No.502831 SAO~黒を冠する戦士たち~番外編 トリック・オア・トリート本郷 刃さん 2012-10-31 23:07:40 投稿 / 全10ページ 総閲覧数:17693 閲覧ユーザー数:16662 |
前書き兼注意です。
この話しはネタバレを含んでおります。ですので、ネタバレが嫌な方々はブラウザの戻る
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読んでみたいという方々は、是非お楽しみください。
現実世界とALO内の両方の話しになります。
時間軸に関しては、スルーの方向でお願いします。
それでは、どうぞ・・・。
SAO~黒を冠する戦士たち~番外編 トリック・オア・トリート
和人Side
秋も深まり始めた10月末。世間では俗にいうハロウィンである。
街に出ればハロウィンムード一色で、飾り付けやハロウィンセールなども行われている。
俺の通う学校でも、少しながらその雰囲気は出ていた。例えば学食や購買。
両方ともカボチャを使った料理やお菓子を出している。
購買だと、女の子が好きそうな可愛らしいペンなども売られている。
まぁ、そんなことを考えながら学校に登校してきたわけだ。ちなみに今日は、明日奈とは別登校である。
「おはよう」
「……おはよう、和人」
「オッス、カズ」
「おはようさん」
「桐ヶ谷君、おはよう」
教室に入りながら挨拶をすると、景一をはじめ、興田、村越、クラスメイトが挨拶を返してくれた。
実にいつも通りだ……と思ったが。
「トリック・オア「ほれ、飴玉」orz……」
興田が言い切る前に服のポケットに突っ込んでいた飴玉を渡した。
なぜ俺が飴玉を持っているかというと、ハロウィンということもあるのでその対策に買っておいたのだ。
鞄の中には他にも飴玉の袋がいくつか入っている。
「先手を打たれたな」
「……相変わらず、和人は手を打つのが早い」
「菓子が無くて何を強要されるか分からないからな」
村越が苦笑しながら言うと、景一は感心しており、俺は困ったように返答した。
現に、俺に「トリック・オア・トリート!」の言葉で何かをしようとしてきた奴ら(男女問わず)がいたが、
全員に飴玉を渡して難を逃れている。
先に言っておくがイタズラを目論んでいそうな奴らには全て薄荷味の飴玉を食わせた。
一部の変態(息を切らせて妙な目つきで俺を見た奴)には、ゲテモノ味のモノと右ストレートをお見舞いしてやった。
興田には普通のフルーツ味の飴玉を渡した。
「……何人撃退に成功した?」
「校内に入った途端に7人、ここに来るまでに15人を撃退した」
訊ねてきた景一に人数を教え、
「ちなみに男子は何人居たんだ?」
「……聞きたいか?」
「……ごめん」
さらに村越に聞かれたものの、あの現実を思い出して言葉に詰まると、村越は謝ってくれた。
言いたくないさ……男子が過半数を超えていたなんて…。
「俺が言うのもなんだが、ご愁傷様。昼飯くらいは奢ってやるよ」
「……ありがとう…」
興田の小さな優しさになんだか切なくなってきた。その後、担任がやってきたのでそのまま授業となった。
午前の授業が終わり、昼休みになった。
「よし、メシ行こうぜ!」
「そうだな」
「……ああ」
「んじゃ、早く行こう。席取られるだろうし」
興田がそう言ったので、俺と景一と村越は椅子から立ち上がり教室をあとにして、学食のカフェテリアに向かった。
早めに来れたお陰か、俺達が座れるくらいの席はちらほらと空いていた。
「ハロウィンメニューか……試してみるかな」
「……私は焼き魚定食にしよう」
「俺はカツカレーでいくか。ガッツリ食っときたいし」
「俺もハロウィンメニュー食ってみるか」
俺、景一、興田、村越の順でメニューを決めていった。
俺達は料理を頼んでから、受け取り、手頃な席を探していると…、
「和人く~ん!」
名前を呼ばれた。呼ばれた方を見て分かった。俺を呼んだのは…、
「こっちこっち!」
俺の彼女である明日奈だった。そばには里香、珪子、志郎、烈弥、刻の五人がいる。
そこに俺達も加わり、計十人になった。明日奈の前に座っていた刻が、俺に席を譲ってくれたので、ありがたく座る。
図 明
興 景 里 日 珪
田 一 香 奈 子
―――――――――――
テーブル
―――――――――――
村 刻 志 和 烈
越 郎 人 弥
「あ、和人くんハロウィンメニューなんだ」
「折角の限定メニューだからな」
ちなみにメニューの内容はカボチャをメインにした野菜スープ、カボチャを使用したパン、
デザートにカボチャを使用したパイ、カボチャジュース、そしてハンバーグだった。
ハンバーグにカボチャが使われていなかったことは幸いだ。
「見事にカボチャばかりね…」
「少し、甘そうです」
「………」
ハロウィン料理を見た里香と烈弥は微妙な顔つきになり、景一は沈黙している。
しかし、俺と村越は気にせずに料理を口にする。
「ん~~~、メッチャうまい!」
「だな。『鼠』の情報通りだ」
料理の美味さに村越と俺は声を出して感想を述べた。
それを聞いたみんなは驚いた表情を浮かべる。
「マ、マジか、村越!?」
「和人、いま『鼠』って言ったか!?」
「も、もしかして、アルゴさん!?」
興田と志郎と明日奈はすぐさま情報屋のことを思い出して声を上げた。
「アルゴって…情報屋の!?」
「ちょっ、それ聞いてないっすよ!?」
「ホントなんですか!?」
「……初耳だ…!?」
「ふえぇぇぇぇぇ!?」
アルゴのことを聞いた里香、刻、烈弥、景一、珪子も驚愕の声を出している。
驚いてる驚いてる(笑)。自分で言っておいてなんだが、まぁ驚くよな。
「俺だって知った時は驚いたよ。まさか、あいつが学生だとは思わなかったからな。
しかも俺の前に出てきた時は運動服を着ていて、顔を帽子とマスクで隠していたし。
そのうえ声まで変化させたんだ。抜け目がなさすぎだ」
「ず、随分と徹底してるんだね、アルゴさん…」
俺の言葉に明日奈は呆れており、その時場に居合わせた村越は苦笑を浮かべ、他のみんなは呆然としている。
「しかも姿を隠す理由は……情報にするためらしい…」
「げ、現実でも情報屋なんですね……」
俺が言うと刻は苦笑しながら言った。
「呆れてなにもいえないな…」
「そう褒めるなヨ、ハクっち」
「「「「「っ!?」」」」」
志郎が呟くと彼を呼んだ声がしたのでそちらを見ると、顔を包帯で覆い隠し、
サングラスをかけた如何にも怪しい人物が立っていた。ご察しの通り、あいつだ。
「も、もしかして……アルゴ、さん…?」
「久しぶりだネ、アッちゃん…って言っても、ALOで会ってるけどネ」
「「「「「(怪しすぎる!)」」」」」
明日奈が聞くとアルゴが答えた。
そして間違いなく、この食堂にいる全員が怪しいと思ったはずだ。
「ちなみにこの格好は仮装なんだヨ。ミイラ男ダ」
なるほどな。仮装ということにかこつけて正体をバレないようにする、と。
「キー坊、ルー坊、ハロウィンメニューは当たりだったダロ?」
俺達をキャラネームのあだ名で呼ぶのはアルゴである証拠だな。
「お前の情報通りだ」
「いい
「そりゃ良かっタ。今後も『鼠の情報屋』をヨロシク。そんじゃナ」
俺と村越が軽く言葉を掛けると少し宣伝をしてから軽い足取りで去って行ったアルゴ。
俺達があいつの本名を知る日は来るのだろうか?
「と、とりあえず、食べよっか?」
「そ、そうね」
「なんか強烈でした…」
明日奈の一言に里香が頷き、烈弥はかなり印象に残ったようであった。
うんうんと頷く一同。俺達は食事を再開した。
「ねぇねぇ、和人くん。スープちょっとだけ頂戴」
「わかった、はい、あ~ん」
「にゃっ//////!?」
スープを欲しがった明日奈にこの方法で飲ませようとする俺。
興田は恨めしそうに、村越はニヤニヤしている。
烈弥、志郎、景一、刻の四人はいつものことだとスルー。
里香と珪子は、心なしか羨ましそうにみている。これは伝染したな。
「うぅ~…はむっ///」
ホントに可愛いなぁ~、明日奈は。
そう思っていると、明日奈は自分が食べていたパスタをフォークに巻きつけて俺の口元に持ってきた。
「和人くんも、あ~ん///」
「あむ(もぐもぐ、んく)。うん、美味いな」
俺は恥ずかしげもなくあっさりと口に入れる。
なんせ恋人にしてもらっているんだぞ、恥ずかしがる意味がどこにある。
俺はふと視線に気付いた。
二つは里香と珪子、二人はそれぞれに実行しようと決意したようだ。
そしてもう一つは……興田。血涙を流すな、恐いぞ。
「あ、あ~ん、です//////」
「え、えっと…(ぱく、もぐもぐ、んく)、おいしい、よ//////」
まずは珪子が食べていたオムライスを烈弥の口元に持っていき、チャレンジして見事に成功。お次は…、
「は、はい、あ~ん//////」
「…んむ(もくもく、ごくん)。美味い、な」
里香はグラタンでチャレンジ。志郎の反応が鈍いのは、恥ずかしいからだろうな。
そのあとは普通に食事を進めた。みんなが次はハロウィンメニューを食べると言っていたのは、気のせいではない。
放課後。今日は俺も明日奈も五限目までの授業だったので、
HRをすっ飛ばしてそのまま放課後デートにしゃれ込んでいる。
「ん~、カボチャクリームのクレープ美味しい~」
「確かに、意外といける」
明日奈と俺はこれまたハロウィン期間限定のカボチャクリームのクレープを公園の屋台で買い、
ベンチに座り食べている。俺、今日はカボチャ食べてばかりだな。
「あ、クリーム付いてるよ(ペロッ)///」
「ん、ありがと」
俺の口元についていたのであろうクリームを明日奈が舐めとってくれた。役得、役得っと。
「そういえば、ALOでもハロウィンイベントがあるんだったな」
「そうだったね。確か~、ジャックランタンのモンスター討伐イベント、
そのモンスターがドロップするアイテムを交換して入手するもの、あとはコスプレイベントだったかな?」
「そうか。折角だから、参加しなくちゃな」
「もちろんだよ♪ みんなも誘ってね」
「だな」
話し終えた頃にはクレープも食べ終わり、ベンチから立ち上がろうとした時、明日奈に手を掴まれた。
「どうした、明日奈?」
「ん~とね、トリック・オア・トリート!」
「はいはい。えっと……あれ?」
対策の為に持っていた飴玉を渡そうと思い、服のポケットや鞄の中を探ってみるが、一つもない。
どうやら全弾使い切ったようだ。これでは迎撃が出来ない。
明日奈の方を見てみると、意地の悪い笑みを浮かべていた。
「まさか、明日奈…」
「えへへ~、実はみんなに頼んで和人くんの持ってる飴玉を消費してもらったんだ」
どおりで何人も「トリック・オア・トリート」と言ってきたわけだ。
明日奈の頼み(一部本物の変態も居たが)で俺に言いに来たわけか。
確かに友人一同からも言われたからな。ならば仕方が無い。
「明日奈、ちょっと……」
俺は明日奈の手を引いて立ち上がらせる。
「あ、お菓子買ったりとかは駄目だよ」
「買わないよ。明日奈相手ならそもそも買う必要ないし」
そのまま手を引いて、公園の木々の裏に回り込む。明日奈は僅か、いやかなり動揺している。
「えっと……和人くん、ここで何を…?」
「賢い明日奈さんなら、これだけで分かるんじゃないか?(ふぅ)」
「ひゃうっ/////////!?」
俺は明日奈を木に押しつけ、彼女の耳に息を吹きかける。ほとんど抱き締めている状態だ。
「な、なん、こんな…//////」
「そっか、明日奈は『トリック・オア・トリート』の本当の意味を知らないのか」
「ホントの、意味…//////?」
顔を紅くしながらそう呟く明日奈。
おそらく明日奈は自分のペースで、俺に何かをやらせようとしたのだろうけど、こうなれば俺の勝ちだ。
それにしても可愛いな。
「ん…ちゅっ、んん…」
「んむ、ちゅんっ…んぅ……ぴちゅ、ぁ…/////////」
俺は強引に明日奈の唇を奪う。
必死に抵抗してくるが、当然ながら俺の拘束から彼女が抜け出せるはずもなく、抵抗の波は収まり身を預けてきた。
そこで唇を離し、話しを続けた。
「『トリック・オア・トリート』は一般的には子供にも分かり易いように、
「お菓子をくれなきゃ、イタズラするぞ」と言われるんだが、
本当は「もてなさないと、悪戯をするぞ」ということらしい」
「つ、つまりわたしはいま、もてなされているの//////?」
「もちろん♪ 今からたっぷりと……もてなしてあげるよ(ニヤリ)」
「あ、その……どこか別の場所で、っていうのは…//////?」
「なら、移動するか」
そう言って俺は明日奈を引っ張って近くにあったホテルへと直行した。
俺は明日奈をたっぷりともてなして、俺は明日奈というお菓子をいただいた(笑)。
明日奈との一悶着のあと、彼女を家に送り届けてから帰宅。
スグと夕食を取り終えた後は、二人揃ってALOへと入った。
そして現在、俺達のホームにていつものメンバーが集合している。
俺、アスナ、ユイ、黒衣衆、リーファ、シリカ、リズ、シノン、黒猫団、クライン、エギルの計二十一人だ。
「よし、揃ったな。まずはモンスター討伐からいくぞ。
間違いなく参加プレイヤーは多いはずだが、とにかく狩りまくるぞ!」
「「「「「おぉ!」」」」」
俺は号令掛け、皆の掛け声を聞いてから、俺達はアインクラッドの中から外に出て、
ジャックランタン型モンスターの狩りに向かった。
一時間後、夜八時半。一通りの狩りを終えた俺達は全員で集まった。
「さて、どんなアイテムか検証してみるか」
皆で手に入れたアイテムを確かめていく。とはいってもほとんど同じアイテムだった。
まずは調理素材の≪ランタンパンプキン≫、交換用アイテムの≪パンプキンソウル≫、
モンスターが持っていたと思われる武器の『ジャックスダガー』だ。
武器は他の二つに比べればドロップ率は低いようだが、それでも出ないわけではないらしい。
みんな一つは持っておく算段だろう。
これについてはパンプキンソウルも同様で、一つは残しておき、残りは交換に使う。
調理素材の方は、シャインと女性陣がデザートや料理を作るのに必要と思われる。
アスナの料理が楽しみだと思っているのは、目が合った俺とユイの秘密だ。
「交換用のアイテムって、何に使うの?」
「確かNPCショップで色んなアイテムと交換できたはずっすよ」
「俺が聞いた話では、道具屋だと通常の回復アイテムとか補助アイテムと交換できるらしいぞ」
「鍛冶屋でも特別製の武器と交換できるって聞いたわ」
「装飾店では一部のアクセサリーと交換が可能みたいです」
「俺はアルゴから情報を買ったんだけどな。
運営がお針子プレイヤーと協力して、そいつらの服屋とかでコスプレアイテムと交換できるってよ」
サチの質問にルナリオ、エギル、リズ、ティア、クラインが答えていく。
「コスプレアイテム、ですか?」
「まぁ、お化けとか妖怪とかそういうのだろう」
「夜の十時からあるコスプレイベントに使うんじゃねぇのか?」
「……そうだろうな」
リーファの疑問にハクヤとテツが答え、ハジメは頷いた。
「どんなのがあるんだろう?」
「とりあえずみんなで行ってみませんか?」
「そうしましょうか」
「楽しみだな」
シノンとヤマトはどんなものか気になるようで、カノンさんも賛同し、ロックは楽しみにしている。
「わたしのもあるでしょうか?」
「ない時は元のサイズに戻って、ね?」
「ユイにはその手があったな」
ユイも楽しみにしているようで、アスナと俺も心が躍っている。
とにもかくにも、俺達は服屋に行く事となった。
―――カランッカランッ
「いらっしゃい……て、みんな来たのね」
俺達がやってきたのは
「こんばんは、ラルド」
「コスプレアイテムってあるのかしら?」
「もちろん、これが一覧よ」
特に仲の良いティアさんとカノンさんが挨拶を交わしてから、俺達も一覧をみせてもらう。
「色々あるんだ」
「どれにしようか悩んじゃう…」
「そうだね」
「折角だから派手なのとか面白いのがいいな~」
ケイタ、シリカ、ヴァル、シャインを筆頭に皆が思い思いのコスプレアイテムを選んでいる。
俺はどうするかな…。
「悩んでいるみたいだし、私がみんなに合いそうなのを選別しておくわ」
俺達はラルドさんの提案に任せた。それぞれ衣装を受け取る。
「キリト君、キミにはこれも…」
「?……これって!?」
俺はラルドさんを見る。彼女はウインクをしてから帰るように促してきた。
俺は一礼をしてから、店の外に出た。そして俺達のホームへと戻った。
夜十時前。男女で部屋を分けて、それぞれが衣装に着替える。最初に男性陣から紹介しよう。
エギル…フランケンシュタイン クライン…落ち武者 ケイタ…幽霊(男性バージョン)
テツ…ゾンビ ロック…ジャックランタン ヤマト…魔法使い(男性バージョン)
シャイン…デュラハン ルナリオ…狼男 ヴァル…金曜日の殺人鬼さん(笑)
ハジメ…鬼 ハクヤ…死神
という感じだ。
「まぁ、みんな似合っているな」
「キリト、お前が一番似合ってる…ていうか、似合いすぎだ!」
俺の格好にツッコむシャイン、俺の格好は吸血鬼だ。
殺しても死ななさそうということなんだろうな、ラルドさん。
「キリトさん、僕の説明が『金曜日の殺人鬼さん(笑)』になってるんですけど…」
「気にするな………作者の余興だ」
「はぁ」
ヴァルが聞いてきたので俺が答えるとよく分からないといった様子だ。
そうこうしていると、女性陣が部屋から出てきた。そこに居たのは……、
「は、恥ずかしいよ~//////」←アスナ、ミニスカ和服猫耳娘
「スカート、短いです//////」←シリカ、ミニスカ魔女っ娘
「なんなのよ、これ…//////」←リズベット、ミニスカ幽霊(女性バージョン)
「うぅ~~~//////」←リーファ、サキュバス
「//////」←シノン、ミニスカ巫女
「露出少なくて良かった…//////」←サチ、雪女(カスタムにより銀髪)
「少し露出が多いです//////」←ティア、天使
「あたしの方が多いわよ//////」←カノン、悪魔
「魔法少女マジカル☆ユイ、です♪」←ユイ、魔法少女
……………とりあえず、一言。
「「「「「ビューティフォー……作者グッジョブb!」」」」」
「どういたしましてwww んじゃ、帰るよ(シュンッ!)」
俺達男性陣の一言に作者が答え、そのまま帰っていった。
それにしてもハロウィンには程遠い衣装だな。さてと…。
「全員揃ったことだし、早速会場に「「「「「絶対いや(よ・です)!」」」」」……」
サチとユイ以外の女性陣が真っ向から拒否。まぁ、この格好じゃあな。
確かに他の男には見せたくないよな~。
エギルは結婚してるし、テツ、ロック、ヤマトは変な目では見ないから大丈夫だが。仕方が無い…。
「それじゃあ、露出が少ないバージョンで」
「……キリトくん、なんで持ってるの?」
「ラルドさんに最初はそれを着させて、ひとしきり楽しんだら普通のを渡して、と頼まれていたんだ」
「「「「「orz………」」」」」
俺が替えの服を取り出すとアスナが聞いてきたので、タネを明かすと女性陣が一様に落ち込んだ。
はっはっはっ、あ~楽しかった(笑)。
サチとユイ以外の女性陣が着替え終わった後、みんなでイベント会場へと向かった。
会場についた俺達。女性陣はそれぞれ彼氏の腕に抱きついている。
無論、アスナは俺の左腕に抱きついており、ユイは俺の右手を握っている。
「お、まだイベントの手続きやってるみたいだぜ」
「キリト、出てみたら?」
「一番似合ってるっすからね」
「そうだよ、キリトくん。参加しなよ」
「パパなら絶対に優勝です♪」
シャインがイベントの受付に気付くと、ケイタとルナリオ、アスナとユイが勧めてきた。
みんなから参加を促される。確かに切り札なら持ってきているし……よし、やってみるか。
「じゃあ参加してくる。みんな、アスナとユイをよろしく」
「頑張ってね~♪」
「頑張ってくださいです~♪」
アスナとユイ、皆に見送られながら俺はイベント参加受付所にエントリーを申請しにいった。
キリトSide Out
アスナSide
『それではこれより、『ハロウィン・イン・コスプレ大会』を開始したいと思います。
野郎共ぉぉぉぉぉ! 美女の姿が見たいかぁーーーーー!!!』
「「「「「うおぉぉぉぉぉ!!!」」」」」
『女性のみなさん! 男の姿をみたいですかぁーーーーー!!!』
「「「「「おぉぉぉぉぉ!!!」」」」」
『じゃあ、張り切っていくぜーーーーー!!!!!』
「「「「「いえーーーーーいぃ!!!!!」」」」」
司会者さんと観客の大勢の男女が歓声を上げる。
「み、耳がおかしくなりそう…」
「テンションの上がり過ぎで頭がおかしくなってんじゃねぇの?」
わたしが耳を抑えて言うとシャインさんもそう言った。
周囲のあまりのテンションの高さにわたし達は呆れ気味になっている。
『参加者は十人、早速いくぜ……よし。一番から四番までは男だからとばして「「「「おい!」」」」
黙れ参加者の男共、とにかくそこに並べ。それではエントリーナンバー五番のアニエスさんでーす!』
「「「「「うおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!」」」」」
男の人達が普通にとばされて、一気に女性の番。
その人が着ている衣装は悪魔なのだけど、隠せる部分は隠してほとんどの部分が露出しており、
一般の男性観客の人達が叫び声を上げた。
「しょーもな…」
「品が無いな」
「てか、ただの露出狂じゃねぇか?」
「さすがの俺も引くわ~」
シャインさん、ハクヤ君、クラインさんという彼女持ちは当然ながら、
テツ君も呆れた様子で仲間の男性陣一同は興味がないみたい。
それよりも自分達の腕に引っ付いている彼女を見ており、女性陣はみんな照れた様子。
『一気に盛り上がったな! 続いて、いくぜ! 六番から八番も男だからとばしてと「「「やっぱり…」」」
はいはい、とっとと並べ。九番の方、ルミさんどうぞー!』
「「「「「巫女さんキターーーーー(^O^)ーーーーー!!!!!」」」」」
今度は六番から八番の男の人達がとばされた。どうやらキリトくんは最後らしい。
九番目の女性は、かなり大人っぽくて大和撫子という感じの人だ。
衣装はシノのんと同じ巫女服で、さらに歓声だ上がった。
「……シノンの方が似合っているな」
「……/////////」
ハジメ君の返しに、真っ赤になるシノのん。
それにしてもホントに男の人っていうのは……あ、キリトくんやみんなは違うけどね。
『よし、最後だな。最後だから紹介してあげるか。
え~、それではキリトさんどうぞ………ん? キリト、さん……え、キリト? まさか……』
キリトくんの名前を言って、何かを思い出したらしい司会者さん。
そして歩いてきたキリトくんの姿は吸血鬼の衣装ではなかった。
「えっ!?」
「なっ!?」
「……っ!?」
「はいっ!?」
「マジかっ!?」
ヴァル君とハクヤ君にハジメ君、ルナリオ君にシャインさんは驚愕に目を見開き、
「あ、はは……」
「お、おいおいっ!?」
「本気かよっ!?」
「これは…」
ケイタ君は渇いた笑いをだし、テツ君とロック君は動揺して、ヤマト君は呆然とし、
「あいつ…」
「やりやがった…」
クラインさんとエギルさんは苦笑しており、
「ふ、ふぇぇぇぇぇっ!?」
「うそっ!?」
「キ、キリトっ!?」
「これはまた…」
「なるほど、ね…」
シリカちゃんはあまりのことに声を上げ、リズとサッちゃんは驚愕し、
ティアさんとカノンさんは状況を理解したのか納得して、
「え、どうしたんですか?」
「みんな、どうしたの?」
「パパ、カッコイイです♪」
「キリトくん…/////////」
ユイちゃんは喜びに体を動かし、わたしは彼のカッコよさに顔が熱くなったのが分かる。彼の姿とは…、
『……く、くろの…せいま、けんし……っ、【黒の聖魔剣士】、キリトーーーーー!』
SAOにおいて最強の称号を手にし、ラスボスである茅場晶彦を打ち倒し、
あのデスゲームをクリアへと導いた、漆黒の黒衣を身に纏う英雄、【黒の聖魔剣士】キリトくんだった。
アスナSide Out
キリトSide
くっくっくっ、驚いてるな~。俺もラルドさんから受け取った時は驚いたよ。
女性陣の服はカムフラージュで、本命はこの服だったんだからな。
『……最早なんとも言えません……。あ、自分SAO時代からのファンでした! 握手お願いします!』
「あ、ああ…」
俺は司会者の勢いに戸惑いながらも握手に応じる。
『いぃぃぃやっほーーーーー! ありがとうございました! おし、投票に移るぜ!』
俺はこの司会者の頭を心から心配しておいた。
三分後、投票が終了した。
『それでは三位からの投票結果を発表したいと思います。三位は……アニエスさん!
二位は……ルミさん! そして第一位は………我らがキリトさんじゃーーーーー!』
「「「「「うぉぉぉぉぉ!!!!!」」」」」
まさか優勝するとは思わなかったぞ。
『キリトさんには優勝賞金が贈られます! おめでとうございます!』
「ありがとうございます」
『いえいえ、それではまた来年……会えたら会おうぜ、野郎共ーーー!』
こうして無茶苦茶なコスプレイベントは幕を閉じた。
「はぁ~~~、疲れた……」
「お疲れ様、キリトくん」
あの大会の後、みんなで宴会を行い、それも終わってつい先ほど解散したわけだ。
現在はアインクラッドの自宅にいる。
「ユイは?」
「寝室に寝かせてきたよ」
「そうか…」
ソファに座る俺の隣にアスナが座り、俺に凭れ掛かってきた。俺は彼女の頭を優しく撫でてあげる。
「でも、ホントに驚いたよ…」
「俺もだよ。ラルドさんにしてやられた」
微かに笑い合う俺達。
「ねぇ、キリトくん。その…これからも、あの服着てくれるかな///?」
「アスナが望むのなら…。そうだ、アスナ……トリック・オア・トリート…」
「えっと…、ん…んぅ、ちゅ…//////」
「んん……ふぅ、ありがとう」
「えへへ、どういたしまして//////」
俺達の甘い夜は、まだまだ続きそうだ。
キリトSide Out
END
後書きです。
はい、ハロウィンネタでした。
今回はギャグ+甘いな内容でしたね。
ギャグパートはやってしまった感がありますwww
まぁ、現在の本編には甘要素が少ないのやりたかったんです。
楽しんでいただけていれば幸いです。
では、本編にてまた・・・。
文章がバグってしまい、すいません(ペコリ)。
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番外編です。
10月31日ということで、ハロウィンネタです。
どうぞ・・・。