。
「そうだねぇ、桔梗さん、紫苑さん、祭さんの話は聞いてるけど私達だって負けないもんね♪ねえ、愛紗ちゃん♪」
その手は愛紗の手を握って逃げられない様にしていた。
「と、とと、桃香さまっ!?」
さて、蓮華殿は・・・・・。
「ど、どの様な形であれ勝負と言うのなら、孫呉の勝利の為に祭に加勢するぞ!思春も頼むわよ!」
「承知致しました、蓮華様。必ずや孫呉に勝利をもたらして見せましょう!」
「「「いつの間に三国の勝負になったんだよっ!!?」」」
「むむむ、桂花ちゃんがお仕事でここに居ないので、魏は華琳さまと風だけ。劣勢ですね~」
「風、今回は特別に私と大喬、小喬が魏に加勢しよう。」
「おお!ありがとうなのですよ、星ちゃん♪」
「やったね!お姉ちゃん!あたしたちも参加できるって♪」
「しょ、小喬ちゃん・・・・・あの、一刀さま・・・今からでもあの薬膳の粥をお作りしましょうか?」
「「「大喬・・・みんなを止めるという選択肢は無いの・・・・・・?」」」
「一刀よぉ、男なら覚悟決めようぜ。」
「「「宝譿!他人事だと思って気楽に言うな!!」」」
「ではお館様。早速始めますか♪」
せっかく届いた笛が逃げ出さないよう、しっかりと捕まえる。
「「「カサカサは嫌だああああああああっ!!」」」
おまけ
『姐姐†無双』三
桔梗の娘 厳逹 真名:
四歳 (時報:桂花 五人目妊娠八ヶ月)
房都近郊河川 水練場
【緑一刀turn】
夏の日差しが照りつける中、俺たちは今年もこの水練場にやって来た。
浅瀬ではしゃぐ子供達と遊んであげていたが、さすがに俺たちもちょっと疲れて来たので一休みをしようかと河原に向かう。
「爸爸、どこいくの?」
「おっと、竜胆。爸爸たちちょっとそこで休憩するだけだよ。」
「え~、あそぼうよ、爸爸ぁ。」
水着姿の竜胆が不満そうに言うと、聞きつけた他の子供達も一緒に抗議し始めた。
こりゃ休憩は諦めるか。可愛い娘達にせがまれては拒否出来ないよな。
「こら!
璃々が間に入って助けてくれた。
ただ、とても健やかに発育した璃々が大胆なビキニ姿なので目の保養・・・いやいや!子供達の前では目のやり場に困る。
「「「「爸爸とあそびたいーっ!!」」」」
それでも引き下がらない子供達に俺は感激して、もう一度遊ぶ決心をした!
「代りに貂蝉と卑弥呼を呼んであげるから。」
「「「「ほんとう!?わーーーい♪」」」」
え?
「貂蝉!卑弥呼!ちょっとこっちに来てくれる!?」
「あらん?何かしら?」
「どうしたのだ、璃々よ。」
「ご主人様たちが休む間この子達の相手を一緒にして欲しいの。」
「お安い御用よぉ♪」
「がっはっは!任された。さて、何をして遊ぶ?」
「りんどう『たかいたかい』がいいっ!!」
はっ!
あんまりな展開に自失してしまった!
貂蝉と卑弥呼の『高い高い』だと!?まさかあの二人のパワーで放り投げるなんてベタな展開か!?
「おい!貂蝉!卑弥呼!まさか空に向かって放り投げるつもりじゃ・・・」
「だ・い・じょ・う・ぶ♪子供から手を離さないから安心してちょうだい、ご主人様♡」
「あれ?ご主人様たち二人の『高い高い』見たことないの?」
璃々が驚いた顔でそんな事を言った。
「普通のやつは見たこと有るけど、今は何か嫌な予感が・・・・・」
「貂蝉と卑弥呼が『高い高い』をするのですか?これは久々に良いものが見れますな♪」
「「「桔梗!それに紫苑と祭さんも!」」」
母親三人が水着の上に薄い衣を羽織った姿でやって来た。
「それじゃあイクわよ~。たかいたか~~~い。」
「「「うわ!ちょっと待てっ!!」」」
慌てて振り向いたが・・・・・・姿がない・・・・・。
「相変わらず大したものだ。」
「ご主人様、上、上。」
桔梗達の視線の先、璃々の指差す空を見上げると既に、点の様にしか見えない貂蝉と卑弥呼が・・・・・。
「竜胆め、嬉しそうにはしゃいでおる♪」
「崔莉ったら手を振ってるわ♪」
「二人共いい顔で笑っておるの♪」
桔梗!紫苑!祭さん!見えるのかっ!?
この三人の弓の腕前なら確かに目が良いのは解るけど・・・。
「はーい!みんな!ちょっと下がって!」
しばらく空を見つめていると今度は二人が降って来た。
璃々がみんなを下げたのは着地点の確保か。
「ふんぬううううううううううっ!!」
「どっせえええええええええいっ!!」
掛け声とは裏腹に、二人の着地は砂埃すら上がらないほど静かだった。
どうやって衝撃を分散してるんだ!?
貂蝉の掲げた手の中では竜胆が、卑弥呼の手の中では崔莉がはしゃいでいる。
「おい・・・・・貂蝉、卑弥呼・・・・・どこまで跳んだ・・・」
「そうねぇ~、軽く600メートルって所かしら?」
「634メートルだ。この程度の距離が把握出来んとは、鈍ったな、貂蝉!」
俺はスカイツリーの高さを訊いたわけじゃないぞっ!
「低い雲を突き抜ける高さだぞ、それ!気圧の差も有るのに子供の体がどうにかなっちゃうじゃないかっ!!」
「それなら大丈夫よ、ご主人様。一人一人影響のない高さを見極めて跳んでるから。」
「私達が本気で跳んでいたら大気圏を突破しているぞ♪」
・・・・・冗談に聞こえん・・・・・。
「ご主人様、心配しすぎだよぅ。わたしもしてもらってたけど、凄く面白いんだよ♪」
璃々にもしてたって、そんな前からだったのか・・・・・・。
「「ちょうせん!ひみこ!はやく、はやくー!!」」
「おうおう、次は宴と露柴だな。」
「それじゃあイクわよ~ん。」
今度は二人が跳び上がる所から見れたが・・・・・・・あっという間に上空に消える姿は、正に『人間ロケット』・・・・・。
「あいつらが人間かどうかはともかく、絶叫マシーンの代わりにはなるな。」
「絶叫ましーんって何?」
「『遊園地』っていう施設であの貂蝉と卑弥呼みたいな事をする大掛かりなからくりの事。」
「へ~、面白そうな施設なんだね、『遊園地』って。」
俺たちは璃々に浦安にある超有名テーマパークを例にとって詳しく説明した。
説明しながら思ったが、貂蝉と卑弥呼なら絶叫マシーンの殆どを再現出来そうだな。
そうなるとあいつらは『歩くテーマパーク』って言った方がいいかな?
「そのネズミの代りに貂蝉と卑弥呼を使ったら『漢女ランド』になるね♪」
「「「・・・・・・・・・・・・はい?」」」
璃々の言葉に思わず想像してしまった。
そこら中に貂蝉と卑弥呼の顔をモチーフにした絵が溢れかえり、二人の着ぐるみが園内を大量に闊歩する・・・・・・・・・。
それは『巨大お化け屋敷』だっ!!
しかも一般人が入るには敷居が高すぎっ!!
あとがき
萌将伝での桔梗の笛の話が好きです。
でも桔梗が魅力的すぎて
欲望に負けてこんな話にw
焔耶との過去話が偶然にも
おちR様の白蓮伝と近い時期の投稿になって驚いています
正に天の時!
貂蝉と卑弥呼の『高い高い』
武将の子だったらこれくらいの高度の気圧差にも耐えられるかなとw
軍師の子はこれの1/10
普通の子供は貂蝉と卑弥呼の容姿に耐える事が最初の難関でしょうねw
《次回のお話&現在の得票数》
☆蓮華 13票
という事で次回は蓮華に決定しました。
蓮華の為に封印していたエピソードを開放します!
以下、現在の得票数です。
七乃 13票
白蓮 12票
詠 12票
凪 11票
朱里+雛里10票
数え役満☆シスターズ10票
猪々子 9票
流琉 9票
月 9票
ニャン蛮族9票
小蓮 9票
明命 8票
亞莎 7票
秋蘭 7票
穏 6票
焔耶 6票
音々音 5票
斗詩 4票
二喬 4票
春蘭 4票
華雄 2票
※「朱里と雛里」「美以と三猫」「数え役満☆シスターズ」は一つの話となりますのでセットとさせて頂きます。
リクエスト参戦順番→ 蓮華 凪 朱里+雛里 猪々子 穏 白蓮 亞莎 流琉 七乃 ニャン蛮族 小蓮 詠 焔耶 明命 数え役満☆シスターズ 秋蘭 月 斗詩 二喬 春蘭 音々音 華雄
過去にメインになったキャラ
【魏】華琳 風 桂花
【呉】雪蓮 冥琳 祭 思春 美羽
【蜀】桃香 鈴々 愛紗 恋 紫苑 翠 蒲公英 麗羽 桔梗
引き続き、皆様からのリクエストを募集しております。
リクエストに制限は決めてありません。
何回でも、一度に何人でもご応募いただいても大丈夫です(´∀`)
よろしくお願い申し上げます。
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得票数18の桔梗のお話です。
懐妊確認後+五ヶ月後+おまけ姐姐†無双となります。
引き続き、どの恋姫メインの話が読みたいのかリクエストを募集しております。
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