No.447765

東方霧雨兄録 其の四

春風さん

東方霧雨兄録の其の四です。楽しんで頂けたら嬉しいです。

2012-07-07 01:15:32 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:902   閲覧ユーザー数:892

空を眺める流星。今夜の星は今までの中でも一番多く 感じられる。

 

又1つ流れ星が降る、ふと少し向こうの方で流星と同 じく空を眺める三月精の三妖精が居る。

 

流星は立ち上がり三妖精の方へ行く。三妖精のサニー とルナ・チャイルドとスターサファイアは流星の方を 向いた。

 

「流れ星にお願いすると願いが叶うと言うけど三人は 何かお願い事をしたかい?」

 

それを聞いて最初に応えてきたのはスターサファイア 。サニーとルナの肩に手を置きスターは流星の方を向 いた。

 

「何時も私達三人が共に居れる事、それをお願いした よ」

 

サニーとルナも頷く。流星は空を見て三妖精に語りか けた。

 

「そうか、共に居れる事か。共に居たいとよく魔理沙 がお願いしてたのを思い出すよ」

 

サニーが流星の袖を引っ張る。流星はサニーの方を向 いた。そしてサニーは不思議そうな感じで流星に問い かけた。

 

「魔理沙と貴方はどんな繋がりがあるの?」

 

「魔理沙の兄だよ」

 

「そんな話し一度も聞いた事がなかったわ。魔理沙に お兄さんが居たなんて」

 

流星はポケットからキーホルダーを出しそれをサニー に見せた。ルナとスターも其れを見る。

 

「魔理沙と別れる少し前に兄弟の象徴として作った北 斗七星をイメージしたキーホルダーだよ」

 

星に照らされ七色の星が綺麗に輝く。三妖精は其れを 見て空の方を向いた。

 

「そんな星が在るなんて知らなかった。何処に在るの ?」

 

「今は見えるか分からないけど見えると凄く綺麗だよ 」

 

流星はキーホルダーをしまい森の中へと歩いて行く。 サニーが咄嗟に流星に語りかける。

 

「何処かへ行ったら駄目だよ」

 

「魔理沙が何処に居るか分かったんだ」

 

流星は其れだけを言い森の中へと消えて行った。

 

三妖精は流星の歩いて行った方を見てる。そして少し 後ろの方で帰って来ていた魔理沙が其所に居た。

 

「今の兄貴だよな」

 

三妖精は其の言葉に驚き直ぐに魔理沙の方を向いた。 サニーが直ぐに魔理沙を流星が行った方へと引っ張る 。

 

「今ならまだ間に合うわ」

 

「大丈夫だぜ。私も兄貴が何処へ行ったか分かってい るから」

 

魔理沙は箒に乗ってもうスピードで飛んで行った。サ ニーは突風で少し後ろへ飛んだ。

 

ルナとスターがサニーの方へ行く。サニーは立ち上が り空の方を又見た。

 

「早く会えると良いね」

 

不思議と其の様な事を言うサニー。何でか二人の事が 気になっている様だ。

 

そして再び魔理沙と約束した場所に流星は居る。草原 に座りひたすらと星を見てる。

 

「魔理沙は帰ってしまったのか」

 

もどれば魔理沙は居るだろう。だが流星は暫く空の星 を眺め続けている。

 

「そう言えば昔からよく魔理沙とは入れ違いになった ものだな、其れでよく魔理沙を怒らせてしまったもん だ」

 

流星と魔理沙が小さかった頃を思い出す。長い歳月が 過ぎても其れだけは変わらない様だ。

 

だからこそ兄弟の象徴として二つのキーホルダーを作 った。幻想郷を離れ再び会う事を願い。

 

空の星が一段と綺麗に見えて来た。これ程の星だとも しかしたら北斗七星が見えるかも知れないと思い空を 見る。

 

「まだ、見えないな」

 

流星は立ち上がり戻ろうとした。

 

その時

 

「兄貴!」

 

凄く懐かしい声が聞こえる。最後にこの場所で聞いた 十年前の記憶を思い出さされながら流星は其の声のす る方を振り向いた。


 
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