―――ピリリリー・・・―――
「ん・・・んん~?」
携帯の目覚まし。
それは何回も聞きなれたアラームだ。
俺、竜堂 零哉は毎回これを聞き目覚める。
「もう少し・・・寝たいな」
俺は半身だけ体を起こし、つぶやく。
俺は朝が苦手だ。
せっかくグスッリと人が眠っているのに起こされる。
どれだけ腹立たしいことか・・・
「兄様~、ご飯だよ~。早く降りてきてくださ~い」
妹の声が家中に響く。
あいかわらず朝から元気なやつだな・・・
俺は階段を降りてゆきリビングに入る。
そこには色とりどりの食事がならんでいた。
トースト、スクランブルエッグ、サラダ、フルーツなどがあった。
それは毎回見る我が家の朝の食事の光景だ。
「・・・いただきます」
俺はトーストを齧りながら、テレビを見る。
「今日は雨か・・・嫌になるな」
「そうですか?私は結構好きですよ、雨」
「お前は異常なだけだ」
「なっ!?異常って失礼です!!」
「悪かったな・・・」
妹・・・ルリとこれっと言った会話はせずに食い終わり、自分の部屋に戻り、学校の制服に着替える。
着替え終わり家から出ようとすると・・・
「待ってくださ~い、兄様~」
ルリが追いかけてきた。
「お前、本当に高校生か?」
「兄様についていったらだめなんですか?」
「もういい年なんだからいい加減に一人で行け」
「それじゃあ私はまだ小学生です♪」
あぁ言えばこう言う。
これがルリの言い訳だ。
「はぁ・・・お前はいつになったら【竜堂の跡継ぎ】という意識を持ってくれるんだ?」
「それはそれ。これはこれです♪」
まったくもってこれも同じ返し方。
なんとかこのブラコンをなくならんかね?
いつもどおりの学校。
どこにでもある普通の学校・・・と言いたいがここは普通じゃない。
この学校【カルガキア学園】は異常だ。
この学校は基本【武力・魔法】などの戦闘方法を学ぶ。
いちよう一般勉学もあるがそれはサブ。
主力は上に述べたものだ。
そしてこの学校は戦闘力・戦闘技術・特殊能力などでクラスわけを行っている。
自分で言うのもなんだが俺は1番低いクラス・・・いわば落ちこぼれクラスに在籍中だ。
まぁ自分も竜堂の端くれ・・・親からは「もうちょっと頑張ってくれ」とか言われたが、俺はやる気はない。
というかこんな無駄なことを学ぶんだったらまだ一般の学校に行きたい。
「おーし、やるぞ~」
教室に先生が入ってきた。
その先生は俺のクラスの担任で名前はセバスチャンという外人の先生だ。
外人にしては日本語はくそ上手い。
そしてこの先生は戦闘技術がすごいといわれている人だ。
たしか教師をやる前はどこかのエリート兵士をやってたとか・・・
まぁ俺には知ったことじゃない。
「おーし、今回は周りに敵しかいない・・・」
授業が始まったらしいが、俺は聞く耳もたない。
聞いたってどうしよもないんだからな。
俺は窓に目をむけ、外を眺めてると・・・・
「竜堂・・・聞いてるか?」
なにやら恐怖を感じるのだが・・・
「・・・聞いていますよ」
俺は適当に相槌うって逃げようとするが・・・
「そうか・・・なら私が今話したことをそのまま言ってもらおうか?」
・・・ヤバイ。
全然聞いていなっかたからまったく分からねー・・・
「おい・・・まさか俺の話を聞いてないとかないよな~(ニコニコ)」
「いや・・・その・・・・」
俺は言葉を探した。
ちなみに言うがこの先生、誰かが何かをやらかした場合『居残り』というなの体裁が待ち受けている。
俺も何度か受けたことはあるが、あれだけはなれない。
というかなれたくない。
あれを思い出すだけで鳥肌がいまだにたつんだよな~・・・
「そ、そうです!『敵に囲まれたときに役立つ逃げ方』です!!」
「ちっ・・・。正解だ」
そういってセバスチャンは黒板の前にまた戻っていく。
それにしてもあの教師今、舌打ちしたよな?
それは教師としてどうかと思うが・・・
まぁなんにせよ、助かった。
俺は隣の席の女子を見る。
「ありがとな、ティラ」
「いえいえ、どういたしまして」
彼女は微笑んで返す。
彼女の名は『ティラ・スフィリクス』だ。
才色兼備で成績優秀、さらにはスポーツ万能という完璧人間なのだ。
どうしてこのクラスに?というがあくまでもここは武力などを主力とした学校。
こいつは戦闘になるとクソ弱いのでこのクラスに来ている。
「はぁ・・・それにしても俺たちがこんなことを学んだって意味がないと思うが・・・・」
「仕方ないよ。それがこの学校だもん」
「お前はもうあきらめているのか?」
「なかば・・・・ね」
ティラはいう。
「逆に零哉君はまだあきらめてないの?」
「あぁ、俺は今でも親父とお袋に頼んでいる」
まぁ、まったく相手にされてないがな・・・
「ふーん・・・」
ティラは一瞬、ほんの一瞬だけ悲しい顔になった。
だがすぐにそんな顔は消え、いつもと同じ笑顔だけの顔に戻った。
「よ~し、今日の授業はここまで。しっかり復習するように」
そして今日の授業が終わった。
俺が帰り支度をしているとティラに呼び止められた。
「少し世間話でもしようか?」
そう言ったティラは俺を引きずって中庭に連れて行く。
「なんだよ?俺はかえりたいんだが・・・」
「いいから、いいから」
そういってティラは中庭に置いてあるベンチに腰をかける。
「ほら零哉君も腰をかけたら?」
「長くなるか?」
「多分」
「そうか・・・」
俺はあきらめてベンチに座る。
「それで、世間話って言うのは?」
「零哉君って家族がいなくなった時、どう思う?」
「は?」
こいつはいきなり何を言っているんだ?
家族がいなくなった時?
何が言いたいんだ?
「いきなりだけど聞かせて。どう思う?そしてその後どうする?」
・・・なんつーか、目がマジで怖いんですけど・・・・
「・・・多分、悲しむだろうな。なんやかんだであれでも俺の家族だしな」
「そう・・・」
俺がそう言うとティラは少し悲しんだ顔を作る。
「それでその後、どうするの?」
「分からない・・・ただ、【復讐】するかもしれない」
「・・・」
ティラは顔をうつむかせる。
彼女が今いったいどんな顔をしているのか分からない。
「話はそれだけか?」
「えっ!?あ・・・なんか、ごめんね。変なこと聞いちゃって・・・・」
「まぁ別に気にしてないから。それにお前がオカシな事なのはいつものことだからな」
俺は笑いながら返事を返す。
「なっ!?いつもおかしいってどうゆうこと!?」
「そのままの意味だ」
「フ、フフフフ・・・レイヤ君には少しお説教だね・・・・フフフフフフフフフ」
「ちょっ!お前、怒ってますよオーラがすごいでているんだが!?」
「当たり前じゃん!あんなこと言われたら誰だって怒るよ!?」
その後俺は、中庭に正座をさせられ、2時間ぐらい怒られた。
・・・だるかった。
――――そして今夜、あの事件がおこったんだ――――
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第二十四話です
そういえばこの小説にはマジェコンヌが一回も出てきてなかったという・・・
まっ、今さらかよって話ですけどね
さて今回は過去編です
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