No.400758

機動戦士ガンダムSEED白式 05

トモヒロさん

5話

2012-03-31 22:49:16 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:3508   閲覧ユーザー数:3393

フェイズシフトダウン・シールドエネルギーエンプティー

 

 戦闘が始まった。アークエンジェルから無数のミサイルが後方のMSに放たれる。その後、ストライクが直ぐに発進し、ザフトのMSを迎え撃つ。

 その頃、一夏は前方のナスカ級を叩くため、フットペダルに力を入れる。

 PPPPPPPPPッ!! 

 

 「アラート!?、前から?…何か来る!」

 

 一夏は白式のハイパーセンサーで数百メートル先にいるであろう敵の姿を捉える。

 

 「赤い色のMS!?ヘリオポリスにいたアイツか!」

 

 先手必勝。一夏はビームライフルを構え、赤いMS、イージスを狙う。そして、トリガーを引き、ライフルの銃口から緑色の閃光が走った。

 しかし、それはイージスにかすりもせず、イージスの真上、50mの位置を飛ぶ。

 

 「外した!?」

 「もうこちらを察知したのか。だが、当たらなければ意味がない!」

 

 今後はアスランが牽制にビームライフルを撃つ。一夏の時とは違い、それは白式の肩へかすり、シールドエネルギーが少し減る。

 

 「当たった!?、何で!」

 「白い機体…アレがミゲルを撃ったMSか」

 

 そして、お互いライフルを構え、ビームを放つ。閃光が交差し、白式とイージスはソレを避ける。

 その時アークエンジェルの方からビームとは別の光が見えた。

 

 「アークエンジェルが…!?」

 

 攻撃されている。ストライクの方はデュエルの相手で精一杯らしく、他の相手に手が回っていない。一夏は白式の方向を変え、アークエンジェルへと戻ろうとするが、ソレをイージスに妨げられる。

 イージスはビームサーベルを抜き、白式に斬りかかるが、白式は雪片を構え、それを受け止める。

 

 バシュッ…!!

 「ッ…!邪魔をするなぁ!」

 「子供!?」

 

 接触回線により聞こえた声にアスランは驚愕した。自分達の様なコーディネーターなら兎も角、地球軍のMSパイロットが自分とそう変わらなさそうな少年だった事にだ。

 

 (なら、彼もコーディネーターなのか…?)

 

 PPP!!

 

 (ッ!)

 

 突然、イージスに通信が入る。発信源は目の前のMSの様だ。しかしコレは、あのパイロットが何者なのか知る絶好の機会だ。

 アスランはイージスの回線を開くと、サブモニターに黒髪の少年が現れた。

 

 「ッ⁉、お前が、そのMSのパイロットなのか!?」

 

 回線が開いた一夏は、対峙していた赤いMSのパイロットが自分とそう変わらない子供だという事に驚いく。

 

 「そうだが?何故そこまで驚く?」

 「いや…てっきりベテランっぽいおっさんが乗っているのかと…」

 「見た目で人を判断しては、足下をすくわれるぞ!」

 「うわッ⁉」

 

 ブゥン!!

 イージスはサーベルを再び振り上げ、白式のコックピットを狙う。しかし白式はコレをギリギリで交わし、イージスがサーベルを振り切ったウェイトを雪片で狙うが、イージスは手首を返しそれを受け止めた。

 

 「いい反応だ。やはりお前はコーディネーターなのか?」

 「違う、俺はナチュラルだ!」

 「…そうか、お前みたいな子供がMSに乗っているから、まさかと思ったんだがな…」

 「子供って…そっちだってそう変わらないじゃないか!」

 「コーディネーターはナチュラルと違って、優秀なんだ。一緒にするな!」

 「そうやって、お前達は、ナチュラルを見下して!」

 「それはお前達も同じだろ!お前達も俺達をバケモノと呼ぶ!」

 

 サーベルのビームが弾け、白式とイージスが離れる。

 そこへ、後方で戦闘をしていたはずのストライクとデュエルが白式とイージスの間を通り過ぎる。

 

 「キラ!」

 「え?!」

 

 イージスはバーニアを吹かし、デュエルと共にストライクを追った。その少し遅れて、白式がイージスの後ろに付きまとう。

 

 「待て!何でお前が、キラさんを知っているんだ!?」

 

 返答がない。アスランはイージスの回線はストライクを追い始めた時に、既に切っていたのだ。

 アスランは追って来ている白式の事など気にせず、キラの乗るストライクへと向かう。

 そこに、アークエンジェルを撃沈させるのが困難と判断したのか、残りのブリッツとバスターが合流する。

 ストライクはGシリーズ3機の攻撃をかわし続け、ビームライフルを撃つが3機のGは難なくそれを交わしていた。

 

 「もらったぁ!!」

 「ッしまった!?」

 

 デュエルがストライクの背後をとり、コックピット目掛けビームライフルを撃つ。しかし、その間に割り込む、白い影があった。

 

 「させるかぁ!!」

 「一夏!」

 

 一夏は装備していたシールドでビームを弾く。白式はストライクと背中合わせでいた。

 

 「アスラン!こいつか?ミゲルを殺ったMSってのは」

 「あぁ、パイロットはナチュラルの子供だ」

 「子供だと!?」

 「だが、あの機体、油断はするな!」

 

 デュエルは白式へと斬りかかり、ストライクと分断する。ストライクにはイージスとブリッツが向かい、白式にはデュエルとバスターがついて来た。

 

 「フン、ナチュラルのガキとやら、ミゲルを倒したその力、俺に見せてみろ!」

 「クッ!」

 

 しかし、そこでアークエンジェルから一条の光が流れた。ローエングリーン、その光はヴェサリウスの側板を焼く。

 

 「ヴェサリウスが!?」

 

 そして、アークエンジェルから帰還信号が打ち上げられ、ストライクと白式はアークエンジェルへと退く。

 

 「させるかよ、こいつだけでも!!」

 

 だが、デュエルがそれを阻む。ストライクは慌てて、ライフルを放つが、デュエルはそれをいとも簡単に避けていく。

 

 「もらったぁ!!」

 

 デュエルはビームサーベルを振るい、ストライクのビームライフルを切り捨てた。

 

 「ああああああああ!!!?」

 「キラさん!」

 「おぉっと!お前の相手は俺だぜ」

 

 一夏は、バスターの砲身がこっちに向いているのに気が付かず、ビームランチャーが白式の腹部に直撃してしまう。

 

 「うぁあああああああ!!?」

 

 シールドエネルギーが大きく激減し、残り90を切る。一夏は自らに死が近づいてくるのを感じた。

 

 「ちょ、ビームに耐えるなんて反則なんじゃない!?」

 「いえ、そうでもないみたいですよ。あのMS、腹部にヒビが入っています。もう一押しの筈です」

 

 ブリッツのシールドの下からアンカーが顔を覗かせ、白式のヒビの隙間を狙う。

 

 「一夏ぁ!」

 

 キラは咄嗟にエールストライカーを切り離し、白式を狙うブリッツに向けて射出する。そして、それは見事にブリッツへと激突し隣接していたバスターを巻き添えにした。

 しかし、エールストライカーを切り離した事によって、ストライクのバッテリーが激減し、フェイズシフト装甲がダウンする。

 

 「なら、貴様から始末してやる!」

 

 今度はデュエルがストライクに斬りかかる。だが、デュエルのサーベルは、あとちょっとの処で、ストライクをイージスが捕獲し、そのサーベルは何もない空間を斬った。

 

 「アスラン!どういうつもりだ!!」

 「この機体を捕獲する」

 「おいおい、命令は撃破の筈だぜ?」

 「捕獲できるならその方がいい」

 

 ストライクはそのまま、イージスに攫われてしまった。

 

 (キラさん!…俺は、…何も出来なかった…。キラさんの足を引っ張って…俺は!)

 

 己の無力さに嘆く一夏に、モニターから見知らぬインフォが表示される。

 

 『エールストライカー装備可能』

 「え?エールストライカーって…ストライクの背中に付いてた、あれか!」

 

 一夏はすぐさま、「確認」をタッチすると、白式のツインアイが光る。

 

 「ッ⁉ディアッカ!あの白いのがまた動き出しますよ!」

 「何!?」

 

 ディアッカ達が気づいた時には、もう遅かった。白式の翼が消え、そこにエールストライカーのプラグが接続される。刹那、白式のシールドエネルギーが回復し、腹部の傷が癒えていく。

 

 「装甲が回復しただと!?」

 「なんつぅ出鱈目な…」

 「二人共気を付けて!奴が来ます!」

 

 一夏は白式の新たな力に驚きを隠せないでいた。何せ、ストライクの使っていた武装が白式でも使えたのだから。もともとISは使用者が許可を出せば、相手の装備を使う事ができ、ビームライフルやシールドもそれと同じだったのだが、まさかストライカーパックまで使えるとは思っても見なかったのだが、コレは嬉しい誤算である。

 一夏はイージスへ向け、出力を最大にし、瞬時加速(イグニッションブースト)で一気に飛翔した。

 


 
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