第1話『再集結』
2012年夏、稲羽市・・・。
最寄りの都市から電車で3時間と、『田舎』を体現したこの町に不釣り合いなデパート『JUNES八十稲羽店』
その屋上、フードコートに一人の青年が佇んでいた。
「俺が最初か・・・。」
灰色の少し癖っ毛の青年、彼の名は「鳴上 悠」。
今年の3月末までの1年間をこの町で暮らし、この町で発生した“ある事件”を解決へと導いた男子高校生だ。
「まだ半年も経ってないが・・・、懐かしいな・・・。」
この町を去ったはずの彼が何故ここにいるのか?
それについては順を追って説明しよう。
この地を去って新たな地へと彼は赴いたのだが、親が再び仕事で転勤する事になったため、今回は一人暮らしを行うことになった。
初めての一人暮らしだったが、これまでの1年間で培った知識・家事能力・アルバイトの経験を持ってすればそれは特に難しいものではなかった。
そして新たな生活にも慣れてきたその時、彼の下に電話が入った。
それは彼にとって最も信頼できる相棒「花村 陽介」からのものだった。
≪「よう、悠!久しぶり!急に電話してワリ~な。実はちょっと話があんだけど・・・。」≫
その内容は「高校最後の夏休みに特別捜査隊の皆と一緒に旅行に行かないか」というものだった。
アルバイトで金銭面にも余裕があり、特に予定のなかった彼はこのお誘いに快く応じた。
≪「おっしゃ!そんじゃ、7月○△日の午後1時に“特別捜査本部”で集合な!遅れんなよ~!」≫
そうして現在に至るわけである・・・。
だが・・・。
(それにしても・・・。ちょっと早く来すぎたな・・・。)
現在の時刻は丁度、午後0時だ。
くどい様だがこの稲羽市は都市から電車で3時間かかるのだ。
だから万が一を考慮して早めに出発したのだが、特に問題も起こる事なく到着できたため、1時間前に着いてしまった。
(仕方ない、少しジュネスの中で時間を潰すか・・・。)
そう思い移動しようと思ったその時、
(・・・ん?あれは・・・。)
彼の前に3人の見慣れた者達が現れた。
1人はドクロの描かれたシャツを着た強面の金髪長身の男子。もう1人は最先端のファッションを自然に着こなしているツインテールの少女。もう1人は帽子を被り機能性重視な恰好をした中性的な顔立ちの人物だ。
「それにしてもチョイと、早く来すぎじゃねえのか?」
「何言ってんの!久しぶりに先輩に会えるのよ!?アンタ嬉しくないの!?」
「いや、確かに嬉しいけどよ・・・。」
「それに時間ギリギリになるより良いと思うよ?巽君。」
傍から見たら強面の金髪長身の男子が2人にカツアゲでもしている様に思われるかもしれないが、実際は全くの逆であり、その空
間も非常に和気藹藹(わきあいあい)としたものである。
「まぁ・・・、それもそうか。・・・って、あ!?」
「どうしたのよ?」
「どうかしましたか?」
「「あっ!?」」
今まで会話に夢中だった3人が悠に気付いた。
「完二、りせ、直斗。3人共久しぶりだな。」
「鳴上先輩!!」
「悠先輩!!」
「先輩!!」
そう、この3人こそ彼にとって大切な仲間「巽 完二」、「久慈川 りせ」、「白鐘 直斗」である。
「何だ、もう来てたんスか。先輩!」
「あ~あ。折角出迎えようと思ってたのに~。」
「お久しぶりです、先輩。」
「元気そうだな、3人共。」
>丁度、後輩3人と合流し、近況を話し合う事で他のメンバーを待つ事になった・・・。
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ペルソナ4とリリカルなのはのクロスオーバーです。
Pixivとハーメルンでも投稿している作品を、テストで投稿します!