No.512457

~サクラチル~ 「プロローグ」

タカさん

はじめまして皆さん。 タカと申します。
他の方々の素晴らしいssを読んでいたら、我慢できなくなってついに自分でも描いてしまいました。
初投稿、初小説なので拙い部分が多々あるかと思いますが、温かい目で見ていただけると幸いです 汗

なお、誤字脱字の指摘・感想等のコメントもお待ちしております ノシ

2012-11-26 18:04:28 投稿 / 全4ページ    総閲覧数:466   閲覧ユーザー数:455

 

 

◆まえがたり

 

 『・・・・・やぁやぁ、はじめまして読者のみなさま。 ようこそ、“物語の世界へ”』

 

 『まず最初に言っておくが、「お前は誰だ?」って質問はやめてくれ。 俺に名前なんてない』

 

 『俺はただ、人々に物語を語り、伝える。 ただそれだけの存在だ。』

 

 『それでもどうしても何か名前で呼びたいって言うなら、そうだな・・・・・“語人(カタリト)”・・・・・なんてどうだ?  思いつきだが、それっぽいだろ?』

 

 『さて、じゃあ本題に入ろうか』

 

『この世界には何千・何億という物語が存在し、俺はその中から一つを選んで君たちに語る訳だが・・・・・・・・・』

 

 『先に言っとく。 君たちに選択権は無い。』

 

 『語る物語は俺が勝手に決める。 俺の気分と、場の雰囲気でな』

 

『それが気にいらないなら、今すぐこのページを閉じてもらっても構わない。』

 

 『それでも良ければ続けるとしよう。 さて、どんな物語にしようか・・・・・・・』

 

 

 『剣と魔法のファンタジー? ・・・・・・なかなか燃えるが、ベタ過ぎる』

 

 『一人の男を巡る女二人の愛憎劇? ・・・・・・・・・・嫌いじゃないが、今の気分じゃないな』

 

 

 『ふむ・・・・・・・よし、これにしよう!』

 

 『こいつは、無数にある物語でも俺のお気に入りの一つだ』

 

 『では語り始める前に、少しだけこの物語を紹介しよう。』

 

 『こいつは、“ある一人の男の物語”だ』

 

 『それ以上でも、それ以下でもない』

 

 『何? それのどこがおもしろいのかって・・・・・?』

 

 『言っただろう? 語る物語は俺が決めると』

 

 『もう一度言うが、気にいらないならこのページを閉じるといい。 別に引きとめはしない』

 

 『それから、この物語がハッピーエンドなのか、それともバッドエンドなのか・・・・・なんて考えてるやつも読むのはやめた方がいい。』

 

 『なぜなら、そんなものは読み手の価値観によって簡単に変わってしまうからだ』

 

 『最終的に主人公が巨万の富を手に入れたとしても、それが幸福とは限らないし』

 

 『仮に主人公が命を失おうとも、それが悲しい結末だとは言い切れない』

 

 『それが理解できる者だけ、これから先を読んでくれるといい』

 

 

 

 

 

 『・・・・・・・・・・・準備はいいかな? では、退屈な前口上はこのくらいにしてそろそろ始めよう。』

 

 『ここまで語るのに、ざっと900と5文字。 この物語を語りつくすのに、いったい何文字かかるかは見当もつかないが・・・・・どうか、最後までお付き合いを』

 

 『さっきも言ったが、これは“ある一人の男の物語”』

 

 

 『愚かな程に優しく、悲しい位まっすぐな・・・・・・・』

 

 

 『愚かで悲しい、男の物語』

 

 

 『物語の名は・・・・・・“サクラチル”』 

 

 

 『随分待たせてしまったな。 ではでは・・・・・・物語の始まりだ』――――――――――――――――――――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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                       ク

                       ラ

                       チ

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◆プロローグ

 

――――桜の花びらが散っていた。

 

風に吹かれてヒラヒラと・・・・・色づいた雪の様に舞い落ちて、並木道を少しずつ埋めつくして行く。

 

その桜色のじゅうたんの上を歩く、一組の男女。

 

肩を寄せ合い中むつまじく、桜の木を見上げて歩く。

 

女は男より少し前に出ると、散っていく花びらを見ながら寂しそうに言った。

 

 「・・・・桜、今年も散ってしまいますね」

 

 「ああ、そうだね」

 

頷く男。

 

女と同じ様に、散っていく桜を慈しむ様な優しいまなざしだった。

 

 「だけど、来年もきっと綺麗に咲くさ」

 

 「きれいに咲いても、こうして見に来れる保証はありません」

 

降り積もった花びらを軽く蹴散らしながら、女は口をとがらせた。

 

 「大丈夫。 来年もまた、二人で見に来よう」

 

拗ねた子供をあやす様な、男の優しい口調。

 

 「ほんとうですか? 約束ですよ?」

 

一変して女は笑うと、うれしそうに右手を出して小指を立てた。

 

それに答えるように、男もニッコリと笑って同じ様に手を出す。

 

 「ああ、約束だ」

 

そう言いながら、二人の小指が絡み合う。

 

舞い散る桜の花びらの中で、二人はささやかな約束を交わした。

 

これから起こる辛く悲しい出来事など、まるで知る由も無いままに―――――――――――

 

 

 

 

 

 

◆あとがたり

 

 『やぁ、また会ったな。』

 

 『ざっと500と17字ぶり・・・・まぁ、たいした時間じゃないか』

 

 『それで、読んでみた感想は?』

 

 『なに? まだ何も始まって無いじゃないかって?』

 

 『まぁプロローグなんだ。 これくらいが適当だろう?』

 

 『最初からダラダラと長く語ったところで、ろくな事にはならない』

 

 『とはいえ、あまりもったいぶるのも好きじゃない』

 

 『この続きを語るのも、そう先の事じゃないだろう』

 

 『だがとりあえず、今回はここまでだ』

 

 『ではでは・・・・・また次回でお会いしよう』

 

 

 

 

 
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