No.514263

SAO~黒を冠する戦士たち~ 第百五十技 色々祝おう

本郷 刃さん

第百五十話です。
最後の部分は、タイトルに反してキリトがシリアスを醸し出します。

どうぞ・・・。

2012-12-02 10:57:18 投稿 / 全3ページ    総閲覧数:10947   閲覧ユーザー数:10089

 

 

 

 

 

 

 

 

 

第百五十技 色々祝おう

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

キリトSide

 

昨日のボス戦(あと夜)の疲れもあってか、目を覚ましたのは午前九時。

 

丁度アスナも目を覚ました。アスナが朝食を作っている間、俺は新聞を読んでいた。

 

俺達の時同様に、シャイン達のことが載っている。

 

『新たなユニークスキル、今度は五人!』、『またもや黒衣衆、彼等は最早希望の星!』というのが書かれていた。

 

そこで朝食を作り終えたアスナが料理を運んできた。それらが置かれて彼女が隣に座る。

 

「それじゃ、いただきます」

 

「いただきま~す」

 

朝食を取り始める。アスナは俺にピッタリと寄り添いながら食事を進めていく。

 

さすがに昨日の今日では、まだ中々離れるのは難しそうだと思い、

アスナに気付かれないように思わず苦笑する。

 

その時、≪記録結晶≫による写真が添付されたメッセージが届いた。

 

送り主はハクヤ。アスナと一緒にメッセージを開くとそこには、

 

―――『俺達、結婚しました』

 

この言葉と共にハクヤとリズが腕を組んでいる写真が出てきた。

 

「まったく、ようやくか…」

 

俺は二人の想いが繋がったことに安堵した。

 

この二人は随分と遠回りになったが、これで大丈夫だろう。一方で…、

 

「………」

 

アスナは呆然としていた。

 

「おい、アスナ?」

 

「キリトくん……夢じゃないよね?」

 

「あ、あぁ、現実だな」

 

「……った、よかった…」

 

「アスナ…」

 

彼女は泣いた。だけどそれは悲しみからではなく嬉しさからだと分かる。

 

かつて俺がアスナにプロポーズした時のように。アスナは親友の夢が叶ったことが嬉しいんだ。

 

「そうだな…精一杯、祝ってやろうな」

 

「(ぐすっ)うん♪」

 

俺達はすぐさま食事を終えて、みんなに連絡を取った。

 

 

 

第25層にある黒衣衆の隠れ家・『隠の家』、そこに俺達は集まった。

 

25層といえばかつて『軍』が多大な被害を被ったことで有名だ。

 

死者が多数出たこともあり、ここに近づきたいと思うものは少ないだろう。

 

それを隠れ蓑にして、俺達黒衣衆はこの層のフィールドにある一部だけモンスターが出現しない

森の中に隠れ家を構えたわけだ。

 

とまぁ、そんな話は置いておこう。折角の祝いだからな。

 

この場には毎度お馴染みのメンバーが揃っている。

 

俺達黒衣衆、アスナ、リズ、シリカ、クライン、エギル、黒猫団という面々だ。

 

ちなみにこの場には≪回廊結晶≫を使って移動してきた。

 

この家がバレるわけにはいかないからな。

 

「みんな、飲み物は行き渡ったな? よし、そんじゃ、今回も俺が音頭を取らせてもらうぜ」

 

シャインの言葉に、全員で笑みを浮かべて頷く。

 

「みんな知っての通り、今回のメインはハクヤとリズちゃんの結婚祝いだ。

 それと一緒に俺はいくつか祝いたいことがある。

 まずは76層の突破。ボスを打ち倒せたんだ、俺達自身も祝っていいことだと思う。

 んで、もう一つは……キリト、ハジメ、カノン、そんで今回の主役の一人でもあるハクヤの生還だ。

 四人が生きていたからこそ76層の突破、そんで今回の二人の結婚も為せたと思うんだ。

 だから……76層突破、四人の生還、ハクヤとリズちゃんの結婚を祝して、かんぱーい!」

 

「「「「「かんぱーい!!!」」」」」

 

それぞれが持つ飲み物が入ったコップをぶつけて宴会が始まった。

 

 

 

「リズ、おめでとう!」

 

「おめでとうございます、リズさん」

 

「おめでとう、リズ」

 

「リズさん、良かったですね」

 

「おめでとう。ホントに良かったわね」

 

「ありがとう、みんな///」

 

アスナ、シリカ、サチ、ティアさん、カノンさんの女性陣はリズに祝いの言葉をかけていく。

 

かくいう俺以外の男性陣もハクヤと肩を組んだり、背中を叩いたりと言い方は悪いが群がっている。

 

俺は暑苦しいのは面倒なので離れてその様子をみている。というのも、どうにも嫌な予感が拭えない。

 

いまこの時にではなく、すぐに訪れることになるであろう77層に対してだ。

 

75層に比べ、圧倒的に強くなった76層のボス。

 

乱入してきた堕天使モンスター達、それ自体は構わない。

 

ボス戦に取り巻きのモンスターがいることは多々あった。

 

だが今回の問題点はその強さだ。攻略組でも手を焼く能力を持つ取り巻きなどさすがにいなかった。

 

特に50層を越えた辺りからは取り巻きモンスター達は出現しなくなったと言っても過言ではない。

 

だがそれも、四分の三を越えたからかもしれないという推測ができる。

 

それでも茅場が少し手を加えたのではとも考えられる。そして一番気に障るのが…。

 

「(ボソッ)根深い悪意……」

 

武を身に着けたことで、最も役に立ち、最も察知したくないものだ。

 

俺は笑顔を浮かべている仲間達に目を向ける。そうだな、例えなにがあっても…、

 

「守る為なら……頑張るしかないよな…」

 

みんなを守ってみせる…そう心に誓った。

 

キリトSide Out

 

 

 

To be continued……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

後書きです。

 

キリトさんのハイスペックぶりを発揮しました(悪意探知)w

 

まぁ、これが新ストーリーに繋がるんですけどね・・・。

 

新ストーリーはずばり「悪意の騒乱編」・・・またの名を「ラフコフ騒乱編」ともいいます。

 

次回から始まるラフコフの行動、それを追うキリト達。

 

是非お楽しみに・・・。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


 
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