「一夏、またきつねうどんか。」
昼休み、一夏、箒、セシリア、鈴、シャルロット、ラウラの5人は食堂で食事を取っていたのだが、一夏が今日に限って朝も昼もきつねうどんを食べていることにさすがに箒も驚いていた。
「珍しいね、一夏はいつも健康に気を使っているのに。」
「嫁よ、どこか身体が悪いのか?」
「あんたなんか変なもの食ったんじゃないの。」
「もし身体が悪いようであれば私が手料理を「「「「それはだめ。」」」」酷いですわ。」
「いや、どこも悪くないから。ただ・・・・・・」
「「「「「ただ?」」」」」
「昔のゆめを見てな。」
一夏の話に皆は気になって聞きだした。そしてテーブルに座り一夏の話を聞いた。
「で、何なのよその昔話って?」
「ああ。あれは箒が転校する少し前のことなんだがな、俺は一人公園のベンチで座ってたんだ。何もしないでボーとしてたら弱っている白と紅の紐に大きな鈴を首に巻きつけている白い狐がいたんだよな。俺はそいつに駆け寄って給食の残りのパンをやったんだ。そいつは元気に『コーン』て鳴いたんだ。そこまでは普通なんだが・・・」
「そこから何があったんだ?」
「そいつが言ったんだ。日本語で『ありがとう』て。」
「「「「「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・え。」」」」」
一夏の言葉に5人は驚いた。狐が、人に、日本語で、話したんだから。さすがに信じがたい話に物も言えなくなった。
「一夏、頭大丈夫?」
「そもそも狐が話すなど信じれん。」
「そうだね。普通そうだよね。」
「さすがの私も信じられませんわ。」
「右に同じく。」
「いやいやいやいやいやいやいやいやいやいや、これ本当の話しだしまだ続きあるし。」
「ほう、ではその話を聞こう。」
にわかに信じてない5人にムカつきながらも一夏は話の続きを離す。
「それで狐がいったんだ。『今度あった御礼するね。』て。そのときに千冬姉が俺を呼ぶ声がしたんだ。千冬姉の方を向いた後もう一度狐の方を見たら・・・・・・・」
「「「「「見たら?」」」」」
「いなくなってたんだ。夢かと思って頬をつねったんだが本当に痛かったんだ。」
「不思議な話もあるんだな。」
一夏の話に箒は共感した。一夏は話し終えてふと外をむいた。そのとき、走っている千冬姉の姿が目に入った。
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食堂で朝も昼もきつねうどんを食べる一夏に5人は疑問に思う。そして一夏の昔話を聞く。